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腐朽が生じたボルト接合部のせん断性能変化 と非破壊評価

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腐朽が生じたボルト接合部のせん断性能変化 と非破壊評価

北海道大学大学院 農学院 環境資源学専攻 修士課程

菅野 勇太郎

(2)

目次

1.序論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2.実験方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 2.1 試験体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 2.2 トドマツ小片の腐朽処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 2.3 接合試験体の腐朽処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 2.4 接合部せん断試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 2.5 劣化診断・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 2.5.1 穿孔抵抗の測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 2.5.2 ピン打ち込み深さの測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 2.5.3 容積密度の測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 3.評価方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 3.1 せん断性能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 3.1.1 5%offset 法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 3.1.2 完全弾塑性モデル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 3.2 劣化診断・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 3.2.1 穿孔抵抗の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 3.2.2 ピン打ち込み深さの評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 4.結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 4.1 せん断試験による変形挙動の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 4.1.1 鋼板添え板型試験体(L/d=8.3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 4.1.2 鋼板添え板型試験体(L/d=3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 4.1.3 鋼板挿入型試験体(L/d=8)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 4.2 せん断性能全結果掲載・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 4.3 腐朽日数とせん断性能の比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 4.3.1 鋼板添え板型試験体(L/d=8.3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 4.3.2 鋼板添え板型試験体(L/d=3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 4.3.3 鋼板挿入型試験体(L/d=8)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

(3)

5.劣化診断・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 5.1 穿孔抵抗値によるせん断性能の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 5.1.1 初期剛性の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 5.1.2 最大荷重の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 5.1.3 終局耐力の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 5.2 ピン打ち込み深さによるせん断性能の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 5.2.1 初期剛性の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 5.2.2 最大荷重の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 5.2.3 終局耐力の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29 5.3 容積密度によるせん断性能の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 5.3.1 初期剛性の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 5.3.2 最大荷重の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 5.3.3 終局耐力の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32 5.4 ヨーロッパ型降伏理論(EYT)におけるせん断性能の評価・・・・・・・・・・・・・33 5.4.1 支圧強度と劣化診断の関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 5.4.2 降伏耐力の算出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 5.4.3 終局耐力の算出と実験値抽出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 5.4.4 終局耐力の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 5.5 せん断性能の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39 5.5.1 穿孔抵抗による終局耐力の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39 5.5.2 ピン打ち込み深さによる終局耐力の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・40 5.5.3 容積密度による終局耐力の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 6.総括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 6.1 せん断性能の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 6.2 劣化診断によるせん断性能の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 7.謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43 8.参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44 9.付録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46 9.1 劣化診断の結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46

(4)

1

1.序論

2009 年に長期優良住宅の普及の促進に関する法律 1)が成立、2011 年には公共建築 物における木材の利用の促進に関する法律 2)が施行されるなど,木造建築の長寿命化 がより重要になってきている.しかし、木材は長期間使用する際、腐朽によって劣化 する恐れがあり、長寿命化の妨げとなる。これまで、木材腐朽と強度に関する研究は 多く行われており、腐朽が生じると木材の強度が低下することが分かっている 3-5)。 近年では、建築物の構造性能には接合部が大きく影響するということを考慮して釘や ドリフトピン接合の腐朽による性能変化に関する研究が報告されている 6,7)。その中 でも、ボルト接合は一般的に多用される接合方式であり、せん断抵抗型での 使用で大 きな耐力をもたらす。家などにとどまらず、大断面集成材などを有する木橋や建物で もボルト接合は用いられ、多数本ボルトを使用する接合方法も見られる。また、鋼板 を木材の外側から添える接合、鋼板を木材の内側に挿入する接合など異なった形を有 する。このように大きな耐力を生み出す接合方法として活用されるボルト接合だが、

ボルト接合部に腐朽が生じた場合については明らかになっていないことが多い.

そこで本研究では,仕様の異なる単位ボルト接合部を強制腐朽させてせん断試験を 行い,せん断性能の変化を確かめることにした.

また,ボルト接合部内の腐朽劣化は目視での診断が難しいと考えられるため,劣化 診断での適用が検討されている非破壊式の機器で測定を行い,ボルト接合部の性能を 評価できるか検討した.

(5)

2

2.実験方法

2.1 試験体

供試験体はトドマツ(Abies sachalinensis)を用い、図 1 に示すような主材厚ボル ト径比(L/d)が 8.3 の鋼鈑添え板型試験体と,L/d が 3 の鋼鈑添え板型試験体,L/d が 8 の鋼鈑挿入型試験体の 3 仕様を製作した。二方柾の 100mm 角トドマツ製材を、仕様 ごとに 6 本ずつ割り振り、1 本のトドマツから対照材を含め 4 体の試験体をエンドマ ッチで切り出した(表 1)。材長さは 300mm とし、試験体のボルト孔の径は 13mm,端 距離は 85mm,縁距離は 50mm で共通させた。材厚は接合仕様によって異なり、L/dが 8.3 の試験体で 100mm、L/dが 3 の試験体で 36mm となっている。L/dが 8 の試験体は 材厚中央に幅 5mm、長さ 145mm のスリットが入っているため、95mm である(図 1 参 照)。

図 1 ボルト接合部試験体の写真(鋼板挿入型)と断面図

表 1 トドマツの基本材質

鋼板添え板(L/d=8.3) 鋼板添え板(L/d=3) 鋼板挿入(L/d=8) No. 気乾密度(kg/m3) No. 気乾密度(kg/m3) No. 気乾密度(kg/m3) 1 334.41 1 339.20 1 338.50

2 351.34 2 353.11 2 345.39 3 357.27 3 371.95 3 359.24 4 375.40 4 389.06 4 373.09 5 385.97 5 404.93 5 389.90 6 395.84 6 417.70 6 417.19 平均 366.71 平均 379.33 平均 370.55 標準偏差 21.07 標準偏差 27.61 標準偏差 26.91 変動係数 5.75 変動係数 7.28 変動係数 7.26

(6)

3 2.2 トドマツ小片の腐朽処理

本研究では褐色腐朽菌であるオオウズラタケ(Fomitopsis Palustris)を用いた。

JIS Z 21018)を参考に、ポリプロピレン製の耐熱プラスチックボックス(底面 150×

120mm、高さ 120mm)に石英砂を敷き、ぶどう糖 4%、ペプトン 0.3%、麦芽抽出物 1.5%

の組成を含む培養液を、液面が石英砂と同じになるように入れた。その上に 耐熱プラ スチックの網を載せて、液体培地とした。これを、オートクレーブを用いて高温高圧 滅菌処理(121℃、15 分)した後、オオウズラタケをプラスチックネットの上で 10 日 ほど培養し、菌糸の上にトドマツ小片を被せ 3 週間置き、トドマツ小片に菌を付着さ せた。

図 2 液体培地内でトドマツ小片に菌糸を付着させる様子

(7)

