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インフラ復旧(道路)

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第2章 災害対応活動

2.3 インフラ復旧(道路)

2.3.1 道路の被害状況

3月11日14時46分の本震、その後の余震、さらに津波の襲来により、太平洋海岸沿いの国道を中心とし て甚大な被害が発生した。ここでは高速道路、幹線道路を対象に、被害状況及び復旧状況ついて概述する。

(1) 広域幹線道路

東北自動車道については、道路や路面の隆起、亀裂の発生等により地震発生後ほぼ全域で通行止めと なった。東日本高速道路(株)が管理している高速道路等において、交通の支障となる被害を受けた路線は 表2.3-1のとおりである。表から分かるとおり、太平洋沿岸地域だけでなく、内陸部、さらに首都圏まで 高速道路等の被害は発生し、延べ約870kmの区間で交通に支障が生じたことから、極めて広範囲にわたっ て高速道路網の被害が発生したことが把握できる。

この他にも、首都高速道路でジョイント・路面損傷などの被害が発生した。

表2.3-1 東日本高速道路(株)の高速道路等において交通の支障となる被害を受けた路線と被害概況 交通の支障が生じた

区間の延長(km)

被害区分(箇所)

路面の クラック

ジョイント

部段差 路面陥没 路面段差 その他

東北自動車道 347.1 27 26 7 61 有

釜石自動車道 7.7 2

山形自動車道 28.1 1 5

東北中央自動車道 6.6 1

磐越自動車道 85.5 13 6 4 5 有

関越自動車道 11.8 有

上信越自動車道 15 1

常磐自動車道 166.4 29 2 2 14 有

館山自動車道 7.5 1 有

東関東自動車道 63.1 13 5 2 20 有

東京外環自動車道 0.9 有

北関東自動車道 45.8 3 3 50

仙台北部道路 11.8 1

仙台東部道路 18.5 1 7 1 5 有

三陸自動車道 4 4

東水戸道路 10.2 2 3 5 有

京葉道路 6.4 5 2 4 有

東京湾アクアライン 15.1 有

富津館山道路 4.1 1

圏央道 14.2 3 1 2 有

計 20 路線 869.8 97 56 23 174 -

※東日本高速道路(株):記者発表資料「東北地方太平洋沖地震による高速道路等の被害と復旧状況について」、 2012年3月24日をもとに作成

また、主要な広域幹線道路についてみると、3月12日12時時点で、国土交通省東北地方整備局(以後、

「東北地整」)の管理延長2,830kmのうち点検済みが2,230km(79%)の段階で、表2.3-2に示したとおり、

全面通行止めが8路線(4,6,13,45,108,283号、日沿道、三陸道)で43箇所発生していることが確認された。

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表2.3-2 全面通行止めとなった路線と被害の状況

路線 通行止め 箇所数

被害状況 上部工流出 段差・ジョイ

ント

クラック 路面陥没 法面崩壊 津波・冠水・

浸水

その他・不 明

4号 1 1

6号 24 10 2 2 2 8

13号 1 1

45号 13 6 1 2 4

108号 1 1

283号 1 1

日沿道 1 1

三陸道 1 1

計 43

※東北地方整備局:「地震災害情報(第11報)、2011年3月12日12時00分」をもとに作成

このうち、沿岸地域を縦貫する6号、45号は早期の点検活動が出来ない状況にあっただけでなく、実際 に通行が十分に出来ない状況にあった。なお、沿岸部の基幹道路である国道45号では陸前高田市の気仙大 橋等が流出し、沿岸部での道路ネットワークに支障をきたした。

図2.3-1 道路被害状況等(3月14日17時現在)

出典:東北地方整備局:「東北地方太平洋沖地震による道路被害状況等について 平成23年3月14日(月)17時00 分 現在」

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東北地方太平洋沖地震において震度6弱以上を観測した市町村がある県は、岩手県、宮城県、福島県、

茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県であり、太平洋沿岸の県が多い。また、震度7を観測した市町 村数は1、震度6強が37市町村、震度6弱が75市町村である。このように強い揺れが広範囲に観測され、路 面の段差、陥没、橋梁の支承やジョイント部の損傷は多数発生したものの、阪神・淡路大震災時における 高架橋の落橋、橋脚倒壊等の大規模被害は発生しなかった。

(2) 幹線道路

県管理道路について県別にみた被害概況は下記のとおりである。

岩手県:県管理道路の450箇所、橋梁は27箇所で被害が発生し、県管理国道、県道50路線68箇所が全面通 行止めとなった。

宮城県:県管理道路の通行規制箇所は110路線・274カ所であり、8橋が落橋、23橋梁で渋滞な被害が発生 したため、広い範囲で交通網が遮断された。

福島県:県管理道路のうち622箇所(警戒区域及び計画的避難区域の一部を除く)、橋梁は37箇所(うち落 橋14箇所)で被害が発生した。

2.3.2 広域幹線道路及び幹線道路の応急復旧

阪神・淡路大震災は直下型地震であり、国土の動脈が集中する阪神地域を中心に、山陽自動車道、阪神 高速、国道2号、国道43号といった幹線道路が落橋、倒壊等の壊滅的な被害を受けた。このため、これら の復旧には、高架橋の安全確保のための応急措置、残存施設の撤去等に大量の大規模建設機械と専門技術 力の投入が行われた。

しかしながら被害が大きかったこともあり、復旧には長期間を要した。たとえば、国道2号のうち浜手 バイパスでは橋桁が山側に移動・主桁が大きくねじれて変形する被害を受け、供用が再開したのは平成8 年5月2日である。また、国道43号で高架橋が倒壊した岩屋地区での供用再開は平成8年2月19日である。

