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3.斜面・のり面の適切な点検方法の手引きと

補修・補強工法選定資料

( 一 社 ) 建 設 コ ン サ ル タ ン ツ 協 会 近 畿 支 部

公 共 土 木 施 設 の 維 持 管 理 に 関 す る 研 究 委 員 会

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目 次

3.1 はじめに ... 1 3.2 斜面・のり面の維持管理の概要 ... 2 3.2.1 維持管理の重要性... 2 3.2.2 維持管理の現状と課題 ... 2 3.2.3 効果的な点検方法... 4 3.3 のり面の不安定化要因 ... 5 3.3.1 盛土のり面の不安定化要因 ... 6 3.3.2 切土のり面の不安定化要因 ... 6 3.4 のり面構造物の種類と特徴 ... 6 3.4.1 盛土のり面構造物の種類と特徴 ... 6 3.4.2 切土のり面構造物の種類と特徴 ... 7 3.5 点検のポイント ... 15 3.5.1 のり面点検の方針... 15 3.5.2 盛土のり面の点検ポイント ... 16 3.5.3 切土のり面の点検ポイント ... 23 3.6 法面簡易点検の提案 ... 26 3.6.1 法面簡易点検の方法 ... 26 3.6.2 点検データの記録... 33 3.6.3 評価方法の提案 ... 37 3.7 自然斜面の維持管理 ... 38 3.7.1 自然斜面の維持管理の現状 ... 38 3.7.2 自然斜面の不安定化要因,点検ポイント ... 39 3.7.3 ハザードマップ作成の提案 ... 45 3.8 詳細調査の方法 ... 49 3.8.1 詳細調査の目的と分類 ... 49 3.8.2 モニタリング ... 51 3.8.3 地盤特性を把握する調査 ... 53 3.8.4 構造物の劣化を把握する調査 ... 58 3.9 のり面構造物補修・補強工法選定資料 ... 59 3.9.1 総則 ... 60 3.9.2 用語の定義 ... 60 3.9.3 関連図書・参考文献 ... 61 3.9.4 補修・補強工法の選定資料について ... 61 3.9.5 補修・補強工法辞典 ... 65 3.10 道路法面維持管理のためのハンドブック(案) ... 159 3.11 あとがき... 170

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3.斜面・のり面の適切な点検方法の手引きと補修・補強工法選定資料

3.1はじめに わが国では,高度経済成長期に多くの公共土木施設が建設されてきた。しかし,人 口減少,少子高齢化,国や地方自治体の財政難などの状況下において,新規の土木施 設の建設をはじめとする公共投資は抑制され,近年は高齢化した既存ストックを長持 ちさせ,機能を保持していく維持管理の重要性が指摘されている。 土木建設分野において維持管理の対象となるインフラストラクチャーは,舗装,橋 梁,トンネル,擁壁,斜面・のり面などが挙げられる。このうち本章で取り扱う「斜 面・のり面」が他の構造物と異なるのは,主に自然を相手にしていることであり,不 均一性や場所的な地盤特性の違いにより,画一的な維持管理が難しいという特徴があ る。 道路のり面や斜面の維持管理は,現在,道路防災点検や道路管理者が定めた点検要 領等に従って行われているが,他の構造物と同様に,限られた予算や人員の中で,効 率よく適切な維持管理を行うことが,今後ますます重要になってくると考えられ,ラ イフサイクルコストを考慮して,対症療法型の維持管理から予防保全型への移行も考 えていく必要がある。また,近年多発する集中豪雨などでは,斜面・のり面の崩壊だ けでなく,これに伴い多くの人命も失われており,他構造物とは異なった観点からも 維持管理が重要であると言える。 維持管理は,点検に始まり,点検結果の評価~調査~設計~施工までの非常に幅の 広い分野であり,のり面 WG では以下の 2 つのテーマを設定し活動を行った。 テーマ 1 : 斜面・のり面の適切な点検方法の手引きの作成 テーマ 2 : のり面構造物の補修・補強工法選定資料の作成 まず,テーマ 1 では,点検,点検結果の評価そして調査のフェーズに着目した。点 検の方針・方法や点検結果の評価方法の検討にあたっては,(社)建設コンサルタンツ 協会近畿支部 斜面防災研究委員会(平成 16 年 4 月~平成 21 年 3 月)で提案されている 「法面簡易点検」を参考にし,のり面の不安定化要因,のり面構造物の特徴や適用性, 点検を行う際のポイントについて整理を行っている。なお,詳細調査を行わない点検 レベルでは,自然斜面の安定性や変状の経時変化を把握することは非常に難しいため, まずは維持管理の入り口として,比較的点検が容易と考えられる盛土のり面と切土の り面を主体に検討を行い,自然斜面については,不安定化要因や点検のポイントを網 羅し,ハザードマップの作製を提案している。 テーマ 2 は,設計フェーズに着目し,のり面構造物に発生した変状の発生形態や原 因に対し,採用可能な対策工法を大まかに分類・整理し,各工法の概要をとりまとめ た。また,詳細な補修・補強工法について,NETIS新技術情報提供システム㧕から抽 出し,各工法の概要,選定のポイント,概念図,実績等を整理して,補修・補強工法 辞典としてとりまとめた。 なお、ここでは、人工的な斜面は原則として「のり面」と表記するが、本章で提案

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する点検手法「法面簡易点検」は固有名称であるため「法面」を用いることにした。 また、参考文献からの引用箇所についても、当該文献で「法面」とされているものに 対しては、その文献の表記方法に従い「法面」としている。 3.2 斜面・のり面の維持管理の概要 3.2.1 維持管理の重要性 わが国は,国土全体の約 70%が山地や丘陵で占められているため,沿岸部に散在す る都市域を結ぶ主要道路をはじめ,道路は急峻な山地や丘陵を通って供用されている ことが多く,結果として斜面・のり面が広域かつ多数形成されている。 これら斜面・のり面の維持管理は,道路本来の機能や利用者ならびに近接地域の安 全を確保するために重要であり,維持管理を通して斜面・のり面の崩壊を出来る限り 防止し,仮に崩壊が発生した場合には被害を最小限に抑える必要がある。また,この ような防災・減災という観点だけでなく,近年の社会的な背景で制約された予算の中 で適切な維持管理を行い,ライフサイクルコストを考慮して,施設の長寿命化を図っ ていくことが今後ますます重要になってくると考えられる。 斜面・のり面は,橋梁等ではあまり問題にならない降雨が安定性を一気に低下させ る誘因となる。降雨(豪雨)は地震に比べて発生確率が高く,地盤の不確実性から,調 査・設計・施工の各段階では分からなかった不安定化要因が供用後に判明することも あり,維持管理は非常に重要と言える。図 3.2.1 は斜面安定度の経時変化を模式的に 表した図である。このように他の土木施設と同様,斜面・のり面も経年劣化し,安定 性は低下していくという認識を持つことが重要である。 斜 面 安定度 斜面や対策工劣化の影響 自然環境要因の影響 経過時間 (t) ← 低下 図 3.2.1 斜面安定度に関する経時変化の模式的表現 1) 3.2.2 維持管理の現状と課題 アメリカをはじめ諸外国では,土木建設分野の維持管理は民間に委託されているケ ースもあるが,わが国における斜面・のり面の維持管理は基本的に道路管理者である 国や地方自治体が行っており,多くは図 3.2.2 に示すようなフローで実施されている。 このフローによると維持管理は,まずは防災業務の計画検討を行うことになってい る。そして,この計画を基に防災点検を行い,防災点検結果を基にした防災カルテを 作成し,平常時の維持管理を行う方針である。これら維持管理のフローのうち,本章 で対象としている「点検」フェーズは,斜面やのり面の状況を把握するための基本的

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な作業とされ,その目的によって防災点検,日常点検,定期点検そして臨時点検の 4 種類に分類される。道路管理者によって多少の違いはあるものの,これら 4 種類の点 検によって斜面・のり面を維持管理していく方針である。以下に 4 種類の点検の概要 を整理しておく。 ○防災点検 維持管理を行う上での基礎となる点検で,危険箇所を抽出して防災カルテを作成し, 平常時の点検で着目すべき点等を整理する。また,地形・地質等の斜面状況や危険箇 所の状況把握,既設対策工の効果,災害履歴等も整理する。専門技術者が詳細に点検 するもので,民間コンサルタントに委託されることがほとんどである。 ○日常点検 主にパトロール車内からの目視で行うことを基本とする点検で,必要に応じて徒歩 により実施する。変状の早期発見を目的とした点検である。斜面・のり面の点検だけ でなく,道路の安全な交通を確保するために実施され,主に道路管理者が 2 日に 1 回 程度の頻度で行っている。 ○定期点検 防災カルテの更新や防災点検で発見された変状の進行状況の把握,新たな変状の発 見を目的に行われるもので,可能な限り近接して細部に渡り点検する。直轄国道では, 年 1~2 回の頻度で,民間コンサルタントに委託して行われている。 ○臨時点検 地震や降雨等の後に行い,これらのイベント発生による変状の進行状況や新たな変 状の早期発見を目的に実施される。 図 3.2.2 維持管理の一般的な流れ 2) 民間コンサルタントに委託

