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他 2 件

ある時にある人が 10 の短文を朗読してその音声から 10 の CEM を計算した場合,あるいは何等かのテキストを 60

の有効性が主張される等,明確な成果を示しているものは 皆無であり,逆に,これらは,当所技術の普及や発展を妨 げる一因になっていた。

3)

このような状況に対して,

2014

年,筆者は共同研究者 の了解を得て,従来非公開としていた

SiCEA

パラメータ の設定等,適正な覚醒度評価に必要な情報を開示した。

5)

当所の発話音声分析技術を理解することは,発話音声か ら生成(カオス論的には, 「再構成」と言う。 )されるスト レンジ・アトラクタに対して定義される特徴量としての

CEM

を計算する

SiCECA

アルゴリズムを理解することで あり,その信頼性向上等の高性能化や高機能化は

SiCECA

パラメータの調整により実現される。アルゴリズムは手続 きの記述であって,

CEM

SiCECA

アルゴリズムにより 算出される「時系列信号として離散化された音声信号に対 して定義された特徴量」であるから,理解のための努力が 払われるのであれば,誰でも,複雑ではあっても曖昧なも のではないことは了解できる筈である。

2,5)

2.2 CEM

の信頼性は十分か?

血圧等の従来の生理指標については,

10

回計測を行え ば殆どの場合

10

個の計測値はその平均値に対して

±σ

(標 準偏差)の範囲に含まれるであろうが,

2013

年までの

SiCECA

の実装において

CEM

は全く異なる挙動を示して

いた。これは

SiCECA

の実装に対する

CEM

の分布に依存 するものであって,本来

SiCECA

CEM

の信頼性とは別 次元の話であるが,この事情を知らない限りは,以下の様 な

CEM

の分布の有する性質のために,

CEM

そのものに対 する信頼性に疑問が生ずる状況は理解できる。

ある時にある人が

10

の短文を朗読してその音声から

10

UAS

のための

GPS

に代わる位置推定法に関する研究【基礎研究】

担当領域 監視通信領域

担 当 者 ○河村 暁子,二ッ森 俊一,米本 成人,

山 康博(航法システム領域) ,宮津 義廣(航空交通管理領域)

研究期間 平成

25

年度~平成

28

年度

1.はじめに

パイロットが搭乗していない航空機を,一般の有人航空 機と区別し

UAS(Unmanned Aircraft Systems:

無人機

)

と呼ぶ。

近年,農薬散布,災害監視など多岐にわたる用途で,

UAS

の民生利用が拡大している。将来,有人機と無人機が飛行 空域を共有する時代が訪れる可能性は十分に考えられる。

多くの

UAS

は自律位置制御に

GPS

信号を用いており,シ ステムの

GPS

への依存度が有人機よりはるかに高い。しか し,飛行中に何らかのトラブルや意図的電波妨害によって

GPS

信号が途絶えた場合,パイロットが機上にいないため

UAS

が制御不能になる危険性が指摘されている。ペイロー ドが少なく機上装備の追加が困難な小型無人機では自機位 置を知る手段は

GPS

信号以外にないのが現状である。よっ て,非常時の代替手段として,

GPS

信号に頼らない位置推 定システムが求められている。

2.研究の概要

本研究の目的は,

UAS

の位置を

GPS

GNSS

)信号以外 で推定する方法を検討することである。 検討の条件として,

小型無人機と可搬型の地上局からなるシステムを対象とし,

機体の飛行範囲は数

km

程度,

GPS

信号の受信を除く機体 の機能はすべて正常で, 通信リンクは切れないと仮定する。

実験的検討においては,平成

22

24

年度に基礎研究「トラ ジェクトリ管理が可能な実験用

UAV

に関する基礎研究」

で製作した小型

UAS

を用いる予定である。

検討・提案する位置推定法は,機体ペイロードを増やさ ないために,既存の地上-機体間の通信リンクを用いた伝 搬遅延の測定を元に行う。さらに,慣性航法のように姿勢 センサ情報を用いる位置推定法と結果を比較する。本検討 の過程で,この種の小型

UAS

の制御に必要な位置情報の 精度およびその出力頻度等の要件も明らかにする。

なお,小型

UAS

は飛行方法や運用形態が有人機とは全 く異なる性格のものであり,本研究では基礎検討として,

およそどの領域に機体があるかを把握するためのものであ る。

また,この研究課題と並行し,

UAS

そのものが非常に新 しいコンセプトの飛行体で近年急速に普及する可能性があ

ることから,国内外の運用ルール(特に通信関係)の動向 調査と課題抽出および

ICAO UAS Study group

へのアドバ イザとしての出席を通した国際規格動向の分析も行う。

初年度は本研究の根幹となる位置推定法の検討,および 目標位置精度を定めるための比較対象となる慣性航法の

UAS

における誤差の割り出しを行なった。検討する位置推 定法は,機体‐地上間の機体情報のダウンリンク信号を利 用する。

2

年目は,

1

年目に検討した位置推定法の決定およ び,実証実験用装置の開発を行う。

1

年目の予備実験にお いて,ダウンリンク信号を受信する複数点をどのように同 期するかが課題となったことから,同期信号の取得を中心 に検討を行った。

3

4

年目は,実証実験及び,位置推定の 確かさの検証を行う。また,

4

年間を通して,大きさに関 わらず無人機全般の情報収集に努める。

3.研究成果 平成

26

年度は,

(1)機上‐地上間の通信リンクを用いた

UAS

の位置推 定法の同期信号に関する検討

(2)

