サ ッカーにお け る諸 能 力の主観 的評価 と スキル テ ス トとの関連 につい て
麓 信 義
Subj e c t i veJ udge me nt sofSo meAs p e c t sofAbi l i t yi nS∝c e r a ndi t sRe l a t i o nt oSki l lTe s t s
Nobuyos hiFumot o
Theunder s t a ndi ngofvar i ousa s pec t sofs oc c erwass t udi ed by r eques t i ng s ubj ec t i ve j udgement sf r om ei ght een pl ayer sofauni ver s l t ys oc c ert eam,Whower e a s ked t o eva l ・ uat et hei rown a nd t hei rt eammat e' sper f or ma nc e.
Eac h pl a yerwa sas ked t oc ompa r et hes ki l l soft wopl a yer si neac h pos s i bl ec ombi na ‑ t i on ofei ght een,and t oba s ehi seva l uat i ononea c h pl ayer' sper f or ma nc ei n t eam pl a y , p
er s ona ls ki
ll,of f enc e,def enc e,andt ot a labi l i t y・ Ans wer swer e g iven on a f i ve‑ poi nt s c a l e.
Ifonepl a yerofapai rWa sc ons i der ed wi del ys uper i o r ,hewa sg iven2poi nt sa nd t heot hernone;i fonepl ayerwa ss l i ght l ys uper i or ,her ec i eved1. 5pol nt Sa nd t heot her o. 5;i ft wopl ayer swer ec ons i der edequa l , bot hr ec i evedonepoi nt . The eva l uat i onsof a l lpal 一 sbya l ls ubj ec t swer ea dded upf orea c h eval ua t i on a s pec t ,and t he pol nt Or der wa sdet er mi ned.
Fours ki l lt es t s( s eeFi gur e2)wer egi vent oea c hpl a ye r .Ther el a t i on bet ween t he s ub j ec t i vej udgement sa nds ki l lt es t si sdi s c us s d by r a nk or der c or r el a t i on c oef f i c i ent s .
Themai n r es ul t swer e:
L C or r el at i onc oef f i c i ent sbet weeneval uat i onsoft he f i vedi f f er ent a s pec t swer e a l ls i gni f i c a nta nd hi gh ( Tabl e 1). However ,t hec oef f i c i ent s bet ween def enc e a nd of f enc ea nd bet weendef enc ea ndper s onals ki l lwer er el at i vel yl ow.
2.Cor r el at onc oef f i c i ent sbet ween t he i ndi vi dua leval uat i ons a nd t he s ki l lt es t s wer eal lpos i t i ve,butt hec oef f i c i ent sbet weendef enc ea nd t he s ki l lt es t s wer e not s ohi gh.
3. C or r el at i on c oef f i c i ent sbet weenpl a yl ngyea r sa nd eval uat i onsr evea lt hatt he c or r el at i on t ot ot alabi l i t ywa st hehi ghes ta nd t he c or r el at i on t o of f enc e wa s t he l owes t( Tabl e4) .
Ther el a t i on bet ween per s ona ls ki l la nddef enc ewa sr el at i vel yl ow・ Thi smayi ndi ‑ c at et hatt hepl a yer sof t en ha veabet t er i ma ge of of f ens i ve pl ays t ha n of def ens i ve pl aysa sper s onals ki l l . Thec or r el at i on bet weenper s ona ls ki l la nds ki l lt es t s wa s hi g h
,弘前大学教育学部保健体育科教室
3 6
麓 信 義b utt hes ki l lt es t sdi dnotc or r el a t e t o def enc e,exc ept f or one t es t( c ont i nuouss hor t ki c k) .Compai r ed wi t h t heot hert es t s ,t hi st es ts eem t oha veas pec i a lc ha r a ct e r . Tot a l abi l i t yc or r el at edmor ehi ghl yt ot eam pl a yt ha n t oper s onals ki l la nd i t al s o c or r el at ed
mor e hi ghl yt o def enc e t ha n of f enc e. Thi si ndi at es t hat a pl ayer who under s t ands s oc c era ndc a n movewel lasamemberoft het ea m i sj udged hi ghl yf r om t heas pec tof def enc eand asar es ul ti sj udgedt ohaveahi g h over al labt i l i t y. The c or r el at i ons of pl a yi ngyear st oeval uat i onswoul d s uppor tt hi sc onc l us i on.
