九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
弾塑性有限要素法による地盤の応力・変形・支持力 解析
東, 孝寛
https://doi.org/10.11501/3151024
出版情報:Kyushu University, 1998, 博士(農学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
第5章 限変形弾塑性FEMによる地盤の圧密変形解析
5.1はじめに
変形解析には, 微小変形解析と有限変形解析がある. 従来,
地盤の変形解析には,一般に微小変形解析が用いられてきた.
しかし, 圧縮性が大きい軟弱地盤上の盛土の場合, 幾何学的 な形状変化が変形に及ぼす影響を考慮する必要がある.そこ で, 地盤の圧縮性や透水性, あるいは載荷幅などが, 有限変 形解析による圧密変形解析結果に及ぼす影響について検討し ておくことは有益である
Asaoka et al. (1997)は, 土の構成関係が等方線形弾性モデ ルで与えられる地盤の圧密変形について, 有限変形解析と微 小変形解析を行い,幾何学的な非線形性が解析結果へ及ぼす 影響について検討している. 本章では, 最初に有限変形弾塑 性FEMによる圧密変形解析の定式化について述べた. 次に,
構成関係が関口・太田の弾塑性モデルで与えられる等方均質 な正規圧密地盤に帯状等分布荷重が作用する場合について,
地盤の圧縮性,透水性, および載荷幅を変えて, 有限変形解 析と微小変形解析による圧密変形解析を行い, 両解析結果の 比較を通して, これらの因子が解析結果へ及ぼす影響につい て検討した.
5.2有限変形弾塑性FEMによる圧密変形解析の定式化
5.2.1有限変形解析の定式化手法
有限変形FEM解析の定式化においては,時々刻々の変形に 伴う幾何学的変化(幾何学的非線形性)を考慮する方法として,
座標や幾何学的形状の参照の仕方によって二つの方法がある.
第一の方法は,物体の変形前の座標や幾何学的形状を基準と した応力, ひずみ,あるいはひずみ速度の聞の関係に基づいて 考えるtotalLagrange流の定式化であり, 第二の方法は, 物 体の変形後の幾何学的形状や時々刻々変形によって更新され る座標を基準とした応力, 応力速度(または応力変化率), あ るいはひずみ速度の間の関係に基づくupdated Lagrange流 の定式化である(山田,1980;伊東・市川,1994).
一般に, 有限変形解析では, 大きなひずみ領域を対象とす ることが多く, 土の場合は, 同時に材料非線形を考慮しなけ ればならない. 本研究においては,全過程を細かく分割して 増分的に解析するのに適しているupdated Lagrange流の定 式化手法を採用した.
5.2.2解析に使用した構成関係式 5.2.2.1土の応力速度一ひずみ速度関係
土の構成モデルとしては, 主応力の回転によるひずみの増 加など, 異方圧密 土の変形挙動を表現できるSekiguch i and Ohta(1977)によって提案された微小変形理論に基づ‘く弾塑性 モデルを, 有限変形問題へ適用できるように拡張した有限変 形関口・太田モデル(飯塚, 1994)を使用した. また, 応力と
しては,Cauchy応力(T)(圧縮を正とする)を採用した.有限 変形関口・太田モデルの降伏関数fは, 式(5.1)で表される.
f =
出。 ベ令
bザ-[
口JtrDPd (5.1 ) ここに,入:等方圧密試験から得られる圧縮指数(= 0.4343Cc,Cc :圧縮指数),κ:等方膨潤試験から得られる膨潤指数(=
0.4343C-'!, C-'!:膨潤指数),p':平均有効主応力(=(T�x+T�y+
T�z)/3), T�x' T�y, T;z : Cauchy応力 Tの有効応力(T')成 分,pb : 平均有効主応力の初期値,eO 土が討の圧力で(先 行)圧密されたときの間隙比,fJ:土のダイレイタンシー特性 を表すパラメータ,trDP:ひずみ速度テンソル D(塑性成分) の対角成分の和, J:初期(先行圧密時)の時刻toから見た任 意の時刻tにおける体積の増加率である.
