祖父江信夫
*2No buo
SoBUE*2 [木材学会誌 Vol.39,No.9,p.973‑979(1993)]木材 の非破壊検査
*1No nde s t r uc 揖veTe s t i n go fWo o d* 1
Kqwords:nondestructivetesting,needs,research,applications,developments.
1 .
は じ め に近年,電磁波,超音波,AE,光,赤外線,放射線 な どによる計測や画像解析技術, コンピュータ制御 技術 の進展 によって非破壌検査技術 は飛躍的 に進歩 して きた。木材工業で も,最近,資源の有効活用, 適正 な加工制御,生産 の自動化,製品の品質保証な どの観点か ら計測機器 による非破壊検査のニーズが 増 して きたが,現状 では水分計測以外 は目視 による 検査 を行 う場合が多 く,開発途上 にある技術課題が 多い。北米 では
1 9 5 0
年代か ら水分管理やス トレスグ レーデ ィングを目的 とした非破壊検 査 に関 す る研 究 ・開発が手掛 けられ,最近で はハイテク技術 を応 用 した手法の開発が精力的 に推進 されている1,㌔ わ が国で も,最近,超音波やX線,画像処理技術 を応 用 した手法が研究,開発 されてい る。本稿で は,木材工業 における非破壊検査 の現状 と ニーズ,検査原理 と応用技術 の現状 と課題,および 最近 の検査機器や手法の開発例 について概説する。
2.木材工業 における非破壊検査の現状 とニーズ 日本木材学会第二期研究分科会で は木材工業 にお ける 自動計測 の現状 とニーズに関す る調査 を実施 し3),関連企業 と試験 ・研究機関 に対 して文書による
*1ReceivedJuly16,ユ993.
*2静 岡大学農学部 FacultyofAgriculture,Shizuoka University,Shizuoka422
回答を求めた。 これを基 に,非破壊検査の現状 とニ ーズを整理 してみる。
まず,企業 における自動計測の現状 については,
①水分計測,②乾燥制御,③寸法・形状計測,⑥温・
湿度計軌 ⑤ ライン管理,⑥強度 ・ヤング係数計測 の順 に多いO
現状の検査技術水準 に対する不満や要望 も多 く, ニーズの多い水分計測では,内部水分や水分傾斜の 検査,高周波式水分計 の自動比重補正機能の付加, 表面をプラスチック加工 したボー ド額 に適用で きる 水分計の開発などが望 まれている。
開発 されたら導入 してみたい装置に関する回答で は,現在導入 している装置の傾 向 と似ているが, 技術 として割れ検出機,節検 出機,腐れ検出機, 署力非破壊試験磯な どがみられ る。その他では,
新接木
材の色彩判定機, 自動製材判定機,ボー ド表面の欠 点検査機,ボー ド・テミナ ・大断面構造材等のグレ ーデイングマシン,逆 目 ・順 冒判定機, ポータブル 木材
pH
メータ,ヤニ検出機 な どかな り専門化 した 機能を持 つ装置の開発 も望 まれ ている。一方, これ らの要望の受 け皿 となる大学や試験研 究機関に対するアンケー トで は, 自動計測の研究開 発をしているとするもの37%, また,企業から自動 計測 に関する相談があった とす るもの47%という回 答が寄せ られた。問い合わせや相談 を受 けた項目は 次のように整理 される。
a.
欠陥検出 :合板 ・集成材の欠陥,表面欠陥(割 れ,節,腐れ),内部欠陥 (割れ,空洞,節)b.グ レーデ ィング :製材 。集成材 ラ ミナの強度 等級 区分,節 の識別 ,製材 の表面密度 や繊推傾斜測 定,木質材料 の剥離 (接着)強 さや接着不良の非破 壊検査
C.水分管理 :製材 。マ ッ トのオ ンライン水分計 測,乾燥操作 の自動化
d.色彩管理 :材色判定,塗装の調色管理
C.
その他 :木理判定,丸太 の自動検収,衛脂注 入制御, 曲げ木適材選別, ボー ド用マ ッ ト密度の管 哩,丸鋸 の腰入 れ ・刃の不揃い検査 な ど非破壊検査 に対す る業界 のニーズは強 く,大学や 試験研究所 にお ける非破壊検査技術 の研究や普及 に 対す る取 り組 みの強化が望 まれている。
3 .
