情報数学 I-A 講義のポイント No.5
復習 No.4
定理1 (1.2) 1)直積集合とべき集合
添え字の集合 J の各要素αにJ ∋α 7→ xα ∈Xα を対応させる写 像f(すなわち,f(α) = xα (∀α∈J))の全体を ∏
α∈J
Xαとかき,集合族 A ≡ {Xα; α∈J}の直積集合という。このf は,直積集合の要素
∏
α∈J
xα または (xα)α∈J
で表せる(すなわち,同一視できる)。xαをf のα−座標という。直積集 合 ∏
α∈J
Xα に対して,Xα =X (∀α∈J) のとき,∏
α∈J
Xα を XJ と表し,X を底とし,J を指標とするべき集合(あるいは配置集合)とい う。とくに,Xを2元集合とし,J =Aとすると,2Aは,Aのすべての部 分集合からなる集合族と考えることができる。さらに,より一般に,BAは,
BA≡ {f | f :A→B への写像の全体}
で与えられる。
2)X上の関係R⊂X×X ≡ {(x, y) | x∈X, y∈X} RはX×X の部分集合
3)X上の同値関係R
i) 反射律 ∀x∈X に対して,(x, x)∈R ii) 対称律 (x, y)∈R ⇒ (y, x)∈R
iii) 推移律(x, y)∈R,(y, z)∈R ⇒ (x, z)∈R
上記のi)ii)iii)を満たす関係Rを同値関係という。
4)X上の同値関係Rの同値類
[x]≡ {y∈X | (x, y)∈R}
[x]の要素xを代表元という。
5)X上の同値関係Rによる商集合
X/R≡ {[x] | x∈X}
X = ∪
x∈X
[x]
講義 (No.5) の内容
1)X上の同値関係Rの例 2)X上の関係Rの逆関係R−1
R−1≡ {(y, x) | (x, y)∈R}
3)X上の同値関係Rの同値類[x]の性質
定理2 1. ∀x∈X に対して,x∈[x] よって,[x]̸=∅ 2. (x, y)∈R ⇔ [x] = [y]
3. (x, y)∈/ R ⇔ [x]∩[y] =∅
4)X上の同値関係Rによる商集合XRの性質
1. ∀x∈X に対して,[x]̸=∅ 2. [x]̸= [y] ⇔ [x]∩[y] =∅ 3. X= ∪
x∈X
[x]
上記の1.〜3.を満たすものを類別という。
5)Xの直和分割A ≡ {Ai⊂X; i∈J}
Ai̸=∅ (∀i∈J) Ai∩Ak=∅ (i̸=k)
X= ∪
i∈J
Ai
6)X上の同値関係RとXの直和分割Aの関係について 定理 3 Xの直和分割Aに対して,X上の関係Rを
(x, y)∈R def⇔ ∃i∈J s.t. x, y∈Ai
で定めると,Rは,X上の同値関係である。
情報数学 I-A No.5 補足資料
V を空でない集合とする。このとき,V が係数体K(RまたはC)上のベ クトル空間であるとは,任意の元x,y ∈V に対して,xとyの和x+y ∈V および,任意のα∈Kと任意の元x∈V に対して,xのα倍αx∈V が定 義されて,以下の1〜8を満たす:
1. 任意のx,y∈V に対して,x+y=y+x
2. 任意のx,y,z∈V に対して,(x+y) +z=x+ (y+z) 3. x+ 0 =x (∀x∈V) を満たす零元0がV に存在する。
4. 任意のx∈V に対して,x+x′ = 0を満たすxの逆元x′がV に存在 する。
5. 任意のα∈Kと任意のx,y∈V に対して,α(x+y) =αx+αy 6. 任意のα, β∈Kと任意のx∈V に対して,(α+β)x=αx+βx 7. 任意のα, β∈Kと任意のx∈V に対して,(αβ)x=α(βx) 8. ∃1∈K s.t. 1·x=x (∀x∈V)
また,V の部分集合W がV の部分空間であるとは,以下の2つが成り立 つことをいう:
1. 任意のx,y∈W に対して,x+y∈W
2. 任意のα∈Kと任意のx∈Wに対して,αx∈W