サ ッカーの能力の主観的評価は,主観的評価の段階 とスキルテス ト得点 との相関をみ ることに よって, ス
7
)5
)キルテス ト自体の妥当性を検討す るために よく用 い られている (横井
,1 9 6 0;
久保田,田中,竹 内,1 9 7 2;
Co l l i ns & Ho dge s ,1 9 7 8
1);磯川 ・戸苅 ・大橋 ・岩札1 9 7 9 )
c Lか し,主観的評価その ものを研究対象 とし 6)
た報告は少ない。
Wi l ki n s o n & Tho ma s( 1 9 7 8 )
は,3
人の被験者 (うち2
人はサ ッカー協会の コーチ,1
人 はサ ッカー経験のほ とん どないスポーツ科学者)に, テ レビデオ フ ィルムか ら撮 った31
回のシ ュー ト場面を 提示 し,0‑7
の8
段階評価を求めた。基準は 0が 「技術的には見 るべ きものがない」( Nos k i l ld i s p l a y e d)
であ り,7
が 「最高の技術が用い られている」( Hi gh e s td e gr e eo fs ki l ld i s p l a ye d)
であ る。その 結 果,3
被験者の評価の間にかな り高い相関係数が得 られた( r ‑0. 5 6 ,0. 7 5 ,0. 7 9; p<0. 0
01)。 この研究は, しかしなが ら,特定の一場面での技術発揮が どの程度の技術を用 いた ものであったかに関す る評価を対象 として お り,個人の持 ってい る技術の度合,あ るいは能力に関す る評価を研究 とした ものではないO完全な ノーマ ー クシュー ト場面であれば,い くら技術に優れた者であ って も,上記の評価方法に よっては高い評価は得 ら れないであろ う。
本研究では,個人の持 っているサ ッカーに関す る種 々の能力について,それが どの ように評価 されている かを把握 しようとした。その評価 も,上記 したスキルテス トとの相関を研究 した報告にみ られ るような コー チや監督的立場か らの評価ではな く,サ ッカー部員の相互評価の実態を解 明す ることを 目的 とした。方法 と しては,‑大学サ ッカー部の全部員の対を提示 し両者の能力を比較 させ る質問紙を用いた。評価は,総合力 の評価 とそれを構成す ると思われ る,個人技 とチームプレー,攻撃 と守備,に分けた評価 との計
5
つの観点 か ら行わせた。サ ッカーは集団スポーツであるので,各人の総合力は,個人技 とチームプレーに大別で きる のであろ う。 また,サ ッカーはアメ リカンフ ッ トボールの ようなスポーツと異な り攻撃 と守備が連続 して交 代す るので,同一選手に攻撃能 力と守備能力が要求 され る。全員攻撃全員守備の近代サ ッカーにおいては, 総合力を攻撃能力 と守備能力の和 と考え ることができるであろ う。総合力の評価 と他の4
つの観点か らの評 価 との相関係数を算出す ることに よ り,総合力の評価に どの観点か らの評価が もっとも寄与 しているかが明 らか となろ う。 また,近代サ ッカーにおいてほ, フォワー ドに対 して も守備力が要求 され,/;ックの攻撃参 加 もさかんに行われ るようにな ってきているので,いわゆ る「
いい選手」 とい う時,攻撃守備両面で優れた 選手を指す場合が多い。 したが って,守備の評価 と攻撃の評価の間にはか な り高い相関が予想 され る。一方, 個人技 とチームプレーとは一応異次元の もの と考え られ るので相関は低いと予想 され る。ただ し,周 りを見 なが ら ドリブルで きる, とい った能力がチームプレーの前提になっているとす ると,相関が高 くな る可能性もあ る。
これ らの評価内容の検討 の参考 として,本研究では,足を用 いたスキルテス トを実施 した。その結果 もあ わせて検討す る。
方 法
被験者
被験者は,同一大学の ゴールキーパーを除いたサ ッカー部部員
1 8
名である。サ ッカーの経験に関 しては, 小学校の時か ら行 っている者 も,大学‑入 ってか ら始めた者 もいて,平均経験年数は,6. 3 5土2. 9 7
年であ る。このチームは,調査の前 年度に東北大会で準優勝 したが,調査 した年度の成績はあま りよ くなか った。
方 法
アンケー ト調査 は,各部員に全部員
(1 8
名)の対を記入 した用紙を配 り,総合力,個人技,チームプレー, 攻撃お よび守備の観点か ら, どち らが優れてい るかについて,本人の関係す る対 も含めてすべて5
段階評価させた。その
5
段階評価に 0か ら2まで0.5
きざみで得点を与 え,その得点を合計 して各部員の総得 点 を算 出した。 AがBよ り優れている場 合にはAに2点, Bに 0点を与 え, Aがやや優れている場合にはAに 1. 5
点,B
に0.5
