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L057 の薬物動態パラメータ: PP

Page 40 レベチラセタム 2.7.6 個々の試験のまとめ

v) 死亡及びその他の重篤な有害事象

本治験では、死亡及びその他の重篤な有害事象は認められなかった。

vi) 治験薬の投与中止に至った有害事象

本治験では、治験薬の投与中止に至った有害事象は認められなかった。

3 ) 臨床検査値及びその他の安全性評価項目

治験薬投与後に治験責任医師により臨床的に重要と判断された臨床検査値異常はなかった。血圧、

脈拍数及び呼吸数の平均値では、治験期間中わずかな変動がみられたが、臨床的に重要な変化はな かった。 12 誘導心電図では、心電図パラメータに意味のある変化は認められなかったが、 1500 mg 5 分間投与の 1 例に洞性徐脈(投与後 12 時間の心拍数 35 拍/分)、及び 3000 mg 15 分間投与の 1 例 に間歇的な第一度房室ブロックが認められ有害事象として報告された。いずれの有害事象も無症候 性であり治験薬との因果関係は「関連なし」と判断された。身体的所見では、臨床的に意味のある 変化はなかった。

( 5 ) 結論

レベチラセタムを 15 分間で 2000~4000 mg、5 分間で 1500~2500 mg を静脈内投与した時、レベ

チラセタムは安全であり、忍容性は良好であった。レベチラセタムの用量を漸増し、投与速度を速

めて単回静脈内投与を行った場合、安全性プロファイルは同様であった。本治験で認められた有害

事象は、レベチラセタム投与で既知のものであった。薬物動態パラメータも、レベチラセタムの既

知の薬物動態プロファイルと一致した。

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.6.3 内因性要因を検討した PK 試験報告書

2.7.6.3.1 EP0038 試験(日本人と白人における静脈内持続投与時の薬物動態の比較)

( 5.3.3.3.1 :評価資料)

治験方法の概略(表 2.7.6.3.1-1)及び結果の要約を示した。

表 2.7.6.3.1-1 治験方法の概略

項目 内容

標題 日本人及び白人の健康男性被験者を対象とするレベチラセタム静脈内投与の薬物動 態、安全性及び忍容性を評価するための単施設、非盲検、反復投与試験

開発の相 第I相

目的 主要目的

レベチラセタム1500 mgを15分間かけて静脈内に単回投与及び反復投与した時の薬 物動態を、日本人及び白人の健康男性被験者間で比較すること。

副次目的

レベチラセタム1500 mgを15分間かけて静脈内に単回投与及び反復投与した時の安 全性と忍容性を、日本人及び白人の健康男性被験者で評価すること。

治験デザイン 単施設、非盲検、反復投与

治験方法 日本人及び白人の健康成人男性を対象に、1日目の午前中にレベチラセタム1500 mg を15分間単回静脈内投与し、3日目の午前中から4.5日間レベチラセタム1500 mgを 1日2回15分間反復静脈内投与した。

本治験では、二段階から成る逐次的手法を用いた。第1段階では、治験責任医師が実 施医療機関のデータベースに登録されている志願者から十分な数の被験者をスクリー ニングし、日本人及び白人の健康男性被験者各16例を第1コホートに組み入れた。

各人種グループの被験者16例に非盲検下でレベチラセタムを静脈内投与し、薬物動 態パラメータが得られた後、各人種グループ内の変動係数を基に被験者数を再検討す ることとした。第2段階では、各人種グループの被験者数を16例から増やす必要性 が示された場合には、第2コホートとして再検討した被験者数に達するまで被験者を 追加募集することとした。第2コホートについても第1コホートと同じ手順を実施す ることとしたが、各人種グループの最大被験者数は25例とした。

被験者数の追加を必要としない場合は、第1段階で治験を終了することとした。

被験者数 計画例数

第1コホート:32例(日本人及び白人各16例)

第2コホート:最大18例(日本人及び白人各9例)

完了例数:32例(日本人及び白人各16例)

薬物動態解析対象例数:32例、安全性解析対象例数:32例

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表 2.7.6.3.1-1 治験方法の概略(続き)

項目 内容

被験者数(続き) 【被験者数設定の根拠】

日本人と白人の2つの人種グループの薬物動態が類似することを信頼性を持って示す ための十分な被験者数を決定するために、生物学的同等性試験と類似する方法を選択 した。

本治験は並行群間試験であるため、典型的な生物学的同等性試験とは異なり、群内で はなく群間の比較となる。群間変動は群内変動より大きいことから、被験者数の決定 には、0.7から1.43の拡張した採択域を考慮することが適切であると考えた。

試験デザインの参考としたN01077試験では、レベチラセタム1500 mg静脈内反復投

与後のCmax,ssの被験者間変動係数(CV)は約30%、AUCτssの被験者間CVは約22%で

あった。被験者数の設定において、日本人被験者におけるレベチラセタム1500 mg静 脈内反復投与後の被験者間CVは未知であるため、35%のやや高いCVを仮定した。

