引用文献
2.4 インドのナマケグマの現状
Netrapal Singh Chauhan
写真2.4.1:クマ使いに飼われ大道芸に使われているナマケグマ
Photo by Jagdish Singh RK and Chauhan NPS
第2.4章:インド
生息頭数 / 100km2 状態
面積 (km2) 保護区
州
8 4 3 UN
12 6 UN UN 4 UN UN UN 6 18 UN
15 6 UN UN 5 9 UN
6 UN
5 16 7 UN
96 62 5 4 18 7 UN
14 UN
15 UN UN 6 12 4 9 UN UN 7 8 12 UN
9 UN
15 13 UN
10 UN
15 9 UN UN UN 17 18 14 CM
CM RR UN VC CM RR UN RR UN RR UN CM VC VC VC VC UN UN RR VC RR CM UN CM VC CM UN VC VC CM CM VC CM RR CM UN VC RR UN CM CM RR CM UN RR CM CM CM UN CM UN VC CM UN CM UN VC VC UN CM UN VC VC VC 520.80
820.00 301.18 78.00 490.00 400.69 227.00 635.00 230.31 192.76 152.90 229.14 265.80 100.00 676.38 578.25 288.84 280.00 511.41 301.00 392.00 492.00 103.25 422.94 495.27 59.93 542.08 130.38 180.66 55.65 607.70 478.00 448.85 485.72 0.27 940.00 122.70 542.67 375.22 435.00 1194.67 417.78 344.68 245.84 292.85 118.47 110.74 823.84 466.88 348.12 585.17 287.91 551.55 104.45 244.66 138.95 277.91 1471.13 1258.37 200.00 262.12 430.35 553.36 608.51 247.60 Corbett NP
Rajaji NP Sonanadi WS Chandraprabha WS Dudhwa NP Katerniaghat WS Kishanpur WS National Chambal WS Ranipur WS Bandh Baratha WS Bassi WS Bhensrodgarh WS Darrah NP Jawahar Sagar WS Kela Devi WS Kumbhalgarh WS Mount Abu WS National Chambal WS Phulwari Ki Nal WS Ramgarh Vishdhari WS Ranthambhore NP Sariska NP Sawai Man Singh WS Sitamata WS Tadgarh Raoli WS Van Vihar WS Balaram Ambaji WS Jambogodha WS Jessore WS Ratanmahal WS
Shoolpaneswar (Dhumkhal) WS Bagdara WS
Bandhavgarh NP Bori WS Fossil NP Kanha NP Kheoni WS Panna NP Madhav NP National Chambal WS Noradehi WS Pachmarhi WS Palpur Kuno WS Panpatha WS
Pench (Priyadarshini) NP Pench WS
Phen WS Ratapani WS Sanjay NP Sardarpur WS Satpura NP Singhori WS Achanakmar WS Badalkhol WS Barnawapara WS Bhairamgarh WS Gomardha WS
Guru Ghasi Das (Sanjay) NP Indravati NP
Kangerghati NP Pamed WS Semarsot WS Sitanadi WS Tamorpingla WS Udanti WS ウタランチャル
ウッタル・プラデシュ
ラジャスタン
グジャラート
マディヤ・プラデシュ
チャティシュガール
NP:国立公園、WS:野生生物保護区、RR:まれ、CM:普通、VC:多い、UN:情報無し 表2.4.1:インドにおいてナマケグマが生息する保護区一覧と生息状況
生息頭数 / 100km2 状態
面積 (km2) 保護区
州
UN UN UN 5 UN UN UN UN 8 UN UN UN UN UN UN UN 4 UN UN UN UN 6 UN UN UN UN UN UN UN UN UN 6 UN UN UN UN UN 6 7 UN UN UN 7 UN UN UN UN 12 13 UN UN UN 14 UN
7 UN UN UN UN UN UN UN UN UN 9 UN UN UN CM
RR UN CM UN UN CM CM CM RR RR UN UN RR RR RR CM UN UN UN RR CM UN UN UN UN UN UN UN UN UN CM RR UN RR UN UN CM CM UN CM RR CM UN UN CM UN VC VC CM UN CM VC UN CM UN UN UN CM UN UN CM RR UN CM CM CM UN 681.99 335.65 544.67 1342.00 259.50 35.84 794.33 231.67 193.22 186.25 177.35 183.18 8.75 117.10 368.99 79.45 216.51 88.00 26.22 340.00 317.81 858.98 500.00 220.00 451.00 140.30 1985.23 861.95 500.00 100.00 168.35 175.79 147.66 116.00 399.50 272.75 745.52 845.70 1354.30 509.27 104.38 61.00 317.67 134.78 260.61 361.28 73.63 778.75 152.81 133.88 324.62 257.26 116.55 211.00 177.52 85.65 107.00 133.00 806.15 1194.00 356.70 893.00 656.00 36.29 3568.09 879.3 591 130 Bhimbandh WS