点を与 えるとい うや り方である。 また,AB
同等の場合に両者に1
点づつを与 えた。 この よ う に して得 られた各人の得点を観点別に個人用紙内で合計 し,それを全部員について合計 し,主観的評価に よ る部内での順位 を決定 した。部内に とび抜けて優秀 な選手が1
人いる場合には,最高の61 2
点(2
点×1 7
対×1 8
人)が与 え られ る計算になる。評価の参考に したスキルテス トは,以下の
4
項 目であ る。(1
)ボール リフテ ィング足のみに よってボールを連続 してつ く課題であ る
。 1
分間の問についた回数を測定 したO ボールが床に落 ちた場合はただちに ボールを拾い再び続け させ,落下前の回数に加算 した。足以外の胸, もも等の使用 は許3
)可 したが, ボ‑ル ])フテ ィングの回数には加えなか った。 この方法 は,磯川 ら
( 1 9 7 8 )
の行 った方法 と同 じ であ る。 1
分間の合計回数 と落下回数を記録 して分析の資料 とした。(2)連続 シ ョー トキ ック
シ ュー ト板の最下壁に 1m̲平方 の 目標を作 り, 5m離れた地点か らその 目標に向ってボールを蹴 り,はね 返 って きた ボ‑ルを再び蹴 るとい う課題であ る。 目標か ら 5mの ところにシ ュー ト板 と平行に ライ ソを引 き, 蹴 った時の立ち足が ライ ンよ り壁側にあ った場合 と蹴 ったボールが壁の 目標に当た らなか った場合は回数に 数 えなか った
。 1
分間の間に 目標に当った回数を成功数, 目標に連続 して当った回数 を連続成功数 として記 録 した。できる限 り連続 して, しか も蹴 る回数を多 くす るよ うに と教示 した。 キ ックは得意 な ものを用 いるように と指示 した。
(3
)ボール コン トロール8. 4M
お きに,半径1. 8M
の円を3
つ描 き,被験 者を中央の円に立たせた。両端の円内にはそれぞれ1
名の 測定補助員を配置 した。補助員はボールが渡 された らそれを手で と り,中央の円の中心に落 ちるようなボー ルを両手で下か ら投げ る役 目であ るO課題は,片方の補助員か ら投げ られたボールを中央の円内で トラ ップ し180
度方 向変換 しもつ一方の補助員に ボールを渡す とい う動作をで きるだけ速 く正確に行 うことで あ る。被験者が トラ ップした後で行 うパ スには ダランダボールを用 い,パスの球が浮かない よ うに と注意 した。補 助員が投げたボールを中央 の円内で トラ ップで きずに円外‑ 出た場合は トラ ップ ミス,補助員へ のパスを補
2)
助 員がサ ークル内で とれない場合はパ ス ミスとして記録 し回数に含めなか った。 これは,平下 ,山本( 1 9 7 9 )
の用 いた ものを改良 した ものであ る。3 0
回行わせ,その所要時間を測定 した。(4)
ドリブル3)
ドリブルについては,磯川 ら
( 1 9 7 8 )
が用 いた方法がある (図1
のA)
。 しか し,直線部分は不必要では包1
ないか とい う意見 もあるので,直線部分を除いた もの (図 1の B) と,直線部分 を除いて長 さを長 くした も の (図
1
のC)
も行 ってみた。国中の○ 印は高 さ5 0c
nの円イスであ り,イスとイスの間隔はすべて 3mであ る。直線部分の入 らない ドリブルは, 3往復 させてその所要時間を測定 した。所要時間は,ス ター ト地点で 初めてボールに触れてか ら, ボールお よび身体が両方 ともゴール ライ ンを越 えた時 までであ る。 この ドリブ ルのみ,17
名の データしか得 られなか った。4
項 目とも2回測定 し, よい方の値 を各被験者の′iフ ォーマ ソスとした。なれ 測定はすべて体育館で行 った。注
1
東京大学教養学部浅見俊雄教授よりの私信3 8
麓 信 義Dr i bbl eA Dr i b bl eB Dr i bbl eC Fi gt l r e1 Dr i bbl et e s tc o ur s e s
結 果
主観的評価の信頼性を検討す るために,主観的評価で上位
9
名に入 った者に よる評価 と下位9
名の者に よ る評価 との相関を調べた。 これは,サ ッカーの能力で上位の者 と下位の老 とでは価値の置 き方が異 って評価 も異 なる可能性があると考えたか らであ る。 しか し, この特殊な折半法に よって も,信頼係数 (順位相関係 数)は5
観点の評価で0. 9 5 9‑0. 9 8 8
と高か った (表2
の最下段)。次に,観点別評価間の順位相関係数を表 】に示 した。すべて
1%
水準以上で有意 な相関係数が得 られた。Ta bl e 1 Ra nkOr de rCo r r e l a t i o nCo e f f i c i e nt st 光t We e nFi v eJ udge me nt s ( 2 ) ( 3 ) ( i ) ( 5 )
