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E.P.-hormoneと尋常性痤瘡の治療成績

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〔臨 床 実 験〕

(東京女医大誌第27巻第1号頁:49−53昭和32年1月)

E.P.一hormoneご尋常性痙瘡の治療成績

東京女子医科大学皮膚科学教室(主任中村敏郎教授)

タカ

(受付昭和31年12月7日)

緒 言 尋常性座繰は,日常多い皮膚疾患で,殊に青年 期の社会生活に於けるハンディキャップになるも のとして治療を求める数も頓に最近多くなってき ている。 しかるに治療方面の歩みは遅々として進まず実

際に当惑する二合も少くないのである。それゆ

え,我教室においてもこれが治療対策に,研究を :重ねているが,とりわけ根本となるホルモン療法 の一環として,今回は黄体ホルモンと卵胞ホルモ ンの混合治療について考えてみようと思う。 :文献的考察 尋常性座瘡の原因として内分泌的の要因が:重視され ていることはもちろん古くに湖るが,特に性腺機能と 密接な関係にあることは,Hamilton1)によって称えら れ座下発生におけるアンド・ゲンの意義を重視してい る。即ち,それは本症が, ① 性機能の活動が旺盛になる思春期に一致して現 われること,事実80%以上が16∼25才以上に発生する。 (2)eunuchs,去勢した男子では痙瘡をみとめがた い。 (3)このように性腺機能が低下している男子,また は健康:女子にアンドロゲンを投与すると,座州が発生 するが投与を申止すると共にこれらは再び消失する事 実をみとめている。 同時に中村,大塚10)もアンドロゲンの劣性に起る女 子陰毛不完全症には錯塩の発生しないことを強調して

いる。叉Wile Snow&Bradburg2), Lawrence& Werthessen5)は体内で分泌されるアンド・リゲンと エスト・ゲンの比の変動の方を重要視しているQ Wile等は,この比を正常男子8.9,正常婦人2.7で あるに対して,痙瘡患者は男子17.8,女子47で何れも 上昇をみとめている。 Lawrence&Werthessenは女子について健康者と 寂滅患者各8例について尿中に排溝されるアンドロゲ ンとエストnゲン比を, ra・…一 i。、t,鋸器va,。n,として表現・て顯 女子では平均2.46,痙瘡では6.67であった。 叉川岸,小堀等もアンドPゲンは勿論エスト・ゲン も増加していることを認めている。このようにアンド nゲンの相対的,時には絶対的増加が認められること が痙瘡の場合の特長で,アンドロゲンのacnegenic の作用を抑制するエスト・ゲンの不足が町回発生の原 因であるとみられる。以上の所見にもとづき負目エス ト・ゲン療法が広く用いられ,その効果についても

Lawrence & Werthessen, Goeckermam, Way &

Andrews, Bernburg & Rein, Peck Barber. lngram,

Mitchell−Heggs, Cornbleet&Bames等によつて, また本邦に於ても報告されている。が他方エスト・ゲ

ン投与のみによる効果を疑問視している学者もあり

(Cohen, Cermsbg&Montogomery, Sutton等),ま

た男子に対する効果に比べて,女子に於てはその効果 が劣ることが強調されている。 われわれもまた痙瘡に対するエスト・ゲン療法の効 果は一応認めるにしても全面的にこれのみに頼ること は出来ないと考えている。 一方Stephen Rothman5)によれば皮脂腺の発達は, 睾丸ホルモンの生産に関係しているQ 女子のアンドロゲンは副腎皮質に由来し,尿中17ヶ bステ両ド群多量は思春期になり座瘡が発生する頃 に一致して増加してくる。

Chieko TAKAGI (Dept. of Dermatology, Tokyo Women’s Medical College) : E.P. (Estrogen−proges− teron) hormone and the treatment of Acne vulgaris ’with it, .’...

