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物理療法のグローバルスタンダードの理解と展開

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Academic year: 2021

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(1)

はじめに

 最近の日本理学療法学術大会で物理療法関係の発表演題数

を振り返ると,2007 年では 1,371 演題中 44 演題(3.2%),2008

年では 1,749 演題中 50 演題(2.9%),2009 年では 1,848 演題中

44 演題(2.4%),2010 年では 1,543 演題中 46 演題(3.0%)で

あった

1)

。同様に日本物理療法学会では 2007 年 10 演題,2008

年 13 演題,2009 年 9 演題であった

1)

。この間の理学療法士数

増加と比較しても発表数の少なさが際立っているが,これは学

術論文数においても同様である。また,研究のみならず臨床活

動での使用においても同様ではないかと予測している。たとえ

ば,4 回生総合臨床実習を終了した学生に聞いても,大半の学

生が経験した物理療法はホットパックや牽引療法のみであり,

まったく思考,経験したことがない学生も多い状況である。し

たがって,理学療法士としてスタートを切る前から興味をもっ

ていないのが現状であると感じている。理学療法に含まれてい

る物理療法は運動療法と「車の両輪」としていわれているが,

現実は違う状況になっている

1)

 ところで,米国リハビリテーション医学会誌である Archives

of Physical Medicine & Rehabilitation は 2013 年現在で 94 巻で

あるが,この雑誌の第 1 巻 1 号は Journal of Radiology として

1920 年 1 月に発刊されている。その後,Archives of Physical

Therapy,そして,1952 年に現在の雑誌名に変更となっている。

いずれも物理療法を示す用語が当初から使用されている。「温

故知新」という用語があるが,元々の原点である物理療法を安

易に捨ててしまうことは大変危険であると考えている。しかし

その一方,古くから存在していて,その効果が疑問視されつつ

ある物理療法が存在しているのも事実である。

 本総説論文では新たな効果があきらかになりつつある研究結

果の一部を概説し,物理療法のグローバルスタンダードを実践

していくための課題と対策について私見を論述する。

代表的物理療法の研究結果

1.石灰沈着性腱板炎に対する超音波療法

 コクランシステマティックレビュー

2)

では,石灰沈着性腱

板炎に対する超音波療法はプラセボ治療と比較すると鎮痛効果

があると報告している。最近のシステマティックレビュー

3)4)

でも,週に 5 回前後,2 ∼ 3 ヵ月前後までの超音波療法照射

で疼痛,機能障害に効果的であると報告されていて,leve1 1,

good evidence であると報告されている一方,この期間以上の

超音波療法照射の効果は疑問視されている。照射方法などにつ

いては成書

5)

を参考にしてほしいが,本邦の整形外科教科書

での典型的治療は,薬物療法,乱刺吸引法,手術などであり,

超音波療法を記述している整形外科書籍はほとんどなく,記述

していても単なる温熱療法としての紹介のみである。現状で

は,グローバルスタンダードな見解が本邦では反映されていな

いが,結果的に運動療法や超音波療法を受けずに手術している

症例も多いのではないかと危惧している。全国の理学療法士が

整形外科医にこのような情報を伝達し,手術実施前に超音波療

法を 2 ∼ 3 ヵ月間実施していくことを定着させることがグロー

バルスタンダードの実践になり,すぐに実行しなければいけな

いと考えている。

2. 経 皮 的 電 気 刺 激 療 法(Transcutaneous Electrical Nerve

Stimulation: TENS)について

 TENS は,本邦ではリハビリテーション科のみならず,医

療類似行為,民間療法としても実施されているので,怪しい治

療と感じている人も多いと予測するが,世界的には基礎,臨

床研究ともに発展している分野である。言葉の定義が明確で

ないが,鎮痛を特に目的としている電気療法として位置づけ

られる場合が多く,臨床研究では急性痛に対して TENS の効

果を調べた研究が多い。開胸手術後にも欧米ではよく使用さ

れていて,すでに多くのランダム化比較試験(Randomized

Controlled Trial: RCT)が報告されているが,Sbruzzi ら

6)