** :
P<0. 0 1,
*** :P<0. 0 01
これは,一つの観点での能力が高 く評価 され る者は他の観点での能力評価 も高い傾 向にあ ることを示 してい る。その中では,守備 と攻撃,守備 と個人技の間の相関係数が比較的低い値であった。
スキルテス トに関 しては,
1
回 目と2
回 目のテス トの間の順位相関係数 (信頼係数) と,各項 目のパ フ ォ ーマ ンス と5観点か らの主観的評価 との間の順位相関係数を まとめて表2に示 した。1
回 目と2回 目の得点の間の相関係数は,かな りのば らつ きがみ られ る。 ボール リフテ ングとボール コン トロールの相関係数は高 く再現性が認め ら十Lるのに対 して, ドリブルや連続 シ ョー トキ ックの再現性はかなTAbl e 2 Ra nkOr de rCor r e l a t 1 0 nCo e f f i c i e nt sbe t we e nSubj e c t i veJ udge me nt sa ndSki l lTe s tSc o r e s , Re l i a bi l i t yo fSubj e c t l VeJ udge me nt sa ndSki l lTe s tScor e s ,a ndMe a n Pe r f or ma nc e s ski . ITe s t
IT p
el a a
;Pe ; s k ? 1 7 a lof f e nc
eDi f e nc eA T b ? 1 t i 詰 ;i e l l i l f y ' p。 霊 … Ln a nc e
Tot a lHi t s
Me a nCont i nuou
sHi t s
♯ Tot alHi t s ‑Fai l e dHi t s
. 6 3 9
**. 7 7 7
*** . 75 0
*** . 41 6 . 62 8
**. 65 3
**. 8
10***. 77 9
***. 44 3 . 6 51 * *
. 6 66
** . 81 4
***. 79 2 * * * . 4 3 4 . 66 2
**. 9 6 2
***8 3. 6士2 3. 6t i me s Co nt i nuous
Sho r tKi c k
♯ To t a lHi t s
Ma x.Co nt i nuo usHi t s
. 8 82 * * * . 8 9 3
*** . 85 3
***. 74 6
***. 91 7
***. 5 62
*2 3. 6士4. 6 3t i me s . 8 9 9
***. 83 9
*** . 7 8 9
***. 7 71 ** * , 9 07
***Ba l lCont r ol
.748*
**. 79 8 * * * . 37 5 . 6 4 2 **
.816***71. 5士7. 1 2S e C
Re l i a bi l i t y ト95 9 * * *
・986*** ・968*** ・969*** ・988****:P<0. 05
#:
I nde x us e df ordi s cus s i on
♯♯:
Da t awa sobt a i ne df ors eve nt e e ns ubj e c t sonl y
り低い。連続 シ ョー トキ ックとボール リフテ ィングの得点 につ いてはい くつかの指標 を考えた。表
2
をみ ると, い ずれの方法に よって も主観的評価 とのの相関係数 には大 きな差 は認 め られ ない。 したが って,個人技 の評価 ともっとも相 関の高 い ものを考察 に用 いた (表 の#印)。 ドリブルにつ いては3
種類実施 したが, ドリブルBは主観的評価 との相関が 極端に低か った。そ こで,考察には主 に ドリブルAとCを用 い ることに した。
スキルテス トの得点 と主観的評価 との問 の順位相関係数 はすべて正の値 を示 した。その中では,守備の評 価 との相関が比較的低 く,有意 な相関係数 を示 したのは,連続 シ ョー トキ ックと ドリブルAのみであ った。
考 察
(1
)主観的評価について観点別の主観的評価 をみ ると,攻撃 と守備の相 関が,有意 ではあ るが,比較的 低い値であ った。 これは, この大学 チ ームでは,攻撃型 プ レーヤーと守備型 プ レ‑ヤーがか な りは っき り分れてい ることを示 している。
また, フ ォワー ドの守備に難点が指摘 され ていた この年 のチ ームの実情 を反映 した結果 とみ ることもで きよ う。
一方,個人技 とチ‑ムプ レーの相 関はかな り高か った。 これは, ボール コン トp‑ルが しっか りで きる, とい った個人技 の能力がチームプ レーを行 うための必要条件 とな っている ことを反映 してい ると思われ る。
