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(その4)腐朽菌作用下での曲げクリープ試験

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Academic year: 2021

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木材保存 Vol.47-2(2021) 92 ―   ―  今から40年ほど前,京都大学木材研究所(現 生存圏研究所)に赴任して与えられたのが,表記 の試験を色々の木質材料に適用することであっ た。高橋旨象助教授(当時,その後教授,名誉教 授,故人)によって開発されたこの手法は,腐朽 菌を接種した材料に一定の曲げ荷重をかけ,たわ みの増加を経時的に測定することで,耐朽性を強 度的な視点から評価することを目的としていた。  滅菌した試験体(幅50,厚さ12,長さ350mm-表 面中央部250mm 長を除きエポキシ樹脂でシール) の未シール部に振とう培養で得た腐朽菌の菌糸粒を ふりかけた。接種面を裏 面にして試 験 体を針 金 ケージの中に滅菌水の入 った容器とともに入れ, シリコンラバー栓を付け たポリエチレンフィルムで 包んで試料台に載せ,中 央に荷重をかけた(写真)。  まず,エゾマツ材にオオウズラタケを接種し, 湿潤曲げ強さの10,15,20%相当を負荷した(図 1)。実線は腐朽菌を接種せず,湿潤状態に整え た試験体のたわみ変化であるが,いずれも数日で 安定した状態になった。一方,接種試験体では徐々 にたわみは増加し,その後急増期を経て,荷重の 大きさ順に40日,70日近辺,ほぼ100日で破壊した。 破壊時の質量減少率は日数に対応して増加した。  次に,アスペン材にオオウズラタケとカワラタ ケを接種し,初期たわみが1mm(スパン長の 1/300:曲げ強さの10%強に相当)になるように 負荷した(図2)。両者の初期のたわみ増加はほ ぼ同様であるが,その後,前者では急激に増加し, 約70日で破壊した。一方,後者では破壊まで2倍 近い期間を要するとともに,より大きな質量減少 が生じていた。この両者の挙動の違いは,白色腐 朽菌のカワラタケに比べ,褐色腐朽菌であるオオ ウズラタケが強度低減に及ぼす影響が大きいとい う従来の知見に対応していた。  木材強度への腐朽の影響については建築等への 関わりからその重要性が認識されながら,実験方 法や解析の難しさもあって現在も様々な検討が行 われている。かなり昔の実験であるが何かの参考 に振り返ってみた。   *一般財団法人建築研究協会

(その4)腐朽菌作用下での曲げクリープ試験

今 村 祐 嗣

* 図2  異なる腐朽菌を接種した場合のたわみ挙動(横軸は 対数で表示) 写真  試験の様子(中央部 で負荷しながらたわ みを測定) 図1  異なる荷重を負荷した場合のたわみ挙動(wl:質量 減少率) クローズアップ木材保存

参照

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