1 研究の目的と構成
3.7 CVM(仮想市場評価法)による評価分析
3.7.3 アンケート設計
今回のアンケートによるCVM調査は、大宮氷川参道で実施した「交通シミュレーション」
「交通社会実験」「『交通シミュレーション・交通社会実験・本格実施』サイクルによる進 め方」の 3 つを金銭的に評価し、その評価額が回答者の体験有無によって違ってくるとい う仮設を立証しようとするものである。
①シナリオ
設問のシナリオにおいて、想像することが困難なシナリオでは、回答者にそもそものシ ナリオを受け入れてもらえない問題が出てくるため、本アンケートのシナリオは今後対策 の検討が予定されている氷川参道北区間(回答者は氷川参道沿線の住民であるため)をフ ィールドとしたシナリオを作成した。
②支払い方式
基本的な CVM の支払い方式は、回答者に金銭的な負担をさせる方式であるが、今回の CVM によって金銭的に評価する「交通シミュレーション」「交通社会実験」「『交通シミュ レーション・交通社会実験・本格実施』サイクルは、回答者が過去に経験しており、さら に金銭的な負担を強いられていないという問題が発生した。これでは、今まで(中区間・
南区間)は「交通シミュレーション」「交通社会実験」「『交通シミュレーション・交通社会 実験・本格実施』サイクルを行うのに金銭的な負担をしていないのに、北区間だけ金銭的 な負担を強いるシナリオを設定しても、回答者に受け入れてもらえない可能性が出てくる。
そこで、今回のCVMでは回答者が治めている税金をつかって地方自治体が「交通シミュ レーション」「交通社会実験」「『交通シミュレーション・交通社会実験・本格実施』サイク ルを行うという、回答者に受け入れやすい支払い方式を設定した。
③料金設定
CVMの料金設定は、現実として一般的な回答者が支払うことが困難な金額や現実的に実 施することが困難金額を設定してもまったく意味の無いものになってしまう。今回のCVM の料金設定は、8パターン(10万円、20万円、50万円、100万円、500万円、1000万円、
5000 万円、1億円)を設定した。ここで 10万円と1億円については少し現実的には困難 な金額となっているが、本アンケートの目的が純粋な金銭価値の算出ではなく、体験別の 金額の差の算出であるとういうことから金額に大きな差をつける必要性があった。したが って、今回のCVMでは10万円と 1億円という金額も採用することにした。以下表 3-10 に設定した料金パターンを示す。
表 3-10 CVMの料金パターン
パターン 1回目の金額(万円) 判定 2回目の金額(万円)
NO 10
YES 50
NO 20
YES 100
NO 50
YES 500
NO 100
YES 1000
NO 500
YES 5000
NO 1000
YES 10000 50
20 A
B
5000 1000 100
F C
E
D 500
内容が「交通シミュレーション」「交通社会実験」「『交通シミュレーション・交通社会実 験・本格実施』サイクルの3パターンで料金設定が全 6パターンあるので、アンケートの 種類は全部で3×6の18パターンを設計した。
また、実際に配布したアンケート票の例(シミュレーションの A パターン)を以下の図 3-54図 3-55に示す。
図 3-54 アンケート原票(その1)
図 3-55 アンケート原票(その2)