時刻tにおける間隙比をeとすると,Jは式(5.2)のように 表すことができる.
J =
一一一
l+e (5.2)1 + eo
また,式(5.1)中で用いられている応力パラメータポは, 式 (5.3)のように定義されている.
η = -
;
(mJ一仰)(ηり 一仰) ( 5. 3)ここに,'l}lJ
=
SIJ/P'(Sり:T'の偏差応力テンソル),ηIJO: '1}り の初期値である.二次元平面ひずみ状態では,(ηり一ηり 0)(ηり'l}lJO ) = (η11一η1 10)2+(η22一η220)2+ (η33一η330)2+2(η12- 'l}120?となる.
応力速度(変化率)としては, 客観性を有するCauchy応力 (有効応力成分)の共回転速度T'
(J
aumann rate )を使用した (Yatomi et al.,1989a,b). T'は式(5.4)のように表すことができる.
[T'] = [Y'] - [W][T'] + [T'][W] (5.4) ここに, [T']: Cauchy応力(有効応力)の共回転速度成分か ら成るマトリックス, [T']: Cauchy応力の有効応力成分から 成るマトリックス, [W]: z軸回りの半時計回りの回転速度成 分(剛体回転速度を表す)から成るマトリックスである.
[T'] , [T'], [W] は, 以下のように与えられる.
ドげlL ーパlw 弘勾
o
T
OT
o-2b u nd 一r c
oTOT-ヲ「11111111L Piti--titil--』
[
T'l
=[ 2 ; 2 : l
時製) ]
[W] =
ここに, 'Vx, vy:それぞれ速度のX, Y方向成分 である.
有限変形関口・太田モデルから誘導される二次元平面ひず み条件の有効応力速度一ひずみ速度関係をマトリックス表示す
-
G qh
+一L一Lo「IEti-Etiti--111」「IIIlli--1111L --u
5.2.2.2間隙水の流れに関する基礎式
自然地盤は, 成層構造を持つため透水性は異方的であるこ とが多いが, 本研究では, 式(5.11)で表される等方性のダル
シ一則を使用した.
ると式(5.5)のようになる(松尾ら, 1981;飯塚, 1994).
L L +2
G
L O
FD ,,a・‘、 噌EA噌,A 11J
ここに, vx, vy, れ:それぞれ X, y, z軸方向の間隙水の 流速, k:透水係数, hw:全水頭(=Pw/γ山+Z ), pw:間隙 水圧, γw 間隙水の単位体積重量, Z:位置水頭 である.
ー , δ九ω
V7 ゐ = -κ 一一一一δz
, θhw V 一一u一 向 θνκ
ー 電 8hw
Vr =ニ _r 一一一-
.._ .-
8xz u
u
z u-z
ε . ε 「,
2
G
fxyC1II
l'2
G
fxyC2I I J
4
G
"' f�yJ J、
C1C2 C2 C2C3 2GfxyC2
5.2.3有限要素方程式
5.2.3.1つり合い方程式の離散化
二次元平面ひずみ問題を解析するための有限要素方程式を,
山田(1980)とYatomi et al.(1989a,b)の離散化手法を参考に して示すことにする. 仮想速度ベクトルを{6v}, 仮想速度勾 配ベクトルを{6L}と表し, つ り合い方程式を満足する公称 応力の全応力速度ベクトル{s}={むz九y Sxy九x}Tに対して 仮想仕事の原理を用いれば, 式(5.12)が成り立つ.
(5) ここに, {らzらνおけTはひずみ速度ベクトル{D}であり,
変形速度 Vx, 町を用いると, {D} = {-δVx/δx - δVy/δν 一(θVx/δν+δVy/δX)}Tとなる. また, L, (;はLamé定数で、
あり, 上添字の記号 Tは転置をとることを意味する なお, 式(5.5)で用いた記号は以下の通りである.
