平成 28 年度 第3回 北九州在宅医療・介護塾研修会
2. 介護支援専門員の資格要件
(1)医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療 法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、
歯科衛生士、言語聴覚士、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道 整復士、栄養士、または精神保健福祉士
(2)介護支援専門員として任用されるには都道府県の実施する「介護支援専 門員実務研修」を受講し登録する必要がある。
(3)研修を受講するために「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しな ければならない。
(4)受験資格には上記の法廷資格などで5年以上の実務経験が必要。
3 . 介護支援専門員の仕事
介護保険において要支援・要介護と認定された人に対して、アセスメ ント(課題整理)に基づいたケアプランを作成し、ケアマネジメントを 行う。
介護全般に関する相談援助・関係機関との連絡調整・介護保険の 給付管理(サービス実績の確認と給付管理表の作成)
第10回北九州塾研修会 2016/10/20
介護支援専門員 岩田 和也 3
介護支援専門員の仕事内容って?
介護を必要とする方や家族からの相談に応じたりアドバイスをする。
介護保険の申請の手続きや更新申請の代行をする。
利用者の希望にそったケアプランの作成をする。
医療機関、サービス事業者やその他関係機関との連絡調整をする。
利用者の心身の状況の変化を把握し、必要に応じてケアプランの見直しを 行います。
ケアマネジメントって?
アセスメント 疾病・生活状況・障害・社 会とのかかわり・認知・介 護負担・虐待等の課題の
把握 援助目標
課題解決に向けて具体的 達成目標を決める
ケアプランの作成 サービス担当者会議
本人および関係者全員で 支援内容を確認し、目標 達成に向けた意思統一 サービスの実施
サービスを実施したうえで の効果等、報告等で情報
を集約、共有を行う モニタリング・評価 実際にケアプランにそった
支援を行って状況がどう 変わったか等の確認
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介護支援専門員 岩田 和也 4
利用者を取り巻く課題を整理
利用者
生活歴 生活習慣
こだわり
心身機能 日常の生活
動作 経済状況
介護力
家族関係
環境
よくある勘違いな支援構成
医師
利用者
医師を常に頂点としてチーム形成
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介護支援専門員 岩田 和也 5
理想的なチームケアって?
利用者
家族
医師
看護師 歯科衛生 歯科医
士 ヘルパー
リハビリ
(PT・OT)
民生委員
近隣住民 行政
行政
理想的なチームケアって?
利用者
家族
医師
看護師 歯科衛生 歯科医
士 ヘルパー
リハビリ
(PT・OT)
民生委員
近隣住民 行政
行政
その利用者の生活課題を解決するために必要な支援チームが構築され、
みな同じ意識をもって、利用者に対して、それぞれのできる範囲での支 援を継続的に行っていくこと。
その利用者の生活課題を解決するために必要な支援チームが構築され、
みな同じ意識をもって、利用者に対して、それぞれのできる範囲での支 援を継続的に行っていくこと。
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介護支援専門員 岩田 和也 6
ケアマネジメントにおいての課題として指摘されている課題
・利用者像や課題に応じた適切なアセスメントができていないの ではないか。
・サービス担当者会議における他職種協働が十分に機能してい ないのではないか。
・医療関係職種との連携が不十分なのではないか。
・施設におけるケアマネジャーの役割が不明確なのではないか。
・介護保険法の目的・理念としては、高齢者が要介護状態等になっても、尊 厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 必要な支援を行うこと。
・そのため、保険給付は、要介護状態の維持・改善に資するように行われ、
利用者本位による保険・医療・福祉サービスが、総合的かつ効率的に提供さ れなければならない。
・一方、利用者についても努力義務が唱われており、自ら要介護状態となる ことの予防のため、健康の保持増進に努めることや要介護状態になった場 合であっても、進んでリハビリテーションやその他の適切なサービスを利用す ることで、自らが有する能力の維持向上に努めることとされている。
・介護支援専門員は、利用者が自立した日常生活を営むのに必要な援助に 関する専門的知識及び技術を有する者として、介護保険制度を運用する要と して重要な役割を担っている。
