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自閉症幼児における社会的認知の発達 ―母子相互作用を通して [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)自閉症幼児における社会的認知の発達. −母子相互作用を通して−. キーワード:自閉症,共同注意,模倣,意図理解,母子相互作用 行動システム専攻 井上 智香 問題と目的 自閉症スペクトラム障害(以下,自閉症)は,社会. 母子相互作用について,定型発達児との比較を行い, 社会的認知能力との関連について検討を行うこと,3). 的相互作用や言語的コミュニケーションにおける質的. 自閉症児に対する介入を行い,その前後で社会的認知. な障害,また常同・反復行動などを主な特徴とする発. 能力や母子相互作用がどのように変化するのかについ. 達障害である(アメリカ精神医学会, 1994)。中でも中心. て検討を行うこと。. 症状と言われる社会的相互関係やコミュニケーション をとることの難しさは発達早期から現れる。. 研究Ⅰ. 社会的認知の始まりと考えられている共同注意は,. 自閉症児における社会的認知能力は定型発達児と比. 定 型 発 達 児 に お い て 9-15 ヶ 月 の 間 に 発 達 す る. 較してどのような相違が見られるのだろうか。研究Ⅰ. (Carpenter, et al., 1998)。また,2 歳以前には対象物を. では,自閉症幼児における社会的認知能力を測定する. 用いた他者の模倣を行い,他者の意図の推測も行うこ. とともに,その関連について検討を行う。. とができる。しかし,自閉症児には,これらの社会的. 方法. 認知の発達に障害が見られる(e.g.,Mundy, et al., 1994)。. 対象 対象者は,自閉症児 20 名(自閉症児群:男児 15. 定型発達乳児は,情報や確証を得るために他者の顔. 名・女児 5 名,平均 MA=28.7(ヶ月), SD=10.84)と定. を見ることがある。ところが,自閉症児がこのような. 型発達児 20 名(定型発達児群:男児 15 名・女児 5 名,. 社会的参照行動を行うことはめったにない(Sigman, et. M=28.65(ヶ月),SD=5.16)の計 40 名である。全参加. al., 1992)。Warreyn ら(2005)もまた,自閉症児は統制. 者の母親に調査の趣旨や手続きについて説明を行い,. 群と比較して,母親とのインタラクションの間の始発. インフォームドコンセントへの署名を含めた同意を得. 的共同注意や社会的参照が少ないことを示した。対人. て調査を実施した。. 関係における共同注意や情動共有の成立の困難さは,. 手続き 対象者は調査者と机を挟んで向かい合い,椅. 社会的相互作用と相互に影響を与えあうと考えられる。. 子/母親の膝の上に座り,共同注意能力,模倣能力,. 社会的認知能力及び母子相互作用の発達については定. 他者意図理解能力の測定を行った。調査者の斜め後方. 型発達を対象とした多くの報告がある。しかし,自閉. から対象者の顔 4 分の 3 が映るようにビデオカメラで. 症児において社会的認知能力が低いことが示されてい. 撮影した。. るにも関わらず,自閉症児の社会的認知能力と母子相. 指標 共同注意能力を測定するため,Mundy ら(2003). 互作用の関連について検討された研究は少ない。. の ESCS(Early Social Communication Scales)を用い,. 自閉症児に対する早期診断と早期療育は,その後の. 分析もマニュアルに準じた。模倣能力は,Meltzoff. 発達によい影響を与えるということが報告されている. (1988)に基づいて対象物模倣課題を行った。5 課題中い. (Sutera, et al., 2007)。その他にも自閉症児に対する多. くつ模倣したかにより,0‐5 点を個人の得点とした。. くの療法やプログラムが開発されており,実際に活用. 他者意図理解能力については,Meltzoff(1995)の行動再. されている。ところが,近年ではあまりに発達早期か. 演法の 5 課題を用いた。5 課題中いくつ遂行したかによ. ら認知発達のみに焦点をあてた専門療育を行うことは,. り,0‐5 点を個人の得点とした。. 幼児の対人指向性の発達が摘みとられてしまうのでは. 結果. ないかと懸念されている。 以上のことから,本研究では以下のことを目的とし. 各得点について,群を独立変数とする 1 要因の分散 分析を行った(Table1 参照)。. て調査を行った。1)自閉症児の社会的認知能力につ. 共同注意 始発的共同注意(IJA),始発的要求行動(IBR),. いて,定型発達児との比較を行うこと,2)自閉症児の. 応答的社会的相互作用(RSI)の得点に有意差が見られた.

