付 録 B ギリシャ文字、記号、注意すべき 言い回し
B.2 よく使われる記号
ここで説明してある記号以外にも、「集合」、「論理」の項にある記号は必見である。
i.e. 読み方は “that is,” で意味は「すなわち」、「いいかえると」。
s.t. 読み方は “such that” で意味は「〜のような」。
Q.E.D. 証明の終りを表す。
P =⇒Q 「P ならばQ である」, 「P は Q であるための十分条件」,
「Q は P であるための必要条件」。
Q⇐=P (上と同じ)
P ⇐⇒Q 「P は Q であるための必要十分条件」, 「P と Qは同値」
P iff Q “if and only if P, Q ”古くは「P のとき、またその時に限り Q」 と訳された。要するにP ⇔Q ということである。
a:=b a を b で定義する。
(ただしb は既に意味の定まった式で、a はまだ未定義の記号とする。)
a≡b (上と同じ)a を b で定義する。a は定義によりb である。
a≡b a と b は恒等的に等しい。
a≡b a と b は合同である。
a≤b a < b または a=b. (a5b と同じ。) a≥b a > b または a=b. (a=b と同じ。)
C, C 複素数全体の集合 (the set of all complex numbers).
N, N 自然数全体の集合 (the set of all natural numbers).
(この講義では、自然数は1 以上の整数のこととする。) Q,Q 有理数全体の集合 (the set of all rational numbers).
R,R 実数全体の集合 (the set of all real numbers).
Z, Z 整数全体の集合 (the set of all integers).
(a, b) 開区間 (open interval){x∈R;a < x < b}. [a, b] 閉区間 (closed interval){x∈R;a≤x≤b}. (a, b] {x∈R;a < x≤b}.
[a, b) {x∈R;a≤x < b}.
∑m i=n
ai an+an+1+· · ·+am
(ただしこれはm≥n の場合で、m < n のときは 0 であると約束する。)
∏m i=n
ai an×an+1× · · · ×am
(ただしこれはm≥n の場合で、m < n のときは 1 であると約束する。) (n
r )
二項係数 nCr.
e 自然対数の底、ネイピアの数 (= 2.7182818284590· · ·) (注: 最近の工学系の本では立体 eで表すことが多い。) π 円周率 (= 3.14159265358979323846· · ·)
x↑a x を小さい方からa に近づける。高等学校流ならx→a−0 と書くところ。
x↓a x を大きい方からa に近づける。高等学校流ならx→a+ 0 と書くところ。
δij Kroneckerのデルタ。 i=j のとき 1, i̸=j のとき 0を表す。
⃗a ⃗はベクトルであることを強調するための表現。
高等学校の数学ではベクトルは必ず矢印をつけたが、大学では a と太字にしたり、あるいは単にa ですませる。
[a] a を越えない最大の整数。いわゆるGauss の括弧 (これは日本方言だそうです)。 maxA 集合A に含まれる要素の最大値。
maxx∈A f(x) 集合A 上の関数 f の最大値。
言い換えると集合 f(A) = {f(x);x∈A} に含まれる要素の最大値。
minA 集合A の最小値。
min
x∈Af(x) 集合A 上の関数 f の最小値。
supA 集合A が上に有界な場合にはA の上限, そうでないとき∞. sup
x∈A
f(x) 集合A 上の関数 f の値の集合 f(A) = {f(x);x∈A}の sup.
infA 集合A が下に有界な場合にはA の下限, そうでないとき −∞.
x∈Ainf f(x) 集合A 上の関数 f の値の集合 f(A) = {f(x);x∈A}の inf.
logx x の自然対数 logex.
(工学系では logx= log10x (常用対数), lnx= logex である。) expx x の指数関数 (exponential)ex のこと。
√n
a a >0の場合は a の n 乗根のうち正のもの。
a≤0の場合は n 乗根のうち実数であるもの。
sin, cos, tan 三角関数。引数の単位はラジアン。
cot, sec, cosec これも三角関数。それぞれ tan, cos, sinの逆数を表す。
B(p, q) ベータ関数の(p, q) における値。
Γ(x) ガンマ関数のx における値。
Arcsin, Sin−1 sinの逆関数 sin−1 の主値。
Arccos, Cos−1 cosの逆関数 cos−1 の主値。
Arctan, Tan−1 tan の逆関数 tan−1 の主値。
sinhx hyperbolic sine (= (ex−e−x)/2).
coshx hyperbolic cosine (= (ex+e−x)/2).
tanhx hyperbolic tangent (= sinhx/coshx).
|x| (x は実数) x の絶対値。
|z| (z は複素数) z の絶対値。
i 虚数単位 (=√
−1).
工学系では立体i で表すことも。また電気系ではj を使うことが多い。
ℜz, Rez 複素数z の実部。
ℑz, Imz 複素数z の虚部。
z 複素数z の共役複素数。
tA, AT 行列A の転置行列。工学系は後者の書き方が多い。
M(m, n;R) 実数を成分とする、m 行 n 列の行列全体の集合。
M(n;R) 実数を成分とする、n 次正方行列全体の集合 (=M(n, n;R)).
M(m, n;C) 複素数を成分とする、m 行 n 列の行列全体の集合。
M(n;C) 複素数を成分とする、n 次正方行列全体の集合(=M(n, n;C)).
(⃗x, ⃗y) ベクトル⃗x, ⃗y の内積。
⃗x·⃗y ベクトル⃗x, ⃗y の内積
⃗x×⃗y 3次元ベクトル⃗x,⃗y のベクトル積。
∆x 変数x の増分(変化量)。 f′ 関数f の(1階)導関数。
f′′ 関数f の 2 階導関数。
f(n) 関数f の n 階導関数。
ただしn は非負整数。n= 0 のときは f 自身を表す。
このテキストでは、なるべく標準的な記法や言い回しを採用するように努めたが、中には標 準的な記法と言えるものがないものも多い。以下に掲げる記号は、かなり多くの本に載ってい るもので、あまり突飛なものではないが、使う場合は、最初に注意しておいた方がよいであ ろう。
¬P 「P でない」
P ∨Q 「P またはQ である」
P ∧Q 「P かつQ である」
∃!a 「a は一意的に存在する」
B(a;r) 考えている空間での a を中心とする半径 r の開球。
B(a;r) 考えている空間での a を中心とする半径 r の閉球。
⃗ej 第 j 成分が 1で、他のすべての成分が 0 であるベクトル。