システマティックレビューでは,TENS によって鎮痛,呼吸

機能が改善したと報告している。腹部外科手術後の鎮痛にも最

近では使用されていて,Tokuda ら

7)

は胃がん術後の症例を

TENS 群,プラセボ群,コントロール群に分類し,TENS 群

で有意に鎮痛,呼吸機能改善,咳嗽能力が改善したと報告して

いる。また,Bjordal ら

8)

は TENS によって術後鎮痛薬の使

用量が軽減したと報告している。幻肢痛に対する TENS の研

究は少ないが,非切断肢に TENS を実施し,多くの肯定的報

告がされている

9)

。最近では,帯状疱疹後の神経痛

10)

,一次

性月経困難症

11)

,人工中絶後の鎮痛

12)

,癌性疼痛などに対す

る鎮痛効果

13)

も報告されている。TENS の効果についての基

礎研究報告も大変多いが,なかでも TENS による内因性オピ

物理療法のグローバルスタンダードの理解と展開

庄 本 康 治

**

ランチョンセミナー

Appreciation and Development of Physical Agents: The Road to the Global Standard

**

畿央大学健康科学部理学療法学科

(〒 635‒0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中 4‒2‒2)

Koji Shomoto, PT, PhD: Department of Physical Therapy, Faculty of Health Science, Kio University

(2)

オイド放出,その他の鎮痛メカニズムに関する研究が多い

14)

脳脊髄液内の内因性オピオイドは実施する TENS の周波数に

依存して選択的に放出され,低周波と高周波数の TENS を別々

に実施するよりも,周波数変調して同時に実施するとより鎮痛

効果が高いとの報告もある

15‒18)

。また,10 Hz 以下の低周波

TENS では,中脳水道周囲灰白質,吻側延髄腹内側部,脊髄

を含む下行性鎮痛抑制経路が作用しているとの報告

19)20)

,脊

髄や吻側延髄腹内側部のミューオピオイド受容体をブロックす

ると低周波 TENS の鎮痛効果がなくなる,脊髄のガンマアミ

ノ酪酸(GABA)やセロトニン受容体,ムスカリン受容体を

ブロックすると低周波 TENS の効果がなくなるとの報告

20‒23)

もある。一方,100 Hz 以上の高周波 TENS では,炎症モデ

ル動物に高周波 TENS を実施すると,脊髄後角のグルタミン

酸やサブスタンス P の放出を削減させ,また,抑制性神経伝

達物質の GABA の放出を促進し,TENS による鎮痛作用は脊

髄の GABA 受容体をブロックすると減弱したと報告

21)

して

いる。ムスカリン受容体も脊髄レベルでの鎮痛に関連してい

て,脊髄のムスカリン受容体(M1,M3)をブロックすると高

周波 TENS の鎮痛作用が妨げられたとしている

22)

。さらに,

TENS によって疼痛伝達の長期抑制(long term depression:

LTD)が作用

24)

,TENS 刺激強度が強いほど長期増強(long

term potentiation: LTP)が作用し持ち越し効果が強い,また,

TENS の刺激強度を変調すると TENS の耐性が起こりにくい

と報告されている

14)

。肩インピンジメント症候群の症例を

TENS 群と sham TENS 群とに無作為に割りつけた研究では,

TENS 群で有意に鎮痛し,TENS 実施側と反対側の第一次感覚

野,両側尾側前帯状回,同側補足運動野の痛みに特異的な活動

が有意に減少したが sham 群では変化がなかったと報告してい

25)

3. 神 経 筋 電 気 刺 激(Neuromuscular Electrical Stimulation:

NMES)による筋力増強

 NMES には骨格筋を収縮させる電気刺激,すなわち運動レ

ベル NMES と骨格筋を収縮させずに感覚刺激のみを提供する

電気刺激,すなわち,感覚レベル NMES に分類できる。

 疾患にかかわらず筋力増強を必要としている症例は多数存在

していて,随意的筋力増強が望ましいのはいうまでもないが,

これらが不可能,もしくは困難な症例が多く存在し,この場合

に運動レベル NMES による筋力増強が有効になる。慢性心不

全症例に対する運動レベル NMES は欧米ではよく実施されて

いて,筋力増強効果,6 分間歩行距離の増大などが報告

26)