(2) (F(1.38)=18.49, p<.01, F (1.38)=34.53, p<.01, F (1.38)=12.19,. 群は定型発達児群よりも得点が低かった。Tomasello. p<.01)。3 項目ともに,定型発達児群に比べて自閉症児. (1995)は,幼児が模倣を行うことには,大人が自分とは. 群の得点が低かった。また,RJA に有意差が見られ(F. 異なるかもしれないが意図をもつ 1 人の人間であると. p<.01) ,自閉症児は定型発達児よりも応答. いう事実を理解している必要があると述べている。ま. (1.38)=13.78,. 性が低かった。 対象物模倣・他者意図理解. た,Meltzoff(1995)では,18 ヶ月児が大人の表面的な 対象物模倣能力に有意傾. 動作ではなくその背景にある意図を理解して行動した. 向,他者意図理解能力に有意差が見られた(F (1.38)=3.57,. ことを示唆したが,本研究では,自閉症児群が他者の. p=0.06, F (1.38)=9.14, p<.01) 。. 意図を推測する難しさがあることが示された。. 共同注意能力と対象物模倣,他者意図理解. また,IJA と模倣能力に正の相関が見られた。このこ. の各得点について相関分析を行った結果,対象物模倣. とは,IJA や模倣行動が出現する前提として,他者が自. と IJA の間に有意な正の相関が見られた(r=.37, p<.05)。. 分とは異なる意図をもつ「意図的主体」であることの. Table 1 研究Ⅰにおける自閉症児と定型発達児の平均とSD 自閉症児 定型発達児 Mean(SD) Mean(SD) F IJA 4.20(5.25) 12.05(5.98) 18.49 * * * * RJA(%) .61(0.35) .94(0.09) 13.78 * * * * IBR 7.98(6.23) 25.70(11.60) 34.53 * * * * RBR(%) .45(0.44) .67(0.33) 3.22 + ISI .50(0.74) .85(0.79) 1.98 RSI 6.20(4.73) 11.87(5.27) 12.19 * * *. 気づきが幼児にとって必要であるという考えを支持す. 模倣能力 2.81(1.89) 3.73(0.95) 意図理解能力 2.80(1.63) 4.15(1.06) +!p<.10,!* !p<.05,!* * !p<.01,!* * * !p<.005,!* * * * !p<.001. いるのだろうか。自閉症児の母子遊び場面における社. 相関分析. 3.57 9.14. + ***. 考察 研究Ⅰにおいて,自閉症児群は定型発達児群よりも. るのではないだろうか。 研究Ⅱ 研究Ⅰで示唆された社会的認知能力の相違は,日常 の社会的相互作用場面においてどのように反映されて 会的相互作用について,定型発達児との比較により横 断的に検討する。 方法. IJA と RJA が低く,このことは先行研究と一致してい. 対象 対象者は,自閉症児 16 名(自閉症児群:男児 13. た(Dawson, et al., 2004)。IJA には,幼児が玩具を操作. 名・女児 3 名,平均 MA=27.0(ヶ月), SD=9.7)と定型. している間のアイコンタクトや交互凝視,絵本課題に. 発達児 16 名(定型発達児群:男児 12 名・女児 4 名,. おける自発的な指さし等が分類されている。このこと. M=27.1(ヶ月), SD=7.8)である。. は,幼児が他者の注意がどこに向かっているのかを確. 手続き 幼児に対し,研究Ⅰと同様に共同注意,対象. 認し,またその注意を操作しようとする意図が含まれ. 物模倣,他者意図理解能力について個別に測定を行っ. ていると考えられる。