5. MPC ソフトウェアの詳細
5.4 グリッド
グリッドは、シーケンスのレコーディングやプログラム、エディットや、ソングのアレンジを行うセクションです。
グリッドは選択されたモードに関わらず(サンプル・レコード・モードとサンプル・エディット・モードを除く)、常に表示 されます。
MPC ハードウェアで SHIFT と WINDOW/FULL SCREEN ボタンを押すと、グリッドが拡大表示されます。トラック やシーケンスの細部に手を加える時に便利です。
選択されたプログラムのタイプ(DRUM か KEYGROUP か)によって、グリッドの表示形式が異なる場合があり ます。
DRUM プログラムのグリッド表示
DRUM プログラムを選択した場合、グリッドは下図のように表示されます。
グリッドの左側には、使用可能なパッド(A01 から H16 まで)が、それぞれに対応するデータと共に縦並びで表示 されます。グリッド・ウィンドウの右側にある縦のスクロール・バーを使うと、グリッドを上下に動かせます。スクロー ル・バーの下には、縦方向のズームができるスライダーがあります。グリッドの下部にも同じようなスクロール・バー とスライダーがあり、水平方向のスクロールとズームができます。パッド・ナンバーの下のスピーカー型アイコンをク リックすると、そのパッドにアサインされたサンプルが試聴できます。それぞれのトラックには、ミュート(M)とソロ(S)
のボタンも用意されています。
グリッドの左上には、Select と Draw のモードを切り替えるボタンがあります。Select モードは小さな四角形 の選択ツールが表示され、これで 1 個あるいは複数のノートを囲んで選択するようになっています。選択さ れたノートには白枠が表示されます。Draw モードを選択した場合は、小さな鉛筆マークが表示され、これ でグリッド上の適切な位置をクリックすると、ノートが追加できます。グリッドの下にあるベロシティ/オート メーション・レーンでは、オートメーション・カーブを描くこともできます。初期設定は Draw モードです。
グリッドの右上には、以下の機能を利用するため のディスプレイがあります:TRACK はポップアップ・
ディスプレイで、ここで 128 個のトラックから 1 個を選択できます。TOTAL BARS フィールドをクリックしたまま縦に スライドすると、選択したトラックの長さが変更できます。初期設定は 2 小節で、最大値は 999 小節です。TIME CORRECT ポップアップ・メニューでは、クオンタイズの単位となるノートが選択できます。初期設定は1/16(16 分音 符)です。SWING では 50%から 75%までの間で、ビートのスウィング感を――微妙なシャッフルから極端なシャッフル まで――調節できます。
MPC ハードウェアでは、MAIN ボタンを押して表示されたパラメーターがエディットできます。トラックを選ぶには まず、CURSOR で Trk パラメーターを選択し、DATA ダイヤルまたは+/-ボタンでトラックを選択します。小節数 の変更は Bars パラメーターで行います。タイム・コレクトとスウィングの値は、F1(T.C.)ボタンを押してから、それ ぞれノート・バリューと Swing パラメーターで調節します。値の変更を確定して Main メニューに戻るには F5 (Do It)ボタンを押し、変更を行わない場合は. F4 (Close)を押してウィンドウを閉じます。
MPC ハードウェアの Main 画面
グリッドの上部には、シーケンスの位置がわかるように、青い小節バーが表示されます。バーの上半分に表示さ れる数字は小節数で、下半分(1 小節目の 1 拍目)に表示される数値は拍子です。後者を変更するには、小節バー をダブルクリックして、ポップアップ・ウィンドウに好みの拍子を入力します。
小節バーの赤い矢印(三角印)は、シーケンスの始めと終わりを示します。PLAY START ボタンを押してシーケン スをスタートさせると、オーディオ・ポインターが 1 小節目の 1 拍目から動き始めます。ループ機能がオンになって いる(グリッドの下にあるシーケンス・パネルに表示)場合は、シーケンスが 1 小節目の頭と最終小節の終わりの間 で繰り返し演奏されます。新しいシーケンスを作成した時には、最初の小節が 1 小節目に設定されます。
シーケンスの始めと終わりは、グリッドの下にあるシーケンス・パネルの First Bar および Last Bar のパラメータ ーで変更できます。小節バーの赤い矢印の位置も、変更に応じて移動します。詳細については、「シーケンスの設 定」の項をお読みください。
グリッドの下には、ベロシティ/オートメーション・レーンがあります。ここではレコーディングしたノートの MIDI ベロ シティ・データをエディットしたり、様々なパラメーターをコントロールするオートメーション・データを書き込んだりエデ ィットしたりすることができます。初期設定の状態でオートメーション・レーンに表示されるのは、NT Velocity です。
KEYGROUP プログラムのグリッド表示
KEYGROUP プログラムを選択した場合、グリッドは下図のように表示されます。
DRUM プログラムの表示と異なる唯一の点は、グリッド・ウィンドウの左側に縦表示される小さなキーボード画面 です。ひとつのキーをクリックすると、それに対応するトラックが選択され、そのキーにアサインされたノートが鳴りま す。
これ以外の点については、DRUM プログラムと全く同じです
ノートとオートメーション・データの入力方法
ノートやデータは、コンピューターのマウスを使って簡単に入力できます。
