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ここまでの分析から、それぞれの組織のリーダーシップ・スタイルは、円山動物園や旭山 動物園のような「フォロワー覚醒型」から「フォロワー委任型」へ移行していくものと、は とバスやテッセイのような「リーダー主導型」から「ロール・モデル型」もしくは「現場リ ーダー育成型」へ移行していくものの2つに分けることができた。

このような違いが現れたのは、リーダーから見たフォロワーの職務遂行能力の違いによる ものである。ここで重要な点は、フォロワーの職務遂行能力は、あくまでもリーダーから見

た職務遂行能力であると言う点である。仮説的には、「リーダー主導型」ではフォロワーの職 務遂行能力は低から中、そして「フォロワー覚醒型」では中から高であると考えられる。

ここからは、リーダーシップ・スタイルに違いが現れた要因について説明する。まず、「リ ーダー主導型」のテッセイでは、従来から行われていた清掃の業務におけるレベルそのもの は低いものではない。しかしながら、従業員を顧客の前面であるフロントラインに出してい くために、案内などの業務拡大を行った後の業務内容をリーダーから見ると、彼らの職務遂 行能力は「低から中」になる。はとバスにおいても、運転手の運転技術等のレベルそのもの は問題ないが、運転手を顧客の前面であるフロントラインに出していった際の業務内容をリ ーダーから見ると、運転手などの顧客対応を行う部分を含めた業務内容では「低から中」に なると考えられる。また、はとバスでは、当初は運転手の業務内容ではなかった「運転手が 踏み台(顧客がバスから降りる際の台)を出すこと」も、業務内容に含まれ、業務内容が少 しではあるが、拡大している。

さらに、円山動物園と旭山動物園の場合は、リーダーから見たフォロワーは、飼育員とい う専門職としてのレベルが高いだけでなく、良いやり方(見せ方)をしようとしていた職員 の役所の下部組織であるがゆえに抑えつけられていたものを取り除き、やる気と自主性を高 めていけば、後は任せていくことができると見ていたと考えられる。

また、「リーダー主導型」のはとバスやテッセイには、それぞれに、もう 1 つの特徴があ る。それは、はとバスは「ロール・モデル型」、テッセイは「現場リーダー育成型」という特 徴である。このような差が見られるのは、組織の業務遂行形態の違いによるものである。テ ッセイでは、業務は個人が単独で行うのではなく、大人数のチームで一斉に行っている。さ らに、リーダーが業務の大枠を定めたとしても、具体的な実施内容については現場に任せざ るを得ないと考えた。逆に、はとバスでは、業務は基本的には観光バス単位(多い場合でも、

ガイド、運転手、添乗員の3名体制)で行っている。このため、リーダーは、自ら率先して 模範となる行動を示し、個人のスキルの向上を図ることが必要であると考えたのである。

ここまでの説明については、図Ⅵ-3-1のターンアラウンド・リーダーシップ・スタイ ルの分類にまとめている。

出所:筆者作成

フォロワーの 職務遂行能力は 低から中

フォロワーの 職務遂行能力は 中から高

現場対応は、

小規模チーム単位

現場対応は、

大規模チーム単位 リーダー

主導型

フォロワー 覚醒型

ロール・

モデル型 現場リーダー 育成型

フォロワー 委任型 ターンアラウンド・

リーダーシップ・

スタイル

図Ⅵ-3-1 ターンアラウンド・リーダーシップ・スタイルの分類