非破壊検査の各論3 . 1
水分計測木材 の水分計測 には従来 か ら電気式 の水分計が広 く利用 されてい る。
誘電式水分計 は直流抵抗式 に比 べてある程度深い 部位 の水分測定が可能で,電極の改良な ども加 えら れている。 しか し木材密度 の影響 が大 きく,補正方 法の改善 が望 まれている。木材にステ ップパルス状 の電界 を加 える誘電パルス法4)も開発 されている。
水 讃
密 度
高周波抵抗式水分計 の改良5)も試 み られている。低 含水率域で は誘電式 よ り密度依存性 が少ない。
乾燥中に生 じる材 内の水分 傾斜 を検 出する電気抵 抗式水分計6)のセ ンサや誘電 式水分計 の電極形状 や 配置7)について も研究 されてい るが,まだ,決定的 な 解決策 を得 るに至 っていない。
近赤外線領域 に現 れ る水 の吸収 スペ ク トルの強度 か ら水分量 を決定す る近赤外線 マルチウエーブ水分 計8)な ども市販 されてい る。
木材表面の熟特性 を利用す る方法 も非接触測定法 が適用で きる。赤外線 ランプ な どで一定 の熱量 を与 え られた木材表面 の温度 は含水 率 に依存する。赤外 線輯射温度計 に よる温度測定 に よ り,生材や乾燥過 程 の水分計測が可能 で9),製材 ライ ン仕様 の製 品10)
も市販 されてい る。
放射線の吸収 を利用す る方法 も,安全管理の行 き 届 いた工場 で は有効 である。放 射線 の吸収 には水分 と密度 のこ因子が影響す るので,密度の影響の補正 が重要 となる。
X
線 のCT
法 (コ ンピュー タ断層撮 影法)の適用 によ り,柱材 内部 の水分分布 の計測 も 可能 であ り,材 の密度分布 が正確 にわかれ ば含水率 1%程度 の精度で水分測定 も可 能 とされている11㌔ しか し,一般 には個 々の材 の密度 も未知数であ り, Table1.木材 の非破壊検査法 の分類.磁気 ‑‑直流抵抗 ,高周波抵抗,誘電率,マイクロ波,赤外線,核磁 気 共 鳴吸収 熟特性 ・・・‑赤外線輪射温度
射線 ‑
‑X
線・γ線 の吸収弾性波 ‑‑固有振動数,伝播速度や減衰 化学的方法 ・その他
質量 ・休債計測
マイ クロ波‑‑・‑‑‑‑‑共振,吸収
・赤外線幅射温度
放射線 ‑‑・‑‑‑‑・‑
・ X
線・γ線 ・β線 な どの吸収 ピンの打 ち込 み深 さ‑‑ ピロディン年輪解析 強度等級区叫 遠 雷登接
節 頂
織 推 定
ラ
点検査法・.・目視 の自動化 的方法‑‑曲げ試験 的方法‑‑縦振動, 曲げ振動 証荷重試験
法
光学情報 ‑
C CD
カメラ,光 ファイバーセ ンサ,色彩色差計 電磁気‑‑圧電効果,マイ クロ波吸収,射線 ・
・ ‑・ Ⅹ
線・γ線 のCT
法 亡 霊冨笠 II:I.I:霊笠霊芸表 芸孟7C
完向竃 慧霊* .:I.‡芸芸慧志・Y嘉蒜 波吸収 その他 の欠陥
核磁気共鳴吸収 の
CT
法( MR
I)材腐朽 ‑打音診断,電気パルス抵抗, ピンの打 ち込 み,超 音 波速度 ・減 嚢 お よび
CT
法 著不良.・・打音診断,打撃反九 超音波速度 お よび減衰,赤外線 サーモ グ ラ フィー れ‑‑・‑光学 セ ンサ密度補正 方法の開発 と処理速 度 の向上 が問題 であ る。
変わった方法 として縦共振 の固有振動数の変化 を 利用 した水分計測法があ り12),莫大構造材 では生材 か ら気乾状態の範囲で適用で きる。 また,木材中を 伝播する超音波の速度や減衰 は水分 に影響 され,戟 燥室 中 にお ける木材含水率 の監視13)に応用 が試 み
られている。
密度測定の項 で述べるようにマイク ロ波の共振現 象 を利用すると,木材の含水率 と密度 を同時に計測 す る ことができる14)0
原子 の核磁気共鳴(NMR)吸収現象 を利用すると 水 に起因す るスペ ク トルか ら直接 に水分量が求め ら れ る15)。装置 は非常 に高価である。
製材 ライン仕様のシステムの開発や改良 も各国で 行 わ れ て お り,γ線 や マ イ ク ロ波 な ど を用 い た FINOMOISTの開発 16),電気抵抗式や誘電式水分計 の改良17),オンライ ンシステムの試作18・ユ9)がなされ ている。乾燥制御 には水分変化 をロー ドセルで検 出 す る方法 も実用化 されている20)0
