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第2節 中国インターネット利用方法の特徴 特に日本と異なる点
日本の若者も、同じようにインターネットを使いこなしていると思われるが、筆者の実 感を言えば、中国の「80后」は、日本の若者以上にネットヘの依存度が強く、多様な使い 方をしていると考える。中国でのインターネット利用方法は、日本と違うところが意外に 多いのである。中国では、インターネットは「何でも見つけられる」「何でも出来る」とい
うイメLジを持っている。
上述のように、中国の若者がネットで行う行為として多いもののひとつとして、「QQ」や ギMSN」といった、インスタントメッセンジャーでのチャットがあった。パソコンを開いて、
「QQ」と「MSN」を登録し、それから、メールチェックやニュースなどを見る。中国のオフ ィスでの習慣としては、まず「QQ」や「MSN」をとりあえず登録してから、仕事を始めるこ とになる。QQやMSN等のメッセンジャー(チャット)ソフトは、ほとんどのネットユーザ ーがネット接続中は常に登録しており、友人や同僚と簡単な会話をやり取りしたり、ファ イル転送をしたりなど、様々な場面でづかわれている。「80后」のなかで、こうしたもの
を使っていない人を探す方が困難なぐらいであり、誰でも利用しているといえよう。
前頁の図を見ると、rゲーム」でネットを使う人は13.2%を占めている。日本よりもオ ンラインゲームが人気というのも、中国インターネットの特徴である。オンラインゲーム が広く普及しており、大学生を中心に、ネットカフェでオンラインゲームをしている若者
が多い。
また、「映画やドラマを見る」、あるいは「映画、ドラマのダウンロード」をするという 若者が19.3%を占めている。ここに「音楽を聞く」暗楽のダウンロード」までを含める
と34.9%に至る。
中国の若者にとって、映画・ドラマ・音楽などのコンテンツは、日本のように「レンタ ル」するものではなく、ネットを通じてストリーミングやダウンロードで「視聴」すると いうのが一般的である。彼らは、最新の音楽もドラマも映画もすべてネット上で見ている という。しかも、中国のものだけでなく、欧米、日本、韓国の映画やドラマなどもすべて
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中国語字幕付きで見られる。結果として、中国の若者は、ネット経由で多種多様な映像・
音楽コンテンツを入手しており、欧米、日本で流行しているドラマやアニメのことを非常 によく知っているというのが実情であろう。
まさしく、地球上の有名なコンテンツは、必ず中国のサイトでダウンロードか、ストリ
]ミンクでみることができると断言できるくらい、たくさんのコンテンツがネット上にア ップされているのが現状である。例えば、日本や韓国の有名な連続ドラマシリーズなどは、
放映されたその翌日、遅くても翌々目くらいには、字幕つきでネット上で公開される。外 国にてデジタルで録画する人、翻訳する人、それに字幕を入れる人など、かなりの分担作 業をボランティア的にやっている専門集団も存在する。
これは、日本では考えられないことである。筆者は、何度か日本の友人に話したことが あるが、そういった話を聞いた人は誰もが驚いた顔をし、何か不思議なこととして見てい る。倫理的な問題はここでは議論しないが、r実態」としてのコンテンツ消費状況は、ここ まで進んでいる。中国のある友人は、ネットを通じて日本で今、上映されているドラマを 毎週欠かさず見ており、よくメッセンジャーを通じて、日本にいる私と議論したりする。
さらに、プログやBBSなどに代表される中国版WEB2.0時代をみてみると、日本のインタ ーネット事情との相違がさらに浮き彫りになってくる。中国では、2005年からブロードバ ンドが普及し、プログもその頃から増え始めた。2005年は中国のWEB2.0の始まりだとも
言える。
中国の女優である徐静蕾は、中国でのプログブームを巻き起こした。彼女のプログ
(http://blog.sina.com.㎝/xujing1ei)の閲覧回数は、世界でも上位に入るといわれてい
る。2005年から始められたプログは、閲覧回数が既に一億を超えている。彼女が記した1 つの記事にたいして、通常閲覧数は5万〜20万アクセスにものぼる。コメントも700〜1500 が通常、寄せられる。彼女は女優であり、映画監督などもやっているが、ブロガーとして も中国では広く知られている。それからというもの、プログというものが、中国では日常 的な存在になった。
プログは、日本でもかなり多くの人に書かれているが、中国でも多くのインターネット ユーザーが自分のプログを持っている。プログと」言でいつでも、MSNやQQなどのメッセ ンジャーに付随している空間(スペース)というサービスを活用して、リンクしている友 人にしか公開しない形式でプログを利用している人もいれば、誰でも見られるインターネ ット上に公開している人もいる。書いている内容は日本と非常に似ている。ほとんど日常 生活のことや最近の気分などである。筆者も日本の人気のプログmiXiに登録して、いろい ろ見てみたが、やはりそこには中日の違いを見出すことになった。
中国では、プライバシーに関する危機意識などが日本と比べると低い。自分の写真を載 せたりすることについても、あまり抵抗を感じていない。
プログは日本でも中国でも同じように熱心に利用されているが、中国に独特な熱心さと 44
いえば、B B S(掲示板)があげられる。B B Sのシステム自体は、日本でも掲示板として 頻繁に利用されているが、若干異なるのは、中国人インターネットユーザーの多くは、 毎
日のように BBSを利用していることであろう。
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(出所:上海サーチナ「中国インターネット実態把握調査」)
B B Sには、美容や車など、商品カテゴリーや趣味などに応じて、様々なテーマに分か れた専門的B B Sが存在する。自分が興味関心を抱くテーマに基づいてB B Sに人が集ま ってくるので、様々な情報収集に役立つようである。
筆者の場合は、趣味にしている洋菓子作りや旅行などに関するB B Sによく利用する。
そこでは、例えば旅行先の安いレストランや観光地の特色など、自分が知りたいことなど を質問すると、他のユーザーが即座に答えてくれ、また、様々なアドバイスについて親切 に教えてくれる。BB Sは「情報収集」に役に立つ。現代の若者の趣味は多様化しており、
また中国では所得格差もあるので、自分と話題が合う人を探すために、B B Sやプログな どで探したりすることが多い。現実の日常生活ではなかなか難しいことだが、インターネ ットでは、自分と話の合う人を探すことが意外に容易である。
実際に、B B Sでの情報収集は消費行動にも大きな影響を及ぼしている。後の節で詳し く紹介するが、ここで淘宝という中国国内で最初の、そして最大規模のオンラインショッ ピングサイトを取り上げてみたい。このサイトの中にリンクされているB B Sだが、販売 されている商品から関心のある商品を選択すると、その商品に関するユーザーの意見や体 験などを読むことができる。このサイトで、ひとつのショップに対して、1か月に約5万
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ものメッセージがアップされるという。商品の購入を考えている人は、こういったサイト で事前にチェックしている。特にデジタル、電子商品、家電、パソコン、携帯、化粧品な ど若干値段の高いものを購入する時には、よくBBSを利用して、そこで得られる情報を 参考にしているようだ。
以上のように、中国インターネット事情は、日本のそれとかなり異なった特徴を持って いるといえよう。中国では中国なりのインターネット利用をしており、ユーザーの目的も 異なる。中国の若者は、「インターネットに行げば、何でも見つかる」「わからない時、イ ンターネットで探せば、答えがでる」とよく言う。私たちにとって、インターネットはす でに万能の情報チャネルになっている。