4 2.3 接合部試験体の腐朽処理

接合部試験体を 3 週間浸水処理し、ビニール袋を被せて急激な乾燥を抑えながら 1 週間風乾させ、FSP 付近になるように調整した。さらに、液体培地に用いた培養液を ボルト孔に 1~2 日染み込ませ、オートクレーブで滅菌処理( 121℃、60 分)した。な お、腐朽試験体の対照材も同処理を施した。滅菌処理後、ボルト孔に菌糸の付着した トドマツ小片を植菌し,温湿度を調整しながらアルミラックで保管した(図 3)。オオ ウズラタケの好腐朽条件を満たすように、温度は平均 25.9℃、相対湿度は平均 85%と し、光を照射した 9)。この状態で 7,9,11 週間の腐朽期間を設けた。

図 3 試験体を腐朽させる様子

(8)

5 2.4 接合部せん断試験

せん断試験前に、対照材を含むすべての試験体を 3 週間以上浸水処理し、FSP 以上 になるように調整した。FSP までは面圧性能の低下が確認されるが、それ以上の高い 含水率になると面圧性能の低下は見られなくなるという性質を利用 した 10)。せん断試 験は,径 12mm,長さ 145mm の SS400 丸鋼ボルトを用い、縦型フレームにて一方向引っ 張り加力形式(ロードセル:50kN、ヘッドスピード:0.2(mm/min))で行った(図 4)。ボルトは長さ方向が主材の放射方向と平行になるよう配置した。 変位計を試験体 の両側に設置して平均値を変位として用いた。せん断試験 は最大荷重を迎えた後、荷 重が最大荷重から 5~6 割低下するまで行った。

図 4 せん断試験の様子

(9)

6 2.5 劣化診断

2.5.1 穿孔抵抗の測定

穿孔抵抗はレジストグラフ(IML 社製 IML RESI F500)(図 5)を使用し、せん断試 験前に測定を行った。レジストグラフはキリを木材にねじ込み、その時にかかる抵抗 を振れ幅として表示する。木材の密度が高い部分では高い振れ幅を示し、密度が低い 部分や空洞での測定値は低い値、もしくは零を示す 11)。現在は立木や公園にある遊具 の劣化診断 11-13)から、他の接合部試験 14)などで用いられている。本実験では、直径 3mm のキリを用い、ソフトウッド用のモードⅠにて測定を行った。 測定位置は、ボル ト孔から 18mm 離れた場所かつ、ボルト孔と直交する方向で実施した(図 7)。L/dが 8 以上の試験体では図 8 に示す 2 か所で実施し、L/d が 3 の試験体では材厚中央 1 か所 で実施した。

図 5 レジストグラフの概観

図 6 レジストグラフのキリの先端

(10)

7

図 7 柾目面ボルト孔正面か見た穿孔抵抗測定位置のおよびボルト孔投影図

図 8 ▲ボルト孔正面から見た穿孔抵抗測定位置の投影図 ▼木口面から見たレジストグラフとボルト孔投影図

25mm

25mm 20mm

18mm

(11)

8 2.5.2 ピン打ち込み深さの測定

ピン打ち込み深さはピロディン(富士物産社製 Pilodyn 6J)(図 9)を使用し、せ ん断試験後に行った。直径 2.5mm、長さ 40mm のストライカーピンが 6J のエネルギー で打ち出される。比較的小型で、木材密度はピン打ち込み深さと相関がある 15)。ま た、釘接合部の引き抜け、せん断性能などでの劣化診断において有効性が報告されて

いる 6,14)。これを、せん断試験後に図 11 で示す範囲内で行った。

図 9 ピロディンの概観

図 10 ストライカーピンの詳細図

図 11 ピン打ち込み深さ実施場所(赤色で塗られた範囲内)

10mm 16.5mm 20mm

(12)

9 2.5.3 容積密度の測定

本研究では、容積密度を利用した。せん断試験により木材に割裂破壊が生じているため、

ノギスでは断面積を正確に測定できない。そこで、断面積の測定にはスキャナーを用いた。

せん断試験終了後、ボルト孔端部から10㎜程度離れた位置より、長さが 10㎜になるよ う木材を切り出した。切り出した木材の断面を解像度 150×150dpiでスキャナー(Canon

製 Canonscan LIDE 600F)から読み取り(図 12)、読み込んだ断面画像を、ペイント

(Microsofts 社製)を用いて二値化した(図 13)。木材断面の画像を黒色で示し、黒色の プロットの数を数えて、読み込んだ解像度をもとに面積を算出した。黒色プロット数 から 面積を計算するにあたり、フリーソフトの「Pixel Counter」を用いた。切り出した木材の 長さはノギスで 4か所を測定し、平均値を用いた。

体積を測定した部分の木材を 105℃のオーブンで恒量になるまで乾燥させ、重量を測定 し容積密度を算出した。

容積密度(kg/m3)=全乾重量 生材体積

図 12 せん断試験後の木材断面のスキャン画像

図 13 木材断面の二値化画像

・・・式1

割裂跡

(13)

10

3.評価方法

3.1 せん断性能 3.1.1 5%offset 法

荷重変位曲線の 0.1Pmaxと 0.4Pmaxを直線で結び、ボルト径の 5%分x軸方向へ平行 移動させる。平行移動させた直線と、荷重変位曲線の交点を降伏点として定義した。そ の点から降伏荷重を得た。また、直線の傾きを初期剛性とした(図 14)。

図 14 5%offset 法の概要

(14)

11 3.1.2 完全弾塑性モデル

ボルト接合部の終局耐力、終局変位を定義するにあたり、完全弾塑性モデルの評価 方法を利用した。これは枠組壁工法の試験方法・評価方法で提案されている図 15 を参 考にして①~⑩の手順で行う。

①荷重変位曲線の 0.1Pmaxと 0.4Pmaxを結ぶ第Ⅰ直線を引く。

②荷重変位曲線上の 0.4Pmaxと 0.9Pmaxを結ぶ第Ⅱ直線を引く。

③荷重変位曲線に接するまで第Ⅱ直線を平行移動し、これを第Ⅲ直線とする。

④第Ⅰ直線と第Ⅲ直線との交点の荷重を降伏荷重 Pyとし、この点から X 軸に平行に第

Ⅳ直線を引く。

⑤第Ⅳ直線と荷重変位曲線との交点の変位を降伏変位 δyとする。

⑥原点と(δy、Py)を結ぶ直線を第Ⅴ直線とする。

⑦最大荷重後の 0.8Pmax荷重低下域の荷重変位曲線上の変位を終局変位 δuと定める。

⑧荷重変位曲線と X 軸及び x=δuの直線で囲まれる面積を S とする。

⑨第Ⅴ直線と x=δu の直線と X 軸及び X 軸に平行な直線で囲まれる台形の面積が S と 等しくなるように X 軸に平行な第Ⅵ直線を引く。

⑩第Ⅴ直線と第Ⅵ直線との交点の荷重を完全弾塑性モデルの終局 荷重と定める。

図 15 完全弾塑性モデルの例示

(15)

12 3.2 劣化診断

3.2.1 穿孔抵抗の評価

測定値は横軸に穿孔深さ、縦軸に抵抗の振れ幅を表すグラフで 得られる(図 16)。

評価は、ボルト孔の上部を含むように穿孔方向で 40~60mm 間の 20mm 範囲を選択し、

振れ幅を平均して抵抗値とした。2 か所実施したものは、2 か所の抵抗値を平均し た。(図 7、図 8 も参考に)

図 16 穿孔抵抗値のグラフと、測定値の利用範囲

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120

穿孔抵抗(%)