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平成8 年度の道路防災総点検以降,防災対策の進捗に伴って災害は大きく減少して いるが,平成 8 年度点検の対策不要箇所および点検対象外箇所も含め,依然として多 くの斜面・のり面災害が発生している。図 3.2.2 に示したように,防災工事や維持工 事の検討ならびに実施は,点検や詳細調査の結果から必要性が判断される。よって, まずは日常点検や定期点検そして詳細調査を行い,斜面・のり面の状態をできるだけ 正確に把握し,必要と判断される箇所には対策を行うことが重要である。先にも述べ たように,斜面・のり面の安定性は,いつまでも同じではなく経年劣化していく。従 って,適切な維持管理を行うためには,まずは現在の状態を把握するための日常点検 や定期点検が大切である。 以下に,平常時の点検における課題を列記する。 ・ 日常点検がパトロール車内からの目視点検を主体としているため,斜面やのり面 の状態を細かく把握することが難しい。変状の早期発見のためには,定期点検の ようなのり面に近接した点検を可能な限り頻度を上げて行うのが望ましい。 ・ 直轄国道以外の府県ならびに市町村が管理する斜面・のり面は,継続的な点検が 実施されているか不明である。仮に実施されていない場合は,予算等の問題もあ ると考えられ,効果的で効率的な点検手法や点検記録様式が必要と考えられる。 ・ 詳細調査や対策工設計あるいは対策工事を実施するかの判断は,予算や他の管理 施設を含めた優先順位の問題もあるため,対象箇所を個別で判断することはでき ないが,現在の斜面・のり面の状態を評価し,どう対応すべきかの評価方法の整 理が必要である。 3.2.3 効果的な点検方法 斜面・のり面の維持管理では,変状の早期発見,現れた変状の規模や進行状況を把 握することが重要である。これを踏まえ,(社)建設コンサルタンツ協会近畿支部 斜面 防災研究委員会(平成 16 年 4 月~平成 21 年 3 月)では,「法面簡易点検」を提案してい る。「法面簡易点検」は,日常点検と定期点検を補完する点検として,切土のり面を対 象に提案されたもので,本章では対象を盛土のり面にも広げ,効果的な維持管理方法 (点検手法)として提案する。 以下に,斜面防災研究委員会で提案されている法面簡易点検の特徴をまとめておく。 ・ 変状の早期発見と進行状況の把握を目的とし,日常点検と定期点検を補完する。 ・ 斜面やのり面の専門的知識を有する技術者が行う。 ・ 変状の発生や進行が把握しやすいのり面構造物を主体に点検する。 ・ 発見された変状に対して簡易計測を行う定量的な点検とする。計測データは,経 時変化が分かりやすいようにグラフ化する。 ・ 点検頻度は年間 4 回とする。 ・ 点検結果の評価は,なるべく計測データからの定量的な評価で行う。 ・ 効果的で効率的な点検ができるよう,のり面構造物毎に点検チェックリストを作 成する。

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3.3 のり面の不安定化要因 ここでは,盛土・切土ののり面の不安定化要因について整理する。 のり面の不安定化は,降雨や地震等の自然環境要因による外部からの作用によって 生じる場合と,風化や変質等に伴ってのり面自身が劣化することにより生じる場合に 大別出来る。ここでは,のり面安定に対する影響要因として,前者のようにのり面外 部に影響因子がある場合を「外的要因」,後者のようにのり面内部に影響因子がある場 合を「内的要因」と分類し,それらの影響因子について整理する。 3.3.1 盛土のり面の不安定化要因 外的要因としては,降雨や地震動などの自然環境によるもの,沢地形などの盛土設 置箇所の地形・地質によるもの,排水機能低下など対策工の機能低下によるものに分 類できる。 内的要因としては,スレーキング材料など盛土自身の材料特性によるもの,転圧不 良など施工の不具合によるものに分類できる。 盛土のり面の不安定化要因をまとめて表 3.3.1に示す。 表 3.3.1 盛土のり面の不安定化要因 外的要因 自然環境因子 降雨,融雪等によるଚ㘩や浸透水・地下水, 地震動など 地形因子 谷埋め部横断箇所,後背地の集水地形,急勾 配斜面,軟弱な基礎地盤など 対策工要因 排水施設の整備不良,植生工の不生育など 内的要因 盛土材料 スレーキング特性のある材料,不均質な材料 など 施工要因 地山の段切り不良,転圧不良など 盛土のり面の不安定化要因の特徴として,外的,内的要因に係わらず,盛土の排水 機能低下に大きく関係することが注目されている。表 3.3.2は道路盛土崩壊の実態調 査の一例であるが,降雨やᶐㅘ水など盛土の排水機能低下に関係する崩壊が全体の 9 割に達していることがわかる。 また,近年,直下型地震や局地的集中豪雨による盛土被害が大きく取り上げられて いるが,これらも,地震による盛土内の間隙水圧の上昇や,豪雨時の排水不良が主た る原因とされている。 表 3.3.2 道路盛土崩壊原因比率3) 崩壊原因 表面水 浸透水 基礎地盤 その他 合計 箇 所 数 62 22 3 5 92 百分率% 67.4 23.9 3.3 5.4 100

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3.3.2 切土のり面の不安定化要因 外的要因としては,降雨や地震動などの自然環境によるものが挙げられる。また, 切土のり面に対策工が施されている場合でも,排水機能の低下や対策工自身の経年劣 化が不安定化要因に分類できる。 内的要因としては,地山そのものの風化と変質による強度劣化によるもの,急勾配 斜面,遷緩線などの地形によるもの,風化進行の早い地質や断層破砕帯などの地質に よるものに分類できる。 切土のり面の不安定化要因をまとめて表 3.3.3に示す。 表 3.3.3 切土のり面の不安定化要因 外的要因 自然環境要因 降雨,融雪等の気象要因,地震動 対策工要因 構造物の劣化,排水施設の整備不良,植生 工の不生育など 内的要因 風化と変質 重力作用や応力解放等による緩み,凍結溶 融の繰り返し,乾湿の繰り返し,熱水変質に よる粘土化など 地形因子 急勾配斜面,崩壊跡地形,遷緩線 地質因子 地質年代の新しい第三紀層,風化進行が早 い花崗岩類,締まり具合の悪い崖錐層・崩積 土層,流れ盤や断層破砕帯等の地質構造など 切土のり面の不安定化要因の特徴としては,地形や地質構造のいわゆる内的要因が その安定性に大きな影響を与えていることが挙げられる。したがって,切土のり面周 辺の地質状況について十分把握しておくことが重要である。注意すべき地質は,地質 年代の新しい第三紀層(泥岩や砂岩など),風化の進行が早い花崗岩類,締り具合の悪 い崖錐層・崩積土類が挙げられる。また,注意すべき地質構造は,流れ盤や断層破砕 帯などである。 また,切土のり面の不安定化要因の特徴として,切土に伴う地山の応力開放により 発生する緩み領域の経年劣化が注目されている。詳細な内容については,(社)建設コ ンサルタンツ協会近畿支部 斜面防災研究委員会 斜面安定評価における劣化概念の 導入(その 1~その 2) を参照いただきたい。 3.4.のり面構造物の種類と特徴 3.4.1 盛土のり面構造物の種類と特徴 長期にわたって安定している盛土のり面が崩壊する素因は様々であるが,最も顕著 であるのは降雨が大量に浸透するか,あるいは集中した場合である。従って,3.3節で 整理したのり面の不安定化要因のうち,特に降雨の大量浸透と集中を解消することが 崩壊を防止する最も基本的な方法となる。このため,表3.4.1に示すような構造物が対 策として盛土のり面に設置され,表面水を対象とするものや盛土内への浸透水を対象

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とするものが主体になる。 盛土のり面の構造物は,ほとんどが切土のり面構造物と概ね同様であるため,工法 の特徴などは次項で述べる。 表 3.4.1 盛土のり面構造物の種類 3.4.2 切土のり面構造物の種類と特徴 切土のり面では,切土直後は安定していても,切土施工時の地山の緩みや応力開放 により発生する劣化領域への降雨の浸透,あるいは乾湿の繰り返しなどにより地山の 強度が低下し,さらに切土後に始めて経験するような多量な降雨,湧水,地震などに よって崩壊することがある。 従って,切土直後の状態をいかに長期間保持させるかが重要であり,「3.3.2 切土 のり面の不安定化要因」で整理した事項に対し,のり面表層部分の崩壊・風化・ଚ㘩 を防止する目的で,のり面保護工としての構造物が設置される。また,非常に急峻な 地山を切土施工する場合や,近接構造物や利用可能用地等の関係から安定勾配での掘 削が不可能な場合,あるいは切土施工中に何らかの変状・崩壊が発生した場合には, 設計時や施工時にある程度の抑止効果を持つ構造物が検討設置される。 一般的な切土のり面の構造物の種類と特徴を表3.4.2∼11にまとめて示す。 盛土のり面構造物の種類4) 盛土とのり面構造物の代表的種類(対象盛土別)5)

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表 3.4.2 植生工の種類と特徴6) 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲・条件