本大学 チ ームの場合,経験年数に個人差が大 き く,
1
0年近 くサ ッカーを行 ってい る者は,当然, どの観点の 評価で も,1,2
年 の経験者 よ りも高い評価を受け ると考 え られ る。高い相関係数が得 られた原因の一つは,この よ うな経験年数 の大 きなバ ラツキ と,それに起因す る基礎的能 力の差 と考 え ることができる。 したが っ て基礎的能力に大差はない と考 え られ る全 日本チームや,経験年数に大差がない小 ・中学生 チームにおいて 同様 の調査 を行 った場合, どの よ うな相関係数 が得 られ るかは,今後 の課題 であ る。
次に,総合力 との相関をみ ると,個人技 よ りチームプ レーが,攻撃 よ り守備の方がやや高い相関係数 を示 してい る。 また,守備 と個人技 の相関は比較的低 か った ことか ら考え ると, コンビネーシ ョンプ レーがで き, それに よって守備に力を発揮で きる者が総 合力を高 く評価 され ると言 え よ う。
さらに,個人技は,守備 との相関が比較的低 く,攻撃 とは高い相関が認 め られ る。 この ことは
,
「個人技」と言われた時,少 な くともこの大学 チ ームの部員は, ドリブルで抜 くとか ボ レーシ ュー トが うまいとか言 っ た攻撃的 な プ レーを思 い浮べ て評価 し,一対一で抜かれない よ うに守 る技術やパス コースを読 んで カ ッ トし
40
麓 信 義た りす る能 力を十分に評価 しない傾 向にあ ると言 え るだ ろ う。 この ことが,守備 と個人技の間の相関係数が 比較的 低か った理 由の一つではないか と思われ る。
守備の評価 とチームプ レーの評価の問に,高 い相関係数が認め られたのは,守備におけ る連繋 プレーの重 要性が認識 され ていることを示す もの と考 え られ る。
(2
)スキルテス トについてスキルテス トの再現性にはかな りのノミラツキが認め られ る (表
2)
。 これは,1
回 目と2
回 目の試 行の間 の相関係数に よって再現性 を算出 した ものであ り, よ く用 い られ る方法 であ る。 しか し, この方法 は信頼係 数 を求め るための折半法 とも異 ってい る。なぜ な ら,折半法で求め る信頼係数 は,本来,折半す る前の全体 合計 を得点 とす る性格 テス トの よ うな多項 目の テス トについて用 いられ て きたか らであ る。 2回行 って良い
万の値 を とるとい うよ うなテス トの場合は,再現法 の方が よい と思われ る。そ こで,2
回行 って良い方 を と るとい うテス トを2
回行 って再現性 をみ ることに した。 3月ほ どた ってか らであ ったが,特に1
回 目と2
回 目の相関係数が低か った ドリブルAと連続 シ ョー トキ ックについて再度 テス トを行 ってみたO被験者の都合 で ドリブルの再 テス トは15
名,連続 シ ョー トキ ックの再 テス トは16
名であ った。最初のテス トと2回 目のテ ス トとの相関係数 は,連続 シ ョー トキ ックでは0. 67 6とな り,前述の相関係数 よ り高 くな った。 しか し, ド
リブルAについては,0.4 0 4と,かえ って低い値 とな った。 ドリブルテス トの信頼性 は, かな り問題 の残 る
ところであ るO ボール 1)7テ ィングとボル コン トロールの再現性が高い理 由 として,練習の時 に よ く行 って い ることが考 え られ る。 イ スを等間隔に置いた ドリブルや連続 カベ打ちほ,毎 日行 うよ うな練習種 目ではな い ことが,再現性 の低い理由の一つか も知れ ないO各 スキルテス ト問の順位相関係数を蓑 3に示 した。 ドリブル Bを除いた種 目間の相関係数は連 続 シ ョー ト キ ックとボール コン トロール,お よび,連続 シ ョー トキ ックと ドリブルCのみ有意性が認め られ な か った。
Tabl e 3 RankOr de rCo r r e l at i onCo e f f i c i e nt sbet we enSki l lTe s tScor e s ( 2 ) ( 3 ) ( 4) ( 5 ) ( 6 )
(1)Bal lJ uggl i ng
( 2 )Cont i nuousShor tKi c k ( 3 )Bal lCont r ol
( 4) dr i bbl eA ( 5 )Dr i bbl eB ( 6 )Dr i bbl eC
. 585
*. 62 9
**. 8 09
***. 644
**. 7 71 *
**. 479 . 5 79
*. 2 65 . 4 79 . 6 00
*. 2 35 . 547
*. 665
**. 6 00
*. 635 **
また, ボール リフテ ィングと ドリブルの相関係数は, ドリブルAとが0.