_ I
{6L}T {s}dV =I
{6v}T (F\}dV +I
{6Vs}T (rs}dSJv JV JS
(5.12) ここに, {6vs}T:表面 S上における仮想速度{6V}Tの値,
{}\} :変形前の単位体積当りに定義された物体力の変化率を 表すベクトル, {1's}:変形前の単位面積当りに定義された表 面力の変化率を表すベクトルである.
座標を更新して行くupdate形式の場合, {s}は, {T}={Txx Tyy Txy Txy}T, {T}={Txx Tyy Txy TXy}T, 変形勾配ベク トル{L}={θVx/θzθVy/δνθVx/δνθVy/θX}T を用いると,
式(5.13)のように表すことができる.
[L (::,)'
+ 2G{ (岩�)'
+(岩J
+
( 最 )
' +2(若乃]
+J 若
fxy
C2 C3 C4
T' xx
I
T' yy
l
T' T xy )
zz I
í ci
1
I
C1 C2- C4
I
C1 C3L
2G
fxyC1C1
また, 関数 fの有効応力成分に関する偏微係数は, 式(5.6),
(5.7)で与えられる.
DI 入-κ 3 、I
r
3 p'
L
(1 + eo)D一 5τ η
k川kl一
η恥加k削t川JO O
+
2蒜茄:詰誌2今;(付η爪川Eりパ1
DI
入一κ
3 、|引
(1 + eo)D - 2."."'kl�"'kl - "'kIO )
?(M一歩η山一恥10) J
T
I宅1
・V一Vー,Jrlu rE《te
T
、t,J
-Tf唱t
一一
-PJ - eu r,、.、
(5.13)θf
θT' ここに, V/V(=戸/ι戸:密度)は体積ひずみ速度を表し,
寸111111111111」
u z nu z TT znU Tx官
。 O Tyy
us hud
。九九。
í
Txx [T]・ニI �
L
Txy (5.6)δf δp'
である
ここで, 全応力{T}と有効応力{T'}の聞には, 間隙水圧 Pω(圧縮を正とする)を用いると, {T} = {T'}+Pw{1 1 0 0}T の関係があるから, {T}と{T'}の変化率{T}と{T'}の間に は, {T} = {T'} +
P
w{l
1 0 O}Tの関係が成り立つ. この関 係を式(5.13)に代入すると, 公称応力の全応力速度{s}と有 効応力速度{s'}の関係として, 式(5.14)を得る.(5.7)
接線弾性係数E, 有効応力に関するポ それぞれ式(5.8), (5.9)のように表す ここに, 6り:l<roneckerの記号,
M
= (入ーκ)パ(1+eo)D}である
Lamé定数L, σは,
アソン比〆 を用いると,
ことができる.
{s} = {ダ}+九{uγ-[Ur*{L}-p
ヴ
v {Uγ v'E(1+が)(1 -2v') E
2(1 +〆)
(5.14) ( 5.8)
L
。
。 o Pw o pw
o o
I
Pw[Ur* =
I �
、BE--rill
-A唱inunU/EBEEF〈、ESEEK
一一
e 、,‘zJ U ,』dEK
( 5.9)
ただし, Eは式(5.10)に従って変動するパラメータとした.
E=�J(l 一 + eo)(l κ -2〆)〆
G
(5.10)
29
である. また,式中の公称応力の有効応力速度{5'}は,式
(5.15)または式(5.16)のように表すことができる.
._� _ _ , V _ _.