植生

抑制工/のり 面 保 護工 種子散布工 侵 食 防 止 ( マ ト リ ク ス流出防止),風化防 止,凍上崩落抑制。 全 面 植 生 ( 緑 化 ) 及 び景観保護。 ポンプを用いて,木質繊 維 を 主 体 と す る 植 生 基 材 を 厚 さ 1cm 程 度 に 散 布する。 短 時 間 に 大 面 積 の 施 工 が可能である。 肥 沃 地 侵 食 の 少 な い 地 , 湿 潤 地に適用する。 急 勾 配 の り 面 , 高 硬 度 地 盤 に は 適 さ な い 。 1:1.0 よ り 緩 勾 配。 土 砂 地 盤 ( 土 壌 硬 度 23mm 以 下)。 客土種子吹付工 ポ ン プ や 圧 搾 空 気 を 用 い て 土 壌 を 主 体 と す る 植 生 基材 を 厚 さ 1~ 3cm に吹付ける工法。 土砂地盤(土壌硬度 23mm 以下) 及び礫質土。 1:0.8 より緩勾配。 植生基材吹付工 圧 搾 空 気 に よ り 人 口 土 壌 ま た は 有 機 基 材 等 を 厚さ 10cm 程度以上に一 度に吹付ける工法。 侵 食 防 止 に セ メ ン ト を 用 い る も の や 合 成 樹 脂 を用いるものがある。 侵 食 防 止 効 果 や 断 熱 効 果に優れる。 発 芽 不 適 期 で あ る 冬 季 や 積 雪 高冷地にも適用できる。 保 水 性 が 高 く , 乾 燥 地 に 適 用 できる。 土 砂 地 盤 及 び 岩 盤 。 モ ル タ ル 吹付面。 1:0.8 より緩勾配(使用する基 盤 材 や 接 合 材 に よ っ て 異 な る)。 張芝工 盛 土 の り 面 の 侵 食 防 止,部分植生。 の り 面 の 全 面 に 切 り 芝 も し く は ロ ー ル 芝 を 全 面 ま た は 目 地 を 入 れ て 張り付ける。 造 園 的 効 果 が 期 待 で き る。 土壌硬度 が,粘性 土(硬度 27mm 以 下),砂質 土(硬度 23mm 以 下)。 1:1.0 よ り 緩 勾 配 のり面に適用。 小面積に有効。 植生マット工 侵 食 防 止 ( マ ト リ ク ス流出防止),風化防 止,凍上崩落抑制。 全 面 植 生 ( 緑 化 ) 及 び景観保護。 種子,肥料,基盤材を装備した 植生マットをのり面に張り付 けて緑化する工法。 植 生 シ ー ト よ り 厚 め の 資 材 を 全 面 に 貼 り 付 け ることで,基盤が剥離し にくい。 1:1.0 よ り 緩 勾 配 のり面に適用。 の り 面 に 密 着 さ せ る必要あり。 海 岸 地 帯 な ど の 風 衝地。 植生シート工 種子,肥料,基盤材を装 備 し た 植 生 シ ー ト を の り面全面,もしくは帯状 に 張 り 付 け て 緑 化 す る 工法。 1:1.0 よ り 緩 勾 配 のり面に適用。 の り 面 に 密 着 さ せ る必要あり。 肥 料 分 が 少 な い 土 質 で は 追 肥 管 理 を 要する。 筋芝工 盛 土 の り 面 の 侵 食 防 止,部分植生。 切 り 芝 を 定 め ら れ た 間 隔 に 2/3 以 上 が 土 に 埋 ま る よ う に 土 羽 打 ち を 行 い な が ら 施 工 す る 工 法。 1:1.2 よ り 緩 勾 配 のり面に適用。 小 面 積 の 盛 土 に 有 効。 砂質土には不適。 植生穴工 緑化及び景観保護。 の り 面 に 千 鳥 状 の 穴 を あ け て 種 子 と 肥 料 を 同 時に充填する方法と,穴 中 に 堆 肥 を 行 っ た 上 で 種 子 散 布 工 あ る い は 客 土 吹 付 け 工 を 行 う 必 要 がある。 土 壌 硬 度 が 23mm 以 上 の 硬 質 土 壌 で 根 系 が 活 着 し に く い , 固結した粘性土など。 耐 侵 食 性 が 乏 し い た め , 浸 食 作 用 か ら 防 護 す る 対 策 が 必 要。 植生どのう工 繊 維 袋 に 土 ま た は 改 良 土,種子等を詰めたもの を の り 面 に 平 積 み あ る いは目串・アンカーピン にて止める。 勾配 1:0.8 より緩いのり面に 適用。 肥 料 分 の 少 な い 土 砂 ま た は 硬 質地盤,岩盤に適する。

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表 3.4.3 排水工の種類と特徴6) 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲・条件

排水

抑制工/地表 水排除工 水路工 斜面表面の排水。 降 雨 の 浸透 , 湧 水や 池 沼からの浸透防止。 表流水,湧水による地山の風 化防止。 岩 塊 周 囲の マ ト リク ス の洗掘防止。 地 す べ り 地 , 崩 壊 地 内 の 雨 水 を 速 や か に 集 水 し て 地 域 ( 斜 面 ) 外 に 排 除 す る た め に 地 域 内 に 集 水 路 , 排 水 路 を 組 み 合 わ せ た水路網を整備する。 素 早 く 排 水 す る た め 急 勾 配 に 設 け る が , 流 量 計 算 に よ り 断 面 を決定する。 20~ 30m ピ ッ チ に す べ り 止 め の 床 止 工 を 設ける。 抑制工/地 下 水排除工 浅層地下水排除工 暗渠工 降 雨 な ど に 直 接 影 響 を 受 け る 比 較 的 浅 い 帯 水 層 の 地 下 水排除。 す べ り 土 塊 の 間 隙 水 圧 低 下 と す べ り 土 塊 の 安 定。 浅 層 部 に 分 布 す る 地 下 水 を 排 除 し , 降 水 に よ る 浸 透 水 を 速 や か に 排 除 す る。 所 定 深 さ に 掘 削 し た 溝 の 中 に 多 孔 質 コ ン ク リ ー ト 管,じゃかご等を敷設し, 底 部 に 漏 水 防 止 の た め ビ ニ ー ル 布 や ア ス フ ァ ル ト 板 を 敷 き , さ ら に 上 面 や 側 面 に は 目 詰 ま り 防 止 の 砕 石 等 に よ る フ ィ ル タ ー を設ける。20~30m 毎に 集 水 桝 や マ ン ホ ー ル を 設 け る 地 表 水 路 や 排 水 渠 に 連 絡 す る 。 ( 集 水 量 が 多 い 場 合 は , 有 孔 管 を 用 い る) 暗 渠 工 等 で は 排 水 で き な い 位 置 に 存 在 す る 浅 層 地 下 水 の 排 除 に適する。 横ボーリング工 浅 層 地 下 水 の 排 除。 土 中 水 の 排除。 約 5 度の上向きに 20~50m の 長 さ で ボ ー リ ン グ す る。直径 66mm 以上で掘削 し て , 掘 削 後 内 部 の 湧 水 箇 所 付 近 に ス ト レ ー ナ ー の 付 い た 保 孔 管 を 挿 入 す る。 す べ り 面 を 切 る よ う に 運 動 方 向 に 直 角 を 原 則 と す る。通常,5~10m 間隔に 50~ 80m 程 度 の 長 さ を 施 工する。 排 水 孔 孔 口 は 洗 掘 さ れ な い よ う , コ ン ク リ ー ト 張 り あ る い は じ ゃ か ご を 設 置 す る。 深 層 地 下 水 排 除 工 集水井工 地 す べり 地域 外か ら の 浅層地下水の排除。 井 戸 の 底 か ら 斜 面 下 方 を 狙 っ て 排 水 工 孔 を 掘 削 し,集水する。 井 戸 の 深 さ は 活 動 中 の 地 す べ り 地 域 内 で は す べ り 面より 2~3m 掘り下げる。 底 部 は 漏 水 防 止 に コ ン クリート張りとする。 横 ボ ー リ ン グ 工 で は 延 長 が 長 く な る 場 合 , 地 下 水 の 分 布 が 面 的 に 広 範 囲 に 賦 存 し て い る 地 す べ り 地 域 内 で の 集 中 的 な 地 下水排除に有効。 排水トンネル工 地 す べり 地域 の地 下 水 の排除。 す べ り 面 の 下 に あ る 安 定 し た 基 盤 中 に 設 け , 排 水 す べ き 位 置 に 分 岐 ト ン ネ ル 等 で す べ り 面 を 切 っ て 地 す べ り 土 塊 中 の 帯 水 層 よ り 集 水 す る 。 坑 壁 か ら 帯 水 層 に 向 け て 横 ボ ー リ ングを行って集水する。 す べ り の 規 模 が 大 き く , か つ , 地 下 水 位 が 深 部 に 存 在 し , 他 の 排 除 工 で は 排 水 効 果 が 期 待 で き な い 場 合。 基 盤 内 や 基 盤 面 付 近 に 確 実 に 豊 富 な 水 脈 が 認 め ら れ る 場 合 に 有効。 計 画 時 に 岩 盤 等 高 線 を 明 ら か に し , 地 下 水 追 跡 か ら 流 路 を 確 認する必要がある。

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表 3.4.4 吹付工の種類と特徴6) 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲・条件

吹付

抑制工/のり 面 保護工 モルタル吹付工 雨水(表面水)に よる侵食・浸透や 風化・劣化の防止 など。 小 規 模 な 岩 盤 剥 離の抑止。 風 化 に よ る 新 た な崩壊・落石源の 発生予防。 モ ル タ ル ま た は コ ン ク リ ー ト を 圧 縮 空 気 で 斜 面 に 吹 付 け る 工 法 。 被 射 体 に 直 接 吹 付 す る た め,型枠が不要。 斜 面 保 護 効 果 が 高 く , し か も 型 枠 が 不 要 な た め , 急 傾 斜 地 や 高 所 の り 面 , の り 面 の 凹 凸 に 対 応 で き , 施 工 面 の 利 点 が 多 く 広 く 採 用 さ れ ている。 吹 付 け 方 法 に は 乾 式 と 湿 式 が あ り 湿 式 が 一 般 的。 土圧を受けない箇所。 植生工が適用できない箇所。 の り 面 に 湧 水 が 少 な く 崩 壊 危 険性は少ないが,風化しやすい 岩盤,風化して崩落する恐れの ある岩盤に用いる。 湧 水 箇 所 で は 排 水 対 策 が 必 要 となる。 土砂主体ののり面では,後にク ラ ッ ク の 発 生 に よ り 早 期 に 表 面 が 剥 離 し 景 観 上 も 緑 化 さ れ たのり面に比較し劣るため,主 に応急処置・仮設工事として小 崩落防止に用いる。 コンクリート吹付工 表 3.4.5 ブロック張工・コンクリート張工の種類と特徴 6) 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲・条件

