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プログラムのフォーメーション構想・ステークホルダー分析

ドキュメント内 Microsoft Word - 環境報告書 doc (ページ 92-97)

第2章 環境ビジネスと P2M

3. 環境ビジネスへの P2M プログラムマネジメント適用

3.2. ミッション設定の主要要素としての洞察力

3.4.5. プログラムのフォーメーション構想・ステークホルダー分析

プログラムのフォーメーション構想あるいは参画者つまりステークホルダー分析は、当 然のことながら、プログラムの機能分析や要素技術・手段分析と同時並行的に行われる。

エコ・スマート系の案件では、機能分析が先というより、あるグランドデザインの下で、

特定の技術や統合マネジメント力を有する企業群のフォーメーションを先に構想し、ここ から案件(プログラム)の構想を詰めていくことも行われる。

プロジェクトにおいてもステークホルダーの特定とマネジメントはプロジェクトの成 否を左右する重要課題であるが、プログラムにおいては、ステークホルダーはさらに多重、

多元的な構成となり、複雑なステークホルダーマネジメントを強いられる。

特にエコ・スマート都市、水システム、スマートパワーなどの新型環境プログラムでは、

プログラム遂行体は複数企業・自治体を含むコンソーシアムとなり、主要ステークホルダ ー構成だけを取り上げても、プロジェクトレベルのステークホルダーよりも複雑となる。

図表 2-22 は、経済産業省の産業構造ビジョンに示された我が国政府が積極的に関与す るパッケージ型インフラストラクチャー/環境プロジェクトのスキームである。

図表 2-22 日本政府が積極的に関与するインフラストララクチャー プロジェクトのフォーメーション

ステークホルダーの分析は、図表 2-23のようなステークホルダー関係性分析図 (Venn

Diagram)、あるいはP2Mが示す依存・交渉マトリックス(図表 2-24)を以て行われる。

ステークホルダー関係性分析図は、単にステークホルダー間の関係の図示だけではなく、

その関係が「出資」、「無償援助」、「購入者・納入者」、「競合」、「圧力団体」のい 日本政府日本政府

(経済産業省等)

(経済産業省等)

コンソーシアム

形成支援

オペレーション

主体 関連企業C

関連企業A

関連企業D

関連企業E 基本 設計書の

作成

相手国政府・事業関係機構

9インフラ計画作りからの関与 9トップセールス

コア企業

関連企業B

受注/運営

出典:経済産業省産業構造ビジョン

ずれかにあるのかを結線の種別で示すことを特徴としている。

図表 2-23 ステークホルダー関係性分析図(ベンダイアグラム)

依存/交渉

参加関係 協力関係 調整関係

資源依存 出資 ベンダー 調達交渉

人材依存 親組織 派遣社員 特定依頼

組織依存 パートナー企業 アウトソース企業 競争企業

依存

技術依存 技術提供 技術提携 技術交渉

環境負荷 環境条件 条件設定 条件交渉

許可依存 説明 要請 説得

交渉

強い制約 解決と代替案 参加要請 説得

図表 2-24 依存・交渉関係マトリックス

3.4.6. プログラムの資金分析

いかなるプロジェクトあるいはプログラムについても妥当するが、プログラムの構想化 も所要資金の粗々の算出を伴いながら進める。

所要資金の算出には、見積り精度プラス/マイナス 25%程度の積算手法を使用しての概 算見積り(Order of Magnitude)手法が使用されるが、環境ビジネス案件については次の

Service for Fee Service for Fee Donated Service

Donated Service CooperationCooperation Fund Flow Fund Flow

Competition Competition Pressure Pressure

PROGRAM PROGRAM ORGANIZATION ORGANIZATION

LOGISTICS LOGISTICS ENGINEERING ENGINEERING CONSULTANTS CONSULTANTS MARKETING MARKETING

PROJECT MANAGEMENT

TEAMS PROJECT PROJECT MANAGEMENT MANAGEMENT

TEAMS TEAMS

COMMUNITY COMMUNITY

GOVERNMENT GOVERNMENT PROCUREMENT

PROCUREMENT

CLIENT CLIENT INVESTORS

INVESTORS

LA MESA LA MESA WATERSHED WATERSHED

POWER UTILITY POWER UTILITY COMPANIES COMPANIES WATER UTILITY WATER UTILITY COMPANIES COMPANIES

ような課題が横たわっている。

• ミッションは明確でも何を創るのか(What to make)や、どこまでやるのか(構築の みか、運営までか、運営は運営代行か事業責任を有するか、等)が初期段階では手探り 状態であることも多く、概算見積りの範疇であってもコスト算出が難しい。