穿孔深さ(mm) 穿孔抵抗と穿孔深さ ボルト孔の投影範囲

(16)

13 3.2.2 ピン打ち込み深さの評価

評価は、L/dが 8 以上では試験体の木表・木裏の両面で行い、得られた値の平均値 を用いた。L/dが 3 の試験体は、両面から打つのが困難と思われる場合は木表側から 得られた値の結果のみを用いた。(図 11 も参考)

(17)

14

4.せん断性能の結果

4.1 せん断試験による変形挙動の変化 4.1.1 鋼板添え板型試験体(L/d=8.3)

試験より得られた荷重変位曲線を図 17 に示す。対照材に比較し、腐朽処理を行った 試験体の荷重変位曲線の初期剛性は小さくなっているのが見て取れる。また、最大荷 重は試験体 3 と 5 の一部の結果を除き、大きな変化はないものの、最大荷重を迎える δPmaxが増加している様子が確認される。コントロールでは最大荷重を迎えた後、塑性 変形が起こり、荷重が一定のまま変位が伸びていく粘りの様子が見られるが、 腐朽期 間が増加するにつれ最大荷重を迎えた後の粘りが減少している様子が確認できた。

図 17 鋼板添え板型試験体(L/d=8.3)結果 0

10 20 30

0 10 20 30 40

1

0 10 20 30

0 10 20 30 40

2

0 10 20 30

0 10 20 30 40

3

0 10 20 30

0 10 20 30 40

4

0 10 20 30

0 10 20 30 40

5

0 10 20 30

0 10 20 30 40

6

荷重(kN)

変位(mm)

(18)

15 4.1.2 鋼板添え板型試験体(L/d=3)

鋼板添え板型試験体(L/d=3)の荷重変位曲線を図 18 に示す。L/dが 8.3 の試験結果 と同様に、L/dが 3 の試験体でも初期剛性が小さくなっている様子が見られた。また、

最大荷重が低下する試験体も数体見られ、最大荷重時の変位δPmax の増加も見られた。

コントロールで見られた最大荷重後の粘りも、腐朽処理を行った試験体では見られな くなる傾向があった。

図 18 鋼板添え板型試験体(L/d=3)結果 0

2 4 6 8 10

0 10 20 30 40

1

0 2 4 6 8 10

0 10 20 30 40

2

0 2 4 6 8 10

0 10 20 30 40

3

0 2 4 6 8 10

0 10 20 30 40

4

0 2 4 6 8 10

0 10 20 30 40

5

0 2 4 6 8 10

0 10 20 30 40

6

荷重(kN)

変位(mm)

(19)

16 4.1.3 鋼板挿入型試験体(L/d=8)

鋼板挿入型試験体(L/d=8)の荷重変位曲線を図 19 に示す。先の接合試験体と同様、

初期剛性が小さくなっている様子が見られた。ただ、滑り始めの段階から荷重が低下 している様子が見られたものは少なく、1~2mm の範囲内では対照材を含む殆どの試験 体で荷重変位曲線がほぼ一致している傾向があった。最大荷重に変化は見られず、 最 大荷重時変位は増加する傾向が見られた。その分粘りも減少した。

図 19 鋼板挿入型試験体(L/d=8)結果 0

5 10 15 20 25

0 20 40 60

1

0 5 10 15 20

0 20 40 60

2

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60

3

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60

4

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60

5

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60

6

荷重(kN)

変位(mm)

(20)

17 4.2 せん断性能全結果掲載

荷重変位曲線から得た結果を数値で比較していくことにする。表 2~4 に各仕様接合試 験体のせん断性能の全結果を示す。ただし、Kは初期剛性、Py は降伏荷重、δPmaxは最 大荷重時の変位、δu は終局変位、UPmaxは最大荷重までに吸収するエネルギー、

Uδ uは終局変位までに吸収するエネルギーとする。

表 2 鋼板添え板型(L/d=8.3)試験体のせん断性能 No. span

(w) K

(kN/mm) Py (kN)

Pmax (kN)

δPmax

(mm) δu (mm)

UPmax

(kN*mm) Uδ u

(kN*mm) 1 0 5.71 12.1 20.6 11.5 25.4 169 442 7 3.36 8.59 19.9 15.3 26.9 211 439 9 4.28 10.5 20.1 25.0 28.1 413 473 11 5.19 12.5 21.8 16.7 22.5 286 405

2 0 5.69 13.8 19.4 11.5 27.3 160 455 7 3.76 11.3 19.2 16.6 25.4 236 399 9 4.45 11.5 18.6 14.3 24.0 190 366 11 1.66 6.06 19.3 24.4 27.2 320 372

3 0 6.09 13.6 21.0 9.54 22.2 140 393 7 3.75 9.72 19.4 12.3 26.7 161 430 9 2.60 7.12 19.9 16.7 27.4 225 435 11 1.38 5.59 21.5 27.9 28.4 433 443

4 0 5.46 13.7 22.0 8.89 20.3 128 370 9 4.10 10.8 20.5 15.4 16.4 229 250 11 4.09 10.9 20.3 17.5 19.5 248 285

5 0 5.57 13.9 25.1 24.7 26.5 507 548 9 2.24 8.56 25.3 16.7 22.5 281 423 11 2.92 11.1 31.4 22.3 27.3 467 620

6 0 6.36 13.7 22.5 22.6 26.1 437 513 7 4.52 11.2 25.3 25.4 30.9 507 645 9 5.46 11.2 22.3 18.8 28.6 321 535 11 3.25 10.0 26.7 27.9 30.4 576 641

(21)

18

表 3 鋼板添え板型(L/d=3)試験体のせん断性能 No. span

(w) K

(kN/mm) Py (kN)

Pmax (kN)

δPmax

(mm) δu (mm)

UPmax

(kN*mm) Uδ u

(kN*mm) 1 0 3.11 7.34 7.43 4.08 17.6 19.1 113 7 0.581 1.94 4.81 13.0 15.9 40.5 52.2 9 3.17 6.23 6.65 5.45 6.56 27.0 34.2 11 1.27 3.34 4.90 9.13 10.0 31.5 35.1

2 0 3.96 6.22 6.55 7.91 20.4 42.0 122 7 4.14 6.00 6.31 8.65 15.6 47.1 90.1 9 2.72 5.50 6.39 10.7 21.6 56.2 125 11 5.26 6.44 6.77 6.78 17.7 38.8 110

3 0 4.23 6.11 6.61 8.29 11.5 42.5 62.9 9 3.34 6.03 6.91 12.2 14.6 71.3 86.9 11 3.29 5.23 6.84 11.4 23.9 61.0 145

4 0 4.06 6.99 7.58 6.30 9.11 32.2 52.8 7 3.90 6.59 7.52 7.54 8.81 43.7 52.9 9 3.71 6.38 7.25 5.73 6.14 30.9 33.6 11 1.43 4.10 7.95 10.3 11.7 55.4 66.3

5 0 4.66 8.53 9.11 6.89 10.1 51.7 80.4 7 4.39 7.00 7.83 5.41 7.16 32.0 45.5 9 3.77 4.93 8.26 8.15 11.7 47.1 76.0 11 2.74 4.98 7.75 13.2 16.8 82.7 110