一方、東日本大震災では、津波による橋梁の落橋・流出は発生したものの、地震規模が大きかった割に は比較的軽微な被害にとどまった。そのため、残存構造物の安全を確保するための応急措置等に大規模、

高度な建設技術力を投入する場面は、高速道路の短時間での応急復旧、国道45号の仮設橋設置等の比較的 少ない場面に限られていた。

以下、広域幹線道路等の応急復旧状況について述べる。

(1) 高速道路

東日本高速道路(株)では被害を受けた20路線のうち東北道などの主要路線を中心として、路面の段差や ひび割れを砕石等により補修する「緊急復旧工事」を実施したことにより、発災翌日早朝までに緊急交通 路としての機能を確保した。これにより、自衛隊、消防隊等の災害支援の緊急車両が通行可能な状態と なった(表2.3-3)。

さらに一般交通への開放に向けて、段差すり付け、陥没補修などを実施して舗装の耐久性を確保、ある いは密粒アスファルトでなだからにすり付けることによる走行環境を確保するための「応急復旧工事」が 続けられた。

緊急車両の通行を確保しながら路面の段差修正などが急ピッチで進められ、徐々に通行可能車種や区間 を拡大させながら、発災より13日後の3月24日には東北道が、21日後の4月1日には常磐道が全線で一般交 通に解放された(原発事故で立ち入りができない区間を除く)。

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表2.3-3 東北道及び常磐道の復旧経緯

時間経過 東北道 常磐道

発災当日(3/11) 全線通行止め・点検実施 全線通行止め・点検実施 発災翌日(3/12) 緊急車両通行可能(浦和IC~

碇ヶ関IC)

通行止め解除(碇ヶ関IC~青 森IC

緊急車両通行可能(三郷JCT

~いわき中央IC)

発災5日後(3/16) 一般車両通行可(三郷JCT~

水戸IC)

以後、徐々に通行可能車種・区間を拡大

発災11日後(3/22) 大型車両等通行可能(宇都宮 IC~一関IC)

発災13日後(3/24) 全線一般車両通行可能

発災21日後(4/1) 全線一般車両通行可能(原発

規制区間除く)

※国土交通省:「東北地方太平洋沖地震の被災状況等と道路の役割について(平成23年4月18日)」をもとに作成

なお、この復旧スピードの速さについては、それを絶賛する海外での報道が話題になった。

図2.3-2 高速道路復旧に関する海外報道の紹介例

出典:日経トレンディネット2011.3.31版「英国における「東日本大震災」報道と英国民のリアクション」

このような早期の応急普及が可能となったのは、橋脚の倒壊や落橋等、構造物の致命的な損傷が生じな かったことが大きいが、後述(3.4.2で「公益企業」として東日本高速道路㈱を取り上げる。)するように、

・グループ企業による速やかな被災状況の把握がなされた

・高速道路総合技術研究所の専門技術者による応急復旧方針等のアドバイスがあった ことに加え、

・災害協定を締結していた(社)日本土木工業協会(現日建連)東北支部、(社)日本道路建設業協会 東北支部等の会員企業により機動的な応急復旧工事の実施体制の確保が図られた

こともその要因と考えられる。

なお、被災前の高速道路のサービス水準に戻す「本復旧」は、2011年9月から東北支社管内の一部路線

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で着手され、完了は地震発生後約22ヶ月後の2012年12月を予定している。なお、阪神・淡路大震災におけ る阪神高速道路の本復旧完了は、地震発生後約21ヶ月後の1996年9月末であった。

(2) 直轄国道

内陸部の国道6号は発災翌日から一部迂回路を伴うものの緊急輸送路としての役割を果たし、7日後には 全線通行可能となった。一方、沿岸部の国道45号については、「くしの歯」作戦第3ステップの啓開作業に より発災7日後には迂回路を織り込みながら97%の区間が通行可能となり、この時点をもって道路啓開はお おむね終了し、応急復旧段階へと移行している。

図2.3-3 東日本大震災における交通関係の復旧状況の推移

出典:国土交通省高速道路のあり方検討有識者委員会:「東日本大震災を踏まえた緊急提言」、2011年7月14日

国道45号については、上部工が流出した歌津大橋区間は並行する一般県道236号及び南三陸町道伊里前 前線をう回路として応急的に使用していたが、応急復旧に当たっては、このう回路区間を直轄国道に区域 編入し、幅員狭小区間の一部拡幅等を実施した。橋梁損傷個所の復旧、応急組み立て橋の活用(国交省2 橋、自衛隊1橋)等によって長大橋が被災した2区間(小泉大橋、気仙大橋)を除き4月10日(発災30日 後)までに広域迂回を解消した。

その後、小泉大橋については6月26日、気仙大橋については地震から約1ケ月後に仮橋設置工事が実施 され7月10日(発災121日後)に、それぞれ仮橋の設置により広域迂回を解消し、応急復旧を完了している。

なお、国道45号の本復旧については、復旧計画について沿岸部被災地域の復興計画との調整が進められ ている。

緊急復旧・応急復旧に際しては、東北地整並びに全国の地方整備局等の応援であるTEC-FORCEが震災3日 目から現地で被災状況把握を行っている。TEC-FORCEはピーク時で63班・255人、延べでは1万4千人日以上 が動員されている。被害状況調査にとどまらず、災害対策用機械の作業支援、通信確保等が行われた。特 に通信回線が非常に悪かったため、現場との通信回線を確保できたことは、的確な判断をするために重要 であったと考えられる。その他にも、津波により被災を受けたJRとの立体交差部において、線路上の仮設

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