最近 Sinha, et al.,(2006)は、自閉症幼児への AIT 及びその他の聴覚系療法(例えばトマティス・ソマノ方 式の音楽療法)の効果に関する研究エビデンスを評価するコクランレビューを発表した。それによると、 AIT の研究の無作為比較試験を適用した 6 研究事例のみがこのレビューの厳格な基準を満たした (Bettison, 1996; Edelson et al, 1999; Mudford et al, 2000; Rimland & Edelson, 1995; Veale, 1993; Zollweg, Palm, & Vance, 1997)。他の聴覚系療法に関する研究は、いずれも基準を満たさなかった。6 研 究事例のうち 3 つは、AIT を受けなかった子どもたちと比較して、AIT を受けた子どもたちの有益性を示す ことができなかった。残りの 3 研究は、セラピー開始から 3 ヵ月の時点で子どもたちの改善を報告している。 しかしながらこれらの研究も、以下のような方法論上の欠点を有している。(a)参加者の年齢が広範囲にわ たっている、(b)最も信頼のおける基準に照らした診断がなされていない、(c)広汎な結果指標を用いて いることが結果の比較を不可能にしている、(d)有効性に疑問のある結果指標を用いている(Sinha et al., 2006)。上記の諸研究の結果を解釈するには、以上の限界を考慮に入れなければならない。
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