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予備調査による質問紙尺度の信頼性の確認と本調査質問紙の作成

第 4 章 研究方法

4.2 予備調査による質問紙尺度の信頼性の確認と本調査質問紙の作成

本調査をする前に、尺度の信頼性と妥当性を確認するために、予備調査を実施した。2016 年 5 月に、甘 粛省の某大学で、日本語専攻学習者 36 名を対象に、リッカート尺度の 6 段階評価を使用し、予備調査を実 施した。

調査対象者は 1 年生(1 名)、2 年生(1 名)、3 年生(16 名)、4 年生(18 名)、合計 36 名である。そのうち、

男性 11 名、女性 25 名。学習者の平均年齢は 21.92 歳、全員留学経験がない。日本語学習歴は、大学から は 35 名、高校からは 1 名である。SPSS を用いて分析した結果、35 質問項目のα係数は 0.879 で、データ の信頼性は高いと判断された。

記述統計結果から、天井項目は見られず、床項目は 8 個あった。8 個の床項目は、17:「 周りの友達も 真面目に勉強しない」、19: 「地域差から生じる劣等感がある」、20:「地域差から生じる優越感がある」、 22: 「大学では勉強は大事なことではない」、25: 「たくさん勉強しなくても、日本語のゲームやドラマに 支障がない」、28: 「教師の性格が悪い」、31: 「教師の能力が足りない」、35: 「日本語は将来に役に立た ないから」である。

9 個の平均値の低い項目は、17:「周りの友達も真面目に勉強しない」(M=1.86)、19: 「地域差から生じ る劣等感がある」(M=1.67)、20: 「地域差から生じる優越感がある」(M=1.53)、22: 「大学では勉強は大 事なことではない」(M=1.78)、21:「日本語学習以外のことで忙しい」(M=2.14)、25: 「たくさん勉強しな

くても、日本語のゲームやドラマに支障がない」(M=1.67)、28: 「教師の性格が悪い」(M=1.75)、31: 「教 師の能力が足りない」(M=2.06)、35: 「日本語は将来に役に立たないから」(M=1.44)である。

床項目と平均値の低い項目は再検討すべき項目であると思われるため、質問項目に以下のような変更を 行った。

表 30 は予備調査から削除した項目と増加した項目を示す。

8 個の床項目のうち、22: 「大学では勉強は大事なことではない」、35:「日本語は将来に役に立たない」

の 2 項目を削除した。

19: 「地域差から生じる劣等感がある」、20: 「地域差から生じる優越感がある」は床項目であり、平均 値が低いが、本研究における特別な動機減退要因と考えられ、保留することにした。

増加した項目は 22:「クラスメートとの関係が良くない」、35:「日本語に興味がなくなった」、36:「日本 語の学習方法がわからない」、37:「教師が学生に意地悪をする」という 4 項目である。

表 30 予備調査から削除した項目と増加した項目

番号 予備調査から削除した項目 番号 増加した項目

22 大学では勉強は大事なことではない 35 日本語は将来に役に立たないから

22 クラスメートとの関係が良くない 35 日本語に興味がなくなった 36 日本語の学習方法がわからない 37 教師が学生に意地悪をする

それ以外に、床項目と平均値の低い項目は、文言表現の絶対性の高い項目、抽象度の高い項目、幾つか の意味が混在している項目があると思われ、Sakai & Kikuchi (2009)を参考し、文言の修正、具体化と細分 化を行い、表 31 のような修正を行った。

表 31 文言を修正した項目

項目名 修正前 修正後

4 自分は記憶力が悪い 単語や文章を覚えるのに困難を感じた 15 試験の成績が悪い 自分が期待していた成績が取れなかった

17 周りの友達も真面目に勉強しない 自分の友達も日本語学習意欲がそれほど高くはない

18 教師やほかの学生との距離が遠い 教師との距離が遠い

28 教師の性格が悪い 教師が怒りやすい

31 教師の能力が足りない 教師の日本語知識の説明がわかりにくい 34 自分で進路を選択しない 自分の意思で進路を選択できない

以上のように、予備調査から得られた床項目を削除、修正、細分化した結果、37 個の質問項目を作成し た。37 個の質問項目の内訳は学習動機 3 項目、言語学習困難 7 項目、言語の運用と成果 5 項目、学校と社 会環境 5 項目、教師 5 項目、内発的動機づけの欠如 5 項目、学習能力の欠如と心理的要因 5 項目、進路 2 項目である。

また、本調査質問紙の基本情報の項目に関しては、本調査 A:上海での調査をした後、項目(6)に下のよう な細かい修正を行った。

(6) 6-1:出身地(県名):

6-2:戸籍所在地:A 農村・B城镇 (選択肢に◯をつけてください)

6-3:大学所在地:

*上海某大学の質問紙

(6) 6-1: 出身地(県名):

(もし大学入学試験に参加した省と出身省が異なる場合は、大学入学試験に参加した省を書いてくだ さい )

6-2:户籍所在地:A 農村・B 都市(選択肢に◯をつけてください)

6-3:大学所在地及び大学名:

*湖南省と遼寧省某大学の質問紙

大学入学試験に参加した省と出身省が異なる場合があると推測されたため、「(もし大学入学試験に参加 した省と出身省が異なる場合は、大学入学試験に参加した省を書いてください )」という項目 を追加した。それ以外に、6-3 に大学名の追加記入も求めた。

研究 2 の出身地の集計については、湖南省の 1 名のみは出身県と大学入学試験に参加した省が異なる。

学習者の大学入学試験に参加した省のデータを使用した。