ブロ

/コ

ンク

抑制工 /のり 面保護工 ブロック張工 のり面の風化及び 侵食等の防止。 表 面 水 の 浸 透 防 止。 の り面表 層部の 崩 落防止。 岩盤剥落防止。 の り 面 に ブ ロ ッ ク を張り付け,風化侵 食 に 対 し て 保 護 す る工法。 一 般 に 直 高 5m 以内, の り 面 長 は 7m 以内 が多い。 の り 面 整 形 , 湧 水 処 理 を 十 分 に 行 う 必 要 が ある。 基 礎 工 を 必 要 と す る。 1:1.0 よ り 緩 勾 配 で 粘 着 力 の な い 土 砂 , 泥 岩 等 の 軟 岩 並 び に 崩 れ や す い 粘 土 等 の のり面に用いる。 の り 面 勾 配 を 標 準 勾 配 よ り 急 に す る 必 要 が あ る 場 合 や , オ ー バ ー ブ リ ッ ジ の 埋 戻 し 部 , 盛 こ ぼ し 橋 台 前 面 な ど 特 殊 箇 所 の 保護等。 コンクリート張工 の り 面 に コ ン ク リ ー ト を 打 設 し て 安 定を図る工法。 原 則 と し て 土 圧 等 の 作 用 し な い 箇 所 に 用 い ら れ , 節 理 の 多 い 岩 盤 や ゆ る い 崖 錐 層 等 で 法 枠 工 で は 安 定 確 保 が 難 し い 場 合 に 用いられる。 急 勾 配 で は 鉄 筋 ま た は 金 網 を 入 れ て コ ン ク リ ー ト を 打 設 す る。 施 工 性 が 悪 く , 高 所 や 長 大 の り 面 に は 不 向き。

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表 3.4.6 法枠工の種類と特徴6) 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲・条件

法枠

抑制工/のり 面 保護工 プレキャスト法枠工 の り 面 の 風 化 侵 食 防止。 緑 化 基 盤 工 と し て 利用。 切 土 のり面, 自然 斜面 な ど に連 続し た格 子枠 を 造 って,斜 面の 安定 を 図 る 工 法 。 枠 内 を 緑 化 す ることで ,周 辺環 境 と の調 和を 図れ るな ど , 防災と環 境保 全を 目的に施工できる。 植 生 困難 な地 質や 岩盤 の り 面の 主に 植生 基礎 工として使用。 プ レ キャ スト コン クリ ー ト 枠, 金網 ・鋼 製・ プ ラ スチ ック 枠な どが ある。 の り 面 整 形 が 容 易 な 場 所 に 適 す る。 枠の支点強度が低いため,土圧に 抵抗できない。 はらみ出し,凍上の影響を受ける 場合は避ける。 基礎工を必要とする。 侵食防止に枠内の中詰工が必要。 侵 食 さ れ 易 い 砂 質 土 系 の 切 土 の り面に適用可能。 植 生 困 難 な 切 土 の り 面 に 適 用 可 能。 のり面勾配 1:0.8 以上(1:1.0 が 主)の緩勾配。 枠 が 洗 掘 な ど で 沈 下 し な い 箇 所 に適用(プレキャストコンクリー ト:凹凸,曲面のあるのり面では 施工が困難)。 現場打法枠工 多 少 の 土 圧 を 受 け る箇所の土留め。 比 較 的 安 定 し た 斜 面の表面保護。 岩盤の剥落防止。 アンカー工,ロックボルト 工の受圧板として斜面の 安定を図る。 緑化基盤工。 枠 は 鉄筋コン クリ ート の 現 場打ちと し, 枠内 は 状 況 に 応 じ て 石 張 り , ブロ ック 張り ,コ ン ク リー ト張 りモ ルタ ル 吹 き付 けや 植生 によ って保護する。 ブ ロ ック 工に 比べ 鉄筋 が 入 って梁構 造と なる た め 曲げ に対 して も強 い。 枠 交 点が 一体 化し てお り , ある程度 の土 圧に 抵 抗 でき る( 小規 模崩 壊防止)。 枠 内 開 放 部 の 処置(吹付工, 植 生 工 ) の 検 討が必要。 膨 張 性 岩 盤 へ の 適 用 に あ た っ て は 十 分 検 討が必要。 湧 水 を 伴 う 風 化 岩 や 長 大 の り 面 等 で , の り 面 の 長 期 安 定 に 若 干 疑 問 と 思 わ れ る 箇 所 , あ る い は コ ン ク リ ー ト ブ ロ ッ ク 枠 等 で は 崩 落 の 恐 れ が あ る 場 合 に 用 い る。 凹 凸 の あ る の り 面,曲面のり面。 基礎工が必要。 小 断 面 の 枠 は 施 工が困難。 高 所 ・ 長 大 の り 面 , 凹 凸 の 多 い の り 面 へ の 適 用 は困難。 吹付法枠工 のり面に鉄筋を配し,型枠組 み立て後,モルタルまたはコ ンクリートを吹き込む工法。 現 場 打法 枠工 に比 べて 強 度 的に 劣る が, 施工 性が良い。 地 山 と の 密 着 性 が 良 く,洗掘等に強い。 表 層 崩壊 ~深 い崩 壊ま で対応できる。 他 の 法 枠 工 の 適 用 が 困 難 な , 凹 凸 の あ る 亀 裂 の 多 い 岩 盤 の り 面 や 早 期 に 保 護 す る 必 要 が あ る の り 面 , 長 大 の り 面 , 高 所 の り 面 な ど フ レ キ シ ブ ル に 対 応 で き る。

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表 3.4.7 擁壁工の種類と特徴6) 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲・条件

擁壁

抑止 工/ コ ン ク リ ー ト 擁壁 工 ブロック積擁壁工 主にのり面保護。 崩 壊 防 止 , 岩 塊 の 剥 落防止。 JISA5371 に 定 め ら れ る も の 及 び こ れ と 同 等 以 上 の も の を 積 み 上 げ る 工法で,一般に胴込めコ ン ク リ - ト を 設 け る 練 積,水平方向の目地が直 線 と な ら な い 谷 積 で 積 み上げたものがある。 のり面勾配が 1:1.0 より急なも ので(通常 0.3~0.6),主とし てのり面保護に用いられ,背面 の地山が締っている切土,比較 的良質の裏込め土で十分な締固 めがされている盛土など土圧が 小さい場合に適用される。 大 型 ブ ロ ッ ク 積 擁 壁 工 JIS 規格よりも大型のブ ロ ッ ク に よ り 構 成 さ れ る。 ブロックの寸法,控長, ブ ロ ッ ク 間 の 結 合 構 造 な ど が 異 な る 様 々 な 形 式があるが,通常の練積 に 相 当 す る ブ ロ ッ ク 間 の 摩 擦 が 確 保 さ れ て い るもの,控長の大きいブ ロ ッ ク で 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト を 用 い て ブ ロ ッ ク 間 の 結 合 を 強 固 に し た 形 式 の も のの 2 種 に 大 別される。 壁高 8m までを原則とする。8m 超は地震時検討必要。 重力式擁壁工 道路擁壁。 急傾斜対策。 災害復旧工事。 崩 壊 防 止 , 岩 塊 の 剥 落防止。 風化・ଚ㘩防止。 背 面 土 に 支 え ら れ な が ら 自 重 に よ っ て 土 圧 に 抵抗する。 自 重 に よ っ て 土 圧 を 支 持 す る 形 式 の 擁 壁 で あ り,通常無筋コンクリ- トとして設計される。土 圧 と 自 重 の 合 力 に よ り 躯 体 の 断 面 に 引 張 応 力 が 生 じ な い よ う に 設 計 するのが原則である。 壁高 8m 程度ま でが一般的。 隣接して水路, 建物,道路など の 重 要 構 造 物 がある場合。 地 質 的 に 比 較 的良好だが,用 地 制 約 を 受 け る場合。 施 工 時 の 仮 掘 削 の り 面 が 自 立 し な い 場 合 は不利となる。 底 盤 反 力 が 大きく,支持 地 盤 が 良 好 な 箇 所 に 用 いる。 杭 基 礎 と な る 場 合 は 向 か な い。 もたれ式擁壁工 地 山 あ る い は 裏 込 め 土 な ど に 支 え ら れ な が ら 自 重 に よ っ て 土 圧 に 抵 抗 す る 形 式 の 擁 壁 で あ り,通常無筋コンクリー トとして設計される。 山 岳 道 路 な ど で 片 切 片 盛 の 場 合 や 道 路 拡 幅 の 際 の 腹 付 け 擁 壁 と し て 多く用いられる。 他 の 擁 壁 に 比べ,躯体断 面 に 対 し て 底 盤 幅 が 狭 く 反 力 が 大 き い こ と か ら 堅 固 な 支 持 地 盤 が 必 要。 斜 面 上 で は 滑 動 と 全 体 の 安 定 に 注 意 が 必 要。 井げた組擁壁工 井 げ た 組 擁 壁 は コ ン ク リ ー ト 部 材 と 中 詰 め 材 の 重 量 に よ り 土 圧 に 抵 抗する構造で,透水性に 優れる。 特 に 山 間 部 な ど で 湧 水 や 浸 透 水 の 多 い 箇 所に適する。