6 0 3.10 8.35 8.65 8.84 16.5 62.8 123 7 2.94 5.10 8.00 11.1 11.6 63.6 67.3 9 0.825 3.09 7.73 11.1 12.3 50.5 58.9 11 0.645 1.65 7.93 13.6 15.4 56.7 69.2

(22)

19

表 4 鋼板挿入型(L/d=8)試験体のせん断性能評価 No. span

(w) K

(kN/mm) Py (kN)

Pmax (kN)

δPmax

(mm) δu (mm)

UPmax

(kN*mm) Uδ u

(kN*mm) 1 0 8.62 13.5 18.7 19.3 27.3 300 441 7 8.93 12.4 17.7 20.6 26.8 306 410 9 3.11 7.43 18.4 24.8 28.1 347 404 11 2.66 7.76 20.6 22.0 27.1 313 407

2 0 6.11 13.5 19.1 17.4 24.2 261 376 7 6.98 13.7 19.0 18.3 29.6 276 479 9 3.56 9.69 20.8 24.5 28.0 375 442 11 2.66 8.27 20.3 35.3 35.3 562 442

3 0 9.19 13.4 18.2 13.9 20.9 204 320 9 3.19 7.54 19.0 14.6 16.2 191 219 11 1.45 3.65 16.8 18.5 25.3 206 313

4 0 7.59 13.4 22.1 21.7 24.1 367 414 7 5.80 12.4 19.3 16.8 23.9 252 373 9 4.21 9.53 19.7 18.3 24.7 263 382 11 4.23 9.35 22.1 25.7 32.8 401 537

5 0 6.34 14.9 21.7 17.1 18.2 286 308 9 6.73 12.9 20.1 16.0 27.7 238 457 11 5.41 12.5 22.7 17.7 20.6 286 345

6 0 10.8 14.5 21.1 15.5 19.6 260 340 9 2.78 7.30 23.0 19.6 21.2 313 347 11 2.72 5.63 22.6 22.3 25.4 365 423

(23)

20 4.3 腐朽日数とせん断性能の比較

4.3.1 鋼板添え板型試験体(L/d=8.3)

図 20 に、腐朽日数と各種せん断性能の関係を示す。初期剛性は腐朽日数の増加に伴 って顕著に低下したが、最大荷重において変化は特に見られなかった。最大荷重時の 変位は、腐朽日数が進むにつれて増加 していく様子が見られたが、終局変位になると あまり変化は見られなかった。結果として、最大荷重までに吸収できるエネルギーは、

腐朽日数とともに増加する傾向が見られたが、0.8Pmax(あるいは破壊)を迎えるまで に吸収できるエネルギーはあまり変化が無い形となった。

図 20 腐朽日数と各種結果比較(L/d=8.3)(○:実験値、-:平均値)

0 1 2 3 4 5 6 7

0 5 10 15

初期剛性(kN/mm)

初期剛性と腐朽日数

0 5 10 15 20 25 30 35

0 5 10 15

最大荷重(kN)

最大荷重と腐朽日数

0 5 10 15 20 25 30 35

0 5 10 15

変位-Pmax(mm)

変位(Pmax)と腐朽日数

0 5 10 15 20 25 30 35

0 5 10 15

変位-0.8Pmax(mm)

変位(0.8Pmax)と腐朽日数

0 100 200 300 400 500 600 700

0 5 10 15

U-Pmax(kN・mm)

E-Pmaxと腐朽日数

0 100 200 300 400 500 600 700

0 5 10 15

U-δu (kN・mm)

E-0.8Pmaxと腐朽日数

腐朽日数(週)

(24)

21 4.3.2 鋼板添え板型試験体(L/d=3)

図 21 に結果を示す。初期剛性は腐朽日数の増加に伴い低下する傾向が見られたが、

L/dが 8.3 の試験体の初期剛性ほど全体的に明確な差にならなかった。また、最大荷重 も腐朽日数に伴う変化がはっきりとは 無かったものの、腐朽材の最大荷重は対照材に 対して 0.65~1.05 倍の値をとり、バラツキが見られた。最大荷重 時の変位は腐朽日数 に伴い増加傾向が見られたが、終局変位は日数との関係性は断言できない。また吸収 エネルギーは、荷重の影響は少なく、変位に影響を受けたため、最大荷重時までに吸収 できるエネルギーは腐朽日数の増加に伴って増加傾向を示し、 終局変位までに吸収で きるエネルギーでは特に傾向は見られなかった。

図 21 腐朽日数と各種性能比較(L/d=3)(○:実験値、-:平均値)

0 1 2 3 4 5 6

0 5 10 15

初期剛性(kN/mm)

初期剛性と腐朽日数

0 2 4 6 8 10

0 5 10 15

最大荷重(kN)

最大荷重と腐朽日数

0 5 10 15 20 25 30

0 5 10 15

変位-Pmax(mm)

変位-Pmaxと腐朽日数

0 5 10 15 20 25 30

0 5 10 15

終局変位(mm)

終局変位と腐朽日数

0 20 40 60 80 100

0 5 10 15

U-Pmax(kN・mm)

U-Pmaxと腐朽日数

0 50 100 150 200

0 5 10 15

U-δu(kN・mm)

U-0.8Pmaxと腐朽日数

腐朽日数(週)

(25)

22 4.3.3 鋼板挿入型試験体(L/d=8)

図 22 に結果を示す。初期剛性は腐朽日数の増加に伴い、顕著な低下を見せた。接合 部にかかる初期の応力分布の形が影響し、 対照材の初期剛性の平均値は鋼板添え板型

(L/d=8.3)の対照試験体よりも 1.4 倍高いものの、腐朽 11 週目の初期剛性の平均値 は両者ほぼ差が無くなった。最大荷重は腐朽日数による変化は見られなかった。また、

最大荷重時の変位と終局変位は腐朽期間が増加すると、やや増加する傾向が見られた。

また最大荷重時までに吸収できるエネルギーは、腐朽日数に伴い やや増加する傾向が 見られたが、終局変位までに吸収できるエネルギーはバラツキがあり、はっきりした 傾向は見られなかったが、平均的には上昇する傾向が見られた。

図 22 腐朽日数と各種断性能(L/d=8)(○:実験値、-:平均値)

0 2 4 6 8 10 12

0 5 10 15

初期剛性(kN/mm)

初期剛性と腐朽日数

0 5 10 15 20 25

0 5 10 15

最大荷重(kN)

最大荷重と腐朽日数

0 10 20 30 40

0 5 10 15

変位-Pmax(mm)

変位(Pmax)と腐朽日数

0 10 20 30 40

0 5 10 15

変位-0.8Pmax(mm)

終局変位と腐朽日数

0 100 200 300 400 500 600

0 5 10 15

E-Pmax(kN・mm)

U-Pmaxと腐朽日数

0 100 200 300 400 500 600

0 5 10 15

E-0.8Pmax(kN・mm)

U-δuと腐朽日数

腐朽日数(週)

(26)

23

5.劣化診断

倒壊や使用性にかかわる指標として初期剛性・最大荷重・終局耐力を比較していく。

5.1 穿孔抵抗値によるせん断性能の評価 5.1.1 初期剛性の評価

初期剛性と穿孔抵抗値の比較を図 23 に示す。

図 23 初期剛性と穿孔抵抗(■:コントロール、●:腐朽材)

