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ガウス和による証明

ドキュメント内 , n (ページ 82-87)

を示せ.

練習問題 10.3 (解答45) pが5k±1 の形の素数であるときにかぎって µ5

p

= 1 を示せ.

練習問題 10.4 (解答46) pが12k±1の形の素数であるときにかぎって µ3

p

= 1 を示せ.

練習問題 10.5 (解答47) pp≡1 (mod. 4)の形の素数のとき

p−1

X2

a=1

µa p

= X

0<=b<=pの偶数

µb p

= X

0<=c<=pの奇数

µc p

= 0

である.ゆえにガウス和 Gは原始根 rを用いれば G=

p−3

X2

j=0

αr2j

p−3

X2

j=0

αr2j+1

と明示的に書くことができる.

ここで

β0=

p−3

X2

j=0

αr2j =α+αr2+. . .+αrp−3

β1=

p−3

X2

j=0

αr2j+1 =αr+αr3+. . .+αrp−2 とおく.αはαp−1+αp−2+· · ·+ 1 = 0であるからβ0+β1+ 1 = 0.

G2= (β0−β1)2= (β0+β1)20β1

であるからG2 を計算するためには,β0β1 が確定すればよい.

例 10.4 p= 5のとき.3は5を法とする原始根である.実際 33, 324, 332, 341 (mod.5) αを1の原始5乗根とする.

β0=α+α32 =α+α4 β1=α3+α33=α2+α3

β0β1 = (α+α4)(α2+α3)

= α3+α4+α6+α7=α+α2+α3+α4

= −1 = 15 4

例 10.5 p= 7のとき.3は7を法とする原始根である.実際

313, 322, 336, 34, 355, 361 (mod.7) αを1の原始7乗根とする.

β0=α+α32+α34 =α+α2+α4 β1=α3+α33+α35=α3+α5+α6

β0β1 = (α+α2+α4)(α3+α5+α6)

= α4+α6+α7+α5+α7+α8+α7+α9+α10

= 3 +α+α2+α3+α4+α5+α6

= 2 =1 + 7 4

この例を一般化して示すために1のべき根の性質で必要なものをまとめておく.

補題 2 αを1の原始p乗根,rpを法とする原始根とする.

(1) 有理数c1, · · ·, cp−1 を用いて

c1α+· · ·+cp−1αp−1= 0 となるなら,c1=· · ·=cp−1= 0 である.

(2) 有理数q0, · · ·, qp−2を用いて

F(X) =q0X+q1Xr+q2Xr2+· · ·+qp−2Xrp−2 とおく.F(α) =Fr)ならばF(α)は有理数である.

証明

(1) α6= 0より

c1+c2α+· · ·+cp−1αp−2= 0

となるが,αは1の原始 p乗根なので p−2以下の次数の方程式の解とはならない.ゆえ にc1=· · ·=cp−1= 0 である.

(2) (αri)rj =αri+j である.

1, r, r2, · · ·, rp−2

は既約剰余系で,i≡j (mod. p1)ならri≡rj (mod. p)となる.したがって X, Xr, · · ·, Xrp−2

αを代入したものと,αriを代入したものは,1のp乗根で1以外のものが順序がi番ず れて現れる.(1)から既約剰余系の有理数係数の一次結合による複素数の表示は一意である.

ゆえにF(α) =Fr)のとき,αrp−1 =αより

q0α+q1αr+q2αr2+· · ·+qp−2αrp−2=q0αr+q1αr2+q2αr3+· · ·+qp−2αrp−1 となり,q0=qp−2, q1=q0, · · ·, qp−2=qp−3 と,対応する係数qk が順次等しくなる.

q0=q1=· · ·=qp−2

である.

F(α) =q0(α+α2+· · ·+αp−1) =−q0

となり,確かに有理数である.

さて,p= 5, 7 の計算は次の結果を推測させたが,それを示そう.