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表 3.4.8 ロックボルト工の種類と特徴 6) 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲・条件 ロ ッ クボル ト 工 抑止 工 ロックボルト工 急 傾 斜 斜 面 対 策 , 急 勾配のり面の補強。 既 存 斜 面 ・ 構 造 物 補 強。 比 較 的 小 規 模 な 崩 壊 防止対策。 落 石 等 不 安 定 岩 塊 の 固定。 仮 設 の り 面 ( 構 造 物 掘削)の補強対策。 曲 げ 剛 性 の 小 さ な 補 強 材を地山に配置し,主と し て 補 強 材 の 引 張 り 力 に よ っ て 地 山 を 補 強 す る工法。 補強材の長さが短く,一 般 的 に は 3 ~ 5m( 最 大 10m 程度)のものが多い。 小~中規模程度の崩壊が予想され る場合。 想定すべり面が比較的浅い位置(3 ~4m 以浅)に推定される場合。 鉄筋最低長:2m。 削 孔 用 の 足 場 仮 設 ス ペ ー ス が 必 要。 表 3.4.9 アンカー工の種類と特徴 6) 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲・条件

アン

カー

抑止 工 グラウンドアンカー工 急傾斜対策。 既 存 斜 面 ・ 構 造 物 補 強。 地すべり等,大きな抑止力 を必要とする斜面安定対 策。 落 石 等 不 安 定 岩 塊 の 固定。 仮 設 の り 面 の 補 強 対 策。 地山に高張力材(PC 鋼よ り線,PC 鋼棒など)を挿 入し,緊張力を加えるこ と に よ り す べ り 土 塊 の 変位を押さえるもの。 地すべり断面形状,移動 土 塊 の 土 量 に 係 わ ら ず 対応できる。地盤条件の 変 化 に よ る 設 計 変 更 が 比較的容易である。 斜面などに用いる場合に確実な防 食 ・防 錆 処 理 を 施 し た 永 久 ア ン カ ーを使用。 想定すべり面が 4m より深く,それ より深部に定着層が認められる場 合。 自由長の最低長:4m。アンカー体 長:3m(最低)~10m(最大)。 削 孔 用 の 足 場 仮 設 ス ペ ー ス が 必 要。 表 3.4.10 杭工の種類と特徴 6) 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲・条件

杭工

抑止 工 鋼管杭工 地すべり・崩壊対策。 鋼 管 や H 鋼 な ど の 杭 材 を,大口径(200~550mm) ボ ー リ ン グ に よ り 予 め 削孔した孔に挿入し,そ の 間 隙 を コ ン ク リ ー ト 等で中詰めしたもの。 杭 の 有 す る く さ び 効 果 等 を す べ り 面 に 付 加 す ることにより,斜面の安 定度を高める。 地 す べ り 性 崩 壊 の 予 想 さ れ る 斜 面。 流れ盤岩盤斜面の崩壊防止。 対象斜面に対する切土が不可能な 場合。 地 す べ り 運 動 速 度 が 1mm/日 以 上 の地域では適用困難。 杭外周部はグラウトによる入念に 根固めが必要。 テンションゾーンでの杭設置は避 ける。 シャフト工(深礎工) 地すべり・崩壊対策。 ラ イ ナ ー プ レ ー ト な ど を用いて縦孔を掘り,こ の 中 に 鉄 筋 コ ン ク リ ー トを打設する RC 杭の一 種。深礎杭とも言うが, 剛 体 杭 と な る 場 合 を シ ャ フ ト 工と 呼 ぶ 。杭 径 は 2.5~6.5m が標準的であ る。 杭 の 有 す る く さ び 効 果 等 を す べ り 面 に 付 加 す ることにより,斜面の安 定度を高める。 大規模地すべりなど,一般のボー リングによる杭工による対応が困 難な場合。 地 す べ り 運 動 速 度 が 1mm/日 以 上 の地域では適用困難。

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表 3.4.11 落石対策工の種類と特徴 6) 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲・条件

落石

落石防護網工 落 石 の 道 路 へ の 落 下 防 止 。 落 石 が 発 生 し た 際 に 道 路 際 あ る い は 道 路 上 に 設 置 し た 施 設 に て 防 護 し 落 石 被害の防止を図る。 金 網, ワ イ ヤ ロ ー プ 等 の 軽 量 部材 を 使 用 し て , 落 石 発 生の 恐 れ の あ る 斜 面 全面を覆う。 軽 量な た め , 迅 速 施 工 が 可能。 覆 式 落石 防 護 網 : 地 山 と の 結 合 力を 失 っ た 岩 石 を 金 網と 地 山 の 摩 擦 及 び 金 網 の張 力 に よ っ て 拘 束 す る 。落 石 を 飛 跳 さ せ ず 斜 面 に沿 っ て 落 下 さ せ る も のである。 ポ ケ ット 式 落 石 防 護 網 : 吊 ロ ー プ, 支 柱 , 金 網 , ワ イ ヤ ロ ー プ 等 か ら な り ,上 部 に 落 石 の 入 口 を 設 け, 金 網 に 落 石 が 衝 突 す る こと に よ り , 落 石 の 持 つエ ネ ル ギ ー を 吸 収 す る。 小規模な落石,基盤岩から 剥離,剥落しやすい落石の 危険性がある場合。 高 所 か ら の 落 石 が 想 定 さ れる場合(ポケット式落石 防護網)。 落石防護柵工 ワ イ ヤロ ー プ 金 網 式 や H 鋼 式 の 落 石 防 護 柵 が あ る。 ワ イ ヤ ロ ー プ 金 網 式 : H 鋼 を支 柱 と し て ワ イ ヤ ロ ー プ, 金 網 を 取 り 付 け た も の で, 支 柱 は 直 柱 式 , 曲柱式がある。 H 鋼式:H 鋼を支柱に H 鋼 の 横 鋼 及び エ キ ス パ ン ド メ タ ルを 取 り 付 け , 古 タ イ ヤ, 砂 を 緩 衝 材 と し て 用いたもの。 曲線区間では,落石防護柵 端 部 は 落 石 に 対 し て 互 い に重ね合わせて配置する。 比 較 的 小 規 模 な 落 石 対 策 に有効。 大 規 模 落 石 に 対 し て は 高 エ ネ ル ギ ー 吸 収 タ イ プ の 検討が必要。 落石防護棚工 ロ ッ クシ ェ ッ ド に 比 べ 経 済性,施工性に優れるが, 落 石の 跳 躍 高 さ , 重 量 , 落 下 高さ 等 の 適 用 範 囲 は 限られる。 主 桁 上の 緩 衝 材 に よ り 落 石 の衝 撃 力 を 分 散 , 減 少 させる構造。 落 石 重 量 あ る い は 落 下 高 さ が 落 石 防 護 柵 で は 対 応 できない大きさで,飛散範 囲 が 道 路 幅 員 の 一 部 に 限 られる場所に適用。 落石防護擁壁工 落 石の 持 つ エ ネ ル ギ ー を 擁 壁 本体 お よ び 支 持 地 盤 の 変 形エ ネ ル ギ ー に 換 え て 吸 収す る こ と に よ り , 落石を停止させる。 背 後 に ポ ケ ッ ト 部 を 設 け ,あ る 程 度 の 落 石 を 堆 積させる構造。 道路側近に設置される。 対 象 と す る 背 後 地 形 の 斜 面勾配が緩やかな場所。 道 路 の 側 方 に 余 裕 が あ る 場所。 ロックシェッド工 ロ ッ クシ ェ ッ ド 上 面 に は 落 石に よ り 発 生 す る 衝 撃 力 の緩 和 を 図 る た め に 緩 衝材を敷く。 道路の側方に余裕がなく, 落 石 の 発 生 し や す い 急 斜 面がある場合,落石の規模 が大きい場合,落石防護柵 等 で は そ の 上 を 飛 び 越 す 恐れのある場合。 土 砂 が シ ェ ッ ド 上 に 堆 積 した場合は,取り除くこと を原則とする。

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3.5 点検のポイント 3.5.1 のり面点検の方針 斜面・のり面の一般的な維持管理は,図 3.2.2 に示したように,防災業務の計画検 討,防災点検そして防災カルテが作成され,この防災カルテに基づいて日常点検や定 期点検が行われる。本章で提案する法面簡易点検においても,まずは当該のり面の場 所,のり面高さ,勾配,地質,過去の災害事例などの基礎的な情報と初回点検結果を 整理したカルテを作成し,これに基づいて継続的な点検を行う方針が適切である。 点検方法は,次の 2 つに大きく分類することができる。 ① 定性的点検 ② 定量的点検 定性的点検は,現在,道路管理者が行っている日常点検(パトロール車からの目視点 検)に代表されるものである。しかし,この手法では,変状がある場合の時間的な進行 状況を把握することは難しい。点検の次段階の詳細調査や対策に進むためには,その 変状の進行状況を出来る限り正確に捉えて判断することが重要であり,このためには 定量的点検の方が経時的変化を捉えやすい。ただし,定量的点検が可能な場所や項目 は限られているため,全ての変状に対して定量的点検を行うことは不可能である。よ って,のり面の点検は,定性的点検と定量的点検を適切に組み合わせて行う必要があ る。 なお,定量的点検を行う場合の計測項目は,図 3.5.1 に示すように分類することが できる。「点検」という段階を考慮すると,簡易で比較的安価に計測できる「変位」が 計測項目として適しており,「変位量」や「変位の累積性(変位の速度)」を基に,点検 結果を評価することになる。 計測項目 強度特性 変位 変位量 変位の累積性 図 3.5.1 計測項目の分類 のり面の点検では,まずは変状を早期に発見することが重要である。 「3.6 法面簡易点検の提案」で詳しく述べるが,法面簡易点検はのり面構造物の変 状に着目した点検である。これは,のり面構造物は地山に比べて点検しやすく変状を 発見しやすい,亀裂等の簡易計測(定量的点検)も地山に比べて実施しやすいことに着 目したもので,構造物に発生した変状から背面地山の変状を発見したりすることも可 能である。 次項以降では,盛土のり面と切土のり面に区分し,変状の発生形態,主な変状の要 因,変状が発生しやすい場所,点検時のポイントをのり面構造物毎に整理する。また, のり面構造物以外の点検において留意すべき点も整理する。

