7 . 基底・次元
科目: 線形代数学IB及び演習(1‐1組)
担当: 相木
K-ベクトル空間の基底と次元について解説する.そのために少し準備をする.
ベクトルの張る空間
V をK-ベクトル空間とし,a1,a2, . . . ,am ∈ V とする.これらm個のベクトルの一 次結合で表されるベクトル全体の集合をL(a1,a2, . . . ,am)で表す.つまり
L(a1,a2, . . . ,am) = {c1a1+c2a2+· · ·+cmam | c1, c2, . . . , cm ∈K}
である.L(a1,a2, . . . ,am)を{a1,a2, . . . ,am}の張る空間,あるいは{a1,a2, . . . ,am} によって生成される空間という.L(a1,a2, . . . ,am)のことをSpan{a1,a2, . . . ,am} と 書く書物もある.
L(a1,a2, . . . ,am)はV の部分ベクトル空間である.
{a1,a2, . . . ,am}をL(a1,a2, . . . ,am)の生成系という.
生成系の取り換え
V をK-ベクトル空間とし,a1,a2, . . . ,am ∈V とする.b1, . . . ,br ∈L(a1,a2, . . . ,am)
(ただし,r≤m)が一次独立であるとき,
∃ir+1, . . . , im s.t.L(a1,a2, . . . ,am) =L(b1, . . . ,br,air+1, . . . ,aim) が成り立つ.
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基底・次元
K-ベクトル空間の基底および次元
V をK-ベクトル空間とし,a1,a2, . . . ,an ∈ V とする.以下の2つが成り立つとき,
{a1,a2, . . . ,an} をV の基底という.
(i) a1,a2, . . . ,an は一次独立 (ii) V =L(a1,a2, . . . ,an)
このとき,V は有限次元ベクトル空間であるといい,nをV の次元という.V の次元 がnであることを
dimKV =n
と表す.
また,有限次元でないベクトル空間V は無限次元ベクトル空間であるといい,このこ とを
dimKV =∞ と表す.
K-ベクトル空間V に対して基底は1つとは限らない(むしろ一般にはたくさん存在する).
しかし,V の次元は基底の選び方によらずに定まる値である.
注意:同じ集合V でもスカラーを変えればベクトル空間として別なものであるので,次 元は変わり得る.つまり,K1, K2をスカラーとし,V がK1-ベクトル空間であり,
かつK2-ベクトル空間であったとする.このとき,dimK1V とdimK2V は一般には 等しくない.
例えば,複素数全体CはR-ベクトル空間であるし,C-ベクトル空間でもあり,dimRC̸= dimCCである(演習問題).このような事情からV の次元を表すためにdimKV のよう にスカラーKが何であるか分かるような記号を用いている.
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予約制問題
(7-1) V をK-ベクトル空間とし,a1, . . . ,am ∈ V とする.このとき,L(a1, . . . ,am)は V の部分空間であることを示せ.
(7-2) V をK-ベクトル空間とし,a1, . . . ,am ∈ V とする.また,c∈ K, c ̸= 0のとき,
以下を示せ.
L(a1, . . . ,ai, . . . ,am) =L(a1, . . . , cai, . . . ,am)
(7-3) V をK-ベクトル空間とし,a1, . . . ,an ∈V は一次独立であるとする.b1, . . . ,bm ∈V に対して
L(a1, . . . ,an) =L(b1, . . . ,bm) が成り立つとき,n≤mであることを示せ.
(7-4) R-ベクトル空間M2×2(R)の基底を1つ求めよ.
早いもの勝ち制問題
(7-5) V をK-ベクトル空間とし,x,a1, . . .an ∈V とする.x∈L(a1, . . . ,an)ならば
x,a1, . . .anは一次従属であることを示せ.
(7-6) V をK-ベクトル空間とし,x,a1, . . .an ∈V とする.x̸∈L(a1, . . . ,an)ならば
x,a1, . . .anは一次独立であることを示せ.
(7-7) V をK-ベクトル空間とし,a1, . . . ,an,b1, . . . ,bm ∈V とする.
∀i∈ {1,2, . . . , m}, bi ∈L(a1, . . . ,an)
が成り立つとき,L(b1, . . . ,bm)はL(a1, . . . ,an)の部分ベクトル空間であることを 示せ.
裏面に続く
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(7-8) V をK-ベクトル空間とし,a1, . . . ,am ∈V とする.また,c∈K, c̸= 0のとき,
以下を示せ.
L(a1, . . . ,ai, . . . ,aj, . . . ,am) =L(a1, . . . ,ai+caj, . . . ,aj, . . . ,am)
(7-9) (7-3)の結果を用いてK-ベクトル空間の次元は基底によらず,一定であることを 示せ.
(7-10) R-ベクトル空間CとC-ベクトル空間Cは次元が違うことを示せ.
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