{ゲ}
=
{T'}- [TT {L} -
i;r{T'}(5.15) { 会 }+[TFlH{D}+[ThL}- Z r}
(5.16)
ここに,{T'}={T;x T�y T�y T�y}T, {T'}={T�x T�y T;y t;y}T, {T'}={T'xx T'yy T'xy T'xy}T ,
[Tγ = [ 2
o。 T�y Txy 0 2 0 0 T�y T;x 0 |
T�y 0 勾y 0 T�x 0 き 3
T す 3 ι
Lo
T�y
o
T;y
T�y 0 [T'] ++
[T']…
である.
有限要素の節点における速度をまとめて ,{♂}とベクトル 表示すれば,要素内の任意の点における速度{v}は, 形状関 数マトリックス [N]を用いて , 式(5.17)のように表すことが できる.
{v} = [N]{♂} (5.17)
上式に対応して,要素内の任意点におけるひずみ速度{D}と速度勾配{L}は,節点速度と関係づけられ,それぞれT (5.18), (5.19)のように表すことができる.
{D}
{L}
- [B]{♂}
[M]{♂}
(5.18) (5.19)
また,体積ひずみ速度VjVは,節点速度{♂}と関係づけ られ,式(5.20)のように表すことができる.予
-附{♂}(5.20)
さらに,要素重心における位置水頭Zc;の変化速度ZGは,節 点速度{♂)を用いると,式(5.21)のように表すことができる
Zc; = [Bc;]{♂) (5.21)
式(5.14),(5.16)を式(5.12)に代入し,式(5.17)"-'(5.21)を 用いて 整理し,仮想速度を任意に選び得ることを考慮すれば,式(5.22) が成り立つ
(ん Bf[cep]附ー か f{T'} +[Bv ]dV
+ I [Mf[T']“[B]dV - I [Mf[Tγ“[A1]dV
JV JV
- I [Bv f pw[Bv ]dV + I [Mf[Ur+[M]dV � {v・}
J V J V )
I [BvfPwdV
JV
= I [Nf (t\}dV + I [Nf {7\}dS (5.22)
JV JS
ここに,[Cep] は,式(5.5)で表されるCauchy応力 (有効応 力)の共回転速度一ひずみ速度関係を表すマトリックス(T'
zz
に関係 する成分は除く),{Tγ={T�x T,らにy}T である 式(5.22)の右辺の二つの項は,変形前の体積あるいは表面 積あたりに定義された体積力の変化率{F b}と,分布表面力の 変化率{Ts}を等価な節点力 (集中荷重)として 節点に振り分 けるための法則を与えている.しか し,updated Lagrange流 の定 式化においては,{F b}や{Ts}は, 変形後の体積あるい は表面積あたりに定義されることが多い.この場合,式(5.22) の右辺についても補正を行う必要がある.
変形後の体積あたりに定義した体積力ベクトルを{Fb}と 表すと,体積力の項は,式(5.23)のように表すことができる (山田,1980).
I [Nf (f\}dV = I [Nf ( {九}+ �{Fb} ) dV (5.23)
Jv Jv \ ρ /
ここで,土粒子の密度をん, 間隙水の密度を戸山とすると,
{Fb}は,式(5.24)のように表すことができる.
{Fb} = {(1ーη)ん+吋w}{G} (5.24) ここに,η:間隙率 ( = VvjV,Vv:間隙の体積),{G}:変
形後の単位体積当りに作用 する 重力ベクトル である.
Ps,戸山は一定であり,圧密による体積変化は,間隙 からの 水の排水に起因するので,
{凡}の時間微分{Fb}は,式(5.25)
のように表すことができる.{九} = -(1ー仰sーん)
手
{G}( 5.25)
{Fb}= 戸{G},V=Vv,お よび式(5.24),(5.25)を式(5.23) に代入し,整理すると式(5.26)を得る.
ん
Nf{九}dV =1かん[仰Nfヲ中5{q 一Aん州
(5.26)
� ..,.
rL. l_ ' \"".. ,
可EEE'z'148tJ nunU
nunU
であり,9は重力加速度である.