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3.5.2 盛土のり面の点検ポイント (1) 盛土のり面点検時の留意点 盛土のり面では,近年の集中豪雨に起因し不安定化するケースが多くなっている。 盛土が一度崩壊した場合には,交通を遮断するだけでなく,その復旧には多大な費用, 時間を要する。このため,盛土の維持管理においては盛土の微細な変状や湧水の有無, 排水不良等の兆候を早期に発見し崩壊発生を未然に防ぐことが求められる。 盛土のり面の点検では,3.3.1 項で述べた不安定化要因を理解し,何処に変状が発 生し易いか,何処を重点的に点検すれば良いかを把握し,効率的かつ適切に点検を行 うことが重要である。特に水の影響は盛土のり面の安定性に大きな影響を与える要素 であるため点検時には盛土の施工条件や排水施設等に留意する必要がある。 以下に,盛土のり面点検時の留意点を列記する。 ・ 施工条件(後背地の集水地形,谷埋め盛土,傾斜地への盛土,軟弱地盤上の盛土 など) ・ 表面水,地下水の盛土への影響(湧水状況,地下水位など) ・ 盛土材料(スレーキング特性のある材料など) ・ 片切片盛区間 ・ 道路縦横断勾配と道路排水がのり面に与える影響 ・ 排水施設の設置状況と機能低下の有無 ・ 路面,のり肩,のり面内の排水施設の通水障害(変状・破損・閉塞)の有無 ・ 路面(舗装),のり肩,のり面内の亀裂,段差,沈下(陥没),はらみ出しの有無 ・ 盛土の変形,沈下 ・ 法尻部の湧水,侵食の状況 ・ のり面保護工の状況 これらのうち,路面(舗装)の亀裂・沈下,排水溝の通水阻害,排水設備の機能低 下,水抜きボーリングの目詰まりは,盛土内への水の侵入や排水性の悪化をもたらし 盛土全体の健全性を低下させる大きな要因となるため特に留意が必要である。 以下に,「国道交通省近畿地方整備局近畿技術事務所:道路法面維持管理のための ハンドブック(案)」に整理された盛土のり面を点検する際の着目点を示す。

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表 3.5.1 盛土のり面点検時の着目点(1)7) ●路面の亀裂・沈下

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表 3.5.2 盛土のり面点検時の着目点(2)7) ●路面や排水溝の通水阻害・溢水

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表 3.5.3 盛土のり面点検時の着目点(3)7) ●排水設備の機能低下

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表 3.5.4 盛土のり面点検時の着目点(4)7) ●水抜きボーリングの目詰まり

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(2) 盛土のり面の点検 盛土の変状は降雨による影響が大きいことから,点検の判断指標としては排水溝の 通水阻害や水抜きボーリングの目詰まりなど,目視確認を主体とした定性的な点検が 主流となる。一方で定量的な点検が可能なものとしては,路面(舗装)の亀裂,腰止 め擁壁の亀裂などに限定される。 そのため,ここでは盛土設置箇所の地形・地質に起因する変状に対して,定性的な 変状把握を主体とした点検時の留意点を表 3.5.5 に整理する。点検ポイントは,変状 の発生形態,主な変状の原因,変状の発生しやすい場所,点検項目,点検時の留意点 をまとめている。 なお,盛土のり面に施された構造物については,切土のり面構造物と同様の点検ポ イントであるため,「3.5.3 切土のり面の点検ポイント」に示す表 3.5.6,表 3.5.7 にまとめて整理する。

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盛土施工条件 変状発生形態 変状模式図 主な変状の原因 変状の発生し易い場所 点検項目 点検時の留意点 盛土の洗掘 盛土の崩壊 道路線形,勾配 路面状況が集水しやすい形状にないかに注意する。 横断管の状況 排水施設の状況 排水施設の整備不足 排水施設が不十分 盛土表面 ガリーの状況 ガリーの発達程度,すべりの兆候の有無に注意する。 排水施設の機能低下がある 盛土の流出状況 盛土の洗掘,流出 表面保護が不十分 のり肩,路面の沈下 切盛り境部での段差の有無,路面の段差の有無に注意する。 のり肩,路面の亀裂 のり肩,路面の沈下 はらみ出し 軟弱層の圧密・変形 沈下の範囲 のり肩や路面のくぼみや沈下などの凹凸に注意する。 のり尻の隆起 路面からの浸透水 はらみ出し 切盛り境部での段差の有無,路面の段差の有無に注意する。 路面の亀裂から盛土内への水の浸透がないかに注意する。 のり肩,路面の亀裂 のり肩,路面の沈下 はらみ出し 谷埋めによる間隙水圧の上昇 路面の沈下,亀裂 のり肩や路面のくぼみや沈下などの凹凸に注意にする。 のり尻の隆起 沢部の集水地形 はらみ出し 切盛り境部での段差の有無,路面の段差の有無に注意する。 地山湧水の盛土内への浸透 排水機能 路面の亀裂から盛土内への浸透がないかに注意する。 路面からの浸透水 湧水の有無・濁度 のり肩,路面の亀裂 腹付け盛土 のり肩,路面の沈下 はらみ出し 基礎地盤の不良 沈下の範囲,沈下量 切盛境界部での段差の有無に注意する。 のり尻構造物の沈下 基礎の洗掘、吸い出し 洗掘規模 河川による洗掘状況に注意する。 のり肩の亀裂 急勾配斜面への盛土 のり肩部ではひび割れや沈下 のり肩の沈下 地山との境界でのすべり のり尻部でははらみ出し はらみ出し 地表水の浸透 湧水箇所 沈下の範囲 のり肩や路面のくぼみや沈下などの凹凸に注意する。 のり尻の隆起 地山湧水の盛土内への浸透 はらみ出し のり面勾配の不連続の有無を確認する。 地山の段切り施工不良 排水機能 湧水の有無や湧水量・濁度を確認する。 湧水の有無・濁度 路面の亀裂からの盛土内への浸透がないかに注意する。 地山末端の軟弱層,崩積土の 分布による盛土の移動 亀裂の位置,延長, 幅,深さ,方向 亀裂の向きや形状,連続性に注意し,地山全体のすべりの可 能性の有無を把握する。 火山灰質粘性土からなる盛土 の圧縮沈下 盛土全体に沈下が発生し易い 沈下の範囲,沈下量 構造物の取り付け部での段差が生じ易いため注意する。 亀裂の向きや形状,連続性に注意し,地山全体のすべりの可 能性の有無を把握する。 排水工の閉塞による表面水の 越流・流出 盛土表面,法肩部 崩壊状況 排水工の通水阻害がないかを確認する。 泥岩等のスレーキングしやす い材料からなる盛土の圧縮沈 下 のり肩部ではひび割れや沈下 が発生し易い 湧水,地下水の量の変化に注意する。 路面の片勾配,急カーブ地 点,縦断勾配変化点での表面 水の集中 谷横過部の横断管断面の不足 あるいは閉塞 盛土材が侵食を受け易い細 砂,まさ土,しらす等からな る 構造物周辺のゆすり込みによ る沈下 亀裂の位置,延長, 幅,深さ,方向 腹付け盛土の沈下,変形 湧水箇所からの崩壊 のり肩や路面のくぼみや沈下などの凹凸に注意する。 表3.5.5 盛土のり面の点検ポイント 締め固め不足 旧盛土との境界部でのすべり すべり規模,範囲 周辺からの地下水の供給 軟弱地盤を通過する円弧すべ り 傾斜地盤上 の盛土 谷横過部での崩壊 湧水状況 雨水浸食による ガリー 表流水が 集まり易い 雨水浸食を 受けやすい 盛土材料 が不良 軟弱地盤上 の盛土 沢部を横断 する盛土 のり末端部での隆起がおき易 い

