第 3 章 フランチャイズ契約作成上のポイント
2. 中国の税制とフランチャイズ・ビジネス
(1)中国子会社の税務
本章冒頭に述べたとおり、外国企業が中国においてフランチャイズを展開する場合、
外商投資企業を通して行わなければならない。この外商投資企業は、外国企業の子 会社であるのが通常であろう。
この外商投資企業は、中国国内企業であるから、中国において企業所得税、増値税、
営業税、都市不動産税、印紙税等各種の税金を納付しなければならない。
企業所得税の税率は、原則として課税所得額の33%(うち地方所得税3%)である(「外 商投資企業及び外国企業所得税法」第 5 条)。増値税は物品の取引に課税されるが、
税率は販売額又は輸入額の17%が原則である(「増値税暫定条例」第2条第1号)。営 業税は役務(課税労務)の提供、無形資産の譲渡及び使用許諾に課税される。税率は、
原則として取引額の3%又は5%(娯楽業の場合は 5%〜20%)である(「営業税暫定条 例」第2条第1項)。なお、現行法上、経済特区の外商投資企業等に対しては、企業 所得税率が15%に軽減されるなどの優遇措置がある。
財政部、国家税務総局の「連鎖経営企業の税収問題に関する通知」(2003 年 2月 27 日)によると、本部で本支店統一会計処理を行う連鎖経営企業は、本部が統一的に 増値税、企業所得税を申告し納付する。したがって、上記外商投資企業がフランチ ャイズをするほか自ら各地に直営店を展開し、本部で統一会計処理する場合、各地 直営店の納付すべき増値税及び企業所得税については本部所在地で一括して納付 することとなる。
(2)中国国内企業(中国子会社を含む)による海外からの物品の輸入と関税及び増値税
海外からの貨物を輸入する際の関税については上述した(本章1.(6))。
なお、輸入貨物については、関税以外に輸入増値税が課税される(「増値税暫行条例」
第1条)。輸入増値税の税率は、貨物の種類によるが、通常13%又は17%である(「増 値税暫定条例」第2条)。
(3)外国企業の特許、ノウハウ、商標、著作権等の使用料収入に対する課税と源泉徴 収
外国企業が特許、ノウハウ、商標、著作権、コンピューター・ソフトウェア等の知 的財産権を中国企業(中国子会社を含む)にライセンスした場合、これにより生じる 使用料所得について、外国企業は、中国において営業税及び企業所得税を納付しな ければならず、これらは源泉徴収されなければならない。
①営業税
税率は5%である(「営業税暫行条例」第2条第1項、付表第8項)。
源泉徴収は、外国企業の代理人(代理人がいない場合は支払いをする中国側ラ イセンシー)がしなければならない(「営業税暫行条例」第11条第3号、「営業税 暫行条例実施細則」第29条第1号)。
なお、技術移転、技術使用許諾、技術コンサルティング業務等による収入につ いては、営業税が免除されることがある(「『中国共産党中央、国務院技術革新 の強化、ハイテク産業の発展、産業化の実現に関する決定』の実施における関 連税収問題に関する通達」(財税字[1999]273号))。
②企業所得税
営業税額を控除した後の使用料額に課税される(「外国企業の取得した特許使 用料収入につき、営業税納付後の企業所得税の算定、徴収に関する通知」(財税 字[1998]059号))。
税率は10%である(「外商投資企業及び外国企業所得税法」第19条第1項、「外
国企業の中国国内により取得する利息等の所得につき企業所得税を軽減する ことに関する通知」(国発[2000]037号))。
源泉徴収は、中国側ライセンシーがしなければならない(「外商投資企業及び外 国企業所得税法」第19条第2項)。
(4)海外送金規制
外貨送金は、外貨指定銀行に所定の書類を提示して外貨を購入して実行する。貨物 を輸入した場合の代金等の送金については、「外貨の決済、売却及び購入の管理規 定」第13条に従い、通常、以下の書類が要求される。
(a)外貨送金申請書
(b)輸入契約
(c)輸入貨物通関申告書
(d)インボイス又は請求書
(e)所得税、営業税に関する納税証明書
特許、ノウハウ、商標、著作権、コンピューター・ソフトウェア等の使用料につい ては、「無形資産輸入時の外貨売却、購入管理を強化する問題に関する通知」に従い 使用許諾契約のほか、技術輸入登記証、特許使用許諾契約届出証、商標使用許諾契 約届出証が必要となる。著作権、コンピューター・ソフトウェア等の場合は、著作 権使用許諾登記証が要求されることがある。