Valmiki NP Valmiki WS Kaimur WS Gautam Budha WS Rajgir WS Palamau WS Betla NP Dalma WS Hazaribagh WS Koderma WS Palkot WS Topchanchi WS Buxa NP Buxa WS Gorumara NP Jaldapara WS Neora Valley NP Barnodi WS DibruUNSaikhowa NP Karbi Anglong WS Kaziranga NP Manas NP SonaiUNRupai WS Marat Longri WS Itanagar WS Namdapha NP Pakhui WS Dampa WS Murlen NP Baisipalli WS Chandaka Dampara WS Karlapat WS
Khalasuni WS Kotagad WS Kuldiha WS Satkosia Gorge WS Simlipal NP Simlipal WS Andhari WS Bhamragarh WS Bor WS Chandoli WS Chaprala WS Gautala WS Gugamal NP Katepurna WS Melghat WS Nagzira WS Nawegaon NP Painganga WS Pench NP Tadoba NP Wan WS Yawal WS Cotigao WS Mollem NP Mollem WS Eturnagaram WS Gundla Brahmeswaram WS Kaundinya WS
Kawal WS Kinnersani WS
Lanja Madugu Sivaram WS NagarjunsagarUNSrisailam WS Pakhal WS
Papikonda WS Pocharam WS ビハール
ジャルクハンド
西ベンガル
アッサム
アルナチャル・プラデシュ
ミゾラム オリッサ
マハラシュトラ
ゴア
アンドラ・プラデシュ
NP:国立公園、WS:野生生物保護区、RR:まれ、CM:普通、VC:多い、UN:情報無し 表2.4.1(つづき):インドにおいてナマケグマが生息する保護区一覧と生息状況
る。ラジャスタン州のナマケグマが生息する保護区の総面 積は
である。グジャラート州の
と
の両野生生物保護区は、ナマケグマの生息密度が分 布域内でもっとも高い。
と の両野生生物保護区でも普通に生息していると報告されて いる。
マディヤ・プラデシュ、チャティシュガール州:この
州 では、ナマケグマはの国立公園との野生生物保護区 に生息している。 、、の各国立 公園と、 、
、
、の各野
生生物保護区でごく普通に生息している。、
、
、
の各国立公園および、
、、 、、、、、、
、の各野生生物保護区では、森林内に普 通にみられる。これら保護区の総面積は
であ る。
ビハール、ジャルクハンド州:この
州では、ナマケグマ はつの国立公園との野生生物保護区に生息している。国立公園と、
、、 、の 各野生生物保護区で普通に目撃されている。
第2.4章:インド
生息頭数 / 100km2 状態
面積 (km2) 保護区
州
UN UN UN UN UN UN UN UN 6 UN UN UN UN UN UN UN UN UN UN UN UN UN UN 9 11 UN UN 17 UN UN UN 3 UN UN UN 7 UN
6 UN
56 UN RR
UN CM RR UN UN RR UN CM RR CM CM UN VC VC UN UN CM UN CM CM CM UN CM CM CM CM UN CM UN UN RR UN RR RR CM UN CM CM VC CM 136.02
464.42 1030.85 353.62 153.32 0.84 250 13.5 874.2 104.27 492.46 539.52 181.29 843.16 55.87 600.32 49.82 247 30.32 643.39 431.23 395.6 88.4 117.1 841.49 223.58 103.23 217.76 567.38 UN
90 90.44 97 70 128 285 53 350 777 89.52 344.44 Pranahita WS
Sri Lankamalleswaram WS Sri Penusila Narasimha WS Sri Venkateswara NP Sri Venkateswara WS Adichunchanagiri WS Anshi NP
Arabithittu WS Bandipur NP Bannerghatta NP Bhadra WS
Biligiri Rangaswamy Temple WS Brahmagiri WS
Dandeli WS Doraji Bear WS KudremUNh NP Melkote Temple WS Mookambika WS Nugu WS
Rajiv Gandhi (Nagarahole) NP Sharavathi Valley WS Shettihalli WS Someshwara WS
Indira Gandhi (Annamalai) NP Indira Gandhi (Annamalai) WS Kalakad WS
Mudumalai NP Mudumalai WS Mundanthurai NP Chendurang WS Chimmony WS Chinnar WS Eravikulam NP Idukki WS Neyyar WS Parambikulam WS Peppara WS Periyar NP Periyar WS Silent Valley NP Wayanad WS カルナタカ
タミール・ナードゥ
ケララ
66,854.53
NP:国立公園、WS:野生生物保護区、RR:まれ、CM:普通、VC:多い、UN:情報無し
出典:State Forest departments; Wildlife Institute of India - Survey Reports; Wildlife Institute of India - National Wildlife Database; Brander (1982); Prater (1980); Seshadri (1986); Israel and Sinclair (1987); Sahraia (1982).