表面力{Ts}については,Asaoka et al.(1997)と同様に静水 圧による分布表面力{Ts1}と,盛土等による分布表面力{Ts2 }
に区分して考える. 変形後の表面積あたりに定義した静水圧
p(
圧縮 を正とする)による分布表面力を { TS 1 }
とすれば, 式 (5.22)の右辺第二項は, 式(5.27)のように表すことができる (山田, 1980).
1. [Nf{ 九 }dS = J [Nfれたdー [DT]{L}) dS
=
1.
州にJ)dSーん
Nf附L}dS (5.27)[DT] z ーll〉llノ -- PA 『《t η -PJ
守EBEE-Baa-'EE』d 、ll〉IlJ fljtil-、 "rny u z u
iy
H H
7b t
nU ny n u z = 「|〈'L
一34 Bt hsl
一司
η
-f‘1 z nu
, P 1PJ 、 , u 、1 U 7 「 、
pa
一
rill-L nr f
{Ts1}
であり, {lnx lny}T :静水圧pが作用する面の法線の方向余 弦である.
地表面と水 面の位置水頭をそれぞれZs,Zwとすれば,地 表面に作用する静水圧pは,p=γω(Zw -Z
s)となる.
水 位が 一定の場合,{TsI) ( =-p{ n})の変化率 {TsI)は,式(5.28)の ように表すことができる.{Ts1} = γωZs {η)
γ山{n}[Ns]{♂} (5.28) ここに, [Ns]は, 形状関数マトリックス [N]が地表面にお ける値 をとることを表す.
一方,盛土等による分布表面力 {T"2}については, Asaoka
et
al.(1997)と同様に,
作用する分布表面力の方向が変わら な いと仮定 し , 変形前の表面 積について定義された公称応力に 基づく分布表面力の変化率{Ts2}をそのまま使用した.なお,間隙水の流れの基礎式としては,全水頭hw を用いた 等方性のダルシ一式(式(5.11) ) を使用している. 間隙水圧pw の時間微分pwは,式(5.29)のように表すことができる.
れ= γω(hw -Z a) (5.29) 式(5.26)""'(5.29)を式(5.22)へ代入し, 時刻tからt
+ .1t の問でオイラーの差分近似法 を適用すると, 増分形の土骨格 の変形 を支配するマトリックス 方程式は, 式(5.30)のように 表すことができる.
( [K1] - [K2] + [K3] - [K4] - [Ks] + [K6]
一[K7] + [Ks] - [Kg] + [l1'lQ])It{.1u.}
+[Kv]ltγwh�lt+.ðt = {L1F} + [Kv]ltγhwlt (5.30)
ここに,{.1u.}:要素節点における変位増分,h:U要素重 心におけるhwの値 であり, 下添字t,t + .1tは,その時刻に おける値であることを表す.式(5.30)中の [Ki](i=1,・.,10), [Kv],
{.1F}は,それぞれ
以下のように表すことができる.[K1] =
JVI [Bf[Cep][B]dV ,
[K2] = I [Bf {Tγ[Bv]dV,
JV
y
L
x 1 (xJ..YJ)hwJ -
Fig.S-l要素Jとその周囲の要素問の間隙水の消散モデル Dissipation model of pore water among巴ImentJ and its neighboring elements
[K3] 1
阿 [T'引']γγrγr日‘ .[B]
川 こ
ん
Mf[Tr..[M]dV[Ks] = l
[Bvf川州V[λ'6] = ん Mf[ur.[
[K7]ニ
γw [A'v][Ba] ,
附 =
か
f[Dp][M]dV同] =
ト
[N]T{吋仰川=
1.
[Nf[DT][M]仏[Kv] = - l [Bvf
{.1F} 1. [N 付 s 2}dS
ここで,{.1F}を表す式の右辺の積分は, 変形前の座標を 用いて行う必要がある.
