3.2 状況要因に駆動される関与。
3.2.2 永 続的関与 。状況的関与 .…
永 続 性 と は 関 与 が 不 変 も し くは 長 期 的 に変 化 す る の か 、 状 況 に よ り変 化 す る の か を 指 して い る。 永 続 性 が あ れ ば永 続 的 関 与 (enduring involvement)と な り、 状 況 に よ り変 化 す る の で あれ ば状 況 的 関 与 (situational involvement)と な る。 状 況 的 関 与 は 選 択 課 題 の 在 り方 (コ ス ト、 複 雑 さ等
)に
注 目 を した研 究 と (e.g.Houston andROthschild,1978;Clarke and Belk,1979;Gardial and Biehal,1985)と
、使 用 ‖犬況 にお け る 自己 関 連 性 (personal relevance)の 起 源 に よ り規 定 され る とす る立 場 (e.g.
Celsi and Olson,1988;Chow,et al.,1990;Perter and Olson,2005;Havitz and
Mannell,2005)等
が あ る。状 況 的 関 与 を課 題 に よ り規 定 され る とす る立 場 で は 、 状 況 的 関 与 を課 題 に対 す る 間 題 解 決 へ の 関 与 と して 捉 え て い る (eoge Gardial and Biehal,1985)。 従 っ て 、 前 述 の 動 機 基 盤 に よ る類 型 と関 連 付 け る と、 認 知 関 与 が 中心 に検 討 が な され て お り、 選 択 課 題 に対 して 問 題 解 決 を動 機 づ け る よ うな 条 件 を付 与 す る こ と に よ り、 そ の 操 作 とそ の 影 響 に つ い て 考 察 を行 っ て い る 。例 え ば 、選 択 課 題 に く じ をつ けた り(Celsi and olson, 1988)、 自家 使 用 で は な く贈 答 品 を 選 択 させ た りす る と状 況 的 認 知 関 与 (Clarke and
Belk,1979)は
高 くな る こ とが 明 らか とな っ て い る。一 方 、使 用 状 況 に よ る 自己 関 連 性 の 起 源 に よ り規 定 され る とす る立 場 で は 、 関 与 を 製 品 と製 品 関 連 行 動 に対 す る 自己 関 連 性 と して 規 定 して い る (Petty,et al.1983;
Zaichkowsky,1985;Peter and Olson,1987;Celsi and Olson,1988)。 自己 関 連 性 と は 「個 人 の ニ ー ズ 、 日標 、価 値 と製 品 知 識 (例え ば 製 品 属 性 と便 益
)間
にお け る知 覚され た 結 び つ き」(Celsi and Olson,1988,p.211)を 指 す 。自己 関 連 性(self―relevance) は個 人 の ニ ー ズ ・ 目標 ・ 価 値 と製 品 の結 び つ き が 多 く強 く中心 的 で あれ ば あ る程 強 く な り、関 与 度 が 高 くな る と され て い る (小野 ,1999)。 関 与 が 永 続 性 を持 つ か 、状 況 特 定 的 で あ る の か の違 い は対 象 との 自己 関 連 性 の起 源 に よ り分 類 され る。
自己 関 連 性 の 強 さ は個 人 特 性 と製 品 特 性 と状 況 要 因 に よ って 決 定 され る (e.ge
HoustOn and ROthschild 1978;Peter and Olson,2005)。 特 に 消 費 者 特 性 に よ る 自己 関 連 性 を 内 因 的 自己 関 連 性 (instrinsic self―
relevanance)と
呼 び 、状 況 要 因 に よ る 自 己 関 連 性 の を状 況 自己 関 連 性 と(situatiOnal self― relevance)と 呼 ん で い る (Celsi andOlson 1988;Chow,et al.,1990)103。 尚 Peter and Olson(2005)で は 図 表 3.7の よ う に 自己 関 連 性 を ま とめ て い る。
図 表
3.8
