【トライベッカ・機密情報】
覆面調査員が 5 つのショッピングセンターを定期的に訪問、総合的な印象等を記述。
調 査 対 象 桜山トライベッカ 調 査 期 間 2003年2月〜3月 調 査 員 山岸和永 調 査 日 訪 問 時 間 天 候
2月2日(日) 10:00〜11:30 雨
2月12日(水) 19:30〜22:00 曇り
3月23日(日) 13:00〜14:30 晴れ
春休みに入ったばかりの日曜日、昼下 がりという時間帯、しかも晴れ、さすが に非常に混んでいる。家族連れも多く、
子供の声が響き渡っていた。しかし見て いると、ウィンドウショッピングの人も多 く、時間つぶしの人が多いのか、あまり 目的を持って来場しているようには見え ない。また2月に訪問したときと、全く同 じディスプレーの店が少なからずあるこ とに驚いた。一ヶ月以上経っているの に。
調査票
印 象
日曜日だが雨で肌寒く、開店直後の客 足は鈍い。セールが終わったばかりと いうせいもあるのか、結局昼近くなって も、それほど客数は増えなかった。家族 連れの姿もあまり多くなく、若いカップル や一人の客が多く、一つか二つの店を 出るとすぐに立ち去る人が多いように思 う。平均の滞在時間は、昨日訪問した 多摩ガーデンモールに比べて相当短い ように感じる。雨だと他に行く場所が限 られるので、もっと長く滞在しても良さそ うなものだが。
ウィークデーの夕方から夜にかけて、会 社帰りの客でごった返しているかという 予測に反し、思ったよりすいている。
ゆっくり買い物をするには適した客の入 りとも言えるが。ペット連れの客が結構 居たが、知り合い同士が多いのか、立 ち止まって会話したりしているようだ。
ペットを原則禁止しているモールが多い 中、これはポイントかもしれない。結局 食事をしながら結構長居をしたが、閉店 間際になるとほ とんど客が居なくなって しまった。
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-桜山ニュータウン駅・乗降客数推移
70,000 75,000 80,000 85,000 90,000 95,000
9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
2001年 2002年 2003年
72,000 74,000 76,000 78,000 80,000 82,000 84,000 86,000 88,000 90,000 92,000 94,000 一日あたり平均乗降客数
移動平均乗降客数
【トライベッカ・機密情報】
桜山ニュータウン駅(トライベッカの最寄駅)の一日あたり乗降客数データ
出典:各種統計データ
備考:
2002年初頭、
11月、
2003年
3月、駅前地区の大型分譲マンションで入居が開始された。
乗降客数伸び率では、沿線でも
1・
2位を争う駅となっている。
グラフ内の数値は人数。
当ケースは、「ビジネス交渉人材」の育成を目的として独自に開発されたものです。ケース中に登場 するいかなる固有名詞(企業・団体・組織・個人名等)も架空であり(ただし地名を除く)、現実に 存在する企業・団体・組織・個人名と一切関連はありません。ケース中に登場する状況、名称等と現 実とのいかなる類似も、意図的なものではありません。またケース中に登場するいかなる状況設定も、
特定の企業・団体・組織・個人の活動を支援・推薦・助長あるいは非難・批判・攻撃する意図を持っ ていません。あくまでも架空の設定に基づき、受講者が交渉のスキルを学ぶことを目的として設計さ れたケースです。
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-3-E
ビジネス交渉人材育成プログラム
ケーススタディー Ⅲ
マンション販売交渉
「最後の一戸」
参加者用ケース情報
成和開発㈱・営業担当:「白石(しらいし)」用
《秘密資料》
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あなたは首都圏を中心にマンションのディベロッパー事業(土地を購入あるいは借りて、その土 地にマンションを建設し、販売する事業)を行っている不動産会社、成和開発㈱の営業担当「白石(し らいし)」です。あなたは大学を卒業したあと、大手の雑誌出版社で重役を務めている父親の紹介で、
有名インテリア雑誌の編集部に採用され、4 年ほど編集の仕事をしていました。しかし、どうせイ ンテリア業界で仕事をしていくなら、いずれ独立して大きな事業を起こせるような力を身につけた い、と思い 5 年前に成和開発に転職しました。
仕事の内容としては、個人相手に都心のマンションの部屋を販売する、いわゆる個人営業が中心 となっています。まるで違う世界からの転職に、最初はとまどうことも多かったのですが、今はす っかり馴染んできました。営業はノルマもあって厳しいですがやりがいもあり、部下も持つように なって、充実した毎日を過ごしています。毎日午前中は部下を指導しながら見込み顧客のリストを もとに何十件か電話かけをしてアポイントを頂き、午後は飛び込み訪問も含めて見込み顧客に足を 運び、合間を縫ってモデルルームに足を運んでお客様を案内する、そんな日々を送っています。
成和開発は、大手財閥系の不動産会社から独立した社長が 8 年前に創業した新興の不動産ディベ ロッパーです。マンション専門のディベロッパーとして近年成長を遂げており、首都圏ではだいぶ 名が知られてきました。マンション販売は、競争相手も多く激戦の業界ですが、成和開発は有名デ ザイナーを起用したお洒落なイメージのマンションを開発し、多少首都圏では知られるようになっ てきました。今年も表参道に超高額所得者層を対象にしたマンション開発を計画しており、話題づ くりを狙っています。成和開発は 付加価値を売る ことをポイントにしており、同程度の他社物 件の市場価格よりも、若干高めに価格が設定されています。「即日完売」する物件は、価格設定が 間違っている、というのが社長の口癖です。当然、営業担当の役割は大きく、いかにお客様に物件 の価値を理解して頂くか、が大きなポイントとなっています。
