第 6 章 台湾における既存コミュニティ施設活用に向けての改善手法
6.2 台湾と日本におけるコミュニティ施設の平面計画の相異
6.2.2. コミュニティ施設における利用動線の相異
図 6.6 に台湾のコミュニティ施設におけるエントラ ンス部から各活動空間までの経路を示す。全 26 施設 のうち 12 施設は、活動空間へのアクセス時に他の活 動空間を経由するため、施設内の活動空間どうしの 同時利用は難しいと考えられる。
図 6. 6 台湾のコミュニティ施設においてエントランス部から 各活動空間までの経路
タイプⅡB00 タイプⅡB0b
タイプⅢA0a0 台湾
平 屋 建
2 階 建
3 階 建
N=8
N=4 N=2 N=1
N=8 N=2
N=1
活
活
活
活
活
活 活
活
活
活 活
活 活
活 活
活 活 活
活
連
連 連 連
連
活 活
凡例
活動空間
連 連結型サービス空間
タイプⅡAaa タイプⅡA00
タイプⅠA0
タイプⅡA0b
(2). 各活動空間から利用型サービス空間までの経路の比 較
図 6.7 に日本のコミュニティ施設におけるエン トランス部から各活動空間までの経路を示す。
日本におけるコミュニティ施設では、1 施設を除 く、全ての施設において、各活動空間から利用 型サービス空間までの経路は他の活動空間を経 由しない。
図 6. 7 日本のコミュニティ施設において各活動空間から利用
型サービス空間までの経路
1F 1F 2F
2F
1F 2F
タイプ Ⅰ: 他の活動空間を経由しない
タイプ Ⅱ: 一部は他の活動空間を経由する
N=10 N=2
N=1
N=1
活
活
活 活 活
活 活 活
連 連
連 活
活 活
活
凡例
活動空間
利用型サービス空間
連
連結型サービス空間図 6.8 に台湾のコミュニティ施設におけるエン トランス部から各活動空間までの経路を示す。
台湾における 26 の施設中 7 施設において、各活 動空間から利用型サービス空間までの経路で他 の活動空間を経由しているため、利用動線の連 続性が保たれていない。また、1 施設においては 利用型サービス空間が設置されていない。
図 6. 8 台湾のコミュニティ施設において各活動空間から利用 型サービス空間までの経路
1F 2F
1F 2F 1F
2F
1F 2F
1F 2F
1F 2F N=2 N=3
N=3 N=3
N=6
N=1 N=7
活
活 活
活 活 活 連
連
連 活
活
連 連 連
活 活 活 活
活 活 活
タイプ Ⅰ: 他の活動空間を経由しない
タイプ Ⅱ: 一部は他の活動空間を経由する
活
凡例
活動空間
利用型サービス空間
連 連結型サービス空間
活
以上、日本と台湾におけるコミュニティ施設の施設空間 配列、及び利用動線を比較した。空間配置を見ると、日本に おけるコミュニティ施設においてフロア間は並列配置とな っており、さらに各活動空間の間は並列配置となっている。
また、エントランス部から各活動空間までの経路と、各活動 空間から利用型サービス空間までの経路について動線の連 続性を保っている。これは、施設内の各階及び各活動空間の 同時利用への配慮があると考えられる。
台湾におけるコミュニティ施設の問題点として、空間配 置及び利用動線の連続性への配慮が日本より欠けていたた め、元々集会室として計画されていた 1 階にある活動空間 が市民の誰でも自由利用の使い方にされており(図 6.11)、2 階以上にある活動空間へのアクセスは 1 階にある活動空間 を経由しなければならない。これにより、活動空間と利用経 路が混在し、1 階にある活動空間がパブリックスペースとな り、各活動空間の同時利用も難しくなると言える。
図 6. 9 市民の誰でも自由利用できる 1 階の活動空間