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クマ類の商業利用

ドキュメント内 ナ津壺€晢ソス_ナクaナ・カ.ec6 (ページ 64-67)

 胆汁採取のためにクマを飼育することは、ベトナムでは

日に公布された「絶滅危惧、貴重、および 稀少森林動植物種の管理に関する政令

」 によって禁止されている。しかし、近年ベトナムでは、胆 汁採取のための非合法のクマ飼育がかなり広まっており、

野生のクマ個体群存続にとって大きな脅威となっている。

ベトナム森林保護局は、

月現在で飼育されている クマの数が

頭(うち

頭はツキノワグマ、

頭 はマレーグマ、頭は種不明)に達したと報告している。

これらのクマは、州の

ヶ所の小型施設に飼育され ており、そのほとんどは個人所有である。個人所有者のほ とんどは、それぞれ

頭のクマを飼育しているが、中 には

頭のクマを飼育している場合もある。つの 最大のベア・ファームは、それぞれ

頭を飼育している。

クマは、個別に小さな金属製のオリ(幅

×奥行き

×高さ

)で飼育されている(写真

)。クマは、日 に

回、米・魚・子牛の骨・かぼちゃ・メロン・その他の 果実や根が与えられる。胆汁を採取したあとには、卵やハ

チミツが加えられる。胆汁は、〜

ヶ月おき(飼育者に よって異なる)に超音波装置で胆のうの位置をつきとめ、

長い針の注射器を使って採取される。飼育環境の悪さや、

胆汁のとりすぎによって、たいていのクマはその後

年で死亡し、野外で捕獲された代わりのクマが購入され る。

 ベトナムにはいまだにクマを繁殖させている施設はな い。胆汁採取に用いられるすべてのクマは野外で捕獲され たか、近隣諸外国(たとえばラオスやカンボジア)から輸 入されたものである。狩猟者はたいていメス成獣を殺し、

その当歳仔を生きたまま捕獲する。このことは、野生のク マ個体群に大きなダメージを与える。非合法なクマの飼育 のコントロールを目的として、

年には個体を識別して モニタリングするために、飼育されているクマすべてに個 体識別用のマイクロチップが埋め込まれた(ベトナム政府 と世界動物保護協会〔〕の資金援助による)。現在で はクマ飼育者は、クマが死亡するまで飼い続けなければな らず、胆汁を採取することも、他の個体と入れ替えること も新たに個体を追加することも禁止されている。また、地 方の森林保護局には、これらの事項が守られているかを監 視する責務がある。非合法なクマの飼育者は貧しいわけで はなく、世帯の主要な収入源はたいていクマの胆汁取引で はない。そのため、クマを飼育し続けなければならないと しても、胆汁採取の禁止が彼らの世帯収入に大きな負担と はならない。しかし、彼らが飼育しているクマを放棄した いと考えた場合、政府はそのクマを適切な施設に移送する ように勧めてきた。クマの所有者は定期的に地域の森林保 護ユニットに対して、飼育しているクマの状態を報告する 義務がある。クマが死亡したときは、所有者はクマの死因 を明らかにすると共に死亡したことを証明するために、地 域の森林保護ユニットに直ちに届け出るよう義務付けられ ている。もしこれを怠れば、クマの所有者は処罰される。

一方、地域の森林保護ユニットは、クマの飼育頭数と健康 状態をチェックするために、それぞれのクマ所有者のとこ ろに職員を派遣することになっている。

現在の管理システム

 ツキノワグマ、マレーグマの両種ともにベトナムのレッ ドデータブックでは、もっとも危機的な状況である「

(絶滅危惧種)」とされている(

)。両 種はまた、政令

(貴重・希少動植物種とその保護 管理リストに関する政令、年

日公布)と政令

Photo by Nguyen Xuan Dang

写真8.1:胆汁採取のために飼育されているクマ

(貴重・稀少森林動植物種の管理に関する政 令、年

日公布)において、最高の保護レベル に指定されている(グループ

:狩猟と利用が厳格に禁止 されている)。ベトナムは

年に加盟した(ツ キノワグマ、マレーグマ両種とも附属書Ⅰに記載されてい る)。一般的に、ベトナムにおいてクマ類は法律によって 厳重に保護されている。法に違反し、摘発されたクマの密 猟と各部位の取引はこれまで数百件以内である。しかし、