UAS

に関する情報分析 を実施した。

(1)機上‐地上間の通信リンクを用いた

UAS

の位置推 定法の同期信号に関する検討

初年度より,機体‐地上間の機体情報のダウンリンク信 号を,地上の複数点で受信し,飛行位置を推定する手法を 考え,

2.4GHz WiFi

信号の振幅(

RSSI

)を利用して模擬機 体局を

2

次元移動させ位置を推定する簡易実験を実施して いる。この実験では,複数の受信点を同期させるためのト リガを暫定的に

GPS

の時刻情報から得ていた。しかし,

本研究は

GPS(GNSS)

遮断時に活きる

UAS

の位置推定手法

を目指していることから,同期信号も

GPS

に依存しないこ とが望ましい。よって,同期信号の候補に電波時計信号や

TV

地上デジタル放送のトリガ信号などを挙げ,電波時計 信号の受信を試みる実験を行った。

(2)

UAS

に関する情報分析

本年度は,7月,

11

月に航空局安全部安全企画課の要請

を 受 け

ICAO UAS Study Group

11

月 か ら は 会 議 が

Remotely Piloted Aircraft Panel

へ昇格)へ参加し,特に制御 用通信に関わるワーキンググループにおいてガイダンスマ ニュアルの製作および

ICAO Annex

類の改訂作業に参画し た。ガイダンスマニュアルは,

Doc 10019

として

2015

2

月に発行された。

さらに,

UAS

の運用実績が多く且つ事故報告が公開され ている,米国空軍のグローバルホークとプレデターの

2

機 種の

UAS

について,過去

5

年分の事故情報計

45

件を精査 し分析を行った。この結果,墜落原因として設計ミスが疑 われる故障,ヒューマンエラー,通信の遮断による制御喪 失が多いことがわかった。このような知見は,上記

ICAO

ガイダンスマニュアル作成にも生かされた。

さらに,今年度は社会一般における

UAS

の認知が非常 に進んだ年であり, これに伴って

UAS

に関する講演依頼,

行政が主催する委員会への参加,報道機関の取材を多数受 けた。

4.まとめ

本研究は

UAS

GPS

GNSS

)に代わる位置推定法の開 発を目的とし,

4

年の計画で実施している。初年度となる 昨年度は,機体から地上へのダウンリンク信号を利用して

UAS

の位置推定を行うことを考え,この手法の妥当性を簡 易実験により明らかにした。これより,環境に依存する信 号伝搬パラメータや同期信号について課題があることがわ かり,本年度はその同期信号について掘り下げた。

さらに,

UAV

の国内外における情報収集も広く行い,特 に国内産業界,国外の法整備を担当する行政機関との情報 交換に努めた。

掲載文献等

(1)

河村, 「

UAS

の通信に関する課題と動向」日本産業用無 人航空機協会講演会

(2)

河村ほか,「無人航空機の制御通信における共用検討」,

飛行機シンポジウム

3B13

(3)

河村, 「無人航空機の飛行に関するルールと動向」 ,総務 省 無人航空機システムの利用技術関係機関連絡会 依頼講 演

(4)

河村, 「無人航空機の現状と将来への展望」 ,電子情報通

信学会情報伝送と信号処理ワークショップ 依頼講演

(5)

河村ほか, 「無人航空機の

5 GHz

通信と隣接航空通信と

の周波数共用検討」電子情報通信学会総合大会

B-5-122

次世代航空通信の基盤技術の調査【調査】

担当領域 監視通信領域 担 当 者 ○新美 賢治 研究期間 平成

25

27

年度

1.はじめに

航空の分野における電波利用の一つに航空通信があり,

航空管制や航空機運行管理などの分野で安全性と経済性 の向上に大きく貢献している。今後のよりよい航空通信を 実現するための研究方針を考える上で,航空通信の利用者 の意見を収集分析する必要がある。本調査では,特に,当 研究所に資料の蓄積が見られないパイロットの意見に着 目した。調査では,今後の航空通信により適した航空通信 技術を検討する基礎として,

ICAO

や航空局の動向をふま えて,現状の空対地の航空通信技術に関する意見を収集す ることとした。特に,現行及び開発中の通信技術を航空通 信の場で利用するメリット・デメリットを精査し,将来の 最適な航空通信の要件抽出に資する調査を行う。

2.調査の概要

日本の

CARATS

構想は,定期便として就航している飛

行機(中・大型航空機)を対象とした航空通信・データリ ンクについて,官民で積極的に検討が行われているが,小 型航空機(中・大型航空機より小さな飛行機(固定翼)及 びヘリコプター)への搭載,利用等の面で費用対効果の高

いと思われるイリジウム衛星を利用した

FANS

通信につ いては,日本では十分な検討がされていないようである。

一方,現状,小型航空機は主に

VFR

運航をしているが,

IFR

運航についても複数のニーズがある。また,日本の

CARATS

構想と米国の

NextGEN

,欧州の

SESAR

の差異の 調査も実施することとした。

3.調査成果

平成26年度はヘリコプターの運航に用いられている データリンクシステムの現状として,東京消防庁航空隊等 で利用されているイリジウム衛星を利用した航空機動態 管理システムの調査および同システムの利用経験者のヘ リコプターのパイロットに聞き取り調査を行った。なお,

イリジウムの次世代衛星通信基盤に対応するための通 信・データリンクの機器のプロトタイプを開発している企 業があるとのことである。また,米国では,イリジウム衛 星を利用した

FANS

通信(

FOI/FANS 1/A OVER Iridium

) による航空管制を検討あるいは検証しているとの報告が ある。

4.まとめ

平成26年度は,現状の空地のデータリンクのうち,

・小型航空機のうち,ヘリコプター用空地データリン クの調査

・日米欧の各将来計画にみられる差異の調査

を実施した。その結果,主に

VFR

運航する小型航空機の

IFR

運航拡充にニーズがあり,欧米にも関連する活動が見

られた。