自己 関 連 性 と 関 与出所
:Peter and Olson(2005)p.92よ
り引 用状 況 的 自己 関 連 性 は 「消 費 者 を取 り巻 く環 境 の 手 が か り も し くは 出 来 事 で あ り、 そ の 特 定 状 況 にお いて 自己 との 関 連 性 と して 知 覚 され る もの」 (Celsi and Olsoll 1988
p.212)で
あ る。例 え ば他 者 が 居 る状 況 で 使 用 され る製 品 は 「他 人 に 良 く見 られ た い」と い う 目標 を駆 動 し、 製 品 との 自己 関 連 性 が 強 化 され る こ とが 明 らか とな って い る (Celsi and olson,1988)。 この 例 を 青 木
(1989)の
類 型 に あ て は め る な らば 、 使 用 状 況 が 状 況 的 感 情 関 与 を 高 め て い る こ と とな る。一 方 、 内 因 的 自己 関 連 性 は 「相 対 的 に安 定 的 で あ り、 記 憶 に貯 蔵 され て い る個 人 関 連 知 識 と内 的 に 関 連 す る対 象 も し くは 行 動 に対 す る 関 心 の 永 続 的 な 結 び つ き
J(Celsi
and Olson 1988 p.212)で あ る。 従 っ て 、 状 況 に よ り影 響 を受 けず 安 定 的 に存 在 す るもの で あ り、 内 因 的 自己 関連 性 に よ り規 定 され る 関 与 は永 続 的 関 与 とな る。
従 って 、 コモデ ィテ ィ化 市場 にお け る メー カー は、使用 状 況 を通 じて状況 的 自己 関 連 性 を知覚 させ る ことで 、状 況 的感 情 関 与 を短 期 的 に高め る ことが 可能 で あ るだ ろ う。
例 え ばChow,et al.(1990)は香 水 を対 象 と した 調査 によ り、香水 を使 用す る状況 が 重 要 で有 れ ばそ の使 用 状況 は 自己 関連 性 の状 況起 源 と して 知覚 され 、香水 に対 す る状況 103 celSi and OlsOn(1988)で は 状 況 的 自己 関 連 性 を 「自己 関 連 性 の状 況 起 源
(situatiOnal sOurces of persOnal relevance)」 と呼 び 、後 者 を 「自己 関 連 性 の 内 的 起 源 (intrinsic sOurces of persOnal relevance)」 と呼 ん で い る。
消費者 特性
。自己概念
内 因 的 自 己 関 連 性
状 況 的 自己関連 性 状 況 要 因
・購買状況
"使用状況 口時間的圧 力
″社会 的環境 ヽ物理 的環境
的 感 情 関 与 を 高 め る こ と を 明 らか に して い る。 しか しな が ら、 この よ うな 使 用 状 況 に よ る状 況 的 感 情 関 与 へ の影 響 を考 察 す る研 究 は ほ とん どな く、Chow,et al。 (1990)を 除 き 、 使 用 状 況 研 究 は 前 述 の 通 り考 慮 集 合 の 形 成 へ の影 響 や 選 好 へ の影 響 に集 中 して い る の が 現 状 で あ る。
状 況 的 関 与 と永 続 的 関 与 の 関 係 に つ い て は 、 永 続 的 関 与 と状 況 的 関 与 が そ れ ぞ れ 直 接 情 報 処 理 プ ロセ ス に影 響 を 与 え る とす る調 査 結 果 (e.g.Richins and Bloch,1993)
と、 永 続 的 関 与 は 状 況 的 関 与 を媒 介 して 情 報 処 理 プ ロセ ス に影 響 を与 え る とす る調 査 結 果 (e.go Havitz and Mannell,2005)が あ り議 論 が 分 か れ て お り不 明 瞭 な ま ま で あ るが 、 状 況 関 与 の 方 が 永 続 的 関 与 よ り も情 報 処 理 プ ロセ ス ヘ の影 響 が 大 き い とす る立 場 も存 在 す る (Richins and Bloch,1986;Celsi and Olson,1988)。 従 っ て 、 前 述 した よ う に使 用 状 況 研 究 は 主 に選 好 や 考 慮 集 合 に対 す る影 響 の 中 で研 究 が 進 ん で きた が 、 状 況 的 関 与 との 関 連 の 中 で も検 討 が な され るべ き で あ る。 