クマの各部位の取引は高い利益を生み、また地方における 取締りの圧力は弱いため、今後もベトナムではクマが捕獲 され、商取引は続くだろう。

 クマの生息地保護については、森林地域に「特定用途の 森林」と保護地域のネットワークを設立した。年

月 現在で、ネットワークは

の国立公園、

の自然保護区、

の景観保護地域の合計

から成っている(

)。しかしながら、「特定用途の森林」の管理 は、現在でも多くの困難に直面している。たとえば、保護 地域境界の中に多くの村が存在していること、財政的投資 の少なさ、管理にともなう規制圧力の弱さである。この状 況に対してベトナム政府は、「年までのベトナムの保 護地域維持のための管理戦略」を

年に提案している。

 ベトナムにおける野生動物とその生息地保護のための責 任の所在は、農業・地域開発省()の森林保護局に ある。この部局には、州や地区レベルで支局があり、それ ぞれの保護地域にも自然保護・野生動物保護に関する国の 法律を実行するための支局がある。そのほかのいくつかの 政府機関(すなわち、生態学・生物資源研究所や森林調査 計画研究所など)と

(すなわち世界自然保護基金ベト ナム支部や危機にある野生動物など)も、ベトナムのクマ 保全に直接貢献している。

 ベトナムにおいてクマ保全についての普及啓発は現在で もほとんど行われていない。また、クマ類の保全に特に焦 点を絞った教育活動はほとんどない。数少ない例として は、「危機にある野生動物」が最近作ったクマ保護の ポスターや、ベトナム自然教育センター()による啓 発冊子(写真

)、ラジオ・テレビで短時間流される飼育 クマ管理に関する国の政策広報がある。

提 言

 法によって保護されているものの、ベトナムのクマ類は 利用や輸出のために捕獲され続けている。この状況の主な 原因は、法による圧力が不十分でないこと、クマ保護への

国民の関心が薄いこと、クマ保護についての総合的な実行 計画がないこと、クマ保護活動への投資がないことであ る。ベトナムにおいてクマ保護の役割を担っているのは、

森林レンジャー、国境税関、市場調査官である。これら法 権力には、関連機材が不足していること、クマの器官や部 位の判別方法をトレーニングされないこと、給料が安いこ と(収賄のきっかけとなる)による限界がある。クマの保 護についての一般の人々への普及啓発は、現在でもきわめ て貧弱である。とりわけ、地方の人々は野生クマ個体群保 全についての危機的な状況を知らず、クマ保護についての 国の規制についてもほとんど認識していない。一方、地方 の人々の生活水準はきわめて低く、そのためにクマを捕殺 して野生動物市場に出すことがとても魅力となる。クマ保 護への政府の投資はたいへん少なく、現在の方法ではこれ

第8章:ベトナム

写真8.2:ENV によって実施されたクマの保全コンテストに出品 された学校の生徒による絵画

 上部のメッセージには「クマの取引によって利益を得てはいけません」

とあり、下部のメッセージには「2006年を人間とクマが平和に共存できる 年に」と書かれている.

らの問題を解決できない。たとえば、違法に飼育されえて いるクマの管理の例でも、政府にはマイクロチップ埋め込 みや押収したクマの収容施設をつくる費用がない。

 ベトナムでは資金不足からクマ類の調査も進んでいな い。ベトナムにおけるクマ個体群の規模や分布、生息地の 分断の問題もほとんどわかっていない。すなわち、クマの 生態についての詳細な研究がなされていないのである。ま た、この国では、必要な資源を結集してクマの保護を進め るための包括的な実行計画もまだない。

 ベトナムにおけるクマ個体群保護のために、下記の行動 を最優先して実施する必要がある。

()取締り機関に対して十分な機材と専門的訓練を提供 し、奨励・罰則のシステムを適用することで、クマの 狩猟・取引・利用について法規制を強めること。

()クマの器官や部位の取引を止めるために、それらを 使わないように、レストランや調剤薬局に要求する全 国的なキャンペーンを展開すること。

()クマの保全状況が危機的であることと、クマの保全 に関する国内法整備について、国民の意識を高める啓 発活動を強めること。

()野生下でのクマの保全状況、分布、個体数、個体群 の分断、各地域個体群への脅威、生態を評価する、ク マの保全に関連した研究を発展させるための資金を探 すこと。

()国によるクマ保護の実施計画を進展させ、その実施 にあたって政府が資金を提供すること。

引用文献

印刷中

(村上隆広訳)

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