第6章 附属施設の概要
第3節 センター
第6章 附属施設の概要
者として保健環境センター長,医師1名,環境安全学専門の教員1名,並びにセンター兼任者2 名が委員として出席し,安全衛生管理に寄与した。また,医師1名が,附属高校,附属名古屋小 学校,附属名古屋中学校の産業医も兼任した。
産業医による職場巡視は,2010 年度については,学内全体の巡視と問題個所の巡視のいずれか の形で,毎月実施した。内容としては,VDT 使用職場,粉じん ・ 有害ガス等の発生作業場,外 傷等の事故発生箇所等である。
③作業環境管理
A.研究室・事務室の安全衛生自主点検
本学では,衛生管理者が研究室の内部も点検することは困難であったため,2010 年度に新 たに本学の研究室・事務室の実情に合った安全衛生自主点検を開始した。この点検は,附属 学校も含む各研究室・事務室の責任者が点検票に回答を記入し,問題のある部屋に安全衛生 担当者が出向いて対策をたてる方式である。点検票への回答は 291 室からあった。物品転倒 転落防止,タコ足配線等に関する問題点が高率であった。問題個所の実地調査は,2011 年度 に持ち越した。
B.作業環境測定
有機溶剤,特定化学物質,鉛,粉じんに関する作業環境測定を実施した。その結果,鋳金 工房の粉じんが,昨年と同じく第3管理区分(直ちに改善措置が必要)となり,対策を種々 検討の結果,舞い上がりの少ない砂への変更を実施した。他は,第1管理区分であった。
C.アスベスト対策
アスベストを含む器具等の処分を実施した。160 室について天井や壁のひる石吹付け材の 劣化状況を巡視した。劣化が顕著な部屋については,気中石綿濃度を測定し,リスクアセス メントを実施して,最終的にはひる石を撤去した。劣化が顕著でない部屋は経過観察とした。
D.喫煙対策
敷地内全面禁煙の実施に向けてのポスター4種類を掲示した。健康診断結果に基づき,必 要な人には禁煙勧告をした。禁煙支援のための講演会を開催した。
E.作業環境改善
衛生管理者が職場巡視により指摘した事項については,施設課,人事課等と協力して速や かな解決を図った。例えば,労働災害頻度が高かった附属学校の給食調理室については,当 事者,学校の管理者,安全衛生関係者による参加型の改善活動を展開し,可能な範囲は即時 改善し,予算が必要な改善は,2011 年度に実施とした。
④作業管理
VDT を使う教育・事務職員を対象に,作業時間,姿勢等の問題を把握するための第6の質問 紙調査を実施した。調査結果は,安全衛生委員会に報告し,有所見者には産業医面談を実施した。
⑤健康管理
A.一般健康診断
教育・事務職員の集団健診と人間ドックを合わせた受診率は,附属学校職員 95%,事務職 員 91%,大学教員 79%で,前年とほぼ同じであった。要精査・要治療者については,医療 機関への紹介並びに健康相談を行った。名古屋,岡崎地区の附属学校職員の保健相談は,医 師が各校に出向いて実施した。
B.特殊健康診断
放射線,有機溶剤,特定化学物質,鉛,じん肺,VDT 作業に関する特殊健診を実施した。
鉛と VDT は年1回,他は年2回実施した。VDT 健診において,一部に作業関連性の疑わ れる所見を認め,改善助言をした。
C.応急処置と健康相談
前年と同じく実施した。健康相談では,メンタルヘルス並びに生活習慣病に係る相談が主 を占めた。少数だが,過労に関する相談があった。必要な場合には,業務負荷の軽減や医療 機関の紹介を行い,診療結果の回答を得て,健康管理に役立てるようにした。
⑥労働安全衛生教育
教室ごとのメンタルヘルス勉強会(1回1時間)を,前年度に引き続き,センターの岡田准教 授が実施した。
係長を対象とした教育を初めて実施した。
自動体外式除細動器(AED)の使用に関する講習を実施した。
⑦労働災害発生後の再発予防策
労働災害の発生時には,現場調査をし,再発予防措置を講じるようにした。労働災害の原因を,
本学の実際に合うように作成した事故分析票を用いて,間接的原因まで含めて調べ,再発防止策 を講じた。
⑧その他
A.大学等環境安全協議会実務者連絡会
実務者連絡会の労働安全衛生部門長を,センターの榊原講師が務めており,2006 年度から 展開してきた全国の大学等高等教育機関の労働安全衛生改善事例の収集と公開のためのプロ ジェクト事業の成果をまとめ,2010 年度からは,新たな災害予防に関するプロジェクトを企 画実施した。現在の環境安全衛生の組織体制,及び学内の事故・ヒヤリハット事例の収集方 法や,その活用方法について,大学等環境安全協議会を通じてアンケート調査を実施した。
B.有害物を取り扱う学生の安全衛生
学生は,労働者ではないが,有害物を授業や卒業研究等で扱うことから,特殊健診に代わ る調査を例年どおり実施し,相談希望の学生と必要と判断された学生には,有害物の扱い方 や健康影響に関して医師と衛生管理者が面談を行い,安全衛生指導を行った。