れていて,さらに循環動態に大きな影響がないこと

27)

,筋の

炎症なども引き起こさないことが報告されている

28)

。慢性閉

塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: COPD)

症例にも実施している研究が欧米では多いが,心不全同様,下

肢筋力増強,タイプⅡ線維の肥大,呼吸困難感減少,歩行距

離の増大などが報告されている

26)29)

。さらに,Dobsak ら

30)

は,32 人の血液透析患者に対して,透析中に大腿四頭筋に運

動レベル NMES を実施する群,自転車エルゴメーター実施群,

コントロール群に割りあて,その効果を研究している。エルゴ

メーター群では筋力,6 分間歩行,仕事量が有意に改善し,運

動レベル NMES 群でも筋力,6 分間歩行が有意に改善し,また,

両介入群で精神機能の改善,尿素のクリアランスが改善したと

報告している。さらに,尿素クリアランスの改善は,筋収縮に

よって血流量が増加したことによるもの,また,血漿からの尿

毒素物質の除去が増加したことによるものと考察している。本

邦でも透析症例が増加していくことは間違いなく,筋力低下を

合併している症例は多いことが予測される。いずれにしても,

これらの内部障害では心理的側面を考えても,運動の定着が困

難と予測され,運動レベル NMES による筋力増強が期待され

る。当然ながら,運動レベル NMES による筋力増強は家庭や

病棟でのホームエクササイズとしても実施可能である。

 整形外科術後の運動レベル NMES もすでに多く実施され

ているが,ACL 損傷後の運動レベル NMES に関するシステ

マティックレビュー

31)32)

では,術後 1 週間以内に運動レベ

ル NMES を開始することが大腿四頭筋筋力の回復に重要であ

るとしていて,運動療法単独よりも運動レベル NMES を補完

的に実施すべきであるとしている。また,近年では人工膝関

節置換術(Total knee arthroplasty: TKA)後にも運動レベル

NMES を実施している報告が多い。コクランシステマティッ

クレビュー

33)

では,運動レベル NMES が効果的であると結

論づけられないが,運動療法単独群よりも運動療法に運動レベ

ル NMES を付加する方が,6 週前後で捉えると大腿四頭筋活

動が良好であると報告している。また,TKA 症例を通常の理

学療法群と通常の理学療法に運動レベル NMES を実施した群

に割りあてた RCT で,術後 3.5 週後では運動レベル NMES 群

が大腿四頭筋,ハムストリングスの筋力とパフォーマンスレベ

ルが有意に改善していて,効果量は減少するが,52 週後でも

一定の効果が認められたと報告している研究もある

34)

。さら

に,随意的筋力増強運動でも報告されているが,運動レベル

NMES による筋力増強運動では,電気刺激していない反対側

の同名筋(手関節背屈・掌屈筋,大腿四頭筋,前脛骨筋)での

筋力増強効果が認められるとの報告もある

26)

。メカニズムに

ついては不明であるが,皮質間抑制といった半球間のバランス

の変化が関係していると考えられている。

4.NMES による神経筋再教育について

 骨格筋を収縮させないような感覚レベル NMES を特に中枢

神経疾患に対して実施する,基礎・臨床研究が近年多く実施

されている。特に,脳卒中症例の上肢に対して,感覚レベル

NMES を 1 ∼ 2 時間程度実施すると,結果的に運動麻痺レベ

ルが改善する報告が多い

35)

(表 1)。Teasell ら

36)

のシステマ

ティックレビューでも,somatosensory stimulation は手の機

能を回復させ,レベル 1 のエビデンスであると報告している。

本邦でも Ikuno ら

37)

