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付録 地図投影法

ドキュメント内 種々の射影と地図作成への応用 (ページ 85-88)

 この章では,資料[10],[14],[16],[2],[7]をもとに地図投影に用いら れる用語と,第5章で扱われなかった様々な地図投影法を紹介する.

6.1 分類と命名

 地図投影法の名称は「メルカトル図法」のように発明者等の名前によ るものと「正距方位図法」のように性質または投影の光源の位置に,投 影面(地図)の形状を足した名前によるものが多い.

 性質を表す語としては次のものがある.

・正積(equα1一αreα):面積が正しく表現されるものである。すなわち,

地球上の任意の点のまわりの同じ微小図形が,地図上で同面積で表され

るものである.

・正角(con!ormal):角が正しいものである.すなわち,地球上の任意 の点から出る微小線分のなす角が,地球上で同じ角で表現されるもので

ある.

・正距(eqZLidistant):何らかの基準(方位図法では中心,円錐図法・円 筒図法では標準緯線)からの距離が正しく表現される図法である.

 光源の位置を表す語は次の例による.

・心射:光源が地球の中心にある場合を言う.

・平射:光源が基準点と反対側の地球表面にある場合を言う.

・正射:光源が基準点と反対側の無限遠点にある場合を言う.すなわち平 行光による投影のことである.

第6章 付録:地図投影法 85

6.2 様々な地図投影法

 地図投影法は形状によって分類される.ここでいう形状とは,投影面

(地図)の地球に合わせたときの形状である.

 [方位図法]

 方位図法とは,ある基準点からの方位が正しい図法である.投影面は 基準点で地球表面に接する平面である.正軸法の場合は,基準点がどち

らかの極であり,緯線が同心円として描かれ,経線がその極から放射状 に延びる直線として描かれ,2っの緯線のなす角が経度の差に等しい.世 界図は円形となる.

1.正距方位図法

 正距方位図法は,中心からの距離と方位が正しく記され,地球全体が 四角形ではなく真円の形で表される地図投影法である.距離については,

中心から任意の点までの距離は,その任意の点から中心までの距離と等 しくなるが,方位については注意が必要である.中心に対し,地球の裏側 に当たる一点が円周となり,円周に近づくほど引き延ばされるため,ひ ずみが大きい,

[用途]飛行機の最短経路や方位を見るために使われる.世界大地図帳

[10]では,北極・南極周辺を表す地図に用いられている.

2.ランベルト正積方位図法

 ランベルト正積方位図法とは,方位図法の一種であり,かつ正積図法 の性質を持つ.北極点もしくは南極点を基準点とした場合,経線は中心 から放射状に,緯線は基準点を中心とする同心円状に描かれる.面積が 正しく表されるよう,緯線の間隔は特に図の外側で狭くなっている,

[用途]中心付近の歪みは比較的小さいので,大陸図や分布図に用いら れる.世界大地図帳[10]では,アジア,アフリカ,アメリカなど様々な地 域で用いられている.

3.心射方位図法

 地球の中心に光源を置いて平面に投射する図法である.有効範囲が地 球表面の25%と狭く,しかも中心から離れるにつれてひずみが大きくな るため,広い地域の投影には向いていない.特に面積や形状の正確さを 求める場合には避けるべきである.しかし,任意の大圏コースを直線で 表すことができるため,用途としては航法図に適している.また,地震 学や海軍などでも用いられている.

4.平射方位図法(正角方位図法)

第6章 付録:地図投影法 86  投影面と反対側の地表に光源を置いて平面に投影する図法である.地 球表面の半分を投影することができる.中心から離れるにつれて距離と 面積が拡大されていくが,心射方位図法ほどではない.正角図法なので 部分ごとに見れば正しい形状をしている.また,ステレオ図法とも呼ば れている.用途としては,世界の半分を円形に投影したい場合や航空図

に適している.

5.正射方位図法

 地球からはるか遠方に光源を置いて平面に投影する図法である.横軸 法の場合,緯線が水平に表される.地図としてはいずれの性質もひずみ

が大きい.

[用途]遠方から地球を眺めた状態に近いため,地球の半球の外観図と して優れている.

 これら以外にも以下の方位図法が考案されている.

6.馬射方位図法 7.異種外型方位図法

 [円筒図法]

 円筒図法とは,投影面が地球に巻き付けた円筒状になる図法である.

正軸法の場合,接線は赤道,経線が等間隔かつ平行な直線として描かれ,

緯線がこれらに直交する直線として描かれる.世界図は長方形となる.

1.メルカトル図法(正角)

 1569年にフランドル地方出身のメルカトルが考案した正角円筒図法で ある.経緯線は垂直線と水平線で表される.赤道付近でのひずみは小さ くなる.経線方向のひずみと緯線方向のひずみが等しくなるように,緯 線間隔を補正して正角にしている.高緯度を地方は極端に拡大され,極 を表すことはできず,ひずみの限界を考えて上下85度までを投影する,

 航海においては,2地点間に直線を引いて経線となす角度を測り,コン パスを見ながら常にこの角度へ舵を合わせて進んでいけばよい.この航 路は航程線と言われ,大圏コースではないが,舵取が容易であるため海 図に広く使用された.世界大地図帳[10]では,マレーシア,インドネシ ア主要部,アフリカ中東部の地図に用いられている.

2.ランベルト正積円筒図法

 ランベルト正積円筒図法は,縦方向には間隔が一定の経線,横方向に は高緯度ほど間隔が狭まる緯線が描かれている.経線と緯線はどこも直

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