(2)

しかし,他方eunuchs去勢した男子においても副 腎皮質からのアンド・ゲンは分泌されているにも係わ らず,これらに座瘡の発生をみないのは,一応問題に されているがFirsゼやGa11aghen等によりアンドロゲ ンの両性聞における量的の相違に関連して上記の如く 違った所見を招来するものと推定している。 その他女性においては性週期に伴う=tスト・ゲン巌 の著しい変動はみとめられるが17ケトステ戸■ド排泄 量の変動も少く,また副腎皮質機能の動揺も著しくな い。Gallagher et al.は女性では性週期に伴うエスト ロゲン撲泄量の変動は著しいが,男女共アンドロゲン 蚤にはこれをみとめ難いとしており,従って女性にお いてはアンド・ゲンとエスト・ゲンの比には可成りの 変動がみとめられるわけである。従って女性において は,全ての場合にエス1・ロゲン投与のみで全治せしめ ることが出来るとは考えられないし,このことは性週 期にともなう座興の症状の変動がみられることからも 推測されるわけである。 以上述べた様に女性にありては座骨と月経週期との 間には密接な関係がみとめられるが,事実臨床的に月 経直前,多くは2∼3日前,時には一週間前から,ま たある場合には排卵期に一致して増悪がみられること が報告せられている。またわれわれもこれを認め,な お患者にはこれにともない月経異常がみとめられるも のが多い。一般に幽翠の月経前増悪と月経前症候群と は密接な関係がある。 Lawrence&Werthessenは女子三子患者14例全例 に月経障碍があり,そのうち7例に月経異常,8例に 月経寡少症,2例に月経痛がみとめられ,しかも13例 に座瘡の月経前増悪があったと云う。 Way&Andrewsは145例申10∼30%に月経障碍, 73%に月経前増悪をみとめ,小堀,佐藤,村山,川岸 もそれぞれ月経障碍の高率を報告している。 :叉Newman&Feldman6)も月経前増悪ii型95例盟 約40%に月経週期の不規則,月経寡少症,過多症,月 経痛,月経前緊張症などの月経時障碍を認めた。 叉われわれは月経についての記載が明らかなもの79 例中月経不順17例,月経痛6例,月経寡少症4例,月 経過多2例をみとめた。 他方月経前野悪27例中月経時異常との関係を賜べて みると,月経困難症4例,月経不順8例,月経寡少3 例を認めた。 このようlCPt症にみられる座瘡の月経前増悪と月経 前症候群とは,本症の主要な原因をなしている内分泌 異常と同一の結果発生した二つの症状とみることが出 来る。 以上の考えに基き本症の月経前増悪抑制の目的にプ mゲステ・ン療法が諸氏により試みられたまず。New・

man&Feldmanは専ら月経前期の座職増悪型に対

してプロゲステnン投与を試みた。 この月経前増悪が目立つ特殊な座臥の一型を,Adult premenstrual acneとして提唱し,この臨床的症状の 特色として三つを挙げている。 (1)20才以上の成年婦入及び月経閉止後に見られ る。 (2)眉間,両頬,殊に顔の側面,噸部に好発する。 〔3)面飽が少く,丘疹,小結節,嚢腫状の状態が面 出を伴わずに出来ることである。 この際プ・ゲステ・ンを月経開始前10日に10mg, 更に5H前に5mgに投与を原則とした。そしてそれ が有効であった時は次1回にはプロゲステロンバッカ ル10mgを10日間連続投与したが,注射のように一貫 した作用はみられず,注射に変えることが必要であっ た。 要するにプ・ゲステ・ンは患者の過半数に於ては, いわゆる成人の月経前期の座癒を抑制又は予防するこ とのできるのは事実である。又95例中12例プ・ゲステ Pンの治療を中止した後に,14ヵ月後に再び再発を 見,その中4例は一年後に再発を見た。又このうち5 例の妊娠婦人は自然に消退したが,分娩後2∼3ヵ月 目に再び再発した。これは妊娠の閥にプロゲステ・ン の血中濃度が最高に達したということがみとめられ る。 又一方月経開始前に発生する丘疹,小結節,嚢腫状 の状態となる尋常性痙瘡は健常ならばプ・ゲステ・ソ の血中濃度が最高になった時に一致するにも拘わらず 発生するのは,やはり黄体ホルモンの欠乏するという ことが仮定できるものであって,プ・ゲステ・ンを投 与することによって治療するといっている。 しかしプ・ゲステ・ンには一一maの尋常性戸外を抑翻 するという効=果もみられなかったし,又月経前期に生 ずる面飽型の尋常馬具においても効果を見出すことが 出来なかった。 要するにプ・ゲステPンは綿入の月経前増悪の型の 特殊な痙瘡に対してのみ有効であったといっているの である。又Jonson7)も最近9例}こプロゲステロンを 用いて良い結果を得ている。 一方Lane8)は痙擾が増悪する時はエスト・ゲン分 泌が減少しており,この時期にプ・ゲステmンを投与 するのが合理的であるとした。Kalzは無緋卵性で月 経前増悪をみる重症の痙瘡11例にプロゲステPン5単 位宛3日置きた2∼3回注射して月経前増悪を予防す るということが出来たが大量投与では,かえって増悪 した。