例 え ば 、 使 用 状 況 の 「人 目 の 付 きや す さ (conspicuousness)」 に 関 す る研 究 と して Graeff(1997)は公 的 な 場 で 使 用 され る製 品 は ブ ラ ン ドに対 す る選 好 が 強 くな る こ と を 明 らか に して い る。 同研 究 で は 明 示 して いな いが 、 これ は 状 況 的 感 情 関 与 を経 て 、 ブ ラ ン ド 。イ メー ジヘ の 選 好 が 高 ま っ た 事 例 で あ る と思 わ れ る。
また 、 経 験 に対 す る影 響 と して は 、 レジ ャー 研 究 にお いて 一 部 で な され て い る。 レ ジ ャー 行 動 は永 続 的 関 与 の み で は状 況 に よ る行 動 の多 様 性 に説 明 が つ か な い こ とか ら (Havitz and Dimanche,1999)、 Havitz and Mannell(2005)は 経 験 して い る と き の 状 況 的 関 与 が 経 験 に対 して 影 響 を与 え 、 経 験 の 対 象 に対 す る永 続 的 関 与 は状 況 的 感 情 関 与 を媒 介 して 経 験 に影 響 を与 え る こ と を 明 らか に して い る。 経 験 価 値 な い しブ ラ ン ド。エ ク ス ペ リエ ンス は 感 性 的価 値 の 経 験 に よ り顧 客 の 記 憶 に残 る も の で あ る な らば 、 同調 査 結 果 の 適 用 が 妥 当 で あ る た め 、 状 況 的 感 情 関 与 は 直 接 的 に経 験 価 値 な い しブ ラ ン ド・ エ ク ス ペ リエ ンス に影 響 を与 え る変 数 とな るだ ろ う。 従 っ て 、 や は り経 験 価 値 マ ー ケテ ィ ン グ を検 討 す る に 当 た り、 状 況 に よ り可 変 的 で あ る と い う企 業 に よ る操 作 可 能 性 を以 て 状 況 的 関 与 に注 目す る の で は な く、 経 験 に対 す る影 響 の観 点 か ら も、 状 況 的 関 与 に注 目す る必 要 が あ る と考 え られ る。
使 用 状 況 研 究 は
SORパ
ラ ダ イ ム が 主 流 で あ っ た 時 代 に展 開 が な され て お り、 今 日 の 情 報 処 理 パ ラ ダ イ ム で検 討 が な され て い る研 究 はそ れ ほ ど多 くは存 在 しな い。 情 報 処 理 パ ラダ イ ム にお け る研 究 は 関 与 と消 費 行 動 の 関 係 に つ いて は 多 くの研 究 が あ る。従 っ て 、 使 用 状 況 研 究 は使 用 状 況 が 直 接 選 好 を形 成 す る こ と を想 定 す る の で は な く、
状 況 的 感 情 関 与 や 状 況 的 認 知 関 与 へ の影 響 も検 討 しつ つ 研 究 を進 め る こ とで 、個 別 に 次 元 を操 作 し進 め る他 な か っ た 使 用 状 況 研 究 が 統 合 され 、 よ り多 くの 理 論 的 貢 献 が 生 まれ る研 究 分 野 にな る だ ろ う。 そ して 現 在 は 限 られ た研 究 しか 存 在 しな いが 、 よ り多 くの使 用 状 況 に よ り関 与が 駆 動 され る検 証 事 例 が 増 えれ ば 、使 用 状 況 に よ り状 況 的感 情 関 与 ・ 状 況 的 認 知 関 与 を駆 動 させ る 消 費 者 像 が 鮮 明 に描 け る よ うにな るだ ろ う。
3.3本
章 の ま とめ以 上 、本 章 で は使 用 状 況 の位 置 づ け を状 況 要 因 の 定 義 か ら導 き 出 し、使 用 状 況 を「個 人 要 因 と製 品 要 因以 外 の もの で あ り、 客 観 的 に提 示 され 、 そ の 製 品 の使 用 をす る状 況 の 内 、 消 費 者 の課 題 定 義 を通 じて 内 的 変 数 に影 響 を与 え る もの 」 と定 義 した 。 そ の上 で 、 使 用 状 況 に 関 す る既 存 研 究 を レ ビ ュ ー し、 使 用 状 況 は課 題 を規 定 す る もの と して 選 好 や 考 慮 集 合 に影 響 を与 え る こ と を確 認 した 。