が,脳卒中後片麻痺症例の上肢運動麻痺

に対して感覚レベル NMES と課題特異的練習を組み合わせ,

良好な運動麻痺の回復を報告しているが,現段階での適応は比

較的運動麻痺の軽度な症例に限定されると考える。

 また,従来の NMES に EMG バイオフィードバックを付加

した治療(EMG triggered neuromuscular stimulation: ETMS)

が近年開発され,脳卒中後片麻痺症例の手関節背屈筋に実施さ

(3)

指伸展筋に対する ETMS 後(30 分× 2 回 / 日,5 日 / 週,10

週間),機能的磁気共鳴画像(fMRI)にて大脳皮質の両側性の

活動が減少し,損傷部位感覚運動皮質に限局化したと報告して

いる。Bolton ら

40)

は,ETMS が上肢の運動麻痺や粗大動作を

改善させ,中等度の上肢運動麻痺に対して効果的であると報告

している。de Kroon ら

41)

は ETMS の方が NMES よりも肯定

的な報告が多く治療効果が高い可能性があると報告している一

方,Meilink ら

42)

は厳選した RCT のみをレビューすると,手

関節背屈筋の等尺性収縮保持や筋反応時間,上肢運動麻痺など

について,標準的リハビリテーションと比べて治療効果に有意

差はなかったと報告している。いずれも,ほとんどが慢性期症

例に対して実施していて,急性期,亜急性期での治療効果は不

明確である。ETMS を使用することで運動の反復回数を増大

させることが可能であり,Page ら

43)

は,Constraint induced

movement therapy と実施しその効果を報告している。本邦で

は,Kojima ら

44)

が ETMS と鏡治療を同時に実施し,小サン

プルではあるが比較的重度な運動麻痺の改善が認められたと

報告している。また,麻痺筋からの EMG を検出し,それに比

例した電気刺激を同一筋に与える Integrated volitional control

electrical stimulation(IVES)という治療機器,方法も実施さ

れているが,オンオフ時間がないため,運動療法との併用がし

やすく,上下肢の様々な随意的運動療法と組み合わせた報告が

されている

45)

5.痙性に対する NMES について

 脳卒中ガイドライン 2009

46)

では,痙縮に対する NMES は推

奨レベル(グレード B)となっている。脊髄損傷,多発性硬化

症症例の痙性に対する NMES の研究は比較的多く,表 2,3 の

通りである

47)

。痙縮は神経学的要因のみならず,筋腱の粘弾

性,疾患の相違などによる違いがあるが,もっとも効果的と考

著者

デザイン

n

介入

刺激パラメータ

結果

Conforto et al. (2002) ランダム化ク ロスオーバー デザイン 8 【グループ分け】 正中神経刺激 vs Sham 刺激 【プロトコル】 1 セッション 2 時間の PNS の介入前 後で比較(即時効果) 波形:単相矩形波 パルス幅:1 ms 周波数:10 Hz Duty cycle:1 bps 強度:感覚閾値上 時間:2 時間 正中神経刺激群で握力の改善率↑ Wu et al. (2006) ランダム化ク ロスオーバー デザイン 9 【グループ分け】 麻痺側上肢(正中・尺骨・橈骨神経) 刺激 vs 刺激なし vs 麻痺側下肢刺激 【プロトコル】 1 セッション 2 時間の PNS の介入前 後で比較(即時効果) 波形:単相矩形波 パルス幅:1 ms 周波数:10 Hz Duty cycle:1 bps 強度:感覚閾値上 時間:2 時間 麻痺側上肢刺激群のみ Jebsen Taylar Hand Function Test ↑

