14)学
級集団の状態分析①
グループ毎の割合から学級集団の状態を分析
(図 119
全体の表出度は64%
図
112
学級集団のグループ毎の割合(評価の視点)
・
無表出や
Dの
割合が少なくAが
多いことか ら、子 どもたちが相互に頑張 りを認め 合 つている集団 と言える。・
人気者や個性的な子 どもが多 く生まれる状態にある。
・
Cの
割合が高いことか ら、自分は頑張つているとい う意識 を多 くの子 どもたちが抱 き、指導者か らの良い評価 を期待 している。○
特定の友だちを多 く名前を挙げている子が 14名 お り、グループ化 を避 けるために も、さらに学級集団全体で互いに関わ りが深 められ る活動が大切である。
② 子ども一人一人の OR度 を度数分布図に表わす (図 119
10 9 8
・ ■
■ 鰯
③ 他者意識 と規範意識か らの分析
(図
11の 80他者意識 図 114 下位検査 か ら他者 意識 の分析
規範意識 他者意識 、規範意識 の状態
(図
1lD
0 0 9 8
思いや り 勤 労奉 仕
図
115他
者意識の状態 下位検査か ら規範意識の分析 (図110
公平公正
0 0 9 8
自主 自律 責任感
図 116
公 共心
(分析 の結莉
・
全体的には、子 どもたちの他者意識や規範意識は高いです。友だちをバカにする言 動 に対 して即指導を入れ ることや、自分たちで決めた ことは 自分たちで守 らせ る、学 級 目標に照 らし指導す るなどの指導が規範意識 を高めていると考える。
・
規範意識 が高い中で、児童の頑張 りを取 り上げ皆に伝 えるよ うに していることが他 者意識を高め、思いや りや協力な どが行動になつている。
○
さらに、他者意識が高 くなるよ うに、全員が揃 うまで待つた り係活動の点検や工夫 した りできるようにして、子 どもたちと相談 しなが ら自治的な学級集団に していくこ とが大切である。
87
④ 学級集団内における子 ども一人一人の相関分布図(図
117)ADHD●
10
345678910
他者意識
図
117
学級集団内における相関図(分析の結果)
・
全体的 には、多 くの子 どもたちが右上の域にいて、規範意識が高い特徴が見 ら れるが、1人規範意識が低 くい子 どもが見られ集団か ら離れている。
・
他者意識では格差が大きく、対等な友だち関係 が難 しかつた り自分勝手な言動 が見 られた りす る子 どもも見 られる。
○
個男り指導の必要な子 どもも見 られ相談 しなが ら進めてい くことも大切である
○
分布状態は収縮 してお り互いの関わ りは深ま りつつあることか ら、周 りの友だ ちと相談 した り関わ りを活用 した りして、左下の域の子 どもたちが学級集団に入 れるよ うに してい くことが大切である。
実践の整合性
平成
28年
度に行つた調査学級集団について、直接学校に行 き学級集団の担任 と会 い、その学級集団の様子について聞き取 りを行ってい く中で整合性を確かめて行 くようにした。
○
子どもアンケー ト個票について
0
特定の友だちを多 く選んでいた学級集団の担任 の中で、予想 していた担任 と意 識 していなかつた担任 とに分かれていた。予想 していた担任は思い当たる場面を 思い出 していたが、意識 していなかつた担任はグループ化を肯定す る考えをもつ ていた方 もいた。・
他者 か ら名前が挙げられていない子 どもに対 して、多 くの担任は予想を してい た。しか し、性格の問題 として捉え手立てを打つ ことはあま りしていない様子だ つた。配慮を要す る子 どもたちの名前が挙げられていた ことに、大変喜ぶ担任の
6 5
籠 瀬颯 寝
◎ 0 1 2
88
姿が多 く見 られた。
・ 自己評価の低い子 どもたちに対 して、予想 していた担任 とそ うでない担任 に分 かれた。予想 していた担任は、日頃の行動か ら察 していたが、予想 していない子
どもが低いことに驚いていた。
○
一覧表の
A,B,C,Dの
表出状態について。
子 ども一人一人について見ていつた とき、友だちか ら認 められていたことや、
自分な りに頑張つていた子 どもの様子に初めて気づ き意外であつたよ うであっ た。
・ 学級集団の他者意識や規範意識の状態度について、どの学級集団も担任が意識 していた様子 と合つていたようである。特に、子 どもたちの学習規律の様子が規 範意識の状態度に同 じく表れていると評価 していた。
・
10項
目ごとの状態度について、担任はあま り意識 していないこともあ り、整 合性については分か らない とのことであった。・
子 ども一人一人の
OR度
と0,Rの
数値について、担任が意識 していた学級集 団内での子 ども一人一人の様子が、数値 としてよく表れているとい うことであつ た。○
グラフ化について
・
円グラフについては、
Dや
無表出の割合が全体の割合か ら分か り、学級の状態 を捉 えやすい とのことであつた。「AB,Cの
割合が どの くらいあればいいのか」と担任か らの質問があつた。
・
OR度
の度数分布表については、50%以
下の子 どもたちの人数が捉 えやす く、また、集団か ら離れている子 どもたちが捉えやすい との事であつた。
・ 他者意識や規範意識の棒 グラフについては、
2つ
の意識のバランスが分か り、それは指導者の意識 のバランス と同 じよ うに表れているよ うに感 じているよ う
。
だった。学級集団内における子 ども一人一人の分布表について、子 ども一人一人の位置 が現れているのではないか と評価 していた。特に、配慮を要す る子 どもたちの位 置が明確 に捉 えることができることに驚いていた。