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3.5.3 切土のり面の点検ポイント (1) 切土のり面点検時の留意点 切土のり面に発生する変状は,のり面より上方の自然斜面にまで及ぶことが少なく なく,広い範囲で点検を行うのが望ましい。ただし,多くの道路のり面を限られた時 間や予算の中で管理する必要があるため,3.3.2 項で述べた不安定化要因を理解し, 何処に変状が発生し易いか,何処を重点的に点検すれば良いかを把握し,効率的かつ 適切に点検を行うことが重要である。 盛土のり面と異なる特徴としては,地質や地質構造が切土のり面の安定性に大きな 影響を与えることで,のり面周辺の地質状況について把握しておくことが重要である。 また,地質情報は,現地で点検を行う際の予備知識としてだけでなく,のり面の基礎 的なデータとしてカルテ等に整理しておくのが望ましい。 以下に,切土のり面点検時の留意点を列記する。なお,「国土交通省近畿地方整備局 近畿技術事務所:道路法面維持管理のためのハンドブック(案)」7)では,切土のり面を 点検する際の着目点が整理されており,それらも踏まえて以下に列記する。 ・ 周辺の地形,後背地の集水地形など ・ のり面上部の自然斜面の状況 ・ 流れ盤や劣化しやすい地質,断層破砕帯などの地質構造 ・ 地山の亀裂 ・ 浮石や転石 ・ 落石発生源の状況 ・ 落石発生源下方の裸地化 ・ 立木の根曲がりや倒木 ・ 湧水ならびに排水などの状況 ・ 道路縦横断勾配と道路排水がのり面に与える影響 ・ のり面あるいは地山と構造物の境界付近の変状 ・ のり面構造物の変状 ・ 排水機能の不全は,のり面全体の安定性を損なう大きな要因と認識する ・ 個々に確認した変状を,のり面全体で総合的に捉える (2) 切土のり面構造物の点検 のり面の点検は構造物のみを点検するのではなく,構造物の背面地山なども含めた のり面全体の点検を行う必要があるが,ここでは,のり面構造物に対象を絞り,のり 面構造物毎に変状の発生形態,主な変状の原因,変状の発生しやすい場所,点検項目, 点検時の留意点をまとめ,表 3.5.6∼3.5.7 に整理する。

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表 3.5.6 のり面構造物毎の点検ポイント(1) 構造物 変状発生形態 変状模式図 主な変状の原因 変状の発生しやす い場所 点検項目 留意点 植生工 のり面の崩壊・小 崩壊 のり面のはらみ のり面の亀裂 洗掘・ガリー浸食 剥 落 に よ る 裸 地 化 植生の枯死 パイピング・湧水 ガリー浸食の例 地山の劣化進行・緩み すべり 湧水 排水不良 土壌不良・植生の不生 育 日照条件不良 のり面 のり尻 のり肩 排水路周辺 亀 裂 の 位 置 , 長 さ,深さ,方向 はらみ 湧水の有無・濁度 生育 植生・生育基盤の 流出 排水機能 亀裂は方向や形状,連続性に注意 し,地山全体のすべりの可能性の 有無を把握。 連続した亀裂やはらみは,直ちに 詳 細 調 査 等 の 対 応 を 要 す る 場 合 が多い。 地山変状に伴い,地下水供給が分 離され,植生が枯れ始めることも ある。 植生の剥離・流出に伴い風化・浸 食が促進される。 排水工 本体の損傷 接続部不良 通水阻害 排 水 路 周 辺 の 洗 掘 排水孔の目詰り 小段の水によるのり肩の浸食 根系の発達による排水溝の破損 地山の劣化進行・緩み すべり 沈下 ゴミ・土砂の堆積 植生繁茂 顕著な跳水,漏水 の り 肩 , 小 段 の 排 水工 水路継ぎ目 集水枡 排水路の周辺 排水機能 洗掘 排 水 工 の 変 状 は 地 中 へ の 浸 水 を 助長し,のり面崩壊の誘因となる ため,重要な点検項目。 排水路の変状は,集水した水を地 中 へ 浸 水 さ せ る こ と に も な り か ねない。何処に浸水し,それに伴 う 他 の 変 状 と の 関 連 の 把 握 も 重 要。 吹付工 亀裂 はらみ ずり落ち 目地部の変状 空洞化 剥離・小片落下 地山背面の風化の進行 土砂部の崩壊 すべり 湧 水 等 に よ る 地 山 の 劣化進行,流失 背面の空洞化 草木の発達 凍結融解による劣化 乾燥収縮 のり面 のり尻 凹 凸 部 等 の 地 形 変 化点 湧水箇所 亀 裂 の 位 置 , 長 さ,深さ,方向 はらみ 浮き・空洞化の範 囲 目地の異常 湧水の有無・濁度 排水機能 剥離・小片落下の 有無 亀裂は方向や形状,連続性に注意 し,地山全体のすべりの可能性の 有無を把握。 後背斜面の状態を確認。 浮き・空洞化は打音で点検。 亀裂からの草木は,更なる亀裂進 行となる。 小片落下は,道路利用者の安全に 影響を及ぼす。 張工 亀裂 はらみ 緩み 基礎の沈下 目地部の変状 すべり 背 面 土 圧 や 水 圧 の 上 昇 乾燥収縮 のり面 のり尻 のり肩 目地部 部材境界部 基礎部 亀 裂 の 位 置 , 長 さ,深さ,方向 はらみ 浮き・空洞化の範 囲 部材のズレ 目地の異常 基礎の状態 湧水の有無・濁度 排水機能 亀裂は方向や形状,連続性に注意 し,地山全体のすべりの可能性の 有無を把握。 後背斜面の状態を確認。 枠裏の土砂流出や空洞化に注意。 法枠工 はらみ 枠の亀裂 目地部の変状 枠 内 土 砂 の 流 出・空洞化 法枠工 開口亀裂 すべり 地山の劣化進行 枠自体の劣化 凍結・凍上 背面の空洞化 表流水による洗掘 のり枠交点部 のり肩 目地部 打継目 中詰工 排水孔 亀 裂 の 位 置 , 長 さ,深さ,方向 はらみ 基礎の状態 枠の浮き 排水機能 鉄筋の露出・腐食 亀裂は方向や形状,連続性に注意 し,地山全体のすべりの可能性の 有無を把握。 後背斜面の状態を確認。

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表 3.5.7 のり面構造物毎の点検ポイント(2) 構造物 変状発生形態 変状模式図 主な変状の原因 変状の発生しやす い場所 点検項目 留意点 擁壁工 亀裂 はらみ 折損 出隅部の破壊 目地部の変状 鉄筋の露出・腐食 すべり 背 面 の 土 圧 や 水 圧 の 上昇 基礎地盤の不同沈下 擁壁天端 隅角部 目地部 基礎部 排水孔 亀 裂 の 位 置 , 長 さ,深さ,方向 はらみ 目地の異常 基礎の状態 湧水の有無・濁度 排水機能 鉄筋の露出・腐食 亀 裂 は 方 向 や 形 状 , 連 続 性 に 注 意 し , 地 山 全 体 の す べ り の 可 能 性の有無を把握。 擁 壁 背 面 の 地 山 状 況 , 擁 壁 の 水 路等の変状に注意。 擁 壁 天 端 や 上 部 ・ 下 部 の シ ー ル コンクリートも点検。 コ ン ク リ ー ト 擁 壁 に 入 る 亀 裂 は 稀 で あ る 。 ブ ロ ッ ク 積 擁 壁 で は 背 面 土 圧 の 増 大 や す べ り に 伴 い , 水 平 方 向 の 亀 裂 や ズ レ が 見 られる。 ロック ボルト 工 頭 部 保 護 キ ャ ッ プの変形 受 圧 板 の 変 形 や 亀裂 受 圧 板 周 辺 地 山 の亀裂 補強材の引抜け 地山の局部的な崩壊 材料の損傷や腐食 土圧の増加 すべり 頭部 受圧板 頭 部 の 損 傷 や 変 形・腐食 受圧板の変形等 ロ ッ ク ボ ル ト 自 体 の 点 検 は 限 ら れており,周辺地山の状況(法肩 の亀裂等)に留意する。また,法 枠 を 含 め た 受 圧 板 の 状 況 も 確 認 する。 アンカ ー工 頭 部 保 護 キ ャ ッ プの変形 受 圧 板 の 変 形 や 亀裂 受 圧 板 周 辺 地 山 の亀裂 ア ン カ ー テ ン ド ン材の飛び出し 劣化 テンドン材の損傷 土圧の増加 すべり 頭部 受圧板 頭 部 の 損 傷 や 変 形・腐食 受圧板の変形等 ア ン カ ー 自 体 の 点 検 は 限 ら れ て おり,周辺地山の状況(法肩の亀 裂等)に留意する。また,法枠を 含 め た 受 圧 板 の 状 況 も 確 認 す る。 杭工 杭頭部の変位 (杭周辺の地盤・ 構造物の変状) 設 計 条 件 を 上 回 る 地 すべり力の発生 中抜けの発生 杭周辺地盤 杭周辺の沈下・盤 膨れ 杭頭の変位 杭 の 上 部(山 側 )で は 引 張 亀 裂 や 空洞化が発生しやすい。 杭 自 体 の 点 検 は 限 ら れ て お り , 周辺地山の状況に留意する。 落石対 策工 支柱の曲がり 基礎の変形・亀裂 ロ ー プ や ネ ッ ト の緩み・破断 鋼材の損傷・腐食 ポ ケ ッ ト に 土 砂 や転石が堆積 落石による損傷・変形 斜 面 の 洗 掘 や 緩 み に よる支持地盤の変状 堆 積 土 砂 等 の 除 去 不 足 ロ ー プ や ネ ッ ト , 支 柱 等 の 落 石 対 策 工自体 基礎部 ポケット ロープやネット, 支柱等の損傷・変 形 ポ ケ ッ ト の 堆 積 土砂状況 基礎の状態 落 石 を 前 提 と し た 構 造 物 で あ る ため,定期的な点検が必要。 他 構 造 物 よ り 点 検 頻 度 を 高 い 目 に考えておくのがよい。 落 石 を 前 提 に , そ の 機 能 を 有 す ることができるかを確認する。