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またRothma11はプロゲステPンの皮脂腺刺戟作用 をもつて月経前増悪の痙瘡を説明したが,Sulzberger はこの作用をもつて月経前増悪が黄体期に一致する事 実を説明しようとした。 しかし Cornbleetはこの増 悪は月経前2∼3日目からみられることが多いことか ら,この時期においては,むしろプmゲステ・ンは減 少していることを指適して,これはプロゲステPンに よる皮脂腺刺戟作用とは別の発生機序によるものとし た。月経前増悪は,月経2∼3日前に始まるものが多 いが,この時期においてはエストロゲン分泌は急激に 減少する時期に一’致している。

以上のことから Newman and Feldrr・ ianはプロゲ

ステPンが先んずべきか又はエスト・ゲンに附随する かは,直接の原因を決定することは困難であり,いわ ゆるプmゲステPンの有効な作用は,黄体期にその欠 乏を補うという意味において響くのではなく,全く違 った機序:によるということは考えられるのであると述 べている。 なお,異った見地から,このことは月経前増悪の丘 疹,結節状,嚢腫状の型の痙瘡は水分と塩類の保持に 関係あるといっている。 水分と塩類貯溜はプ・ゲステPンと=スト・ゲン及 び他のステP■ドホルモンが関係あることは以前から よく知られている。

Way&Andrewsはこの水分及び塩類の貯溜は月

経の近くに見られる尋常性座瘡の意義及び重要な原因 的な因子であると述べている。 この水分蓄積については,内分泌失調説,月経毒 説,自律神経失調説,アレルギー説,全身小鋤脈痙攣 説などいろいろあるが,今日なお一一そう一致した見解 を孕ることは困難であるが,おそらく月経週期にとも ない,内分泌機能の変化,ことにエスト・ゲンとプ・ ゲステPンとの平衡の異常が重大な役割を演んじてい るものと考えられている。 これに対し安田9,は四四の月経前増悪は月経前症候 群と類似の発生磯転によるものと考え,これに対する プロゲステ・ンの効果をみとめており,この効果はプ ロゲステロンが皮膚水分量を減少せしめるためと考え られると述べている。

臨床実験

赤泊に対するエストロゲンとプロゲステロンの

協調の作用については:Newmam&Feldmanが

成人のAdult premenstrual acneの論文中にプ

ロゲステロンが月経前増悪の座瘡に対して抑制的 な作用をもつていることからプロゲステロンとエ ストTIIゲンの併用が一般座瘡の治療に有利ではな かろうかと希望的な観測を述べて,それには性週 期前半においてエストロゲンを,後半にありては プnゲステロンの投薬を行うが,Nl黄体期に一i致

してプロゲステUンとエストmゲンの併用するこ

とは治療上良い結果を得るのではないかと述べて いる。 〔E.P. hormoneの使用法〕 そこで,私もこの説に賛成し,婦入国領域でよ く使用せられるEP. hormoneを用いて実際にそ の成績をみて1みた。E.P. hormoneは1cc申プロ

ゲステロン10mg,エストラジオールベンゾエー

ト1mg含有で,その用法は月経開始10日前より

大体黄体期に一致してE.P. hormoneの注射を

1∼2日置きに筋肉内注射をした。このうち通院

不能のものには,E.P。 hormone錠を2論ずつ連 日投与し,月経開始2日前迄繰返した。 〔実験症例〕 使用症例79例中経過を明らかに観察出来たのは 45例でその中著効を示したのは14例,有効24例, 無効7例であった。’ 投与方法としては,注射61例,内服27例で,そ