しか しな が ら使 用 状 況 研 究 は 、 多 くは使 用 状 況 の 操 作 次 元 は複 数 にわ た り何 を操 作 した の か 不 明 瞭 で あ り、 また 、 使 用 状 況 の 抽 出 プ ロセ ス を詳 細 に記 載 して お らず 、 一 部 を除 き 一 貫 性 の 無 い研 究 が 蓄 積 して い る現 状 が あ る。 使 用 状 況 の 源 は膨 大 に あ り、
また 使 用 状 況 は製 品 ご と に 異 な る 点 にそ の 理 由が あ る。 従 っ て 、 調 査 対 象 とな る製 品 ご と に消 費 者 に イ ン タ ビ ュ ー しつ つ 使 用 状 況 を抽 出す る他 な い。 しか し、 そ の イ ンタ ビ ュ ー 過 程 につ いて は あ る程 度 詳 細 に記 述 す べ き で あ り、 そ こで 得 られ た 使 用 状 況 を あ る程 度 次 元 に ま とめ る必 要 は あ る だ ろ う。 この よ うな研 究 プ ロセ ス を踏 ん だ研 究 が 蓄 積 され る こ とで 、 膨 大 な 使 用 状 況 の 源 につ いて も一 定 の 製 品 横 断 的 な 次 元 が 抽 出 さ れ る と思 わ れ る。
そ して 、 関 与研 究 で は 動 機 基 盤 に よ り認 知 関 与 と感 情 関 与 に 関 与概 念 を 区分 して い る こ と は広 く受 け入 れ られ て お り、 感 性 的価 値 を受 け入 れ る顧 客 の 動 機 基 盤 と して 感 情 関 与 が 必 要 で あ る こ と を確 認 した 。 また 、 関 与 概 念 に は永 続 性 を持 つ 永 続 的 関 与 と 状 況 に よ り駆 動 され る状 況 的 関 与 が あ り、 状 況 的 感 情 関 与 は使 用 状 況 に よ り駆 動 され る もの で あ る こ と を確 認 した 。 しか し、 使 用 状 況 と状 況 的 感 情 関 与 を 関 連 させ た 調 査 は 、 課 題 段 階 で の 操 作 と比 較 して 、 非 常 に少 な く研 究 の 蓄 積 が 必 要 で あ る と結 論 付 け た 。
また 、 コモ デ ィ テ ィ化 と い う研 究 文 脈 にお い て は 、 永 続 的 感 情 関 与 と状 況 的感 情 関 与 と使 用 状 況 の 関 係 につ いて 考 察 を行 う必 要 が あ る。 な ぜ な らば コモ デ ィ テ ィ化 は 永 続 的 感 情 関 与 の 低 下 をそ の 要 因 と して 持 ち 、 永 続 的 関 与 は 定 義 的 に動 か す こ とが 出 来 な いか らで あ る。 従 っ て 必 然 的 に状 況 的 感 情 関 与 を動 か す こ と にな るが 、 使 用 状 況 に よ り駆 動 され る状 況 的 感 情 関 与 の研 究 は非 常 に少 な く、永 続 的 関 与 と状 況 的 関 与 の 関 係 につ いて は議 論 が 分 か れ た ま まで あ る。
しか し、使 用 状 況 は課 題 定 義 や 対 象 との 自己 関 連 性 を規 定 す る こ と に よ り、 情 報 処 理 プ ロセ ス に影 響 を 与 え る こ とは 明 らか とな っ て い る。 従 って 、 使 用 状 況 は 目的 を定 義 した り 自己 関 連 性 を規 定 した りす る こ と を 通 じて 、 認 知 関 与 と感 情 関 与 の 動 機 基 盤 を動 か す こ と は 明 白 で あ る。 現 在 は 調 査 結 果 の蓄 積 が 少 な いた め 言 い切 れ な いが 、使 用 状 況 と状 況 的感 情 関 与 ・ 状 況 的 認 知 関 与 の影 響 に 関 す る研 究 を蓄 積 させ る こ とで 、 使 用 状 況 に よ り駆 動 され る 消 費 者 像 が 描 け る の で は な い だ ろ うか 。
以 上 、 第 二 章 で 事 例 に よ り推 測 した 通 り、 使 用 状 況 に よ り感 性 的価 値 の構 築 基 盤 で
ラ ン ド論 にお いて 関心 を集 めて い る経験価 値 マー ケテ ィ ングの脱 0コ モデ ィテ ィ化 ヘ の適 合性 の検 討 で あ る。続 く章で は経験価 値 マー ケテ ィ ングの先行研 究 を レビュー し これ を検 討 した い。