そのため,IJA におけるアイコン. た。各指標の手続きは,研究Ⅰと同様であった。. タクトや指さしは,IBR におけるアイコンタクトと指. 母子遊び場面では,部屋に 3 メートル四方のマット. さしとは質的な違いが存在すると考えられる。IBR に. を敷き,7 種類の玩具を用意した。母親に対し, 「お子. おけるアイコンタクトや指さしは,幼児が目標を得る. さんが普段どのような遊びをするのかを見させていた. 手段として利用する一方で,IJA におけるアイコンタク. だきたいので,自由に遊んでください」と教示し,約 5. トや指さしは他者の注意をある対象物に引きつけるこ. 分間の自由遊びをビデオカメラで撮影した。. と自体が目標となる(Bates, et al., 1975)。このような. 分析. 注意の共有は,ある対象についてその位置や存在その. 母子遊びの間のターンテイキングについて,ビデオ. ものを相手に示すということにとどまらず,むしろ,. 記録をもとに 1 秒ごとにコーディングを行った。社会. それを選び出したという自分の意図や心の状態を伝え. 的相互作用が行われていない場面における母親か幼児. ることに大きな意味があると考えられる。したがって,. のどちらかからの関わりかけをターンの始発,その関. 注意の共有が見られないことは,もともと自分の心の. わりかけに対して応答した場合 1 ターンとして,ター. 中にある物と相手の心の中にある物とは必ずしも同じ. ンテイキングの回数を数えた。母子遊びの時間におけ. でないということの理解ができておらず,そのために. る全始発回数,母親からの始発回数,幼児からの始発. 心の状態を相手と共有しようとすることができないこ. 回数,ターンが成立した回数を数え,1 分あたりの始発. とを示していると考えられる。. 数,1 分あたりの幼児から母親に対する始発数,1 分あ. 模倣能力や他者意図理解能力についても,自閉症児. たりの母親から幼児に対する始発数,ターン成立の割.

(3) 合,母親始発のターン成立割合を算出した。. の理解をし,他者の意図などの社会的情報を得ること. 結果. が困難であることを示している。 1 要因の分散分. このような自閉症児における社会的応答性の低さに. 析を行った(Table2 参照)。その結果,1 分あたりの始発. 最初に気がつくのは,多くの場合が養育者であると考. 数と 1 分あたりの母親から幼児に対する始発数につい. えられる。Doussard-Roosevelt ら(2003)は,このよう. て,自閉症児群は定型発達児群よりも有意に多かった. な自閉症児における社会的な障害は親と子どもの相互. (F (1,30)=5.12 p<.05, F (1,30)=5.58, p<.05) 。ターン成立,. 作用の一般的なパターンを崩壊し,共同注意や言語の. 母親始発のターン成立の割合について,自閉症児群の. 発達に影響を与えると述べている。それでも母親が働. 母子は定型発達児群の母子よりも有意に低かった(F. きかけ続けることには,自閉症児の社会的認知発達の. 母子遊びにおけるターンテイキング. (1,30)=7.83,. p<.01, F(1,30)=7.94, p<.01)。. Table2 母子遊びにおけるターンテイキング 自閉症児 定型発達児 Mean(SD) Mean(SD) 1分あたりの始発数 4.60(1.91) 3.25(1.32) 1分あたりの始発数( 子→母) 0.58(0.63) 0.73(0.73) 1分あたりの始発数( 母→子) 4.11(2.20) 2.52(1.39) ターン成立( %) .53(0.23) .76(.19) ターン成立( 母→子)( %) .50(.23) .74(.22) * !p<.05,!