上記のマトリックスの内 , [K2]""' [K7]は,要素の形状変化 が内力のつり合いに及ぼす影響として現れたマトリックスで あり, [Ks]""'[K10]は, 幾何学的な 形状変化が境界条件に及ぼ す影響として現れたマトリックスである.前者を幾何剛性マト リックス,後者を荷重補正マトリックスと呼ぶ(山田,1980).
な お, [KI]は微小変形解析で用いられる剛性マトリックスで あり,[Kv]は連成マトリックスである(山上・田村,1989a).
5.2.3.2連続式の離散化
次に, 連続方程式について考える. ここでは, 透水 性は等 方的であるが ,要素問で透水係数kが異なる場合について考 える. 赤井・田村の手法(赤井・田村, 1978)における動水勾 配の評価手法として第4章で示したようにA法とB法 がある が, updated Lagrange流の定式化を採用する場合,時々刻々
←1!n1�
「ーー「ー--r-盛上
〆
x
(a)モデル1載荷圧q
(山「
〈左端面〉
非排水面
X方向変位拘
右端面 位拘束
〈底面> x,y方向変位拘束 非排水面
(b)モデル2
載荷圧q(kP
〆�(,旬、ド事t油(2が8mの.1;1.\1';
盛土荷重 要素数594
節点数1240
〈左端面〉
非排水面 x方向変位拘束
〈解析領域〉
x方向80m y方向20m
〈地表面〉
排水面
〈右端面〉
非排水面 x方向変位拘束
X
〈底面> x,y方向変位拘束 非排水面
Fig.5-2有限要素メッシュと境界条件 Finite element meshes and boundary conditions 座標を更新してゆくためB法を採用した方がプログラミング
上有利である. 動水勾配の評価手法としてB法を適用すると,
Fig.5-1に示す中央の要素J(重心をJとする)に対する連続 方程式の差分的表現は, 式(5.31)のようになる.
[Kvf 1 t {
L\u * }
+ß川:U I t山+乞(ß.川ふ)lt+Llt
=。.=1
(5.31 ) ここに,F=一(ßl+ß2+ß3+ß4), ß.=(L\t/γω)A.B./( Ai+
Bi)(i=l,・・.,4), A. = kJs. cosO./lo•, Bi = k.S.COSOi/h.,
k. :重心 i(=l,・..,4)を持つ要素のk, kJ:重心Jを持つ中央の
要素のk, Oi : Fig.5-1に示す中央の要素の重心と隣接する 要素の重心を結ぶ線分と, 両要素境界の辺の外向き法線のな す角であり, L\tは時間差分である. ただし, Fig.5-1中の 各要素の奥行は単位長である.
問題の解を得るためには, 式(5.3 0)と式(5.31)を全要素に ついて重ね合わせて得られる全体剛性方程式を逐次解く必要 がある.
5.3解析に使用した有限要素モデルと解析プログラム
5.3.1有限要素モデル
解析に使用した帯状等分布荷重の作用する等方均質な正規 圧密飽和地盤の有限要素モデルのメッシュ分割と境界条件を Fig.5-2に示す. モデル地盤の材料定数は,Table 5-1に示 している. メッシュ(要素)サイズが解析結果に及ぼす影響を 検討するために, 載荷面付近の要素分割が粗なモデル 1 と密 なモデル2の二つのモデルを設定した.
解析領域は, 両モデルとも対称性を考慮して右半分の領域 とした. 解析では, 載荷半幅(B/2)は8m を基本とし,1日 当たり1.96kPa(単位体積重量19.6kN/ m3の土を10cm盛土す る場合に相当する)の載荷圧q(変形前の表面積当たり)を解析 開始時から20日間連続して作用させ, その後の圧密変形を追
Table 5-1解析に使用したモデル地盤の材料定数
Matel'Îal parameters of the model grounds パラメータ
ポアソン比〆
等方圧密時の圧縮指数入
使用した値 0.3333
0.04343"-1.1943 (Cc=0.1 "-2.75) 入110
1.418 (ゆ= �35 0) 1.0
98.0 等方膨潤時の膨潤指数κ
限界状態における応力比λイ 静止土圧係数Ko
圧密降伏応力σ�o(=σ
ふ
) (kPa)σU。で圧密後の間隙比eo(= e.)
