第 4 章 フランチャイズ・ビジネスに関連する紛争事例
3. フランチャイズ契約における違約金の約定が高率であったため、法定の範囲内の率に
3. フランチャイズ契約における違約金の約定が高率であったため、法定の範囲内の率
は、資金、設備を投入して便宜坊烤鴨店和平店を設立した。しかし、飲食店経営は フランチャイジーの経営範囲に属さなかったため、協議の上、その設立した便宜坊 烤鴨店和平店をフランチャイジーの出資する北京金都順天餐飲有限公司(以下「金 都順天」という)に経営してもらうことにした。
金都順天は、「便宜坊」の商標を使用し、フランチャイザーも金都順天が経営する 便宜坊烤鴨店和平店にコック長等技術人員を派遣し、烤鴨胚、餅などの原材料を 提供した。2002年4月9日、金都順天はフランチャイザーに6万元の商標使用料 を支払った。その後は、フランチャイジー及び金都順天は何ら商標使用料を支払 っていない。
2002 年 10 月、当事者は書面により、まだフランチャイザーに原材料の代金
348,842.6元と商標使用料16.83万元を滞納していることを確認した。
フランチャイザーは、当該代金及び商標使用料の滞納につき、北京市第二中級人 民法院に提訴した。
(3)原告フランチャイザーの請求
①2000年6月16日に締結したフランチャイズ契約を解除する。
②フランチャイジー及び金都順天(以下「両被告」という)は直ちに「便宜坊」商標の 使用を停止する。
③上記両被告は遅滞した商標使用料15.83万人民元及び滞納金(毎日0.21‰により 計算する)、烤鴨の原材料の代金348,842.6人民元及びその利息を償還する。
④上記両被告はフランチャイザーの損失15.83万元を賠償する。
⑤上記両被告は本件の訴訟費用を負担する。
(4)両被告の答弁及び反訴
金都順天はフランチャイズの当事者でなく、その経営に「便宜坊」商標を使用するこ とは工商管理機関の商標使用に関する要求に符合しない。金都順天が商標の使用手 続を完成するため、フランチャイジーは何度もフランチャイザーと連絡したが、フ ランチャイザーは未だにこの問題を解決していない。また、フランチャイザーは人 員の派遣、技術サポート、原材料の提供、先進的な経験と最新メニューの提供及び 業務の検査などの点で契約に違反し、両被告は大きな損失を被った。よって、以下 の判決を求める。
①2000年6月16日に締結したフランチャイズ契約を解除する。
②フランチャイザーの訴訟請求を棄却する。
③フランチャイザーはフランチャイジー及び金都順天に対し、1,533,107元に当た る経済損失を賠償する。
【法院の判決】(北京市第二中級人民法院(2003)二中民初字第3409号)
(1)契約の効力について
フランチャイザーとフランチャイジーの間で締結した契約は、双方の真実の意思表 示である。但し、商標使用料の滞納金を毎日5‰により計算すると約定しているが、
これは法定の基準よりかなり高く、著しく不公平であるため、当該条項は無効条項 としなければならない。この条項を除き、上記契約のその他の条項はすべて合法的、
有効である。
(2)当事者の関係について
フランチャイザーとフランチャイジーがフランチャイズ契約を締結した目的は、協 力して便宜坊烤鴨店和平店を経営するためである。フランチャイジーの経営範囲内 に飲食店経営がないため、その出資している金都順天に和平店を経営してもらって いた。金都順天は和平店を経営する期間、実際上「便宜坊」の登録商標を使用し、か つフランチャイザーに6万元の商標使用料を支払っており、フランチャイザーも訴 訟において、金都順天が当該支店を経営している間に「便宜坊」の登録商標を使用し たことに異議を表明していない。
したがって、フランチャイザーとフランチャイジーの間に締結した契約で定めてい るフランチャイジーの権利と義務は、フランチャイジーと金都順天が共同で享有し 負担しなければならない。
(3)違約責任について
被告は、金都順天が便宜坊烤鴨店和平支店の経営期間中、「便宜坊」の登録商標を使 用する手続が不完全であったため関連部門の行政処罰を受け、正常な経営活動がで きなかったことを証明するに充分な証拠を提供できなかった。また、商標の使用手 続を完成することをフランチャイザーに要求したことについても、充分な証拠を提
供できなかった。
よって、両被告がこれを商標使用料の滞納に対する抗弁理由とすることはできない。
したがって、両被告が契約に定められた期間にフランチャイザーに商標使用料を支 払わなかった行為は契約違反になる。両被告は商標使用料を1ヶ月以上滞納してい るから、フランチャイザーは契約に基づき一方的に契約を解除し、かつ両被告に1 年分使用料と同額の損害賠償金を要求できる。
契約が解除された後は、両被告は「便宜坊」の登録商標を使用してはならない。
(4)損害賠償額について
両被告が2002年8月8日までにフランチャイザーに支払うべき商標使用料は37.83 万元である。現有証拠によれば、両被告がフランチャイザーに支払った商標使用料 は18万元のみであり、19.83万元を滞納している。
フランチャイズ契約中の、フランチャイザーはフランチャイジーの開業準備のため 4ヶ月分を減額する旨の規定に基づき、上記19.83万元のうち、第1年度の商標使 用料から差し引くべき4万元を差し引かなければならない。よって、両被告が実際 に滞納している商標使用料は15.83万元である。
また、訴訟において、フランチャイザーが商標使用料の滞納金を毎日0.21‰により 計算する旨を明確にしているが、これは「最高人民法院の『最高人民法院の滞納金 の計算基準問題に関する回答』の改正に関する回答」の規定に符合しているので、
当該請求を認める。
(5)両被告の反訴請求について
契約が解除された責任は両被告にあるので、両被告が反訴において、フランチャイ ザーの150万元の損害賠償請求はこれを支持しない。
(6)法院は以下のとおり判決した。
①2000年6月16日に締結したフランチャイズ契約を解除する。
②本判決が効力を生じた後、両被告は原告の「便宜坊」の登録商標の使用を直ちに停 止しなければならない。
③判決が効力を生じた日から10日以内に、両被告は、原告に158,300元の商標使 用料及びその滞納金を清算日まで1日当たり1万分の2.1の割合で支払わなけれ ばならない。
④本判決が効力を生じた日から10日以内に、両被告は、原告に348,842.6元の原 材料代金及びその滞納金を清算日まで1日当たり1万分の2.1の割合で支払わな ければならない。
⑤両被告は、原告にその経済損失158,300元を賠償しなkればならない。
⑥両被告の反訴請求を棄却する。
⑦本件の受理費11,505元及び反訴費17,675元は、すべて両被告が負担する。