すべての接合様式において、初期剛性と穿孔抵抗の相関性は見られなかった。 その 原因は、穿孔抵抗の測定位置が関係していると考えられる。本研究で定義した初期剛 性は、すべての接合部仕様において変位 6mm までの範囲で評価している。しかし、穿 孔抵抗はボルト孔から 10mm 離れた場所で測定を行っており、キリの半径 1.5mm 分を加 味しても、初期剛性を担保している部材の性質は測定でき ない。よって、初期剛性と穿 孔抵抗に相関が見られなかったものと思われる。初期剛性を正確に推測する必要があ る場合は、10mm よりもボルト孔に近い範囲で測定する必要があると考えられる。

R² = 0.0076

0 2 4 6 8 10 12

0 10 20 30

L/d=8.3

R² = 0.0268

0 2 4 6 8 10 12

0 10 20 30

L/d=3

R² = 4E-07

0 2 4 6 8 10 12

0 10 20 30

穿孔抵抗(%) L/d=8

初期剛性(kN/mm)

(27)

24 5.1.2 最大荷重の評価

最大荷重と穿孔抵抗の比較を図 24 に示す。なお、付録 9.1 に全結果を示す。

図 24 初期剛性と穿孔抵抗の比較(■:コントロール、●:腐朽材)

すべて の接 合仕 様に お いて、 最大 荷重 と穿孔抵抗の間で正の 相関 関係が見られ た。特に、L/dが 3 の試験体は決定係数が 一番高くなった。この要因として、ボルト の孔に沿って一様に腐 朽が生じているか が関わっていると思われる。図 25 にある ように、L/d が 3 の試験体は材厚が小さい ため、小面積の腐朽で もボルト孔 方向に 沿って大きな割合で腐 朽が生じているこ とになる。一方、L/d が 8 以上の試験体

R² = 0.3243

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30

L/d=8.3

R² = 0.5714

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30

L/d=3

R² = 0.1596

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30

穿孔抵抗(%) L/d=8

最大荷重(kN)

図 25 試験体断面における穿孔抵抗の測定 方向とボルト孔の方向

(28)

25

は、材厚が大きいためボルト孔に沿ってまばらに腐朽が生じる可能性がある。すると、

本研究で採用した 2 か所の局所的な測定では、腐朽した部材を正確に測定することが 難しい。測定部分は腐朽を受けず、そのほかの部分で激しい腐朽劣化が生じている場 合も想定される。よって、すべての接合試験体で穿孔抵抗により最大荷重の推定は可 能であると示唆されたが、材厚が大きなボルト接合試験体で、ボルト孔に沿って腐朽 が生じていない場合、穿孔抵抗により 推定された最大荷重より、実際の最大荷重のほ うが小さくなる危険性があるということに留意する必要がある。

5.1.3 終局耐力の評価

図 26 に終局荷重と穿孔抵抗の関係を示す。

L/dが 8.3、8 の試験体で、それぞれ正の相関が得られた。

y = 0.54x + 12.047 R² = 0.3483

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30

L/d=8.3

y = 0.2258x + 14.335 R² = 0.1546

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30

L/d=8

終局荷重(kN)

穿孔抵抗(%)

図 26 終局荷重と穿孔抵抗の比較(■:コントロール、●:腐朽材)

(29)

26 5.2 ピン打ち込み深さによるせん断性能の評価 5.2.1 初期剛性の評価

初期剛性とピン打ち込み深さの比較を図 27 に示す。

図 27 初期剛性とピン打ち込み深さの比較(■:コントロール、●:腐朽材)

L/d が 3 の試験体で負の相関が見られた。また L/d が 8 の試験体では相関が見られ なかった。繊維方向に鉛直な方向で、すなわち柾目でピン打ち込み試験を行う場合、そ の打ち込み深さを決める要因は木材の面圧性能と、繊維方向の割裂による繊維相互の 引っ張り応力、またせん断力が挙げられる。繊維方向の割裂に関して、スギやヒノキな どでは個体差はあるものの、飽水状態の木材を用いて柾目面に径 2.5mm のピンで打ち 込み試験を行うと繊維方向に 5mm の破壊が起きるという報告 16)がある。また、釘を打 ち込む際に、繊維方向に割裂が入り、繊維相互に引っ張り応力が生じてピンを横方向 部材が圧縮する様子が報告されている 17)。本研究でもボルト孔に近すぎる、または接 合部せん断試験後の割れに近い位置で ピンを打ち込むと、繊維方向に割裂が入り測定

R² = 0.0005

0 2 4 6 8 10 12

0 10 20 30 40

L/d=8.3

R² = 0.443

0 2 4 6 8 10 12

0 10 20 30 40

L/d=3

R² = 0.0725

0 2 4 6 8 10 12

0 10 20 30 40

ピン打ち込み深さ(mm) L/d=8

初期剛性(kN/mm)

(30)

27

不能になるケースがあった。このことから、ボルト孔から繊維方向に 10mm 以上離れた 地点でピン打ち込み試験を行ったが、割裂が生じて初期剛性の評価範囲(変位 6mm 地 点)まで割れが到達した可能性が考えられる。すると、健全であれば割裂によって繊維 相互の引っ張り応力が効いていたものが、褐色腐朽菌によりセルロースやヘミセルロ ースが低分子化され、繊維相互の結合力が弱まり引っ張り応力が効かなくなり 3,18)、ピ ン打ち込み深さに影響してきたと思われる。その結果、ピン打ち込み深さで初期剛性 を測定することができたものと考えられる。

ただし、L/d が 8 以上の試験体で初期剛性とピン打ち込み深さの相関が見られなか った理由は、せん断試験によって生じた割裂がボルト孔から繊維方向に入ったためだ と考えられる。本来、ピン打ち込み深さを測定するべきボルト孔の繊維方向近辺 で、せ ん断試験により割裂が起きたため、ボルト上部から反れた位置で測定を行った。その 結果、初期剛性を担保する部材が打ち込み深さに影響せず、相関関係が見られなかっ たと考える。

(31)

28 5.2.2 最大耐力の評価

最大荷重とピン打ち込み深さの比較を図 28 に示す。

図 28 最大荷重とピン打ち込み深さの比較(■:コントロール、●:腐朽材)

L/dが 8.3、3 の試験体で、最大荷重とピン打ち込み深さの間に負の相関が見られた。

一方、L/d が 8 の試験体では特に相関は見られなかった。また、L/dが 8.3 の試験体で は L/d が 3 の試験体よりも決定係数が高くなった。この要因は、応力分布の違いが挙 げられる。L/d が 8.3 の鋼板添え板型試験体は、鋼板付近に応力が集中するため、ピン の長さが 40mm と短くても最大荷重を推定するには十分であった可能性がある。L/dが 8 の試験体で最大荷重とピン打ち込み深さに相関が得られなかったのも 、応力の集中 する部位を測定できなかったことが要因のひとつと考えられる。また、L/dが 8 以上の 試験体では、せん断試験後の割裂の影響を避けるため、ボルト孔上部から十分離れた 場所で測定したため、健全材 でのピン打ち込み深さの結果を使用したと考えられる。