I
1.6透水係数k
(m/day) I
(0.1"-2.75) Xl0-2 間隙水の単位体積重量γω(kN/m3)I
9.8σ
L
:初期の有効上載圧力, ei 初期間隙比図 凶 図
(a) 向、 (c) (d)
Fig.5-3解析で使用した各種要素 Various elemsnts used in山is analysis
跡した. 載荷幅が解析結果に及ぼす影響を検討するために,
モデル1については, B/2 = 4,6,10,13,17,21, 26m, モデ ル2については, B/2 = 2,4,6,12.4,17,24m の場合の解析も 行った. また, 解析においては, 圧密沈下によって地表面に 湛水が生じる(静水圧pが作用する)場合と, 湛水が生じない (p=O)場合の二つのケースについて解析を行った. 湛水が生 じる場合の水面の位置は, 変形前の地表面(ν=20m)とした.
解析に際しては,Fig.5-3に示す(a)"-(d)の4種類の要素 を使用した. ただし, (d)要素はモデル1の場合のみに使用し た. また, (c)要素に対しては1点積分, (d)要素に対しては 4点積分の次数低減積分を採用した. 解析モデルの要素数は,
モデル1で140個, モデル2で 59 4個である. なお,Fig.5-2 中に節点数((a)"-'(c)要素の場合)を示しているが. こ の中に は全水頭hwを規定している要素重心の数も含んでいる.
ε
咽
|い 起 1.5
Asaoka et
al.(1997)
による解析結果 2ト・微小変形解析...有限変形解析 〈下I�Î>
x,y)jlr'J 変位付IJ-*
2.5
Fig.5-4解析から得られた地表面沈下量ρと経過時間fの関係 Relations between the surface settlementρand the elapsed time t obtained by one dimensional consolidation analyses
5.3.2解析に使用した要素
Christian疏(赤井・田村の手法を含めて)の圧密解析にお いては, 通常, 変位の形状関数が一次である定ひずみ三角形 要素から成るFig.5-3中の(a), (b)の四辺形要素が用いられ ている. 定ひずみ三角形要素は, 非圧縮性に近い変形のとき は過拘束に なりやすく 変形をさせにくくするロッキング現 象を起こしやすい(富田, 1990). そのため, 定ひずみ三角形 要素から構成される(a), (b)の四辺形要素もロッキング現象 を起こしやすいと考えられる. これに対して , (c), (d)のア イソパラメトリック四辺形要素は, 同IJ性マトリックスを求め る際の数値積分に次数低減積分を用いることによって , ロッ キング現象を起こしにくく , 非圧縮性問題に対しても精度よ い解が得られることが示されている(Zienkiewicz, 1984).
5.3.3圧密解析プログラムと解析方法
解析には, 本研究において開発した増分法に 基づく 有限変 形および微小変形解析用の圧密変形解析プログラム を使用し た解析に先だって , Asaoka et al.(1997)の文献に示されて いる線形弾性地盤の一次元圧密についての有限変形解析と微 小変形解析を行い, プログラムのチェックを行った.
Fig.5-4は, 解析から得られた地表面沈下量ρと経過時間 tの関係である. 両解析とも単精度計算であり, 解析モデル は図中 に示している. 載荷重としては, 地表面(上 面) に一日 当り20kPaの載荷圧q を15日間作用させた. なお , 地表面沈 下量ρは, 地表面上の全節点の平均沈下量として 求めた. 両解 析から得られたρ-t 関係は, Asaoka et al.(1997)の解析結果 (ただし, 解析に使用 した有限要素メッシュは, 本解析で使用 した物と異なる)と一致している. 1,000日経過時の地表面沈 下量から求めたν方向ひずみは, 有限変形解析の場合, 対数 ひずみで0.2232, 微小変形解析の場合, 公称ひずみで0.2229 となり, 両者とも理論解0.2228 とほぼ一致した.