○
実践を通 して
平成
28年
度は、新たな学校で実践を行つた。全体的に担任が学級集団の中で 子 ども一人一人の様子を把握す ることは大変難 しい と感 じた。それは、調査結果 を見て初めて気づ くことや、改めて意識する学級担任が多かったか らである。「あの子がそ うだつた とは分からなかつた。」「あの子の名前が挙げられていてよか った」「そ ういえば、ずつと一緒にいることが多かったな」な どの様子が見 られ た。
しか し、そ うした細かなことは知 らなくても、子 ども同士の関係 は大変に良 く 全員が良くまとまつている学級集団は多 くある。それは子 ども同士の関わ りか ら 担任が知 らなくても、相互に指導が入つているか らではないだろ うか。そ こに学 級集団のよさがあ り、学級担任がすべきことがある。よく保護者に「先生は
40
人 もの子 どもたちをよく見 られていますね」と言われる。これは子 ども一人を見 ている保護者の観点であ り学級集団の中で見ている、担任の観点 とは異なるもの である。担任が直接言わなくても子 ども同士で解決 した り修正 した りす る学級集 団を育てることが、家庭で子 ども一人一人を育てることと同 じことだ と考える。
大局的には、子 ども一人一人に指導す ることの以前に、学級集団を育てること が大切な学級担任の職責であると感 じた。
10
教育相談での活用自己0相互評価による集団の実態把握の方法は、学級集団だけでなく職場やスポー ツチーム、家庭での小集団において も通 じるのではないか と考えた。そこで、教育相 談の中において実践をした。
(1)調
査のね らい89
自閉症スペク トラム と診断 されている子 どもが、教育相談に訪れ ることは多い。主 訴 として低学年では、学習に集 中 しない、友だちにちょっかいをかける、場に不相応 な言動が見 られ るなどが多 く、高学年では、友だちができない、思い通 りにいかない と乱暴になる、学習が分か らないな ど、集団の中で不適応 を起 こし不登校に至 るケー スも少なくない。 自己肯定感が失われ 自暴 自棄 に陥つている子 どもたちもいる。
そ うした中で、小学校
5学
年の男児であるAは
、2歳
半で 自閉症スペ ク トラム と 診断 され、継続的に医療にかかつていた。学校ではま じめに一生懸命 に取 り組む良い 状態が見 られ、自己肯定感 を維持できている。こうした状態を維持 している環境は ど のよ うな環境であるのかを、本児の発達検査、家庭の状態調査、学級集団の状態調査 か ら分析 し、本児の実態 との関係 を提えることに した。こうした調査に協力を していただいた保護者や学校の担任の先生に感謝す る。
(2)調
査期間平成
27年
10月 28日 〜平成27年
11月 5日 (31 調査対象本児の調査
家庭調査
父(46歳)、 母(46歳)、 本児、一女
(9歳
)、 二女(5歳
)の5人
家族(調査は父、母、本児の 3名)
学級集団調査
在籍児童28名
14)調
査方法本児調査
発達検査
WISC‐
Ⅳ家庭調査
3名
による自己・相互評価調査学級集団調査
28名
による自己・相互評価による調査 (51 教育相談の主訴 と本児の様子教育相談を希望 されたのは、それまで定期的にかかつていたが医療機 関が終了 とな つたことか ら、引き続 き相談先を両親が求めていたことによるものである。全般的な 発達の状況を把握 し今後の支援 を求めていた。家庭や学校で問題があ り本児が困つて いるケースとは異なっていた。
学校では、段取 りが変わると固まつて しま う、自分の気持ちをまとめることが苦手 な どの様子が見 られている。休み時間に一人読書を し、学級内での トラブルはなく、
通常学級の中で普通に生活 している。学力はあるが、外的な刺激 を拒む様子が見 られ ることか ら、気分転換のために特別支援学級を利用 している。
家庭では、極端に間違 うことを嫌が り、失敗 を恐れチャレンジ しよ うとしない。時 間の感覚が少 しずれている様子が見 られ る。どこかに行 くとき計画はできるが細部に までは気が付かない。
16)成
育歴夜泣きがひ どかつた。定期検診では母親か ら言葉の遅れを相談 した。幼児期では、
いろいろなこだわ りが見 られ、白い物 しか食べない、入れない場所がある、乗れない 電車があるな どである。また、音を聞いただけで電車の車種が分かつた り、聞いたメ
ロデ ィーをす ぐに弾くことができた りしていた。
17)本
児の発達検査か らの状態分析FSIQ(110,VCI(117),PRI(100,WMI(120,PSI(10の
検査の様子は、前半は間違い に対 して修正や頭の切 り替えがなかなかできなかったが、後半は考え直 した り、でき なくても前に進めた りと対応に幅が見 られた。全般的に一生懸命な取 り組みが見 られ た。読書が好 きな様子やす ぐに聞いた音楽を弾けた りす る様子 と一致 している。
また、予定の変更や予期 しないことに不安 となつた り、自分の気持ちを言葉でまと めることが苦手だつた りと、自己肯定感が低下 しやすい傾向を有 している。
しか し、分か らないことがあると自分か ら「具体的には」と聞き直 し、友だちか ら 嫌な事を言われても、自分でも「友だちか ら嫌なことを言われるのはいやだけど気に しないよ うに している」と言つているな ど、自己肯定感が高い様子が見 られ る。環境 調整が しっか りできていることが原因 していると思われ る。この原因を調べ るために 家族や学級集団の状態を調査す るよ うに した。
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