のうち著効を示したものは,注射11例,内服3

例,有効24例中注射16例,内服8例,無効のもの

7例中注射6例,内服1例であった。

〔著効症例〕 著効のあった症例数例を挙げてみる。

症例1 MY.28 ♀ 未婚女性

月経は規則正しいが寡少,痘瘡は月経開始前7

日目に増悪する。発疹は発赤の強い比較的大きい

3∼5mm程度の丘疹で,次第に膿庖を形成する。

その部位は両頬より頸部にかけて多く見られた。 今迄にSolarson, Estropan, V.C VB 2の注射を うけたが一一向に良くならなかったとのことであ る。 来院時は月経終了後2週間だつたのでE.pL ho− rmoneの注射を行い,4日後に再びE.P. hormone の注射を行った。その時よりいくらか発疹が化膿 しなくなったとのことで,更に1臼置きにE.P.

hormoneを4回注射した。この時月経増悪は見

られず,むしろ経過は良好であった。月経終了後

1日置きにエストロゲンの注射を行い,予定月経

前10日前迄行う。次に同様にE.P. hormoneの注

射を1日置きに繰返したがこの間発生する丘疹は

2∼3個で化膿傾向は殆んど認め. 轤黷ネかった。

一51一

(4)

症例2 K.H.24 ♀ 未婚女性

月経も規則正しく月経前増悪も見られない。発 疹はやはり潮紅が強くて硬い丘疹ではあるが無痛 性で殊に一部のみに認められた。やはり月経開始

10日前にE.P. hormone 10mgを2日置きに4回

注射した。大体2回目の注射から癸疹は1∼2個

薪生するが全体として良好で更に2回繰返した。 その闇発疹の新生,隔心化の傾向も見られず,発 疹の痕跡も比較的早く消退した様に思えた。月経 終了後はエストロゲンに変えたが,経過はすこぶ る良好である。

症例3 N.M.24 ♀ 未婚女性

月経は規則正しく叉月経前増悪は患者自身気が つかなかった様である。癸疹は膿萢を形成する傾 向が強く,来院当時葡萄状菌トキソイド及びエス トロゲンの注射を1日置きに行い,その間赤外線

照射,抗生物質の外用を行い,軽快しつSきたの

であるが,月経前7日前に膿萢が2∼3新生した

のでE.P. hormoneの注射を2回行い月経終了後

エストPゲンを1日置きに注射しましたがその間

発疹は殆んどみとめられず,化膿傾向も少くなり 薯効を呈した。

症例4 S.K.27 ♀ 未婚女性

月経は規則正しく,発疹との関係は月経が開始 するときれいになるという。発疹の型は比較的潮 紅のある小さい丘疹で顔の大掴分に認められるが 殊に願の側面,下部に多く通常痛みを伴わない。

E.P. hormoneの注封を2回,2日置きに繰返し

たが2回のみで発疹の新生もそれほど認められ

ず,経過良好である。

症例5 0.H.22 9 未婚女性

月経は不規則,寡少症で50日以上の闇隔があ

る。月経前に増悪し,発疹は膿癒型のものが殆ん ど,殊に両頬,頃部に多く見られる。 最:初卵胞ホルモン(1万単位)の注射を7回続け

その後EP. hormoneの注射を毎日1回づっ7回

続けた。赤外線照射療法,抗生物質の外用を併用 した。 注身寸後2日目をこ月経を, 更1こユ0日目}こ前回 より少:量であるが月経を見たのでE.P. hormone を中止し,その間肝臓製剤を注射した。この間膿

萢は殆んど消失し,丘疹の新生も見られなかっ

た。2ヵ月後に再来,月経前10日前にE・P・hor−

moneの注射を2日置きに3回行う。その後患者

は通院しなかったヵ渥カ月後に再来,その聞殆ん ど再発しなかったが,月経前になると多少癸生す るが,その程度は治療前に較べ著しく減少してき たとのことである。叉月経も規則正しくなってき たとのことである。

考 按

全症例を通じて観察してみると,特に著効を示

したと思われるものは,月経開始2∼3日前から

1週聞前にかけて,座瘡の増悪を来すもの及び月

経開始2∼3日目は座面の減少を来すが月経終了

後再発するものである。 また,その発疹型は,最初が強く,やや硬いが あまり疹痛を伴わないもの,大きさは比較的大き

く直径3mm∼5mm前後のものでやがて膿萢を

形成する傾向の強いものである。好発部位は両

前,頭部及びその側面である。発疹のうちでも面 三型のものは,それほど効果がみられない様であ る。 また,年令的著効のあったものはやはり20才か ら35才の成年女性である。