* * !p<.01. 相関分析. 促進に有効ではないのであろうか。 F 5.12 * 0.39 5.58 * 8.36 * * 7.37 *. 研究Ⅲ これまで,自閉症の社会性の発達を促すような,専 門家による専門的な介入手法が複数開発されてきた。 しかし,早期における専門的介入には疑問も呈されて. 幼児の共同注意能力と,母子遊びにおける. おり,自然な発達のシークエンスを尊重した生活モデ. ターンテイキングの各指標について,相関分析を行っ. ルの重要性も示唆され始めているが,その効果の程度. た結果,IJA と母親始発のターン成立割合,他者意図理. は未だ明らかではない。母親による介入によって,自. 解能力とターン成立割合に有意な正の相関がみられた. 閉症児の社会的認知能力や他者への関心が変化するの. (r= .46, p<.01, r= .39, p<.05)。. かについて,縦断的な検討を行う。. 考察. 方法. 母子遊び場面において示されるターンテイキングに. 対象 対象者は,同じ療育施設に毎日通園している自. ついて,自閉症児群と定型発達児群で比較を行った結. 閉症児とその母親 12 組(男児 11 名・女児 1 名,平均. 果,自閉症児群の母子は,定型発達児群の母子と比べ. MA=29.3(ヶ月), SD=11.2)であった。. てターンを始発する回数が多く,さらにターンテイキ. 手続き 各対象者は心理士と初回面接を行い,以後 2. ングが成立する割合が低かった。定型発達児群の母子. ヶ月の間,毎日 5 分間子どもと対面して遊び,その際. では,ターン成立後もお互いに応答を繰り返し,ター. の様子を記録することを求められた。介入の前後に,. ンテイキングが持続することが多かった。しかし,自. 幼児の社会的認知能力を測定した。また,母子の自由. 閉症児群の幼児は母親からの働きかけに対する応答が. 遊び場面をビデオで撮影した。. 少なかったため,母親は他の玩具を使って幼児の注意. 指標 社会的認知能力(共同注意能力,模倣能力・意. をひきつけようと働きかけることが多かった。その結. 図理解能力)と母子遊びにおけるターンテイキングに. 果,始発回数が増えたと考えられる。. ついて,研究Ⅰ,Ⅱと同じ手続きを用いた。. また,母親始発のターン成立割合と IJA に関連が見 られた。IJA は他者の注意の方向を確認したり,注意の. 結果 各得点について,介入の前後を独立変数とした 1 要. 方向を操作しようとする行動であるため,IJA が高い幼. 因の分散分析を行った(Table3 参照)。. 児は,母親の行動をよく見て,その関わりに対して応. 社会的認知能力について. 答すると考えられる。IJA と他者意図理解が可能になる. て有意傾向が見られた(F=3.42, p<.10, F=3.31, p<.10)。. には,他者を意図的主体として意識していることが必. 母子遊びにおけるターンテイキング. 要と考えられる。社会的相互作用において,ターンテ. 発数と 1 分あたりの母親から幼児に対する始発数は,. イキングが成立するためには,相手の意図を理解し,. 介入前よりも介入後が有意に少なく(F. それに応答することが必要である。自閉症児が母親か. F (23)=12.14, p<.01),ターン成立の割合と母親始発のタ. らの働きかけに応じることが少なく,ターンテイキン. ーン成立割合は介入前より介入後の方が有意に高かっ. グが成立しにくかったということは,自閉症児におい. た(F (23)=6.56, p<.05, F (23)=6.08, p<.05)。. て社会的相互作用の中で自他の心の状態が異なること. IJA と模倣課題得点におい 1 分あたりの始 (23)=12.78. p<.01,.