十分に端距離・縁距離をとることでボルト孔から腐朽が生じ、11 週間の期間が経って R² = 0.1938

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40

L/d=3

R² = 0.3336

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40

L/d=8.3

R² = 0.0673

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40

ピン打ち込み深さ(mm) L/d=8

最大荷重(kN)

(32)

29

も最大耐力には影響が及ばない可能性があるため、健全材と思われる結果を用いても 相関が得られたと考えられる。

5.2.3 終局耐力の評価

終局荷重とピン打ち込み深さの比較を図 29 に示す。

両仕様の試験体において、終局耐力とピン打ち込み深さの間にはやや相関が見られ たが、L/dが 8.3 の試験体のほうが、決定係数は大きくなった。

y = -0.835x + 42.345 R² = 0.407

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40

L/d=8.3

y = -0.1655x + 22.059 R² = 0.1178

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40

L/d=8

ピン打ち込み深さ(mm)

終局荷重(kN)

図 29 終局荷重とピン打ち込み深さの比較(■:コントロール、●:腐朽材)

(33)

30 5.3 容積密度によるせん断性能の評価 5.3.1 初期剛性の評価

初期剛性と容積密度の比較を図 30 に示す。

図 30 初期剛性と容積密度の比較(■:コントロール、●:腐朽材)

初期剛性と容積密度には、相関が見られなかった。この結果の原因の一つとして、容 積密度に使用した部材がボルト孔から距離があったことが考えられる。測定 部材はボ ルト孔から 10mm 程度はなれた場所から切り出した。初期剛性の評価範囲が変位 6mm 以 内であることから、腐朽に強く影響を受けていない部材で容積密度を測定したと考え られる。また、切り出した部材の木口面積に対するボルト孔の投影面積の小ささが影 響していると考えられ、次の項にて考察を加える。

R² = 0.0032

0 2 4 6 8 10 12

250 300 350 400

L/d=3

R² = 0.0027

0 2 4 6 8 10 12

250 300 350

L/d=8.3

R² = 0.0007

0 2 4 6 8 10 12

250 300 350 400

容積密度(kg/m3) L/d=8

初期剛性(kN/mm)

(34)

31 5.3.2 最大荷重の評価

最大荷重と容積密度の関係を図 31 に示す。

図 31 最大荷重と容積密度の関係(■:コントロール、●:腐朽材)

最大荷重と容積密度には、強い正の相関関係が見られた。考えられる原因としては、

切り出した部材の木口面積に対するボルト孔の投影面積の小ささ が挙げられる。切り 出した部材の木口面積に対して、ボルト孔の投影面積は 12%程度であるため、残りの 88%の部分は健全材である可能性がある。つまり、腐朽がボルト孔から繊維方向へ進行 し、切り出した部材に腐朽による変色が見られる場合でも、容積密度に大きく影響を 与える因子にならないと思われる。そのため、初期剛性で容積密度と相関が得られな かった原因として考えられるとともに、最大荷重では 端距離・縁距離を十分に用意し たボルト接合部であれば、ボルト孔から腐朽が生じ 11 週間経ったとしても、容積密度 から推定が可能であることが考えられる。

R² = 0.7784

0 5 10 15 20 25 30 35

250 300 350 400

L/d=3

R² = 0.6355

0 5 10 15 20 25 30 35

250 300 350 400

L/d=8.3

R² = 0.4288

0 5 10 15 20 25 30 35

250 300 350 400

容積密度(kg/m3) L/d=8

最大荷重(kN)

(35)

32 5.3.3 終局耐力の評価

終局耐力と容積密度の関係を図 32 に示す。

両試験体で終局耐力は強い相関が得られ、穿孔抵抗、ピン打ち込み深さによる劣化 診断よりも強い相関を示し決定係数が高くなった 。

y = 0.1191x - 15.876 R² = 0.6007

0 5 10 15 20 25 30 35

250 300 350 400

L/d=8.3

y = 0.0382x + 6.0159 R² = 0.4817

0 5 10 15 20 25 30 35

250 300 350 400

L/d=8

ピン打ち込み深さ(mm)

図 32 終局荷重と容積密度の関係(■:コントロール、●:腐朽材)

終局荷重(kN)

(36)

33

5.4 ヨーロッパ型降伏理論(EYT)におけるせん断性能の評価

曲げ降伏型接合具を用いた接合部の降伏せん断耐力を推定する方法として 、一般的 に用いられている理論である。本研究のボルト接合部で EYT を基に降伏せん断耐力を 算出する際は、木材とボルトおよび側材である鋼板を、曲げ変形する接合具を完全弾 塑性体にモデル化し(図 33、34)、接合形式に応じて複数の降伏モードを仮定し、各降 伏モードもたらすせん断耐力のうち最小値をその接合部の降伏せん断耐力とする 19)

しかし、腐朽が生じたボルト接合部では木材の弾性域が塑性域に変化しているため、

理論に当てはまらない可能性がある。また、腐朽が生じたボルト接合部の降伏耐力を 参考に許容応力度による設計を行うことは現実的でないことが考えられる。よって 、 本実験では降伏耐力ではなく終局耐力をせん断性能の評価対象とした 。

図 33 鋼板添え板降伏モード

I Ⅲ I

(37)

34

図 34 鋼板挿入型ボルト接合部降伏モード

I Ⅲ I

(38)

35 5.4.1 支圧強度と劣化診断の関係

ま ず 、 健 全 な ボ ル ト 接 合 部 (L/d=3)の せ ん 断 試 験 で 得 ら れ た 荷 重 変 位 曲 線 か ら 、 5%offset 法を用いて木材の支圧強度 Fe を算定した。

𝐹𝑒 =𝑃𝑦5%𝑜𝑓𝑓𝑠𝑒𝑡

𝑑 × 𝑙 (N/mm2 )

ここで、Py5%offsetは健全なボルト接合部より 5%offset で求めた降伏荷重(kN)である。

その支圧強度 Fe と劣化診断の関係を図 35 から得た。また、支圧強度を各種劣化診断 の関係を一次式で表した。

図 35 支圧強度と各種劣化診断の関係 y = 0.45x + 10.23

R² = 0.523 0

5 10 15 20 25

0 10 20 30

穿孔抵抗(%)

支圧強度と穿孔抵抗

y = -0.6332x + 31.176 R² = 0.8753 0

5 10 15 20 25

0 10 20 30

ピン打ち込み深さ(mm)

支圧強度とピン

y = 0.0739x - 7.124 R² = 0.8472 0

5 10 15 20 25

200 300 400

容積密度(kg/m3)

支圧強度と密度

支圧強度(kN/mm2)

・・・式2

(39)

36

・支圧強度と穿孔抵抗

y=0.45x+10.23

・支圧強度とピン打ち込み深さ

y=-0.6332x+31.176

・支圧強度と密度

y=0.0739x-7.124

5.4.2 降伏耐力の算出

L/dが 8 以上の試験体で得られた劣化診断の結果を、式 3~4 にそれぞれ代入し、各 試験体の支圧強度を算出して降伏耐力を求めた 20)

𝑃𝑦 = 𝐹𝑒 × C × 𝑑 × 𝑙 (N/mm2 )