とはいえ、MPC ハードウェアのレコーディング機能を使えば、より感覚的にノートをレコーディングできます。
ノートはパッドの演奏で、オートメーション・データは Q-Link ノブでそれぞれレコーディングすれば、より素早く結 果が得られます。
MPC ハードウェアの REC ボタンを押して、レコーディング・モードをオンにします。PLAY ボタンを押すと、メトロノ ームが 1 小節分カウントを出してからレコーディングが始まります。パッドを演奏してシーケンスをレコーディング します。レコーディングは STOP ボタンを押して終了します。
MPC ソフトウェアでは、Select ツールや Draw ツールを使えばノートが入力できます。
グリッド内の好みの場所をダブルクリック(Select モード)あるいはクリック(Draw モード)すると、ノートが入 力されます。ノートの長さは TIME CORRECT の値に依存します。16 に設定されていれば、ノートの長さは 16 分音符になります。
ノートの最初または終わりの部分をクリックしてドラッグすると、TIME CORRECT で設定された値に応じた 単位で、ノート・イベントを長くしたり短くしたりできます。
ノートはダブルクリックして消去できます。また、選択したノートをコンピューター・キーボードの Backspace バックスペース・キーや Delete キーを押して消去することもできます。
ノートをクリックすると、それに対応したサンプルが鳴ります。
ノートをクリックしてドラッグすると、別の場所に移動できます。ノートは TIME CORRECT で設定したクオンタ イズ値によって決められた位置(グリッドの縦線で表示)にしか置けません。ただし、SHIFT キーを押しなが ら移動すれば、TIME CORRECT の設定値に関わらず、好きな位置に音符を置くことができます。Select モ ードでは、ポインターをドラッグして複数のノートを囲んで選択し、それらをまとめて移動やコピーができます。
CTRL キー(PC)あるいは Command キー(Mac)を押しながらノートを移動させると、ノートを移動先にコピー できます。
コピー&ペーストの機能でコピー(PC では CTRL + C、Mac では Command + C)したノートは、オーディオ・
ポインターのある位置にペースト(PC では CTRL + V、Mac では Command + V)されます。
ベロシティ・データは、ベロシティ・レーンで簡単にエディットできます(Select、Draw モード共)。
ベロシティ・バーの頂点にある小さな四角形のハンドルをクリックして縦にドラッグすると、ベロシティ値がエ ディットできます。
CTRL ボタン(PC)または Command ボタン(Mac)を押しながらベロシティ・バーをエディットすると、ベロシテ ィの分解能が表示された値に増加します。
複数のノートを選択すると、それぞれに応じたベロシティ値を一度にエディットできます。パッド・トラック
(DRUM プログラムの場合)やバーチャル・キーボードのキー(KEYGROUP プログラムの場合)をクリックし て、それらに対応する全てのノートを選択するか、あるいは上記の Select ツールを使ってノートを選択しま す。
MPC ソフトウェアでは、以下の方法に従ってオートメーション・データを入力します:
1. Main タブをクリックして Main モードに入ります。
2. オートメーション化したいトラックのパッドを選択します。
3. パッドに対応した Q-Link ノブ(たとえば、パッド A02 なら Q-Link の Q2 ノブ)をクリックして動かし、QLINK に 表示させます。
4. オートメーション化したいパラメーターとその設定を選びます。たとえばフィルターのカットオフをオートメーシ ョン化するには、PARAM がFilter Cutoffに設定されていることを確認します。 CHANGE にはReal Timeと 表示されている必要があります。MPC ハードウェイには、"Continuous"と表示されます。
5. OVERDUB ボタンをクリックしてから PLAY をクリックして、オートメーションのレコーディングを開始します。
ここでは OVERDUB 機能を使うことが肝心です。これを使わないと、レコーディングの間、すでに同じトラッ クにレコーディングされているデータを全て消去してしまいます。
6. レコーディング状態の間、目的のパラメーターに対応するダイヤルを動かします。作業が終わったらレコー ディングを終了します。
レコーディングしたオートメーション・データは以下の方法でエディットできます:
1. ベロシティ・レーンの左端に表示されたオートメーションの中から、レコーディングした Real Time パラメータ ー、たとえば RT Filter Cutoff を選択します。
2. レーンの中にオートメーション・データが表示されます。
3. アンカー・ポイントをクリックして、値を縦方向や横方向に動かし、それぞれ量やタイミングをエディットします。
アンカーは、TIME CORRECT で設定したグリッドの位置にしか移動できません。ただし、コンピューター・キ ーボードの SHIFT キーを押しながらこの作業を行えば、クオンタイズ値とは無関係にアンカー・ポイントが移 動できます。
オートメーション・レーンの好きな位置をダブルクリックすると、新しいアンカー・ポイントが追加できます。
アンカー・ポイントをダブルクリックすると、そのポイントを消去できます。
Draw モード・ツールを使えば、オートメーションのカーブが描けます。