国土交通省近畿地方整備局近畿技術事務所(H.P.より)では,道路を管理する現場の 担当者が,図 3.10.1 に示す日常の道路巡回時ののり面点検で活用することを目的に
「道路法面維持管理のためのハンドブック(案)」(H22.10)のとりまとめが行われてい る。本節ではこのハンドブック(案)についてその概要を紹介する。
図 3.10.1 法面管理のフロー
ハンドブック(案)では,長期的な視点から合理的に道路のり面の健全性を評価し,
効率的に維持管理する方法についての検討結果がまとめられている。
その結果,のり面内部への水の浸入がのり面の劣化の主要因であることを示し,こ れを軽減するために排水機能を適切に維持することや,長期的な維持管理のためにの り面の状況(施工前,施工後)や発生した事象(亀裂,落石等)を長期的に記録・保存す ることを重視した内容となっている。
のり面健全性がまさに今損なわれつつあるときに出現する危険因子について整理し,
早期発見していただけるようにまとめられており,日々道路を巡回し,維持作業に従 事される技術職員の方々へ向けて作成されている。
ハンドブック(案)は,以下の五つの章で構成されている。
第 1 章 道路法面健全性低下のメカニズム 第 2 章 点検の着目点
第 3 章 法面の管理
第 4 章 法面健全性モニタリングの実施 第 5 章 初期情報・補修履歴の保存
第 1 章から第 3 章は,排水機能の適切な維持により,道路のり面を長期的な劣化か ら守ることを重視した内容となっている。第 1 章では,雨水がのり面に浸透し崩壊に 至るメカニズムを説明し,第 2 章,第 3 章で,この浸透水に配慮した点検の着目点,
および管理方法等について記載されている。
次に第 4 章と第 5 章は,のり面の状況や発生した現象を長期的に把握することを重 視した内容としている。第 4 章で,危険と判断したのり面の変化を継続的に把握する ためのモニタリング方法を,第 5 章ではのり面の管理を行う上で必要な情報を適切に 記録・保存するための様式や記入方法が記載されている。
これらのうち,日々の道路巡回における着目点は,表 3.10.1のようにまとめられて おり,盛土のり面,切土のり面の巡回時の着目点は,図 3.10.2〜3.10.10 のようにま とめられている。
表 3.10.1 法面健全性低下要因および着目点
図 3.10.2 道路巡回での着目点:盛土のり面(1)
図3.10.3 道路巡回での着目点:盛土のり面(2)
図3.10.4 道路巡回での着目点:盛土のり面(3)
図3.10.5 道路巡回での着目点:切土のり面(1)
図3.10.6 道路巡回での着目点:切土のり面(2)
図3.10.7 道路巡回での着目点:切土のり面(3)
図3.10.8 道路巡回での着目点:切土のり面(4)
図3.10.9 道路巡回での着目点:切土のり面(5)
図 3.10.10 道路巡回での着目点:切土のり面(6)