そのうち月経前増悪型は月経開始2∼3日前か

ら1週間前にかけて現われるものが多く,45例中 27例に認められた。 又月経終了直後比較的良好となるものは,45例 中25例に認められた。 月経前増悪27例中月経不順のものは,そのうち

の8例に認められたが,必ずしも月経障碍を有す

るとは限らない様である。 叉必ずしも月経前増悪を示さない者でも,比較 的発疹の型が化膿し易い型である扇合には,効果 がある様である。

1回の注射で効果の現われる者は,膿萢化の傾

向が少くなり,患者自身からも軽快した様だと訴 えるのが常である。 又月経前に本症の増悪する程度も減少し,月経 前緊張症の程度も使用前に較べて軽快することを 訴えている。 しかし次の性週期にE.P. hormoneの治療を中 止するとやはり月経開始前に増悪を認める油鼠が あるが,その程度は治療前よりいくらか軽度であ る様に思われた。 又月経不規則で,かつ稀少月経のものには,そ の間隔を短縮してきた例もある。 しかし座瘡の基調となる皮脂の分泌過多に対し ては,多くの例に於て抑制的な働きは見られなか

(5)

つた様に思われたが,有効24例中3例に脂漏の著

しかった者に対しては明らかに,その皮脂の分泌 の抑制を認めた。 これは,E。P. hormoneの中に含まれるエスト ロゲンが多少なりとも皮脂の分泌に抑制的に作用 し.たかの如く思われる。 この実験を通じて私は,座瘡の治療に対して性 週期の前半にありてはエストロゲンを,後半にお いてはE.P. hormoneを使用することが良いよう に思う。

この際,副作用として認められた8とは,45例

中4例に僅か性週期の閥隔の短縮と,出血量の減

少とであった。 自覚的には疹痛を訴えたり,気分を悪くしたり する者もみとめなかった。

7例においては,性週期の間隔の延長及び2例

に出血.量の増加をみとめた。 また局所への副作用としては,至聖発疹の増悪 その他の副作用はみとめられなかった。

E.R hormoneの奏効理由としては尋常性座瘡

の内分泌的な原因の排除にあることは云うまでも ないが,エストロゲン及びプロゲステロン単独使 用より併用療法に意味があるのである。

結 論

尋常性痙瘡の治療に対してはじめてE.P. hor−

moneを使っての経験から次のことを結論し,尋

常性早舞の新しい療法を提唱する。 (!)E.P. hormoneは尋常即座瘡のすべての型 に使用し得るが,とりわけ比較的発赤の強い丘疹 で膿.癒化の傾向が強いものにょいのである。 (2)月経終了後10日間はエストロゲンを隔日に 注射する。

㈲ 月経開始10日前よりEP. hormoneの注

射を1∼2日置きに行い,月経開始2日前で止め

る。 (4)E.P.錠を使用する揚合月経開始10日前より

1∼2錠を月経開始2日前迄毎日叉は隔日に服用

.させる。

㈲ 1∼2回の注射で効果の現われるものは著

効を呈する様である。 C6}肝臓製剤,ビタミン剤を併用すると一.一一そう 効果を高める様である。

里要賞献

1) ffamilton, 」.?,“.:J. Chin. Endocrinol. 1, 570

(1941)

2) W’ile, W.」., Snow, 」.S. and Bradber&s, J.G. :

Arch, of Derm. 39, 2eO (1939)

3) Lawrence, C.H., Lfl iid Werthessen, .Xi.T. : Encfocrinology. 27, 755 (1/940)

4) Way, S.C. and Amdrews, G.C.;Arch. of Derm. 61, 675 (1950)

5) S. Pdiothman : Physiolegy an. d Biochemistry o/f the Skin.

6) Newman, B.A. and Feidman, F.F.:A.M.A.

Arch of Der肌69,359(1954)

7) Johnsom, O.R.:J. Maine M.A一. 42, 258(195Z) 8) Lane:Arch. of denm.. 39, 200 (1939)

9)安田,高野,藤辺:皮膚と泌尿,18,3号(昭31). 10)申村,大塚:皮膚と泌尿,17,5号(昭30)

参照

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