2)環境保全
①環境報告書の作成
大学の環境報告書(第5号)を,センター兼任者が中心となり,学内関係部門の協力の下に作 成した。環境報告書は,冊子として作成し,本学ホームページにも公表した。要旨は,ポスター として学内に掲示したほか,全国の大学等環境安全協議会でも展示した。
また,環境報告書ダイジェスト版も作成し,新入生等に配布し,環境活動の実践を呼びかけた。
②環境配慮の目標・計画の策定と実施
2010 年度の環境配慮の目標・計画案を作成した。案は学内手続きを経て,公式の目標・計画と して策定された。目標は,環境重視型大学の実現,本学の特長を生かした環境教育研究推進,豊 かな自然環境を保全活用した環境負荷の少ないキャンパス作りとされた。計画は,省資源・エネ ルギー,化学物質管理,リサイクル,廃棄物処理,労働安全衛生等に関し具体的に立てられた。
実施状況は,労働安全衛生については前述のとおり,環境保全については下記のとおりである。
2010 年度末に,実施状況の評価を行い,その結果を踏まえて,2011 年度の目標・計画の策定 と広報を行った。
③化学物質管理
化学物質取扱状況調査,廃棄物処理業者の適格性調査,毒劇物保管状況調査,化学物質の新し い管理方法の検討等を実施した。
このうち,化学物質取扱状況調査は,水質汚濁防止検討委員会,安全衛生委員会と協力して,
法規制の無い物質も必要に応じ対象として実施した。調査結果は,PRTR 法関連(環境省・経済
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産業省),水質汚濁物質排出調査等の基礎資料として利用し,また,作業環境測定,特殊健康診 断の実施のための資料としたほか,学内では,環境保全広報を通じて公表した。
化学物質の新しい管理方法として,富山大学で開発された薬品管理システム「TULIP」を導入 し,全学的な運用を開始した。各研究室での薬品管理業務の支援を第一の目的とし,組織的な一 元管理についても重要視し,毒物及び劇物取締法とともに環境安全に深くかかわる6法規制に対 応させることとした。2010 年度は,毒物及び劇物取締法に関わる化学物質についての未登録義務 として,全学講習会等を行った。
化学物質安全衛生マニュアルの作成を予定したが,進展がなく,次年度に持ち越した。
④不要農薬の回収・処分
前年度に引き続き,安全衛生点検の一環として附属学校園を含めた不要農薬の回収を実施した。
水質汚濁防止検討委員会との協力により,有害危険性のある廃棄物として実験廃液と同様に適正 に処分した。回収量は多くはなかったが,1回の一斉回収では,漏れなく回収することは困難と 考えられた。
⑤環境ミーティング
教職員,学生,生協の参加を得て,情報交換と環境計画実施に関する討議を行った。講義棟を 中心とするごみ,授業等で配付される紙資料の残部等の課題に加え,学内の喫煙マナー問題,
2011 年度からの敷地内全面禁煙への対応と環境リサイクル市についての意見交換が中心となっ た。環境ミーティングでの話題から,教職員も生協学生委員に協力して,教室のごみ回収を行なっ た。
⑥環境リサイクル市
卒業生等の不用品リユースと新入生の経済的負担軽減,収益金による環境活動支援を目的とし て実施してきたが,学生からの不用品の提供が少なく,教職員からの提供に依存する状態である など本旨が生かされていない状況にあり,これらの改善が困難なことから,2010 年度は中止とし た。
⑦卒業予定者への廃棄物の適正処理呼びかけ
研究室,アパート・学生寮,クラブ・サークル室等に生じた廃棄物,不要になる自転車 ・ バイク・
自動車の適正な処理,不法投棄防止を働きかけた。その結果,住民等からの苦情は無くなった。
⑧環境保全広報
水質汚濁防止検討委員会が発行する「環境保全広報 2010」への寄稿と編集協力をした。
⑨学校環境衛生基準への対応
学校環境衛生基準に定められた測定を,附属学校を含めて実施した。一部で高濃度のホルムア ルデヒドが検出される等があり,関係者に説明し,適切な管理がなされるようにした。
⑩「環境研究と環境教育の融合によるエコキャンパスづくり」プロジェクト
保健環境センターが中心となって起案した 2011 年度の概算要求が採択され,2011 〜 2014 年度 までの計画案づくりとその実施に向けた準備を進めた。
3)調査・研究成果の発表
活動成果の交流,社会貢献,並びに職員の自己研鑽の一環として,アスベスト対策,学校環境衛 生基準に基づく環境管理,インフルエンザ対策,愛教大における労働安全衛生活動のまとめ等につ いて,全国並びに当地域の大学の保健管理・環境保全関係の研究会・学会や保健環境センター紀要 等の雑誌に発表した。
4)教育への貢献
保健環境センターの活動の成果を活用しつつ,下記を行った。