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どのような教科の枠をこえたスキルをPYPは提案するのか

プログラム全体を通しての学習において、児童は社会的スキル、コミュニケーションス キル、思考スキル、リサーチスキル、自己管理スキルといった数々の教科の枠をこえたス キルを習得し、応用します(図8参照)。これらのスキルは「探究の単元」(UOI)だけ ではなく、クラス、さらには学校以外の生活におけるすべての教育と学習において役に立 つものです。

私たちは何を学びたいのか(指導計画)

PYPのスキル

思考スキル

知識の習得 特定の事実、アイデア、語彙を習得すること。似た形式で記 憶すること。

理解 学習した教材から意味を見いだすこと。学習したことを解釈 し、それを伝えること。

応用 すでに学んだ知識を、実践的または新しい方法で活用すること。

分析 知識やアイデアを分解すること。構成部分ごとにわけるこ と。関係性を見いだすこと。固有の特徴を見つけること。

統合 部分を、全体を作り上げること。創造、デザイン、開発そし て革新すること。

評価 選択された評価規準に即した判断あるいは、決断を下すこ と。基準および条件。

弁証法的思考 同時に2つの、またはそれ以上の観点に関して考えること。

それらの観点を理解すること。他者の知識を基に、それぞれ の観点に関する議論の構築ができること。他者独自の観点を もちうることを認識する。

メタ認知 自分自身、そして他者の思考過程を分析すること。人がどのよ うに考えるのか、どのように学ぶのかに関して思考すること。

社会的スキル

責任を受け入れること 適切な方法で課題に取り組み、完成させること。責任の一端 を進んで担うこと。

他者を尊重すること 他者の話を慎重に聞くこと。公平さと平等さのもと、決断を 下すこと。他者の信念、観点、宗教やアイデアは、自分自身 のものと違いうると認識すること。他者を傷つけることな く、自分の意見をいうこと。

協力すること グループで協力して作業すること。他者に礼儀正しく接する こと。教材を共有すること。順番に行うこと。

対立を解決すること 注意深く他者に耳を傾けること。歩み寄ること。状況に落ち 着いて反応すること。責任を適切に受け入れること。公平で あること。

グループでの意思決定 他者の話を聞くこと。アイデアについて話し合うこと。質問 をすること。合意に向けて取り組み、合意を得ること。

グループ内のさまざま な役割を担うこと

自分が置かれた状況の中でどのような振る舞いが適切かを 理解し、それに応じて行動すること。場合によってリーダー になったり、メンバーになったりすること。

図8

私たちは何を学びたいのか(指導計画)

PYPのスキル

コミュニケーションスキル

聞くこと 指示を聞くこと。他者の話を聞くこと。情報を聞きとること。

話すこと はっきり話すこと。小さいグループおよび大きいグループに 対し、口頭で報告すること。アイデアを明確にそして論理的 に表現すること。意見を述べること。

読むこと 情報を得るため、そして楽しむためにさまざまな情報源を 読むこと。読んだ内容を理解すること。推理し、結論を出 すこと。

書くこと 情報と観察を記録すること。メモを取ったり、言い換えたり すること。要約を書くこと。報告文を書くこと。日記や記録 をつけること。

見ること 視覚教材やマルチメディアを解釈し、分析すること。画像と 言語が相互作用をしてアイデアや価値観、信念を伝達する方 法を理解すること。自分の視聴体験について情報に基づいた 選択を行うこと。

発表すること さまざまな目的と受け手に合わせ、視覚資料やマルチメディ アを作成すること。さまざまな視覚メディアを使い、情報や アイデアを伝達すること。効果的な指示や発表を行うために、

適切なテクノロジーを活用すること。

非言語コミュニケー ション

視覚および運動感覚によるコミュニケーションの意味を認 識すること。記号、標識、身ぶり、合図などを認識したり新 しいものを作ったりすること。シンボルを解釈し、活用する こと。

図8(つづき)

私たちは何を学びたいのか(指導計画)

PYPのスキル

自己管理スキル

粗大運動技能 大きい筋肉が使用され、力が主要な要素となるスキルを示す こと。

微細運動技能 子どもにとっては難しい筋肉を使う、精密さが必要とされる スキルを示すこと。

空間認識 自分と物体との位置関係や、物と物との位置関係に、高い意 識を示すこと。

準備・計画 効果的に活動の計画を立て、実行できること。

時間の管理 効果的そして適切に時間を使うこと。

安全性 自分や他者を危険な状況に置かないような行動をとること ができること。

健康的な生活 栄養・休養・休息・運動のバランスを図るために、情報に基 づく選択を行うこと。適切な衛生・自己ケアを行うこと。

行動の規範 集団における適切なルールや決まり事がわかり、それを適用 すること。

情報に基づく選択 事実や意見に基づき、適切な行動(方針)や態度を選ぶこと。

リサーチスキル

疑問を出すこと 人が知りたいこと、あるいは知る必要があることがわかり、

調査可能な根源的で関連性のある質問をすること。

観察すること 関連する詳細情報に気づくために、すべての感覚を活用する こと。

計画をたてること 活動計画をつくること。アウトラインを作成する。必要情報 を得るための方法を考えること。

データを集めること 地図・調査・直接観察、本、映画、人々、博物館やICTと いったさまざまな一次・二次情報源から、情報を集めること。

データを記録すること 描画、メモ取り、図表作成、集計、文章などで、観察を描写 したり記録したりすること。

データを整理すること 情報を整理して分類すること。物語風の記述や表、年表、グ ラフ、図表などの理解しやすい形式に置き換えること。

データを解釈すること 整理されたデータから、関係性とパターンに基づいて結論を 出すこと。

調査結果を発表する こと

わかったことを効果的に伝えること。適切なメディアを選択 すること。

図8(つづき)

私たちは何を学びたいのか(指導計画)