ここで、Py は接合部の降伏せん断耐力(kN)、Fe は木材の支圧強度(kN/mm2)、C は接 合形式係数、d はボルト径(mm)、lは材厚(mm)である。EYT ではボルトの降伏モードを 考慮して降伏耐力を算出するため、せん断試験終了後にボルト(図 36)を取り出し確 認し、いずれもモードⅢであったため、接合形式係数 C はモードⅢの値を用いた。

𝐶 =√8𝛼2𝛽2(1 + 𝛽)

(2𝛽 + 1)2 + 8𝛽𝛾 (𝑑 𝑙)

2

3(2𝛽 + 1)− 2𝛼β/2β+1

ここで、𝛼は側材厚と主材厚の比、β は鋼鈑と木材の支圧強度の比、γはボルトの基

準材料強度と主材の支圧強度の比である。

図 36 せん断試験後のボルト変形性状

・・・式3

・・・式4

・・・式5

・・・式6

・・・式7

(40)

37 5.4.3 終局耐力の算出と実験値抽出

式 7 から得られた降伏耐力から、以下の式を用いて終局耐力を算出した。

𝑃𝑢 = 𝑃𝑦 × 𝑟

ここで、r は終局強度比(モードⅢでは 1.1)である。

実験から得られた終局耐力は、完全弾塑性モデルを用いて定義した(3.1.2)。なお、

完全弾塑性モデルが適応できない場合は、最大荷重を迎え た後、破壊によって荷重が 急落する直前のプロットを終局耐力とした(図 37)。

図 37 完全弾塑性モデル不適応時の終局荷重抽出方法 0

5 10 15 20 25

0 5 10 15 20 25 30 35 40

荷重(kN)

変位(mm)

鋼板添え板型(L/d=8.3)試験体5の腐朽11週目

・・・式8

(41)

38 5.4.4 終局耐力の評価

ここまでで得られた実験値終局耐力と、算出終局耐力で単回帰分析を行い、 y=ax+b の回帰直線、および標準誤差 Se を得た。木材の基準強度は信頼水準 75%で 95%下限許 容限界値(TL0.75,0.95)が良く用いられる 20)。そこで、回帰直線の確からしさを表す標準 誤差 Se を用いて、標本から推定される 5%下限値を示す直線の式を表した。

𝑇𝐿0.75,0.95=𝑎𝑥 + 𝑏 − 𝐾𝑆𝑒

ここで、K は信頼限界係数であり、試験体数が 22 体のとき 1.916、21 体のとき 1.924 である。これを用いて、せん断性能の評価を行った。

・・・式9

(42)

39 5.5 せん断性能の評価

5.5.1 穿孔抵抗による終局耐力の評価

実験値と算出値の終局耐力の関係を図 38 に示す。

図 38 穿孔抵抗による終局耐力評価

以上のような結果を得た。L/d が 8.3 の試験体では有意差が見られ(p<0.01)、以上の ような式を得た。一方、L/dが 8 の試験体では有意差が見られず(p>0.05)、終局荷重の 推定は精度が低いと思われる。原因として、穿孔抵抗による測定値と、終局耐力の相関 の低さが影響したと思われる。L/dが 8.3 の試験体では、ボルト孔から腐朽が進行した 場合でも、EYT を用いて終局耐力の推定が可能であることが示唆された。L/dが 8 の試 験体は、穿孔抵抗の測定方法から考え直す必要があると思われる。

R² = 0.3443

y = 3.8984x - 29.18

0 5 10 15 20 25 30 35

10.5 11.5 12.5

L/d=8.3

R² = 0.1499

y = 1.6963x - 3.0826

0 5 10 15 20 25 30 35

10.5 11.5 12.5

L/d=8

実験値終局荷重(kN)

算出値終局荷重(kN)

(43)

40 5.5.2 ピン打ち込み深さによる終局耐力の評価

実験値と算出値の終局耐力の関係を図 39 に示す。

図 39 ピン打ち込み深さによる終局耐力評価

以上の結果を得た。L/d が 8.3 の試験体では実験値と計算値の間に十分な相関が得ら れ(p<0.01)、ピン打ち込み深さから実際の値を推定することが可能であることが示唆 された。一方、L/dが 8 の試験体では相関が得られず(p>0.1)、ピン打ち込み深さでの 終局耐力推定は妥当ではないことが示唆された。応力が集中する材厚中央まで、ピン 長が足りないことが原因の一つだと思われる。

R² = 0.4034

y = 2.2203x - 6.1058

0 5 10 15 20 25 30 35

8 9 10 11 12

L/d=8.3

R² = 0.1017

y = 0.7451x + 7.8221

0 5 10 15 20 25 30 35

8 9 10 11 12

L/d=8

実験値終局荷重(kN)

算出値終局荷重(kN)

(44)

41 5.5.3 容積密度による終局耐力の評価

実験値と算出値の終局耐力の関係を図 40 に示す。

図 40 容積密度による終局耐力評価

以上の結果を得た。L/d が 8、8.3 それぞれの試験体で、実験値と計算値の間に有意 な相関が見られ(p<0.01)、容積密度(支圧強度)と終局耐力は関係性が強いことが示 された。端距離、縁距離を十分に用意したことで、EYT による推定は可能であることが 考えられる。容積密度をより正確に推定することが、終局耐力の推定精度を上げるこ とに繋がるだろう。

R² = 0.5923

y = 5.7184x - 45.688

0 5 10 15 20 25 30 35

9.5 10 10.5 11 11.5 12

L/d=8.3

R² = 0.477

y = 1.6708x - 1.5666

0 5 10 15 20 25 30 35

9.5 10 10.5 11 11.5 12

L/d=8

実験値終局荷重(kN)

算出値終局荷重(kN)

(45)

42

6.総括

6.1 せん断性能の変化

試験体の接合仕様に関わらず、腐朽 11 週間で初期剛性の大幅な低下が見られた。一 方、最大荷重は腐朽の影響と見られる変化は確認されず、ボルト孔を起点に腐朽が生 じた場合も十分な端距離と縁距離を設けておくことで、最大耐力を保つことができる ことが示唆された。また、最大荷重時の変位は、腐朽期間の増加に伴い増加傾向が見ら れ、最大荷重後の破壊までの変形量は減少したが、吸収できるエネルギー量に変化は 見られなかった。

6.2 劣化診断によるせん断性能の評価

穿孔抵抗について。すべての接合仕様で、初期剛性と相関が見られなかった。穿孔抵 抗は測定範囲が直径で 3mm 程度であるから、初期剛性を推測するにはボルト孔のより 近傍で実施する必要があると考えられる。また最大荷重では、各仕様相関が見られた ものの、L/dが 3 の決定係数が一番大きな値を示し、L/dが 8 と 8.3 の試験体では決定 係数が小さくなった。材厚が大きいことにより、 腐朽が起きている位置を捉えること が難しかったことが要因の一つと考えられる。

ヨーロッパ型降伏理論(EYT)に基づき、算出した終局耐力と実験から得られる終局耐 力を推定した結果、L/d が 8.3 の試験体ではすべての劣化診断方法で、L/dが 8 の試験 体では容積密度で有意な相関が得られた。このことから、L/dが 8.3 の鋼板添え板型ボ ルト接合部では、端距離・縁距離が十分に設けられた場合、腐朽がボルト孔から生じて 11 週間が経過したとしても、EYT に基づき終局耐力を推定できることが示唆された。