Conforto et al. (2007) 準ランダム化 カウンターバ ランスクロス オーバーデザ イン 11 【グループ分け】 正中神経感覚閾値上刺激 vs 正中神経 感覚閾値下刺激 【プロトコル】 両群とも 1 セッション 2 時間の PNS 後に Jebsen Taylar Hand Function Test の練習を実施(即時効果) 波形:単相矩形波 パルス幅:1 ms 周波数:10 Hz Duty cycle:1 bps 強度:感覚閾値上 or 感覚閾値下 時間:2 時間 感覚閾値上刺激群が PNS 前後で Jebsen Taylar Hand Function Test が改善 感覚閾値上刺激群のみ 30 日前後の Jebsen Taylar Hand Function Test 改善 度が維持 Celnik et al. (2007) ランダム化ク ロスオーバー デザイン 9 【グループ分け】 正中・尺骨神経同時刺激 vs 正中・尺 骨神経非同調刺激 vs 刺激なし 【プロトコル】 1 セッション 2 時間の PNS 後に Jebsen Taylar Hand Function Test の練習を実施し,直後および 24 時間 後に評価 波形:単相矩形波 パルス幅:1 ms 周波数:10 Hz Duty cycle:1 bps 強度:感覚閾値上 時間:2 時間 正中・尺骨神経同時刺激のみ PNS 前後 および介入 24 時間後の Jebsen Taylar Hand Function Test が改善,短間隔皮質 内抑制(SICI)が減少 Klaiput et al. (2009) ランダム化ク ロスオーバー デザイン 20 【グループ分け】 正中・尺骨神経刺激 vs Sham 刺激 【プロトコル】 1 セッション 2 時間の PNS の介入前 後で比較(即時効果) 波形:単相矩形波 パルス幅:1 ms 周波数:10 Hz Duty cycle:1 bps 強度:感覚閾値上 時間:2 時間 正中・尺骨神経刺激のみ側腹つまみ,指 尖つまみが改善,Action Reserch Arm Test は有意差なし Koesler et al. (2009) 準ランダム化 カウンターバ ランスクロス オーバーデザ イン 12 【グループ分け】 正中神経刺激 vs 刺激なし 【プロトコル】 1 セッション 2 時間の PNS の介入前 後で比較(即時効果) 波形:単相矩形波 パルス幅:1 ms 周波数:10 Hz Duty cycle:1 bps 強度:感覚閾値上 時間:2 時間 神経刺激群のみ示指および手タッピング 頻度が増大,麻痺肢のリーチ動作速度改 善 Conforto et al. (2010) ランダム化ク ロスオーバー デザイン 22 【グループ分け】 感覚閾値下刺激 vs 感覚閾値上刺激 【プロトコル】 両群とも 1 セッション 2 時間の PNS 後に 20 分の課題指向型練習を 12 セッ ション(3 回/週,計 4 週)実施 本治療に加えて標準的理学療法(柔軟 性増大,筋力増強,バランス練習,歩 行練習)を実施 波形:単相矩形波 パルス幅:1 ms 周波数:10 Hz Duty cycle:1 bps 強度:感覚閾値上 or 感覚閾値下 時間:2 時間

両群とも Jebsen Taylar Hand Function Test が改善,1 ヵ月後は感覚閾値下刺激 群の方が有意に改善(交互作用あり)

(4)

えられている刺激波形は二相性パルス波,重強度は感覚レベル,

治療時間は 20 分以上,パルス幅は 250 ∼ 1,000

µ

sec,周波数は

100 Hz 前後と考えているが,さらなる研究が必要である

47)

6. 脳卒中後弛緩性片麻痺を呈する症例の肩関節亜脱臼予防の

ための NMES

 脳卒中片麻痺後の肩関節亜脱臼は報告にもよるが,80%程

度の症例で見られるとの報告もある

48)

。発症早期からの座位

運動開始時に亜脱臼が発生するのを臨床的に観察しているが,

様々な組織が持続的に伸張され,疼痛,機能回復の阻害因子に

なることが予測される。亜脱臼を予防可能な強度で三角巾を使

用すると,頸部に強い圧迫感が発生し,10 分程度しか装着で

きないのが一般的であり,スリングもその効果ははっきりして

いない

48)

。運動レベル NMES を棘上筋と三角筋後部線維に実

施すると,図 1 のように上腕骨頭を上方に引き上げる力が発生

し,亜脱臼が整復される。Lin ら

49)