業界 のニーズに もあるように, より大 きな断面材 料 の内部水分や水分傾斜 のわか る水分計,乾燥室内 のような高温 ・高湿状態 に適用で きる装置,木材密 度 の影響 の自動補正機能 を備 えた水分計 の開発が急 がれ る。 計測原理 の開発で は,誘電な どの電磁気特 性 や赤外線,質量計測 な どを複合 した水分一密度同時 決定法の検討が必要 と考 えられ る。
3.2密度測定
一般 に密度 の影響 を受 ける物性 は水分 の影響 も大 き く,水分計測 と同様 に密度 と水分の相互の影響 を 分離 す る技術開発が重要である。
質量 と体積 を計測する方法 は,製材品のように形 状が限定 された ものや体積測定が容易 な場合 には有 効 で ある。
マイクロ波 の空洞型共振器 を用い,マイクロ波の 共振 の周波数 と強 さか ら木材 の密度 と含水率 を同時 計測 す る装置の開発14)も試み られている。
熟特性 による木材密度 の計測21)で は,一定熱量 を 照射 した木材 の表面温度か ら密度 を推定する。水分 の影響 の補正が検討課題である。
Ⅹ線 やγ線,β線 な どの放射線の吸収 による密度 計測 は,舵, ボー ド工業の生産 ラインで用い られて い る。 ボー ドな どの厚 さ方向の密度分布 の非破壊検 査 に も有効で ある22,23)。含水率 の影響 の補正 を必要
とす る。
簡便 な方法 には,鋼製 ピンの打 ち込 み深 さか ら密 度 を推定す る装置 (ピロデ イン)的 な どもある。
ビデオ画面における木口面の年輪構造 の解析か ら 密度 を推定する方法 も特定樹種 には適用で きる25)0 簡便な点か ら実用性が期待 され るが,基礎 データの 集横が必要である。
木材 の密度 は,最近,建輿構造材の釘接合耐力の 設計基準 に計算因子 として導入 されるな ど,木構造 の分野で も密度計の開発が期待 されているC現在の 電気式水分計のような感覚で使用できる,水分の影 響 を自動補正す るタイプの密度計が開発 目標 とな る。 このような条件から判断すると,水分計 と同様 に誘電,超音波,光,質量計測などの複合技術の開 発に目を向ける必要がある。
3.3木材の強度等級区分
強度 等級 区分法 は目視法 と機械 法 に大別 され る2㌔ 目視法 は,節,繊稚走向の傾斜,割れなどの外 観的な木材欠陥を目視によって調べ,欠陥の程度に よって等級区分する方法である。目視法を自動化 し たグレーヂイングマシン27)も開発 されている。
機械的応力等級区分は,‑般はは,個々の木材 を ヤング係数に基づいて等級区分することを指す。静 的なマシン27)では木材に曲げ応力を負荷 し,高速型 グレーデイングマシンも市販 されている。
応力波 ・超音波伝播法で は,木材中を伝播する弾 性波の速度 と密度からヤング係数を算出する。市販 の装置があ り,製材以外 にも木質ボー ド類の非破壊 検査や
L VL
用単板 の選別28)にも利用 されている。固有振動法 では共振周波数と密度か らヤング係数 を算出する。木 口面 を打撃する方法29)は,わが国で 独 自の発展を遂 げ,オンライン装置 も実用化30)され ている。丸太31)や大断面材 にも容易に適周できる特 徴があるOたわみ振動を用いた装置 は,グレーディ ングマシンとして米国で市販されている28)。また,曲 げ‑ね じ り複合振動 を利 用する と軸材料32)や板材 料33)のヤ ング係数 とせん断弾性係数 を同時決定 で
きる。
この他 に,製品に一定荷重を負荷 し,所定強度を 保証 する保証荷重試験法 (プルーフロー ド・テス 辛)26・34)も周い られている。研究 レベ)I,では,後 に述 べる
AE
法の適用 も試み られている。現在,ヤング係数は木材強度の非破壊予測因子 と して最 も有用であるが,完全な因子ではない。次世 代型 のグレーディングマシンでは,ヤング係数に基 づ く機械的等級区分法の禰助因子 として,後で述べ る節や繊維走向に関する情報を強度予測に活用する 方法の導入が期待 される。
3 . 4
節の検出節 の検出には,人間の目のように光情報 を利用す
る方法,節 と周辺 にお ける密度や熱特性 などの物理 的性質の差異 を利用す る方法がある。
木材表面の色や光沢 などの光学的情報 を画像や色 差計,光 ファイバーセ ンサ35),
CCD