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介護支援専門員 岩田 和也 7
ケアマネジャーの資質向上に向けた取り組み
地域包括ケアシステムの構築(多職種協働、医療との連携の推 進等)に向け、高齢者の自立支援に資するケアマネジメントの推 進する観点から、研修体系を見直す等ケアマネジャーの資質の 向上に向けた施策。
①自己研鑽の努力義務の規定の制定
・介護保険法第69条の34において
「介護支援専門員は、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援 助に関する専門的知識及び技術の水準を向上させ、その他その資質の向 上を図るように努めなければならない。」
②地域ケア会議の機能強化
・他職種協働による個別ケースの支援内容の検討を通じた、自立支援に資 するケアマネジメントへの支援
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介護支援専門員 岩田 和也 8
③介護支援専門員研修等の見直し
・介護支援専門員の資質の向上を図るため、座学中心から講義演習一体型中心 のカリキュラムへ内容を改正
・選択制なっている「認知症」「リハビリテーション」「看護」「福祉用具」といった科目 の必修化
・主任介護支援専門員の資格の更新制を導入
・都道府県が実施する研修内容の質の確保と平準化を図る為に、公司向けのガイ ドラインを作成
・実務研修受講試験の受験要件を法廷資格保有者及び相談業務従事者に限定
介護支援専門員の研修(過去)
介護支援専門員実務研修受講試験 実務研修(
44時間) Ⅰ専門研修過程(
33時間) Ⅱ専門研修過程(
20時間) 主任介護支援専門員研修( 64時間)
合格
更新研修(5年)
実務従事者基礎研修(
33時間) 任意研修
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介護支援専門員 岩田 和也 9
介護支援専門員の研修(平成 28 年度~)
介護支援専門員実務研修受講試験 実務研修(
87時間) Ⅰ専門研修過程(
56時間) Ⅱ専門研修過程(
32時間) 主任介護支援専門員研修(
70時間) 主任介護支援専門員更新研修( 46時間)
合格
更新研修(5年)
ケアマネジャー
介護支援専門員の研修制度の見直し
・自立支援に資するケアマネジメントを 実践できるよう、「ケアマネジメントのプ ロセスの概観」、サービス担当者会議」
が入り、ケアマネジメントプロセスにか かわる研修内容を充実
・地域包括ケアシステムの構築を踏ま え、「地域包括ケアと社会資源」、ケア マネジメントに必要な医療との連携及 び多職種協働の意義」、「介護支援専 門員に求められるチームマネジメント」
の科目の導入。
・より実践的な研修内容とするため、
「ケアマネジメントの展開」として演習時 間を確保。
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・専門職として自己研鑽し、ケアマネジ メントを実践していくうえで必要となる専 門的な知識・技術を修得するため、認 知症・リハビリテーションなどの事例を 活用した「ケアマネジメント演習」、「ケ アマネジメントに必要な医療との連携 及び多職種協働の実践」、「個人学習と 相互学習」の導入。
・ケアマネジメントは居田高でも施設で も共通であることを踏まえ、居宅と施設 にかかわらず、自らの実践事例を活用 することにより、居宅と施設相互のケア マネジメントにおける課題などを学ぶ事 例研究の時間を大幅に拡充
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介護支援専門員 岩田 和也 10
主任ケアマネジャー
介護支援専門員の研修制度の見直し
・「人事・経営管理」から「人材育成と業務管理」へ
事業所内や地域のケアマネジャーに対する人材育成の方法などに関する研修内容を充 実。
・地域包括ケアシステムの構築に向けた地域づくりを実現するため、「コミュニテーソー シャルワーク」について、地域ケア会議等による地域課題の把握・解決などの内容を充 実。
・地域づくりに必要なネットワークの構築を推進するため、「ケアマネジメントに必要な医 療との連携及び多職種協働の構築」を研修科目に導入。
・主任ケアマネジャーの資質向上を図るため、継続的な研修として主任ケアマネジャーの 資格更新研修の開始
・研修受講要件に、地域づくりへの参画等の実践経験を求められる。
④ケアマネジメントの質の向上
・利用者の状態等を把握し、情報の整理・分析等を通じて課題を導きだした 課題について、適切な情報共有に資することを目的とした「課題整理総括 表」の作成
⑤ケアプラン点検の充実・強化
・短期目標の終了時期に、目標の達成度合いと背景を分析・共有し、再アセ スメントをより効果的にすることを目的とした「評価表」の作成