(4) Table3  介入前後の母子遊びにおけるターンテイキング 介入前 介入後 Mean(SD) Mean(SD) F 1分あたりの始発数 6.97(3.08) 4.52(1.33) 12.78 * * * 1分あたりの始発数(子→母) 0.29(0.76) 0.32(0.46) 0.01 1分あたりの始発数(母→子) 6.68(3.26) 4.20(1.57) 12.14 * * ターン成立(%) .39(0.26) .59(0.31) 6.56 * ターン成立( 母→子)( %) .38(0.26) .58(0.30) 6.08 * !* !p<.05,!* * !p<.01,!* * * !p<.005. の関連が示唆され,これらは相互に影響を与えあうと. 考察. 介入による変化について. 考えられる。社会的認知の低さと社会的応答性のどち らが核となっているのかについては今後検討する必要 があるが,自閉症児においても社会的認知と母子相互 作用の共変化が重要であると考えられる。 母親による介入が行われた. 自閉症児に対する介入の前後で,社会的認知能力と. 2 ヶ月間の前後で,社会的認知能力と,社会的応答性に. 母親との社会的相互作用において変化が見られた。母. 変化が見られた。このことは,自然なシークエンスを. 子遊びにおけるターンテイキングにおいて,始発数が. 尊重した生活モデル型の療育の有効性を示唆する。. 介入前より介入後の方が少なくなった。一方,ターン. 近年では,社会的認知能力についての進化心理学か. 成立の割合は高くなっているため,母親からターンが. らの研究や,自閉症児における顔認知障害について脳. 始発されても幼児が応答せず,ターンが成立しなかっ. 科学の分野からも研究が行われている。しかしながら,. た際に母親が再び関わりかけを行うことが少なくなっ. 自閉症児の社会的認知能力の障害の原因の解明はまだ. たことが考えられる。. なされていない。大神ら(2005)は,自閉症児を含め,発. 対象児の中には,介入前には IJA が全くなかった幼. 達障害児の支援はさまざまな理論を参考にしながらも,. 児 4 名中 3 名が介入後に IJA の表出を行った。このこ. 一方では支援をあまり専門的に,あるいは教科書的に. とから,母親による介入がなされる間に,自閉症児に. 考えすぎない態度が重要である,と述べている。また,. おける意図的主体としての他者が意識されるようにな. 発達障害の早期支援は,乳幼児期に適切な早期発見を. ったと考えられる。しかし,この社会的認知の発達が. 行い,個に応じた療育と環境調整を行うことにより,. 母親による介入の効果であったかについては,統制群. 社会的機能を高め,適応を改善する効果が期待できる. との比較検討が必要である。. としている。母子相互作用に焦点をあてた早期介入の 臨床的な応用に向けた更なる検討が必要である。. 総合考察 本研究では,自閉症幼児における社会的認知能力と, 養育者との相互作用場面におけるターンテイキングに. 主要引用文献 Carpenter, M., Nagell, K. & Tomasello, M.(1998).. ついての検討を定型発達児との比較,そして介入によ. Social. る変化からの視点で検討を行った。. communicative competence from 9 to 15 months of. 社会的認知能力について. age. Monographs of the Society for Research in. 自閉症児は定型発達児より. も共同注意能力や対象物模倣能力,他者意図理解能力 が低いことが示された。特に,他者意図理解における 自閉症児と定型発達児の相違が明らかになった。 定型発達児において,乳児があまり他者の注意と自 分の注意を共有しない共同注意開始以前の時期. cognition,. joint. attention,. and. Child Development, 63, 176. Meltzoff, A.N. (1988). Infant imitation after a 1-week delay: Long-term memory for novel acts and multiple stimuli. Developmental Psychology, 31, 198-206.. (Adamson, et al., 1985)には,養育者はその乳児と注意. Meltzoff, A.N. (1995). Understanding the intentions. を共有するために多くの援助を行っている。この時期. of others: re-enactment of intended acts by. の母子の相互的なやり取りは,乳児の社会的認知の発. 18-month-old children. Developmental Psychology,. 達基盤となると考えられている。共同注意能力とその. 31, 838!850.. 後の発達の関連についての研究は数多くなされ,高次. Mundy, P., Delgado, C.,. Block, J.,. Venezia, M.,. の社会的認知能力や言語能力との関連が強いことが示. Hogan, A. & Seibert, J.(2003). A Manual for the. 唆されている(Carpenter, et al., 1998)。自閉症の初期. Abridged Early Social Communication Scales. 予兆としても共同注意の障害が注目されており,後の. (ESCS), unpublished manuscript, University of. 社会的認知の発達に重要であると考えられる。. Miami at Florida.. 社会的相互作用について. 自閉症児における社会的認. 知の難しさと,社会的相互作用における応答性の低さ. 大神英裕・実藤和佳子(2006). 共同注意"その発達と障. 害を巡る諸問題" 教育心理学年報, 45, 145-154..

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