4 CANopen
4.3 ネットワーク通信
4.3.4 オブジェクトディクショナリ
88 CANopen
ネットワーク通信
4.3.3.5 ブートアップ・プロトコル
こ の プ ロ ト コ ル は NMT ス レ ー ブ か ら 、 そ の ノ ー ド 状 態 が INITIALIZING か ら
PRE-OPERATIONALに変わったことを伝えるのに用いられます。この機能はハードウェア
/ソフトウェア・リセットまたはサービスリセット・コードの発行後実行されます。
NMTスレーブ NMTマスタ
図4-18:ブートアップ・プロトコル g012421x
テーブルの中の各エントリは次のような構成になっています。
• オブジェクト機能を表したオブジェクト名称
• エントリのデータタイプを定義したデータタイプ属性
• エントリがリードのみか、ライトのみか、またはリード/ライト用かどうかを示したアク セス属性
サブインデックス0にはこれ以降のサブインデックス項目の数(バイト数)が入ります。各 サブインデックス項目にはコード化されたデータが入ります。
インデックス サブインデックス 名称 タイプ 属性 デフォルト値 オブジェクトディクショナリの全体的な構造は以下のとおりです。
インデックス(hex) オブジェクト
0x0000 未使用
0x0001 – 0x001F スタティック(静的)データタイプ
0x0020 – 0x003F コンプレックス(複合)データタイプ
0x0040 – 0x005F 製造者固有データタイプ
0x0060 – 0x007F プロファイル固有スタティックデータタイプ
0x0080 – 0x009F プロファイル固有コンプレックスデータタイプ
0x00A0 – 0x0FFF 未使用
0x1000 – 0x1FFF 通信プロファイル(DS-301)
0x2000 – 0x5FFF 製造者固有パラメータ
0x6000 – 0x9FFF 標準化デバイスプロファイルのパラメータ
0xA000 – 0xFFFF 予約領域
表4-2:CANopenオブジェクトディクショナリ構造
オブジェクトディクショナリは最悪のケースを想定して設計します。オブジェクトエントリ が使用できない場合は、接続モジュールのコンフィグレーションが非アクティブになってい るのが原因です。
90 CANopen
ネットワーク通信
4.3.4.1 初期化(INITIALIZATION)
実装したモジュールのコンフィグレーションは電源投入後に決定されます。
ユーザ固有のコンフィグレーションがセーブされており、現在実装されたモジュールのコン フィグレーションが最後にセーブしたものと一致したならば、このセーブしたコンフィグレ ーションのオブジェクトディクショナリが初期化されます。
これ以外の全ての場合では、オブジェクトディクショナリはデフォルトのコンフィグレーシ ョンが割り当てられます。
4.3.4.1.1 デフォルト・コンフィグレーション
4.3.4.1.1.1 通信プロファイル領域の初期化
バスカプラでサポートされているプロファイルの全てのオブジェクトは DS301 のデフォル ト値に基づいて初期化されます。
• デフォルト・マッピングパラメータのエントリ
マッピングパラメータの設定はデバイスプロファイルに依存します。バスカプラはDS401 をサポートしており、そこに記述されたプロセスが用いられます。最初の 4 個の
Rx/TxPDOはデフォルトPDOとして定義されます。入出力点数がこれ以上の場合は、5
番目のRx/TxPDO 以降に残りのI/Oを割り当てます。最初にデジタル、その後アナログ
I/Oを入れます。64点以上のデジタルI/Oがあった場合(アナログモジュールがなくても)、 第5PDOを定義することで続けることができます。このときPDO2〜4は不使用のままと なります。更に1つのデータタイプのみがPDOのデフォルト入力として用いられます。
つまり3バイトまたは4バイトタイプのモジュールが存在した場合は2個のPDO各々に 対してデフォルト値を入力します。
第1 RxPDO:
最大8個の8点デジタル出力を含みます。デジタル出力がなければサブインデックス0は’0’
となり、このPDOに対しデフォルト値は用いられません。
以降の表においてはIdx=インデックス、S-Idx=サブインデックスを表します。
Idx S-Idx 内容 デフォルト値