L/dが 8 の鋼板挿入型ボルト接合部に関しては、ピン打ち込み深さ、穿孔抵抗ともに測 定方法をもう一度検討する必要がある。

(46)

43

7.謝辞

本研究を行うに当たり、多くのご協力を頂きました。実験の器具の準備から悩み相 談まで、多くの時間を割いてくださった佐々木義久技官。やさしく、時に厳しく叱咤激 励を頂いた小泉章夫准教授。接合部に関して多くの意見や議論を頂いた平井卓郎教授。

そして、分かりやすく的確にご教示を頂いた澤田圭助教には感謝してもしきれません。

木材工学の学生の皆様にも、差し入れや息抜きなどで大変お世話になりました。今後、

皆様がより一層ご活躍できますよう、お祈りしております。ありがとうございました。

(47)

44

8.参考文献

(1) 長期優良住宅の普及の促進に関する法律(平成 20 年 12 月 5 日法律第 87 号)

(2) 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成 22 年 5 月 26 日法 律第 36 号)

(3) 高橋 旨象・西本 孝一 木材の腐朽機構に関する研究(第一報)腐朽にとも なうブナおよびスギ材の強度の変化 木材研究 第 41 号(1967)

(4) 土井修一・西本孝一 ナミダタケで腐朽したエゾマツ材の曲げ強度と化学成分 木材学会誌 vol.32, No.9, p. 724-729 (1986)

(5) 高橋旨象 <総説>木材の腐朽型、その木材保存処理への活用 木材研究・

資料(1986),22:19-36

(6) 戸田正彦、森満範、大橋義徳、平井卓郎 木材腐朽が釘接合部のせん断性能に 及ぼす影響 木材学会誌 vol.56,No.1,p.41-47(2010)

(7) Kei Sawata、 TaKanobu SasaKi、 Shuichi Doi、 Yasuo Iijima、 Effect of decay on shear performance of dowel-type timber joints (2008)、 Journal of Wood Science、 54、 pp. 356-361

(8) JIS Z 2101:2009 木材の試験方法

(9) 鈴木利克、 大久保和哉、 桧垣宮都 (1991)、 褐色腐朽菌オオウズラタケの木 材腐朽 (第 1 報)質量減少率に及ぼす光, 通気条件, 培地組成の影響

(10) 滝内浩、澤田圭、佐々木貴信、岡崎泰男、土居修一、飯島泰男:腐朽条件下 に置いた木材の面圧 強度の変化、木材学会誌、vol.53-1、p46-51(2007)

(11) 山下春菜、長尾博文、加藤英雄、井道裕史:穿孔抵抗による林内密度分布の 推定の試み、森林総合研究所研究報告、vol.5,No.1(No.398),61-68 (2006)

(12) 神庭 正則:腐朽診断の現状と課題 (特集 樹木の診断と対策)、グリ-ン・エ- ジ 35(8), 11-17, (2008)

(13) 酒井温子、岩本頼子、奥田晴啓、伊藤貴文:穿孔抵抗による木材の劣化診断 劣化基準値を用いた杭の耐久性評価、木材保存、 Vol.33-2 (2007)

(14) 高梨隆也、佐々木義久、澤田圭:引き抜き型釘接合における腐朽と釘発錆の 影響とその定量評価 第 64 回日本木材学会大会(松山) 研究発表要旨集(2014)

(15) 井城 泰一, 田村 明, 西岡 直樹, 阿部 正信, 飯塚 和也:トドマツ精英樹等 クローンにおける容積密度の樹高方向での変動とピロディンを用いた非破壊的評 価、木材学会誌、Vol. 55 No. 1 P 18-28 (2009)

(16) 増田 勝則:ストライカーピンの径を変化させた時のピロディンの貫入深さと 材の破壊範囲、奈良県森技セ研報 36 号, p.27-36(2007)

(17) 矢田茂樹、磯辺和彦、:木材の釘接合における引抜耐力の向上について、 横浜 国立大学教育紀要、31pp.239 - 247 (1991-10-31)

(18) 大沢純二,米田 豊: 繊維化モデルとしての木材せん断挙動(第 1 報)せん断 強度,木材学会誌 24(4), 230-236 (1978)

(19) 日本建築学会 (1995)、 木質構造設計基準・同解説 (第 1 版)、 51pp

(48)

45

(20) (公財)日本住宅・木材技術センター 構造用木材の強度試験マニュアル

Ⅴ.構造用木材の強度評価法および基準値算出法 p.94 (2011)

(49)

46

9.付録

9.1 劣化診断結果一覧

表 5 鋼板添え板型(L/d=8.3)試験体の劣化診断結果 No. span

(w)

穿孔抵抗 (%)

ピン打ち込み 深さ(mm)

容積密度 (kg/m3)

1 0 12.4 28.0 306

9 19.7 28.5 303

11 12.5 28.3 309

2 0 15.3 29.3 277

7 12.4 25.8 294

9 16.6 29.5 291

11 12.2 27.3 292

3 0 15.4 26.0 328

9 18.7 22.8 327

11 18.3 24.3 332

4 0 15.8 25.8 278

7 11.2 24.5 294

9 13.9 27.3 292

11 13.2 29.8 296

5 0 11.1 25.3 289

7 15.6 25.8 289

9 16.1 28.8 296

11 13.9 25.0 296

6 0 17.2 12.8 331

7 21.3 22.5 334

9 18.4 25.0 322

11 22.2 23.3 336

(50)

47

表 6 鋼板添え板型(L/d=3)試験体の劣化診断結果 No. span

(w)

穿孔抵抗 (%)

ピン打ち込み 深さ(mm)

容積密度 (kg/m3)

1 0 16.4 27.0 351

7 19.6 24.0 352

9 15.2 23.0 345

11 18.0 40.0 341

2 0 11.4 23.0 307

7 9.45 24.5 282

9 14.6 35.8 295

11 8.68 40.0 290

3 0 11.5 27.3 289

7 8.80 24.0 289

9 16.6 27.5 294

11 17.3 23.0 298

4 0 10.8 26.0 304

9 15.5 25.5 293

11 11.7 24.5 311

5 0 19.2 20.0 366

7 18.7 20.0 349

9 23.7 20.8 338

11 20.2 21.8 326

6 0 18.3 22.0 324

7 19.8 24.5 331

9 18.4 24.8 322

11 21.3 30.3 323

(51)

48

表 7 鋼板挿入型(L/d=8)試験体の劣化診断結果 No. span

(w)

穿孔抵抗 (%)

ピン打ち込み 深さ(mm)

容積密度 (kg/m3)

1 0 13.5 26.1 281

7 13.4 27.0 275

9 16.2 25.3 280

11 13.4 26.0 289

2 0 15.5 25.8 310

9 16.0 28.3 303

11 14.1 28.3 303

3 0 16.1 25.5 290

7 12.7 27.5 286

9 13.1 28.5 295

11 12.8 30.5 294

4 0 14.6 23.6 329

9 14.3 25.0 328

11 16.7 31.3 324

5 0 18.8 21.3 353

9 18.6 22.0 345

11 20.2 23.0 344

6 0 14.6 24.5 302

7 17.8 24.0 312

9 13.5 24.0 310

11 14.2 26.0 319

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