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3.6 法面簡易点検の提案 3.6.1 法面簡易点検の方法 (1) 点検ならびに記録のポイント 本章で提案する「法面簡易点検」は,現在実施されている日常点検と定期点検を補 完する点検と位置付ける。以下に法面簡易点検のポイントを記す。 a) 点検方針 変状の早期発見と変状の進行状況を捉えることを目的に,これらを把握しやす いのり面構造物に着目し,のり面構造物に発生した変状を簡易計測することを基 本とする。できるだけ定量的な点検,定量的な評価を行う。 b) 簡易計測項目の選定 簡易計測項目は表 3.6.1 に示すとおりであり,このうち,各構造物の機能を損ない, 重大な災害に発展する危険性が高い変状で,定量的評価のできる項目を対象とする。 (クラック,目地の異常,基礎の沈下,移動・傾き,斜面の亀裂,路面の亀裂・沈下) c) 計測位置 変状が著しく,進展が予測される箇所を点検・記録の対象とする。なお,変状箇所 が多い場合については,変状が起きている原因をのり面全体(地形,地質,施工状況 等)から推測し,最も変状が進行しそうな箇所を選択する。(例:のり枠工→のり肩) d) 計測頻度 計測頻度は以下に示す年 4 回を目標に行い,変状の進行状況に応じて計測頻度の増 減を検討する。 ・ 5 月(梅雨入り前) ・ 8 月(梅雨明け) ・ 11 月(台風シーズン後) ・ 3 月(積雪,極寒終了時) e) 機器選定 法面簡易点検での計測は,簡易な計器の使用を原則とし,変状形態や変状規模によ って機器を選定する。 f) 記録様式 記録様式の詳細は,3.6.2 項で述べる。 (2) 点検項目の分類 「3.5 点検のポイント」で整理したのり面構造物毎の点検ポイントを基に,各のり 面構造物に対する点検項目と定量的評価が可能な点検項目を表 3.6.1 に整理する。な お,舗装はのり面構造物ではないが,特に盛土のり面の変状を把握する場合に有効な 点検項目となるため併記した。 表 3.6.1 に示した点検項目の幾つかは,複数の工種に共通し,工種が異なっても点 検方法や記録方法に共通性があるため,点検項目は表 3.6.2 に示す 16 項目に整理する ことができる。

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表 3.6.1 工種毎の点検項目と定量的評価の可否 表 3.6.2 点検項目の整理結果 点 検 項 目 ①クラックおよび目地部 の開き他 ②はらみ出し ③湧水 ④空洞化 ⑤排水機能 ⑥基礎の沈下 ⑦移動・傾き ⑧洗掘 ⑨鉄筋の露出・腐食 ⑩ 頭 部 定 着 部 材 料 の 損 傷・腐食・変形・沈下 ⑪ 杭 の 変 位 , 周 辺 の 沈 下・盤ぶくれ ⑫斜面の亀裂 ⑬支柱の変形 ⑭ロープの緩み ⑮ 生 育 状 況 ( 基 盤 の 流出・有害植物の侵入) ⑯路面の亀裂・沈下 (3) 点検,記録の方法 ここでは,各点検項目について変状の点検方法,変状の記録内容を記す。 a) クラックおよび目地の異常 (点検方法および記録内容) ・点検にはカメラ,マーカー,コンベックス,クラックゲージ等を用いる。(図 3.6.1 ∼3.6.2 参照) ・点検ではクラックの範囲,方向,深さを記録する。 ・新しい変状が発見されたら,まずマーキング(油性スプレー等による目印)を行い 変状の進展を確認する。 工 種 点 検 項 目 定量的評価 ①植生工 ①斜面の亀裂 可 ②はらみ出し,③湧水,④生育・生育基 盤の流出,⑤排水機能 不可 ②排水工 ①排水機能,②洗掘 不可 ③吹付工 ①クラック,②目地の異常 可 ③湧水,④はらみ出し,⑤空洞化, ⑥排水機能,⑦剥離 不可 ④張工 ①クラック,②部材のずれ,③目地の異 常,④基礎の沈下 可 ⑤湧水,⑥はらみ出し,⑦排水機能,⑧ 空洞化 不可 ⑤のり枠工 ①クラック,②基礎の沈下 可 ③はらみ出し,④フレームの浮き,⑤排 水機能,⑥鉄筋の露出,腐食 不可 ⑥擁壁工 ①クラック,②目地の異常,③基礎の沈 下,④移動,傾き 可 ⑤はらみ出し,⑥湧水,⑦排水機能,⑧ 鉄筋の露出,腐食 不可 ⑦ロックボルト工 ①頭部定着部材料の損傷,腐食, ②頭部定着部の変形・沈下 不可 ⑧アンカー工 ①頭部定着部材料の損傷,腐食, ②頭部定着部の変形・沈下 不可 ⑨杭工 ①杭の変位,②杭周辺の沈下・盤ぶくれ 不可 ⑩落石対策工 ①基礎の沈下,②背面土砂堆積量 可 ③支柱の変形,④ロープの緩み 不可 ⑪舗装 ①路面の亀裂,②路面の沈下 可

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・クラックが構造物のどの位置に入っているかが重要となるので,スケッチや写真は 日付ととも整理する。 (点検・記録の留意事項) ・変状記録の詳細は幅(X),長さ(Y),段差や目違い(Z)を記録する必要がある。 変状がその後進行するような場合は,この初期値からの変動傾向で原因が究明され ることもあるので非常に重要である。 図 3.6.1 ひび割れ進行の確認8) 図 3.6.2 簡易計測機器9) b) はらみ出し (点検方法および記録内容) ・点検にはカメラ,水糸,スタッフ,ポール等を用いる。 ・点検でははらみ出しの範囲,範囲,方向を記録する。また,図 3.6.3 で示すような 変位量の計測が可能な場合は,変位量を記録する。 ・はらみ出しの状況のスケッチや写真は日付とともに整理する。 (点検・記録の留意事項) ・まず見通し調査を行い,はらみ出しの有無を確認する。 ・はらみ出しは,ブロック張り工やブロック積み擁壁などの構造物に多く見られる変

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状である。そのため,はらみ出しは目地部や接続部の開きや段差とともに発生して いる場合もある。擁壁等の場合は勾配定規等を利用して変状を判断できることもあ る。 図 3.6.3 はらみ出しの計測方法例 c) 湧水 (点検方法および記録内容) ・点検には,カメラ,集水用の器等を用いる。 ・点検では湧水の範囲,量,濁度の有無を記録する。 ・湧水状況のスケッチや写真は日付とともに整理する。 (点検・記録の留意事項) ・湧水には,その状況により染み出し,滴水,出水状態が想定される。常時出水して いる箇所はメスシリンダー等で計測可能であるが,染み出しや滴水状態の箇所は, その湿潤している範囲でその程度を評価する。 ・湧水はどの位置で起きているかが重要なため,スケッチや写真で状況を記録する。 ・晴天時や降雨後で水量が違う場合があり,計測日前の降水状況について記述する。 d) 空洞化 (点検方法および記録内容) ・点検にはハンマー等を用いる。 (点検・記録の留意事項) ・空洞化の原因は,構造物背面の裏込め材流出や地山の洗掘等が考えられる。そのた め,一見しただけでは変状を確認することは困難であり,打音調査等によって,そ の範囲を記録しておく。(図 3.6.4 参照)また,モルタル吹き付け工では೸㔌してい るものは,その範囲や亀裂等との関連性もスケッチして記録する。 図 3.6.4 打音による判定10)

表 3.4.2  植生工の種類と特徴 6) 構造物  分類  目的  特徴  適用範囲・条件  植生 工 抑制工/のり 面 保 護工 種子散布工  侵 食 防 止 ( マ ト リ クス流出防止),風化防止,凍上崩落抑制。 全 面 植 生 ( 緑 化 ) 及び景観保護。  ポンプを用いて,木質繊維 を 主 体 と す る 植 生 基材 を 厚 さ 1cm 程 度 に 散布する。 短 時 間 に 大 面 積 の 施 工が可能である。  肥 沃 地 侵 食 の 少 な い 地 , 湿 潤地に適用する。 急 勾 配
表 3.4.3  排水工の種類と特徴 6) 構造物  分類  目的  特徴  適用範囲・条件  排水 工 抑制工/地表水排除工 水路工  斜面表面の排水。  降 雨 の 浸透 , 湧 水や 池沼からの浸透防止。  表流水,湧水による地山の風化防止。 岩 塊 周 囲の マ ト リク スの洗掘防止。  地 す べ り 地 , 崩 壊 地 内 の雨 水 を 速 や か に 集 水 し て地 域 ( 斜 面 ) 外 に 排 除 する た め に 地 域 内 に 集 水路 , 排 水 路 を 組 み 合 わ せた水路
表 3.4.4  吹付工の種類と特徴 6) 構造物  分類  目的  特徴  適用範囲・条件  吹付 工 抑制工/のり 面 保護工 モルタル吹付工  雨水(表面水)による侵食・浸透や風化・劣化の防止など。 小 規 模 な 岩 盤 剥離の抑止。 風 化 に よ る 新 たな崩壊・落石源の発生予防。  モ ル タ ル ま た は コ ン クリ ー ト を 圧 縮 空 気 で 斜面 に 吹 付 け る 工 法 。 被射 体 に 直 接 吹 付 す る ため,型枠が不要。 斜 面 保 護 効 果 が 高 く ,し
表 3.4.6  法枠工の種類と特徴 6) 構造物  分類  目的  特徴  適用範囲・条件  法枠 工 抑制工/のり 面 保護工 プレキャスト法枠工  の り 面 の 風 化 侵 食防止。 緑 化 基 盤 工 と し て利用。  切 土 のり面, 自然 斜面な ど に連 続し た格 子枠を 造 って,斜 面の 安定を 図 る 工 法 。 枠 内 を 緑化 す ることで ,周 辺環境 と の調 和を 図れ るなど , 防災と環 境保 全を目的に施工できる。 植 生 困難 な地 質や 岩盤の り 面の 主に
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参照

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