809,
ドリブルCとが0.771
と高 く, ボール リフテ ィングと ド1)ブルはかな り似か よった能力を測定 していると思われ る。 ボール リフテ ィングは 他のすべ ての種 目と有意な相関を示 したが,その中では,連続 シ ョー トキ ックの相関が もっと も低か った。これ らの ことか ら,連続 シ ョー トキ ックが,ややかけ離れ た性格 を もつ テス トと考え られ る。 この ことは, 後 に主観的評価 と関連 して再 び と りあげ る。
(3
) スキルテス トと主観的評価の相関について各種 目と各評価 との相関係数 を見 ると (表
1
), 守備 の評価 との相関が低 い ことが 目につ く,そ して,そ の中では,連続 シ ョー トキ ックのみが高い相関を示 してい る。 この ことは,守備の評価 と個人技 の評価 との 相関が低 い ことと関連 し,守備能 力の評価が,個人技 ではな く, ポジシ ョンの取 り方の よ うな,個人技 以外 の面 で高 く評価 されてい ることを示 していると言 え よ う。 さらに,連続 シ ョー トキ ックの よ うに守備の評価 と高い相関のあ る種 目もあ ることか ら,守備能 力を反映す るスキルテス トの開発が可能 であ り心安 とされ て い ると言 え るだろ う。連続 シ ョー トキ ックは,全員がサイ ドキ ックを用 いて行 ってお り, 目標に当て るとい うテス トの性格か ら,確実 な プ レーが要求 され ている課題 と考 え ることがで きる。 この よ うな課題 で よい得 点を得 られ る能 力は,守備に必要 な もの と推察 され る。(4)
経験年数 との関連本研究対象のチームは経験年数の バラツキの大 きいチームであ った。そ こで,経験年数 と評価,お よび, スキルテス トとの相関係数を求めた (表
4)。経験年数 との相関は,個人技 よ りチームプレー,攻撃 よ り守
備の方が高 く, スキルテス トととの相関では,連続 シ ョー トキ ックとの相関が もっとも高いとい う関係を示 した。主観的評価 との関係は,スキルテ ス トと主観的評価 との関係 とは反対に攻撃 との相関係数 よ り守備 と の相関係数の方が高い, とい う結果であ ったo経験年数の長 い者は,連繋 プレ‑等,チームの一員 としての 動 きを よく知 っているので この よ うな結果にな ると思われ る。Tabl e 4 RankOr de rCor r e l at i onCo e f f i c i e nt sb et we e nPl ayi ng Ye ar s andSKi l lTe s tSc or e sorSubj e ct i veJ udgeme nt s
Pl ayi ngYe a r s Pl ayl ngYe a r s Te am Pl ay
Pe r s onalSki l l Of f e nc e De f e nc e Tot alAbi l i t y
. 78 7* * * . 71 3 ***
Ba l lJ uggl i ng
Cont i nuousSho r tKi c k . 6 81
**i lBa l lc ont r o l
. 76 3* * * . 8 08** *
. 5 35 * . 6 8 8* * . 31 5 . 64 7* * . 3 8 3 . 5 6 8 *
(5
)主戦的評価の意義このアンケー ト調査について,上述 した よ うに,全 日本チーム, 日本 ])‑グチームに実施 した場合に も同 様 の結果が得 られ るか ど うかは,今後の課題であ る。 しか し,少な くとも,チームの実情の把握や同 レベル の他のチームとのチームカラーの比較等 には有効な手段 とな ると思われ るC
本研究は,第
1
回サ ッカー医 ・科学研究会 (昭和55年10 月 1 0
日)において,盛田元之 と共同発表 した もの であ る。引 用 文 献