• 多く、開発途上である、あるいは実証が済んでない技術の使用や複数技術の複合を行う ため、コスト算出自体が山積前提の上でなされる。

• 少しでも現実的な概算コスト算出を目指すと、感度分析(What if シミュレーション)

の連続であり、大変な工数を要する。

これらの情況からの打開策の一つとして、環境系プログラムにおいても構想化や全体像 の構築とそれに伴う資金算出には、分野は異なれど複雑な大型プロジェクトの構想から構 築までのライフサイクルの統合化に熟達している商社や総合エンジニアリング企業を組み 入れることで、これら企業の大型プロジェクトのシステムインテグレーターの機能と知見 を活用するという現下の背景がある。

3.4.7. 事業のサステナビリティ貢献評価

環境ビジネスプログラム/プロジェクトは、当該国の(あるいはグローバルな)サステナ ビリティに貢献することが求められる。P2Mの価値評価基準でもEcology(環境親和性)

やAcceptability(社会の受容牲)が謳われている。

下記は OECD が実施している、事業投資やプロジェクト計画のサステナビリティ評価 の概要である(Project Concept Symposium 2010, ノルウェイ政府財務省主催、Dr.

Candice Stevens, OECD Sustainability Development Advisor招待講演より)。

① サステナビリティ・アセスメントの目的

• 投資やプロジェクトの社会、経済、環境面での影響を識別する

• 政治的コンテキストを明らかにする

• 公共の受容性の確保

② サステナビリティ・アセスメントの3つの目

• 統合的な評価であること

• 短期的影響と長期的影響の両方を考慮すること

• オープンで透明な評価プロセスを有すること

③ サステナビリティ・アセスメントのSIMPLE ルール

• スコープの適切さと範囲 Scope relevance and extent

• アセスメントの関与者 Identify participants

• 経済、環境、社会的な影響の測定 Measure economic, environmental and social impacts

• 3つの柱の間の矛盾を顕在化する Presents conflicts across three pillars

• 影響の緩和手段を識別する List mitigating measures

• 代案を提言する Enumerate alternative paths or options

④ スコープの適切さと範囲

• 投資あるいはプロジェクトの基本パラメータの識別

• アセスメント基準の設定

• 簡便アセスメントか詳細アセスメントかを決める

• アセスメントのツールを選択する(定量評価、定性評価)

⑤ アセスメントの関与者

• 政府 – 主体官庁、他の関係官庁(中央政府レベル、地方政府レベル、末端自治体レ ベル)

• ビジネス-主体企業、パートナー、コントラクター、サプライヤー

• 他のステークホルダー – 組合、NGO、市民団体、コミュニティ

• アナリスト – 内部および外部エキスパート

⑥ 経済、環境、社会的な影響の測定 (-3から+3の6スケールで行う)

• 経済的影響 9 投資効率

9 収入 9 雇用 9 競争力

9 イノベーション

• 環境への影響 9 エネルギー効率 9 環境汚染源 9 天然資源投入 9 生態系への影響

• 社会的な影響 9 コミュニティへの便益

9 収入の分布 9 消費者物価

9 健康・安全 9 男女均等性

⑦ 資本種類別に影響の測定を行う

• 金融資本 – 投資ファンド、株式、債券

• 物的資本 – 建物、生産設備、商品、サービス、インフラストラクチャ

• 天然資本 – エコシステム、天然資源

• 人的資本 – 雇用、機会均等

• 社会資本 – 公的、民間ガバナンス

⑧ 3つの柱の間の矛盾を顕在化すること

• 3つの柱間の主たるシナジー、相克、トレードオフ関係

• プラス効果、マイナス影響の定量化と補正

• 図表形式での緒元に関するメリット、デメリットの提示

⑨ 影響の緩和手段を識別する

• 投資・プロジェクトの導入タイミング

• 環境保全対策

• 健康・安全対策

• リスクヘッジ策

• コミュニティの移行調整策

• 作業員訓練

• 消費者保護

• 財産権の保護

⑩ 代案を提言する

• 衡平 – limits trade offs

• 汎用的 – すべての関係者が受容可能

• 効果的 – 合目的

• 効率的 – 成果(アウトカム)のコスト対便益が正当化される

• 実践的 – 実施が現実的である

• 恒久性 – 長期的にサステナブルである

⑪ サステナビリティ評価の貢献

• 経済発展、環境保全、公共福祉に資する

• 長期的なサステナビリティを確保する

• 政治問題化、実施遅延、可避的なリスクの発生を防ぐ

ドキュメント内 Microsoft Word - 環境報告書 doc (ページ 92-97)