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どういう点で、これらの概念はカリキュラムを推進するのか

カリキュラムの中心にある概念は、「重要な問い」として表されます。探究型単元を計 画する際、教師や児童に柔軟に活用されるのが、これらの問いです。そしてこれらの問い が、単元に方向性と目的を与え、その単元を形つくるのです。

「重要な問い」、そしてそれに関連する概念が、PYPカリキュラムを推進するといえる のは、そういう意味なのです。

• PYPにおいて探究は学習を促すツールであるため、「重要概念」を提示する際の 最も自然な方法は、広いオープンエンド型の問いである。

• この形式で提示されることにより、概念が教師と児童の考えを開放し、さらなる多 くの問いを生み出し、それぞれの問いがが生産的な探究の流れへと導かれる。

• 一連の問いとして見ることで、「重要概念」は管理しやすいオープンエンド型の研究 ツールになることがわかるが、「重要概念」はただ大事だという意味で「重要」と 呼ばれているのではなく、計画された持続的な探究を通して知識体系にアプローチ する「鍵」としての役割をもつ。概念は、知識の幅や理解の深さに何の制限もかけ ないため、特定の能力とは関係なく、すべての児童が享受できるものである。

私たちは何を学びたいのか(指導計画)

発点、および導入を表している。最も関連性が高い「重要概念」は、どの「探究の 単元」(UOI)においても特定し、文書化すべきである。

要約すれば、PYPの概念は、計画されているもの計画されていないもの関係なく、全 カリキュラムを通して、児童の探究を支えるものということができます。また、児童が成 長し、理解を深めていくに従い、これらの概念には、教科の枠をこえた単元の文脈で、あ るいは各教科領域を横断的に、異なる解釈や応用がなされることも認められています。こ れらの概念の一般的な解釈、および、教科特有の観点からの解釈は、本資料巻末の付録に 記載されています。

PYP「重要概念」と関連する問い

特徴 重要な問い それはどのようなものか

定義 すべてのものは、観察、特定、描写そして分類可能な、認識で きる特徴をもつ形式があるという理解

根拠 観察、特定、描写そして分類することはすべての教科における 人間の学習にとって基礎となるものであるため。

関連概念の例 特性、構造、類似点、相違点、傾向

機能

重要な問い それはどのように機能するのか

定義 すべてのものには、調査可能な目的、役割、行動方法があると いう理解

根拠 機能、役割、行動、物事の仕組みを分析する能力はどの教科の 学習においても基礎となるものであるため。

関連概念の例 行動、コミュニケーション、パターン、役割、システム

原因 重要な問い それはなぜそうなのか

定義 物事は理由なく起こることはなく、起因関係があり、行動には 結果が伴うという理解

根拠 児童に「なぜ」という問いを促し、行動と出来事には理由と結 果が存在するということを認識させることに重要性があるた め。すべての教科において、起因関係の分析は重要。

関連概念の例 結果、順序、パターン、影響

図7

私たちは何を学びたいのか(指導計画)

PYP「重要概念」と関連する問い

変化

重要な問い それはどのように変わっているのか

定義 変化とは1つの状態からまた別の状態へ移るプロセスであり、

普遍的で不可避なものである、という理解

根拠 すべての存在に対してきわめて普遍的な特徴であるだけでな く、地域社会そして地球規模で変化のスピードが加速している 世界の中で成長し、国際的な視野を育んでいる児童にとって特 に関連性が高いため。

関連概念の例 適応、成長、サイクル、連続性、変容

関連

重要な問い それは他のものとどのようにつながっているのか

定義 私たちは、個々の要素による行動が他のものに影響を及ぼす相 互作用システムをもった世界に生きているという理解

根拠 すべての物は孤立した単体としては存在せず、むしろ組織の中 の一要素であることを理解することが重要であるため。組織内 での関係はしばしば複雑で、組織内の1つの側面に変化があっ た場合には、すぐに明確でなくとも影響がある。私たちは、即 時的で個人的なものから、環境とコミュニティーに対する広範 囲なものまで、自分の行動が他者に与える影響を考慮しなけれ ばならない。

関連概念の例 関係性、ネットワーク、恒常性、相互依存性

視点 重要な問い どのような見方があるのか

定義 知識はものの見方によって制御されており、異なるものの見方 は異なる解釈・理解・発見を生み、ものの見方は個人的、集団 的、文化的そして学問的でありえるという理解

根拠 児童が単純で偏見のある解釈を避け、他者の観点を探究しそれ を考慮し、妥当な解釈を発達させる性質を身につける強い必要 性があるため。

関連概念の例 主観性、真理、信念、意見、偏見

私たちは何を学びたいのか(指導計画)

PYP「重要概念」と関連する問い

責任

重要な問い 私たちにはどんな責任があるのか

定義 人々は自分の理解にもとづいて選択を行い、その結果として 人々がとる行動は違いを生むという理解

根拠 この概念は、児童が責任を認識して全うすること、そして社会 的な責任を果たすような行動をとることを身につけることの 必要性から選択された。この概念はPYPカリキュラムの基本 要素の1つである行動と直接的に結びついている

関連概念の例 権利、市民権、価値観、正義、主導権

振り返り

重要な問い 私たちはどのようにして知るのか

定義 知り方にはさまざまな方法があること、私たちは、出した結論 を振り返り、推論方法を考慮し、私たちが考慮した証拠の質と 信頼性を考察することが重要だという理解

根拠 この概念は、相互に関連するさまざまな理由から選択された。

これは児童に証拠・方法・結論を検証するよう促す。これを行 うことにより、児童の思考を高度なメタ認知まで発展させる。

児童は、さまざまな教科の中で「知る」とはどういうことなの