は 46 名の脳卒中症例をラ

ンダムに NMES 群とコントロール群(通常の PT,OT)に割

りあて,上肢機能を評価している。NMES は 1 日 30 分,週 5 回,

3 週間,棘上筋と三角筋,前腕背屈筋群に実施し,強度は肩関

節外転 30 から 50°,完全背屈位になるようにできる限り強度

をあげ,5 秒オン,5 秒オフで 180 回実施し,患者は運動に集

中して随意運動と NMES を同期して実施している。結果的に,

痙縮の増大もなく,治療後,フォローアップとも NEMS 群が

有意に機能改善したと報告している。Hsu ら

50)

は,急性期の

重度脳卒中症例を対象に,NMES 治療時間による効果の差異

を研究している。66 名の脳卒中症例をコントロール群,30 分

NEMS 群,60 分 NMES 群の 3 群をランダムに分け,NMES は

肩関節亜脱臼がある場合,棘上筋と三角筋後部線維に実施し,

手指屈曲がわずかに見られる,あるいは中等度の痙縮がある場

合,橈側手根伸筋と総指伸筋に実施,手指が完全麻痺の場合,

橈側手根伸筋と総指伸筋,手指屈筋群を交互に刺激している。

Fugl Meyer motor assessment scale では NMES 群は 30 分で

も 60 分でもコントロール群より有意に改善したと報告してい

る。これらの最近の研究からもあきらかであるが,棘上筋と三

角筋への運動レベル NMES のみを実施しても,亜脱臼予防に

は効果が少なく,スリング,三角巾,テーピング,その他の運

表 2 脊髄損傷症例の痙性に対する電気療法の効果(文献 47)p. 124 より引用)

著者(年代) 対象者数

周波数 / パルス幅

電極設置部位

治療時間

強度

評価項目

結果

Bajd et al. (1985) 6 100 Hz/300 µsec デルマトーム の L3/L4 領域 20 分 筋収縮がない 程度 Pendulum Test 6 名中 3 名に痙縮 の有意な改善 Han et al. (1994) 32 100 Hz と 2 Hz/300 µsec 上下肢の経穴 30 分(単一)+2 回 / 日× 3 ヵ月 許容可能な最 大強度 Ashworth scale, クローヌス 100 Hz において有 意に Ashworth の 改善(10 分∼ 18 時間) Goulet et al. (1996) 14 99 Hz/250 µsec 腓腹神経 30 分 感覚閾値 Ashworth,ク ローヌス,アキ レス腱反射 GSS, H 反射 Ashworth,アキレ ス腱反射,GSS の 有意な改善 Gregoric (1998) 20 100 Hz/200 µsec c- プラセボ 腓腹神経 30 分 運動閾値以下 屈曲反射 反射の持続的減弱 Salm et al. (2006) 10 i・ii:30 Hz/300 µsec iii:30 Hz/100 µsec i:前脛骨筋, ii:下腿三頭筋, iii:デルマトー ムの S1 領域 45 分 i,ii:運動閾値 の 300%, iii:運動閾値の 80% MAS,H/M 比, ヒラメ筋をスト レッチした際の 筋電図反応 ii で MAS の有意 な改善,i で筋電図 反応の有意な低下 Ping et al. (2010) 18 100 Hz/250 µsec c- プラセボ 聡腓骨神経 60 分 15 mA CSS,ATJ,足 関節背屈 ROM, クローヌス CSS,ROM,ク ローヌスの有意な 改善

GSS: Global Spasticity Scale, MAS: Modifi ed Ashworth Scale, CSS: Composite Spasticity Score, ATJ: Achilles Tendon Jerk

表 3 多発性硬化症の痙性に対する電気療法の効果(文献 47)p. 125 より引用)