カメラ36,37)など の光 センサで検出 し,画像処理法などによって節 を 認識する方法が開発 されてい る38)。節 と周辺部であ る程度 の色差がある場合 には有効であるが,節 と周 辺部 の色差 が小 さい場合 は境界部 の判別 が難 か しい 39・40)o
木材 にⅩ線やγ線 な どの放射線 を照射すると,節 と周辺の組織 における密度差 に起因する放射線吸収 の差異 によって,節 を検 出す ることがで きる。木材 内部の節の検 出には,
Ⅹ
線やγ線のC甘
法41・42)の適 絹が有効 であ り, また最近,核磁気共鳴吸収 を利用 したCT法MRI装置 43)の適用 も検討 されている。マイク ロ波 の吸収 に よる節 の検 出装置44)も開発 されている。
木材の圧電効果 は,節の周辺で繊維走向が乱れる と正常 な部分 と異 なった電荷分布 を生 じさせ るの で,節 の検出が可能 となる45)。
赤外線サーモグラフィー (熱画像装置) を用いた 非破壊検査 は,壁面タイルの剥離検査や接着不良検 査法 として も利用 されているo材料 を一定の熱環境 に曝す と,材料の熟特性や欠陥の有無 によって表面 温度に差異が生 じる。スギ心材部のように前述の光 学的情報 による節 の検出が難 しい場合や表面 に近い 隠れ節の検 出にも有効 とされている46)0
超音波の伝播速度や減衰 による節 の検出が可能で あり1),丸太内部の隠れ節の検 出には超音波
CT
法47)も適用で きる。
節の情報収集には種々の原理が適用で きるが,得 られた情報か ら節 を認識するには大量のデータの演 算が必要 とな り,オ ンライン計測に対応す草には, 節を認識する効率の良い推論 アルゴ リズムの開発が 重要である。
3 . 5
繊維走向の測定木材 は分子構造か ら細胞構造 に至 るまで,いろい ろな構造の異方性 を持 っている。 これ らの異方性 を 電気や光,弾性などの性質を利用 して測定すると, 繊維走向を決定で きる。
誘電率の異方性 はよ く知 られてお り,市販の誘電 式水分計で もこの現象 を確認で きる。オ ンライン繊 維傾斜計48・49)が米国で市販 されている。
マイクロ波 の吸収の異方性 を利用 したオ ンライン 繊維傾斜計44)もフランスで実用化 されている。
レーザー光や赤外線 も電磁波の一種で,木材表面 や内部 における反射や散乱 は異方性 を示 し,局所的
な繊維走向の測定 もで きる50‑5㌔ また,表面か ら厚 さ方向への繊維 の潜 り角度の計測 の可能性 も報告さ
れ50 52),逆 目の判定 などへの応用が期待 される。
弾性の異方性 も古 くか ら知 られてい る。超音波の 伝播速度 を利用 して弾性主軸 を決定 し,繊維走向を 検出す る方法が研究 されてい る53)0
繊維走向の検 出 は,切削制御, ス トレスグレーデ イングに関連 した基礎技術 と して重要 であ り,発展 が望 まれ る。
3.6 その他の欠陥の検査
最近,超音波 による欠陥の検査 は種々の座薬分野 で利用 されてい る。
超音波探傷法 は,以下に述べ る ように木材の腐れ, 接着不良 な どの欠陥検査への応 用 が試 み られてい
る。
AE(アコーステ ィック・エ ミッシ ョン) は,材料 が破壊す る際に放 出するエネルギー によって生 じる 弾性波で,一般 には数十
kHz 〜
数MHz
の超音波領 域 の振動 として検 出 され るもの を さす。AEの検出 によって破壊 の前兆 をとらえた り,欠陥 を検出する ことがで きる。合板 の接着不良の検 出54)や有節材の ス トレスグレーデ イングへの応用,木材乾燥の制御 への応用, また,切 削中の工具摩耗 の評価や切削制 御への応用 も試み られている。AEの応用 に関す る 詳細 は,本誌 の野 口の総説55)を参照 されたい。被検体 を軽 く打撃する打音診断 は可聴音 の利用法 として古 くか ら用い られている
。FFT
スペ ク トルア ナライザな どの機器 を用 いた木 造建築 物 の腐朽検 査56)も試み られている。木 材 腐 朽 の 検 査 に超 音 波 を利 用 す るア イ デ
ア57‑60)は比較的古 くか らあるO超音波 の伝播経路 に
欠陥や密度変動が存在 する と,超音波 の減衰や伝播 速度,伝播経路が変化す るO超音波
CT