0 マッピングされるオブジェクト数 0:デジタル出力ブロックな し
1〜8:1〜8個のデジタル出力 ブロック
1 マッピングされる 1 番目のデジタル出力 ブロック
0x6200 01 08 2 マッピングされる 2 番目のデジタル出力
ブロック
0x6200 02 08
… … …
0x1600
8 マッピングされる 8 番目のデジタル出力 ブロック
0x6200 08 08
第2 RxPDO:
1〜4番目以内の16bitアナログ出力を含みます。アナログ出力がなければサブインデックス 0は’0’となり、このPDOに対しデフォルト値は用いられません。
Idx S-Idx 内容 デフォルト値
0 マッピングされるオブジェクト数 0:アナログ出力なし
1〜4:1〜4個のアナログ出力 1 マッピングされる1番目のアナログ出力 0x6411 01 10
2 マッピングされる2番目のアナログ出力 0x6411 02 10 3 マッピングされる3番目のアナログ出力 0x6411 03 10 0x1601
4 マッピングされる4番目のアナログ出力 0x6411 04 10 第3 RxPDO:
5〜8番目以内の16bitアナログ出力を含みます。アナログ出力がなければサブインデックス 0は’0’となり、このPDOに対しデフォルト値は用いられません。
Idx S-Idx 内容 デフォルト値
0 マッピングされるオブジェクト数 0:アナログ出力なし
1〜4:1〜4個のアナログ出力 1 マッピングされる5番目のアナログ出力 0x6411 05 10
2 マッピングされる6番目のアナログ出力 0x6411 06 10 3 マッピングされる7番目のアナログ出力 0x6411 07 10 0x1602
4 マッピングされる8番目のアナログ出力 0x6411 08 10 第4 RxPDO:
9〜12番目以内の16bitアナログ出力を含みます。アナログ出力がなければサブインデック ス0は’0’となり、このPDOに対しデフォルト値は用いられません。
Idx S-Idx 内容 デフォルト値
0 マッピングされるオブジェクト数 0:アナログ出力なし
1〜4:1〜4個のアナログ出力 1 マッピングされる9番目のアナログ出力 0x6411 09 10
2 マッピングされる10番目のアナログ出力 0x6411 0A 10 3 マッピングされる11番目のアナログ出力 0x6411 0B 10 0x1603
4 マッピングされる12番目のアナログ出力 0x6411 0C 10 第1 TxPDO:
最大8個の8点デジタル入力を含みます。デジタル入力がなければサブインデックス0は’0’
となり、このPDOに対しデフォルト値は用いられません。
Idx S-Idx 内容 デフォルト値
0 マッピングされるオブジェクト数 0:デジタル入力ブロックな し
1〜8:1〜8個のデジタル入力 ブロック
1 マッピングされる 1 番目のデジタル入力 ブロック
0x6000 01 08 2 マッピングされる 2 番目のデジタル入力
ブロック
0x6000 02 08
… … …
0x1A00
8 マッピングされる 8 番目のデジタル入力 ブロック
0x6000 08 08
92 CANopen
ネットワーク通信
第2 TxPDO:
1〜4番目以内の16bitアナログ入力を含みます。アナログ入力がなければサブインデックス 0は’0’となり、このPDOに対しデフォルト値は用いられません。
Idx S-Idx 内容 デフォルト値
0 マッピングされるオブジェクト数 0:アナログ入力なし
1〜4:1〜4個のアナログ入力 1 マッピングされる1番目のアナログ入力 0x6401 01 10
2 マッピングされる2番目のアナログ入力 0x6401 02 10 3 マッピングされる3番目のアナログ入力 0x6401 03 10 0x1A01
4 マッピングされる4番目のアナログ入力 0x6401 04 10 第3 TxPDO:
5〜8番目以内の16bitアナログ入力を含みます。アナログ出力がなければサブインデックス 0は’0’となり、このPDOに対しデフォルト値は用いられません。
Idx S-Idx 内容 デフォルト値
0 マッピングされるオブジェクト数 0:アナログ入力なし
1〜4:1〜4個のアナログ入力 1 マッピングされる5番目のアナログ入力 0x6401 05 10
