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第8章 【第4研究】外国人社員の「職場における学習」に対応する大学教育

8.1 研究方法

8.4.1 自己成長に影響を与える大学教育科目に関する集計結果

D 大学、E大学では実施される教育カリキュラムが異なるので、それぞれのカリキュラム に従い以下のようにした。

まず、D大学では学部1年および2年次に行われる教養教育(基幹教育)に関する科目を

「教養教育」とし、そこで行われる授業を講義型、演習型とした。学部3年および4年次で 主に行われる専門科目を「専門科目」と位置づけ、専門科目で行われる授業を講義型、演習 型とした。そして、最終学年で行われるゼミナールIVという科目を「卒業研究」とした。

E 大学では教養科目が実施されていたため、この科目群を「教養教育」と位置づけ講義型 と演習型をデータとして使用することにした。専門科目は2年次から開始されていたため、

この科目群を「専門科目」と位置づけ、専門科目で行われる授業を講義型、演習型とした。

そして、「卒業研究」、「卒業論文」という科目が4年次に行われていたが、この科目を「卒業 研究」と位置づけた。

なお、本調査の講義型授業は、学生が主に教員の話を聞く形式の授業である。演習型は、

ディスカッションや発表を行う授業のことである。

以下は、こうした質問に対する回答結果である。各大学をまとめて集計している。

表8.7は教養教育科目での自己成長度に対する回答である。講義型授業は、「あまり影響を 与えなかった」が6名(11.8%)、「少し影響を与えた」が29名(56.9%)、「とても影響を与 えた」が16名(31.4%)であった。教養教育科目の演習型授業に対する回答は「まったく影 響を与えなかった」が3名(5.9%)、「あまり影響を与えなかった」が5名(9.8%)、「少し 影響を与えた」が25名(49.0%)、「とても影響を与えた」が18名(35.3%)であった。

8.8 5

名(11.1%)、「少し影響を与えた」が23名(51.1%)、「とても影響を与えた」が17名(37.8%)

であった。演習型授業に対する回答は、「まったく影響を与えなかった」が1名(2.2%)、「あ まり影響を与えなかった」が8名(17.8%)、「少し影響を与えた」が21名(46.7%)、「とて も影響を与えた」が15名(33.3%)であった。

表8.9は、卒業研究に対する回答である。学部4年生14名の回答は、「まったく影響を与 えなかった」が1名(7.1%)、「あまり影響を与えなかった」が2名(14.3%)、「少し影響を 与えた」が6名(42.9%)、「とても影響を与えた」が5名(35.7%)であった。

表8.7 教養教育科目における自己成長度合いの回答(N=51)

授業の形式 回答 人数(人) 割合(%)

講義型 授業

まったく影響を与えなかった 0 0.0 あまり影響を与えなかった 6 11.8 少し影響を与えた 29 56.9 とても影響を与えた 16 31.4

演習型 授業

まったく影響を与えなかった 3 5.9 あまり影響を与えなかった 5 9.8 少し影響を与えた 25 49.0 とても影響を与えた 18 35.3

表8.8 専門科目における自己成長度合いの回答(N=45)

授業の形式 回答 人数(人) 割合(%)

講義形式の授業

まったく影響を与えなかった 0 0 あまり影響を与えなかった 5 11.1 少し影響を与えた 23 51.1 とても影響を与えた 17 37.8

演習形式の授業

まったく影響を与えなかった 1 2.2 あまり影響を与えなかった 8 17.8 少し影響を与えた 21 46.7 とても影響を与えた 15 33.3

表8.9 卒業研究に対する回答 (N=14)

科目 回答 人数(人) 割合(%)

卒業研究

まったく影響を与えなかった 1 7.1 あまり影響を与えなかった 2 14.3 少し影響を与えた 6 42.9 とても影響を与えた 5 35.7

8.4.2 日本人と一緒に活動や仕事をする時の行動や対処に関する質問の集計結果

表8.10および表8.11は、「日本人と一緒に活動や仕事をする時の行動や対処に関する質問」

13項目の質問に対して4件の尺度で最も当てはまるものを回答してもらった集計結果である。

それぞれの項目を見ると、回答2や3を中心に回答が分布していることが分かる。

表8.10 日本人と一緒に活動や仕事をする時の行動や対処に関する質問に対する回答(1)

(N=51)

表8.11 日本人と一緒に活動や仕事をする時の行動や対処に関する質問に対する回答(2)

(N=51)

8.5 日本人と一緒に活動や仕事をする時の行動や対処に関する質問の因子分析の結果

「職場における学習」にはどのような学習スタイルがあるのかを明らかにするために、「日

本人と一緒に活動や仕事をする時の行動や対処に関する質問」の因子分析を行った。8.5.1節 は、因子分析を実施する前の処理である。8.5.2節では因子分析の結果を提示する。