表2.4.1(つづき):インドにおいてナマケグマが生息する保護区一覧と生息状況
西ベンガル、アッサム、アルナチャル・プラデシュ、ミゾ ラム州:西ベンガル州の
野生生物保護区と、アッ サム州の
国立公園では普通と報告されている。
これらの州でナマケグマが生息する保護区の総面積は
である。アッサム州では国立公園と
、
の両野生生物保護区ではまれと報告さ れており、その他の保護区の生息状況は不明である。アル ナチャル・プラデシュ州とミゾラム州からも生息報告があ るが、生息状況は不明である。
オリッサ、マハラシュトラ、ゴア州:オリッサ州では
国立公園と
野生生物保護区で普通と 報告されているほか、つの国立公園とつの野生生物保 護区に生息しており、これら保護区の総面積は
で ある。マハラシュトラ州とゴア州では総面積
の 保護区(国立公園と野生生物保護区)に生息している。 国立公園と
、
の両野生生物保護区で はごく普通と報告されているが、野生生物保護区では まれと報告されている。
アンドラ・プラデシュ、カルナタカ、タミール・ナードゥ、
ケララ州:アンドラ・プラデシュ州では総面積
の保護された森林(国立公園と
野生生物保護区)に生息 している。トラ保護区と
、、、 、の各野生生物 保護区では普通に生息している。ガルナタカ州では、
と
の両野生生物保護区でごく普通に生息し ている。この州では総面積
の保護区(国立公園 と野生生物保護区)に生息している。タミール・ナー ドゥ州では総面積
の保護区に生息している。こ の州では
トラ保護区、
国立 公園および
丘陵に普通である。ナマケグマの分 布域はさらに南のケララ州に達し、総面積
の保護 された森林(国立公園と野生生物保護区)に生息して いる。この州では
、、
および の各森林に普通である。
各種の調査により、多くの保護区の外にもかなりのナマ ケグマが生息していることが示唆されている。我々は、
チャティシュガール州の
、
、、
、
、、、 の各森林区、マディヤ・プラデシュ州の
、
、 、 、
の各森林区、ビバール州の
森林区、オリッサ州の
、、、、、
、
の各森林区におけるナマケグマ生息情報を 得ている。ウタランチャル、ウッタル・プラデシュ、ラジャ スタン、アンドラ・プラデシュ、カルナタカ、タミール・
ナードゥ、ケララ各州の保護区外からも生息報告がある。
森 林 局 に よ る と、、 、
、 、
、にかけての地域だけで、ナマケグマの生息数 は
頭と推定された(未発表)。
生息数の推定
インドの総森林面積は
(
)であり、ナマケグマの生息状況、分布、生態などに ついて多くの研究が行われてきた。このため、各種保護区 および保護区外の国有林については大まかな推定生息数に ついての情報が存在する。
図
は、森林局からの情報およびインド野生生物研究 所が管理している国立野生生物データベース(
)による暫定的なナマケグマの分布域である。インド 中央部では、ナマケグマの生息数の半分以上が保護区の外 に生息している。さまざまな国立公園および野生生物保護 区については生息数が推定されている。保護区内について は、
頭
という平均生息密度と総面積
図2.4.1:インドにおけるナマケグマの分布
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から、約
頭が概算された。この推定値は
(
)で示されている値に近い。
グジャラート州で特にナマケグマ保護のために設定された
と
の野生生物保護区からは、あた りそれぞれ頭と頭と、もっとも高い生息密度が報告 されている。ケララ州の
国立公園では頭
である。
()は、野生生
物保護区での生息密度を
頭と推定している。他 の推定密度の中では、国立公園(頭