2 マッピングされる6番目のアナログ入力 0x6401 06 10 3 マッピングされる7番目のアナログ入力 0x6401 07 10 0x1A02
4 マッピングされる8番目のアナログ入力 0x6401 08 10 第4 TxPDO:
9〜12番目以内の16bitアナログ入力を含みます。アナログ入力がなければサブインデック ス0は’0’となり、このPDOに対しデフォルト値は用いられません。
Idx S-Idx 内容 デフォルト値
0 マッピングされるオブジェクト数 0:アナログ入力なし
1〜4:1〜4個のアナログ入力 1 マッピングされる9番目のアナログ入力 0x6401 09 10
2 マッピングされる10番目のアナログ入力 0x6401 0A 10 3 マッピングされる11番目のアナログ入力 0x6401 0B 10 0x1A03
4 マッピングされる12番目のアナログ入力 0x6401 0C 10
製造者固有プロファイル領域の初期化
この領域はオブジェクトディクショナリに記述されるように初期化されます。
標準化デバイスプロファイル領域の初期化
DS401規格に定義されているように、サポートされた全てのオブジェクトが初期化されます。
4.3.4.2 通信プロファイル領域
以下のテーブルには、バスカプラでサポートされている全ての通信プロファイル・オブジェ クトが記載されています。
インデックス 名称 タイプ 意味 参照頁
0x1000 デバイスタイプ Unsigned32 デバイスプロファイル 0x1001 エラーレジスタ Unsigned8 ビット単位でエラーを定義(DS401)
0x1003 既定エラー・フィールド Array Unsigned32
発生エラーのうち最近 20 件を保存 0x1005 COB-ID SYNC メッセージ Unsigned32 同期オブジェクトの COB-ID 0x1006 通信周期 Unsigned32 2 つの SYNC メッセージ間の最大時間
0x1008 製造者デバイス名 可視文字列 製造者のデバイス名
0x1009 製造者ハードウェア・バージ ョン
可視文字列 製造者のハードウェア・バージョン
0x100A 製造者ソフトウェア・バージョ ン
可視文字列 製造者のソフトウェア・バージョン
0x100C ガードタイム Unsigned16 ライフガーディング・プロトコルに使用す る時間
0x100D ライフタイムファクタ Unsigned8 寿命ファクタ、ノードガーディング・プロト
コルの一部
0x1010 パラメータ保存 Array
Unsigned32
コンフィグレーション用パラメータの保存 0x1011 デフォルトパラメータ復元
Array Unsigned32
コンフィグレーションのデフォルトパラメ ータの復元
0x1014 COB-ID エマージェンシ・オ
ブジェクト
Unsigned32 エマージェンシ・オブジェクトの COB-ID 0x1015 EMCY インヒビットタイム Unsigned32 2 つの EMCY メッセージ間の最小時間 0x1016 コンシューマ・ハートビート時
間
Array Unsigned32
ハートビートをモニタリングする時間 0x1017 プロデューサ・ハートビート
時間
Unsigned16 2 つのハートビート・メッセージ間の時間 0x1018 アイデンティティ・オブジェク
ト
レコード アイデンティティ
デバイスの一般的情報
0x1200 - 0x1201
サーバ SDO パラメータ レコード SDO パラメータ
サーバ SDO のパラメータ 0x1400 -
0x141F
受信 PDO 通信パラメータ レコード PDO パラメータ
受信 PDO の通信パラメータ 0x1600 -
0x161F
受信 PDO マッピングパラメ ータ
レコード PDO マッピング
受信 PDO のマッピングパラメータ 0x1800 -
0x181F
送信 PDO 通信パラメータ レコード PDO マッピング
送信 PDO の通信パラメータ 0x1A00 -
0x1A1F
送信 PDO マッピングパラメ ータ
レコード PDO マッピング
送信 PDO のマッピングパラメータ
以降の章において表中の略号は以下の意味を表します。
Idx=インデックス S-Idx=サブインデックス RO=リードオンリー RW=リードアンドライト