著者(年代) 対象者数

周波数 / パルス幅

電極設置部位

治療時間

強度

評価項目

結果

Walker et al. (1982) 9 20 Hz 橈骨・正中・ 伏在神経 60 分(2 回 / 日 × 7 日 200 µA クローヌス 足クローヌスが 3 時間減弱 Frederiksen et al. (1986) 49 50 Hz/250 µsec 下位頸椎 / 上位胸椎部分の 皮膚 24 時間(2 週間) 最大の感覚閾 値 / 運動閾値 以下 痙縮,尿意,疼痛 の主観的報告 3 つの徴候すべて に改善 Maattison et al. (1993) 8 ‒ 痙縮筋 8 ∼ 10 時間 / 日× 2 週間 感覚閾値以上, 運動閾値以下 疼痛,スパズム, 睡眠の主観的報告 いずれの項目も改 善 Armutlu et al. (2003) 10 100 Hz/300 µsec 足関節底屈筋 のデルマトー ム 20 分 / 日× 4 週間 適切なレベル MSA,筋電 図,Ambulation Index MAS,筋電図の 有意な改善 Miller et al. (2006) 32 100 Hz/125 µsec デルマトーム 60 分 / 日また は 8 時間 / 日 を 2 週間 感覚閾値以上, 運動閾値以下 GSS,PSS,VAS (疼痛,スパズム) 8 時間治療後に VAS,PSS の有 意な改善,60 分 よりも 8 時間にお いて GSS が低下 GSS: Global Spasticity Scale, MAS: Modifi ed Ashworth Scale, PSS: Penn Spasm Scale, VAS: Visual Analogue Acale

(5)

動療法をどのように組み合わせていくのかが重要である。

7.Galvanic Vestibular Stimulation について

 両側の乳様突起に 0.3 ∼ 1.0 mA 前後の弱い直流電流刺激を

実施すると,前額面状で陽極側に体が側屈するが,この刺激

を Galvanic Vestibular Stimulation(直流前庭刺激:GVS)と

呼んでいる。元々は前庭機能の検査目的で使用されていて,リ

ハビリテーション医学領域での使用は報告も少なく,グローバ

ルスタンダードではないが,様々な可能性をもっていると考え

ているので紹介したい。GVS によって,三半規管,耳石器が刺

激されると考えられているが,結果的に前庭脊髄反射,前庭動

眼反射などにも影響を与え,また,健常人での研究では左乳様

突起陰極 GVS では,右乳様突起陰極 GVS と比較して,両側性

に前庭皮質の興奮性を高めると報告されている

51)

。同様の刺

激方法に,耳の中に水を注入するカロリック刺激があるが,こ

の刺激では外側半規管しか刺激できていないと考えられてい

る。Rubens ら

52)

は 18 名の左半側空間無視(unilateral spatial

neglect: USN)にカロリック刺激を行い,左への冷水刺激また

は右への温水刺激によって前庭動眼反応が改善したと報告し,

皮質活動の改善による視覚定位,注意の改善が起こったのでは

ないかと考察している。また,Cappa ら

53)

は身体失認,病態

失認の双方がカロリック刺激で改善したと報告している。我々

は予備的研究レベルではあるが,この GVS を脳卒中後の半側

空間無視

54)

,pusher syndrome

55)

などに実施,報告している。

また,両側乳様突起間の刺激のみならず,乳様突起と隆椎外側

間に GVS を実施することで,矢状面状での姿勢に影響を与え

ることを報告したが,我々の研究では乳様突起,隆椎外側の電

極設置場所に関係なく,陰極側に被験者の体が傾く傾向があき

らかになった

56)

。さらに,Okada ら

57)

は,体幹が過度に屈

曲する Camptocormia を呈するパーキンソン病 1 症例に対して

GVS を実施し,体幹前屈角度が改善したと報告している。

物理療法のグローバルスタンダードへ

 物理療法の一部について,最近の臨床研究結果を中心に概説

したが,我々はシステマティックレビュー,メタアナリシス,

RCT の結果をできる限り把握し,症例に対して慎重に適応し

ていく姿勢をもつべきである。運動療法でも技術レベルが問題

となるが,物理療法に関してもそれは該当していて,十分なト

レーニング後に実施すべきである。

文  献

1) 庄本康治(編):物理療法の現状と問題点,最新物理療法の臨床適 応.文光堂,東京,2012,p. 5.

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図 1 NMES 中の亜脱臼整復と棘上筋の役割について

参照

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