)、
国立公園(頭
)、 国立公園(
頭
)、
野生生物保護区(頭
)、 国立公園(頭
)、 国立公園(
頭
)、 野生生物保護区(頭
)、
野生生物保護区(頭
)、野生 生物保護区(頭
)、
野生生物保護区(
頭
)が特に高かった(
未発表)。これら の推定値からは、保護区内のナマケグマ個体群は比較的安 定しているようにみえ、これは、保護管理施策が実施され ているためかもしれない。しかし、保護区外で管理されて いる森林のナマケグマの生息数は減少しており、たいへん 危機的な状況にある。
(
未発表)、
()、
()は、インドの保護区外におけるナマケグ マ生息密度を推定している。
森林区の保護 されていない生息域では頭
と、保護区内よりも 密 度 が 高 か っ た。
()は カ ル ナ タ カ 州
の保護区外で頭
と推定した。
(未発表)により集められた保護区外の推定生 息密度の平均はおよそ頭
であった。保護区外で ナ マ ケ グ マ の 生 息 が 報 告 さ れ て い る 面 積 は 合 計 約
であるが、情報が不完全なので過小評価の可能 性 が あ る。こ の 面 積 と 平 均 密 度 か ら、保 護 区 外 で は 約
頭のナマケグマの生息が推定される。したがって、イン ド全体のナマケグマ個体数は
頭以上と推定される。
飼育下のクマ
インドでは約
頭のナマケグマが飼育されている。こ のうち頭は動物園やサファリで飼育されており、頭 はアグラのクマ保護センターにいる()。の 動 物 園 と サ ファリに飼育されているクマは、オスが頭、メスが 頭、幼獣が頭であった。保護センターで飼育されている 頭は、オスが頭とメスが頭であった。さらに、国
内には推定で
〜頭が、ダンシング・ベアとしてク マ使いに飼育されている。法律上の位置づけ
すべてのナマケグマはインド野生生物保護法(
)のⅠ に よ り 保 護 さ れ て い る
(
)。狩猟は禁止されているが、自己防衛のた め、あるいは甚大な被害を与えるなど特殊な場合に限り捕 殺できる。クマの部位の取引および輸出は違法である。の附属書Ⅰや
のレッドデータブック(絶滅危
惧Ⅱ類)に記載されている。個体群への脅威
インドのナマケグマ個体群への脅威は、主に胆のうとそ の他の部位(毛皮、オスの性器、骨、爪、歯、肉)を目的 とした密猟である。胆のうには薬効があると信じられてお り、
の記録によると、シンガポール、バンコ ク、香港、韓国、台湾、日本に違法に輸出されている。オ スの性器は地元の人々に媚薬として使用されている。骨や 歯、爪は村人の迷信によって魔除けとして使用されている
(
)。チャティシュガール 州とマディヤ・プラデシュ州では、オスグマの部位を目的 とした村人による違法捕殺が行われている。年代後 半から年代にかけて、インドから日本へ、推定で年間 〜
頭分のクマの部位が輸出された(
)。ウッタル・プラデシュ、チャ ティシュガール、マディヤ・プラデシュ、ラジャスタン、
オリッサ、西ベンガルの各州および北東諸州では、ナマケ グマの密猟と部位の取引は今でも普通に行われている。そ の他の重要な脅威としては、クマ使いが主に仔グマを罠で 捕獲して連れ去ることがあげられる。
生息地への脅威
インドでは森林の消失、劣化、断片化、および森林開発 が進行している。背景には、人口増加、家畜放牧、木材以 外の森林産物の採取、違法な木材採取および柴刈り、(クマ の好物である)ハチミツと果実の採取、単一種だけの植林
(チーク、ユーカリなど)の増加、農地拡大、その他の開 発がある。これらの結果、ナマケグマの生息環境は深刻な 影響を受けている。生息環境の消失と劣化は、保護区外の 個体群にとって主要な脅威となっている。
第2.4章:インド