あなたの営業歴はわずか 5 年ですが、お客様の立場に立つことを基本に、無理強いをせず、前職 の経験を活かしてインテリアの相談にも乗るなど、じっくり相手と語り合う姿勢を心がけています。
お客様の役に立つなら、と 2 年前にインテリアコーディネーターの資格も取得しました。成和開発 のような高額物件では、購入されるお客様もインテリアにこだわりを持つ方が多く、ちょっとした 質問や要望に、すぐに答えられるかどうかが商談を大きく左右します。あなたのインテリアに対す る造詣の深さは、成和開発の全営業担当の中でトップクラスです。こういった営業姿勢がお客さま にも評価され、入社 2 年目以来ずっとあなたの営業成績は上位にあります。入社時の面接で社長が 話してくれた、 マンションといえど、付加価値次第でただの住処(すみか)にも、心からのくつ ろぎを与える理想の住居(すまい)にもなる。これからはマンションもハードでなくソフトの時代 だ! という言葉は、今もあなたの心に残っています。
さて、つい先日のことです。午後いつものように営業に出かけようとした矢先、あなたは上司で ある営業本部長に呼び出されました。何事かと思い本部長の部屋に出向くと、本部長はあなたに対 し、緊急の特命仕事を申し付けました。その内容は、「エクセルシオン代官山」最後の一戸 ヴァ レッタ の営業を、どの仕事よりも優先して行うように、とのことでした。前任の営業担当はもう 他の物件に注力しており動きがとれず、あなたしか適任者がいない、とのことでした。
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エクセルシオン代官山は、3 階建ての邸宅風マンションで、ロケーション・デザイン・居住性と も超一流の成和開発の自信作です。高級住宅の多い代官山(渋谷区のファッショナブルな街)とい う土地柄を生かし、一見豪華な大邸宅にも見える門構えから、レンガ敷きのアプローチ、地中海風 のエントランスと噴水のある中庭、と絵に描いたような高級マンションです。管理人は 24 時間常 駐で大手セキュリティー専門企業と提携して安全対策は万全です。各物件の面積は最低でも 150 ㎡ と広く、一フロアあたりの戸数もわずか 4 戸と限定しており、総戸数 12 と小規模な造りとなって います。各物件の呼称は、○○号室と味気ない呼び方をするのではなく、例えば コルシカ 、 ニ ース など地中海にまつわる地名がつけられています。室内のインテリアや、テラスなどのエクス テリアが、その物件の名前のイメージに合わせて一戸ごとに変えられるなど、徹底的なこだわりが 売り物の一つです。また大型のペットを飼えるよう、ベランダには専用の水道やハウススペースが 設けられているなど、富裕層のライフスタイルを研究し尽して開発されています。エクセルシオン は、成和開発が社運をかけて開発した一大プロジェクトであり、この物件の成否次第では、首都圏 でのメジャープレイヤー(有名開発業者)の一員として認められるのも夢ではありません。
エクセルシオン代官山は平均販売価格帯が 1 億 8,000 万円台と高額ながら、落ち着いた生活を求 める富裕層に、発売当初から密かな人気を呼びました。社長の狙いどおり、少し高めの価格設定に より、即日完売こそしませんでしたが、ショールームには連日有名人を含め様々な方が見学に来ら れました。営業チームの熱心な営業活動により、派手好きな芸能人などはいませんが、茶道家元の 跡取りや某財閥系企業の役員一家など、そうそうたる入居者が次々と決まりました。モデルルーム として使っていた関係で最後に残っていた 2 階の大型3LDK の一戸 ヴァレッタ も、引退した元 大物映画俳優が気に入ってくれ、成城(東京で 1、2 を争う高級住宅地)にある邸宅を売却して購 入することになっていたはずでした。
順調に見えたエクセルシオンの販売ですが、青天の霹靂という事態が起こりました。なんと突然 この元俳優が、急性心不全で亡くなってしまったのです。成和開発からは早速営業本部長がお通夜 に参列し、ご遺族の方とも話をしてみましたが、この元俳優氏、実は家族にも内緒で相当な借金も 抱えていたらしく、結局購入の話はお流れになってしまいました。追い討ちをかけるように、この 話がマスコミの話題となってしまいました。ある低俗な週刊誌などは、他業者が手がけた手抜き工 事マンションのトラブルなどと一緒にした記事を作り、 呪われたマンション などと特集を打つ 事態になってしまいました。成和開発では早速この週刊誌に抗議を行い、小さいスペースながらも
「お詫び」を掲載する約束を取り付けることができました。しかし、一度ついてしまった悪いイメ ージが、どのくらい今後に影響するのか、成和開発にとっては心配事の種が増えました。
成和開発は、競合する他のディベロッパー企業と違い、基本的には工事が完成してから、実際の 建物や部屋をお客様に見て頂いてから物件を販売します。仮設のモデルルームだけでは実際の物件 の雰囲気や高級感、何よりも付加価値が伝わらない、という社長のポリシーで、エクセルシオン代 官山も既に物件は完成し、一部の入居者はすでに入居しています。いつまでも部屋が売れ残ったま まだと、良くない噂も立ちかねないし、今の入居者の方々に不安を与えることになりかねません。
エクセルシオンの販売チームは、すでに解散して他物件の販売に専念しており、今動くことができ