更に、Cmax,ss及びAUCτssの日本人と白人被験者間の真の比を1と仮定した。

この仮定を用いると、有意水準α=0.05で検出力90%を達成するためには、各人種グル ープ20例の被験者数が必要となる。脱落率25%を考慮し、本治験では、投与期間中 に各人種グループ25例に投与することを計画した。

真の被験者間CVは未知であるため、各人種グループ16例で薬物動態パラメータが利 用可能となった後、逐次的方法に従い、被験者数の再設定を行うこととした。ただ し、最大の被験者数は各人種グループ25例とした。

対象 健康成人男性

主要な選択/除外基準 主要な選択基準:

1) 20歳以上、40歳以下の日本人又は白人男性

2) 日本人被験者の場合は、家系に関する口頭確認と外見から明らかに日本人種で ある者

3) 白人被験者の場合は、家系に関する口頭確認と外見から明らかに白色人種であ る者

4) BMI:20 kg/m2以上、25 kg/m2以下 5) 体重:60 kg以上、80 kg以下

6) 既往歴と一般的な診察により、心身の健康状態が良好と判断された者 7) 仰臥位血圧、脈拍数、呼吸数が以下の範囲の者

・収縮期血圧:100 mmHg以上、150 mmHg以下

・拡張期血圧:50 mmHg以上、90 mmHg以下

・脈拍数:45拍/分以上、90拍/分以下

・呼吸数:12回/分以上、18回/分以下

8) 心電図のコンピュータ自動解析で正常であった者、又は異常と判断されたが臨 床的に問題ないと治験責任医師が判断した者

9) 臨床検査値が基準範囲内の者。検査値が基準範囲外の場合は、治験責任医師が 臨床的に問題ないと判断し、正当な理由を提示する場合、治験依頼者の同意の 上、組み入れることができることとした

2.7.6 個々の試験のまとめ

表 2.7.6.3.1-1 治験方法の概略(続き)

項目 内容

主要な選択/除外基準

(続き)

除外基準:

1) 本治験に参加したことがある、又は本治験で開発中の薬剤の別の治験で投与を 割り付けられたことがある者

2) 他の治験薬(又は医療機器)の治験に過去3ヵ月内(又はその治験薬の半減期 の5倍の期間内の、いずれか長い期間)に参加していた者、又は現在参加して いる者

3) 過去6ヵ月以内に慢性アルコール依存又は薬物乱用歴のある者

4) 被験者の医学的状態又は精神的状態が、本治験への参加に悪影響を与える可能 性があると治験責任医師が判断した者

5) 治験薬概要書に記載されている治験薬のいずれかの成分に対し過敏症がある者 6) 薬剤の吸収、代謝、排泄に影響を与えうる、又は治験薬投与時の危険因子にな りうる、心血管、呼吸器、肝臓、腎臓、胃腸、内分泌系、神経系障害の既往歴

(6ヵ月以内)がある、若しくは現在有する者

7) 薬物依存(薬物検査陽性)、過剰なアルコール摂取[1週間に28単位を超える アルコール摂取:1単位は半パイント(約300 mL)のビール又はラガー、小グ

ラス1杯(約100 mL)のワイン、シングル(約30 mL)の蒸留酒]、同意が無

効となったり、治験実施計画書を遵守する妨げとなる心理的問題又はその他の 情緒障害の既往歴がある、若しくは現在有する者

8) スクリーニング時に症候性又は無症候性の起立性低血圧がある者。起立性低血 圧は、両腕の力を抜いて下した状態で1分間及び3分間起立した後に、収縮期血

圧が20 mmHg以上、拡張期血圧が10 mmHg以上低下した場合と定義した(被験

者が起立した時点から時間を計測)。仰臥位で5分間安静にしたときの血圧を 基準とした

9) 喫煙者及び治験薬の初回投与前6ヵ月以内に禁煙した元喫煙者

10) カフェインを大量に摂取している者(1日5杯を超えるコーヒー又は紅茶を摂 取)

11) 頻発かつ重度の頭痛の既往歴

12) 治験薬の初回投与前14日以内に、処方薬又は市販薬(1日につき2 gかつ14日 間で合計10 gを超えないアセトアミノフェンは除く)を含む何らかの薬剤を使 用した者

13) 治験薬の初回投与前2ヵ月以内に肝酵素を誘導する薬剤を使用した者

14) ウイルス性肝炎を有する者、若しくはHBs抗原、HCV抗体、HIV抗体、又は梅 毒のいずれかが陽性の者

15) 治験薬の初回投与前12週間以内に献血又はそれと同程度の失血(400 mL超)を した者

16) ピロリドン誘導体及びその他の添加物(限定しないが、主に乳糖、トウモロコ シデンプン、セルロースなど)に対するアレルギー又は過敏症がある者 17) 自殺企図(実行、中断、未遂を含む)の既往、又はスクリーニング時に実施し

たColumbia Suicide Severity Rating Scale(C-SSRS, 2008)の第4問又は第5問で

「はい」と回答したことで確認できるような自殺念慮の既往歴が過去6ヵ月以 内にある者

18) 治験責任医師が、被験者が治験を実施する上で不適当と判断した臨床症状を有 する者

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