法47・6L)を応用 した木柱の腐朽検査装置 は,実用昇 として利用 され ている。その他 に,現場で はピンを打 ち込 んだ り(ど ロデ ィン),電気パルスによる抵抗 を調べ る装置(シ ゴメーター)62,63)も用い られる。接着不良の検査法 には打音診 断が古 くか らある。
打撃反力の大 きさによる検査 は表面付近 の層剥離 な どの検 出に有効 で,ハ ンディな装置64)も市販 されて いる。合板 のパ ンクの検査 に,表面 をブラシで摩擦 した際 の摩擦音 による検 出装置65)が比較 的古 くに 試作 されている。超音波法 を合板 のパ ンクの検査 に 応用 した装置 も市販 されている。 その他 に も,前出 のサーモグラフィーによる手法 が検討 されている。
写真撮影用電球で表面加熱する方法 は6即,表面付近 に不良部分がある場合 に有効であ る。
割 れの検 出に関 しては,現時点で は目視 による検 査以外 は非常 に難 しい。表面割れ についてはレーザ ー と光 セ ンサによる検出が試み られ,表面飽削材で
0. 4mm
程度 の割れが認識 されてい る67)。内部割れ の検 出 については,現段階で は有効 な手だて はない。3.7 材色 ・調色の管理
最近,半導体 カラーセ ンサの進歩 によって簡便 な 色彩色差計が市販 されるようにな り,塗装,染色 な ど色が関係す る分野への応用が進 んでいる。家具用 材 の材色測定や着色 ・塗装の 自動化 に応用 されてい
る67)
0
3.8 統合 システムの開発
前述 の個別検査技術 を統合 した木材加工 システム の 開 発 も い くつ か 試 み ら れ て い る。 米 国 の
A LPS68・69)は家具用材 の自動加工 システム として, フォ トンCTによる原木内部 の節の検 出,挽 き板の 欠陥認識,最適裁断加工 の機能 な どの統合化 を目指 している。 わが国で も,家具 の自動生産 を目的 とし た67),設計,材の欠陥認識,木取 り,切削,材色計測・
調色 ・塗装,研磨 な どの機能 を有す るシステムが開 発 されている。 また,製材 を目的 とした自動形状選 別 システム70)では,原木の形状 ・欠陥認識,画健処 理 による最適木取 り,節の認識,等級評価技術 の統 合化が試 み られている。
3.9 林巣 と木材工業の接点 における応用
木材資源 の有効活用には,生産 された木材 を選別 して利用す る一方で,利用 目的にあった木材生産 を 考 える必要がある。ヤング係数 の測定 に基づ く立木 の非破壊検査 は,強度的利用 に適 した品種選択,柿 地 の選択 な どに必要 な情報 の捷供,新 しい森林評価 システムや丸太流通 の円滑化 のための情報 を提供す る手段 として活用が期待 され る。応力波伝播法71)や 人 間 の体重 を負荷す る静的方法72)が適用で きる。
4.お わ り に
近年 の 「品質管理 された工業材料 としての木材製 品」が求 め られ る市場のニーズか ら出現 した構造用 集成材・LVLなどのエンジニヤー ドウッ ドは,非破 壊検査技術 の進展 に支 えられた新 しい木質材料であ る。製品の信頼性 の向上,原材料 の多様化 。低質化 へ の対応,省力化,熟練技能者不足な どの課題 に対 応 す るには,製品の非破壊検査技術の進展 と生産 の 自動化 を支援する非破壊検査技術 の進展が必要 とさ れて い る。
木材 の非破壊検査技術 の開発 を難 し くしている原 因 に は,本来木材が生物材料 として持 っている密度, 含水率,組織 ・構造 の不均質性や個体 ごとのばらつ
きが大 きいこと,検査技術 の嘗横が少ないために技 能者の経験に基づ く生産管理が行われてきた こと, また高度な設備 。技術開発投資が充分 にできないこ とな どがある。今後,非破壊検査技術 の進展 には, ハイテク技術やニューロ技術の応用などにも目を向 けるとともに,木材の基礎研究で寄席 された知識 を 応用技術の開発 に結び付 ける取 り組 みが必要 と考 え られ る。木材学会が このような取 り組 みの中心 にな ってい くことを,産業界か ら求められているのでは ないだ ろうか。
本稿 の内容 は日本木材学会第二期研究分科会活動 の過程で得 られた情報 によるところが多い。報告書
「自動計測 の基礎 と応用」の とりまとめに参加 いただ いた常任メンバーに謝意 を表 します。
文 献
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