定理 34

記号はこの節の通りとする.このとき

β0β1=







 1 +p

4 (p≡ −1 (mod.4)のとき) 1−p

4 (p1 (mod.4)のとき

証明 フェルマの小定理から

rp−11 (mod. p) である.ゆえに

rp−12 ≡ −1 (mod. p) したがって,整数k に対して

rk+rk+p−12 0 (mod. p)

次にβ0·β1においてαの代わりにαr を代入するとβ0β1 が入れ替わるのでβ0·β1 は変わ らない.したがって補題からβ0·β1は有理数である.

また有理数c1, · · ·, cp−1 に対して

c1α+· · ·+cp−1αp−1

が有理数となるのはc1=· · ·=cp−1 のときにかぎる.それ以外にあれば,1 +α+· · ·+αp−1= 0 とあわせてαp−1の項を消せば,αp−2次以下の方程式を満たすことにあるからである.

そこで (i) p−1

2 が奇数.つまりp≡ −1 (mod. p)のとき.

β0·β1= (α+αr2+. . .+αrp−3)(αr+αr3+. . .+αrp−2)を展開した段階でできる µp−1

2

2

個の積のうち,1になるものが p−1

2 個あり,残る µp−1

2

2

−p−1

2 =(p1)(p3)

4 個

の和は有理数なので,それらp−1個ずつα+· · ·+αp−1=−1でまとめられ,それがp−3 4 個ある.

β0·β1= 1·p−1

2 + (−1)·p−3

4 =1 +p 4 (ii) p−1

2 が偶数.つまりp≡1 (mod. p)のとき.

β0·β1を展開した段階でできる µp−1

2

2

個の積のうちに1になるものはなく,すべてp−1 個ずつα+· · ·+αp−1=−1でまとめらる.

β0·β1= (−1)· p−1

4 =p−1 4

■ 

これからG2 が計算でき,他の計算と比較して相互法則が示される.

補題 3 素数pと整数係数の多項式 anxn+an−1xn−1+· · ·+a0に対して

(anxn+an−1xn−1+· · ·+a0)p≡anpxpn+an−1pxp(n−1)+· · ·+a0p (mod. p)

証明 1<=k <=p−1 に対してkpCk =pp−1Ck−1 よりpCkpの倍数.

∴ (anxn+an−1xn−1+· · ·+a0)p = {anxn+ (an−1xn−1+· · ·+a0)}p

anpxpn+ (an−1xn−1+· · ·+a0)p (mod. p)

anpxpn+an−1pxp(n−1)+ (an−2xn−2+· · ·+a0)p (mod. p)

· · ·

anpxpn+an−1pxp(n−1)+· · ·+a0p

■  これを証明のなかで用いる.

定理 35 (平方剰余の相互法則の別証明)

qpと異なる奇素数とする.複合を p≡ ±1 (mod. p)と同順にとって µq

p

= µ±p

q

証明 G=β0−β1であるから,上の定理から

G2= (β0−β1)2= (β0+β1)20β1= 1(1∓p) =±p オイラーの規準(定理30)から

(±p)q−12 µ±p

q

(mod. q) であるから

Gq−1= (±p)q−12 µ±p

q

(mod. q) つまり

Gq µ ±p

q

G (mod. q) 一方

Gq = Ãp−1

X

k=1

µk p

αk

!q

p−1X

k=1

µk p

q

αkq (mod. q) (∵ 補題3)

=

p−1X

k=1

µk p

αkq (∵ qは奇数)

= µq

p

p−1X

k=1

µkq p

αkq =

µq p

G

∴ µq

p

G=

µ±p q

G (mod. q)

つまり ½µ

q p

µ±p

q

¶¾

G≡0 (mod. q)

であるが, Gにおいてα, α2, · · ·αp−1 の係数はすべて±1 で µq

p

µ±p

q

がすべてqの倍 数になる.

これがとりうる値は0, ±2であるが qが奇素数なので µq

p

= µ±p

q

でなければならない. ■ 

これはすなわち平方剰余の相互法則である.

ここではガウス和Gの平方のみを用いた.Gそのものは使わなかったので,Gの符号を決定 する必要がなかった.Gの符号を決定するのは簡単ではない.

なお,原始根による1のp乗根の表示と分類は,『数学対話』「1の17乗根」の理論的な背景を なしている.もう一度読み返してほしい.

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