さらに , 事前に 行った両モデルについての予備解析からモ デルlの解析は, 単精度計算で 精度 上十分であったが, モデ ル2の解析においては, 十分な精度を確保するには. 倍精度 計算が必要であることが判明した. そこで , 本解析では, モ
E 三
一
0.54。
組側 主十宍〉、 -1
有限変形解析ト2 (地ぷ副拠点あり)
λ=0.4343 (C戸1.0) k = 1.0 X 10-2 m!day モデル1を佐川
-0ー(a)要素 -6一(b)要素 一口一(c)要素 ーひ(d)要素
-1.5
Fig.5-5要素タイプの違いが6y-t関係に及ぼす影 Inf1uences of the difference of the element type onδ)' -t relation
Table 5ー2要素タイプおよび要素サイズが最終沈下量に及ぼす影響
lnAuefl�'es of the elernent type and si'l.e on the fìnal settlernent 解析名 要素 最終沈下量(rn)
ρc2 / Pcl
下沈ヴ208520575終品目白∞mm∞ωω的最ザ,111111110た2I
れ「
ら引
78
4 799308混ぜ×2024802603ノel
比 一000 9 G
O o
-- ら I L 一
. . .
- -
-
- -
-
u
=- T』
nu 一 AHN jκ ' j '
一7
t-
M一白∞ωω一引引ωm一郎mHH一のd 86758920142解h- -
- :
・ ・
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一
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3付加KMV一件作か但い仲化、付一 デ M モ司 )
) 々 d
1し
2り 各入
L な r ぁ t 水 F 水 d 件
析湛析湛 解ん 析し((解解 P条
解析I
デル1の場合は単精度計算 を, モデル2の場合は倍精度計 算を行った. ま た, 基準 となる地盤, すなわち透水係数kが 1.0 x 10-2m/day( =1.157 x 10-scm/s), 地盤の圧縮性の大き さを表す入 が 0.4343(Cc=1.0) である地盤の解析に使用 した時 間増分Llt, 載荷圧増分Llqは, 予備解析結果をもとに以下のよ うに決定した. 載荷期間中のLlt, Llqは, それぞれ0.25day, 0.49kPaとし, 載荷終了後のLltは, 1(20三t三60), 2(60三 t三170), 3(170
�
t�
260). 4(260三t三 400). 5(400三 t 三 530). 7(530 三 t 三 670), 10(670三t 三1,010).15day(1,010壬t
�
1, 100)(t :経過時間(day)) とした. 以 下では, この時間増分, 載荷圧増分を基準の時間増分Llto, 載 荷圧増分Llqoと記している.5.4解析結果および考察
5.4.1要素タイプ, 要素サイズが解析結果へ及ぼす影 解析に使用する要素タイプの違いが. モデル1についての有 限変形解析から求まる載荷面中央の地表面におけるν方向変位 むと経過時間tの関係に及ぼす影響を検討した結果がFig.5-5 である. た だし, 解析条件は入=0.4343(Cc=1.0). B/2=8m であり, 地表面に湛水がある(解析F-2)場合である. 載荷期 間中(t三20day)は, 九一t関係に 要素の速いによる差異は認
10αm
E
有限変形解析F-2 (11!:�長l(li7�Aくあり)
)ー0.5 入=0.4343(Cc = 1.0)
k =l.OX 1Q-2m/day
6。
組制 E
有限要素モデル モデルl モデル2
〉、 ーl 一・一 一0ー (a)要素 -・一 一口一 (c)要素
-1.5
Fig.5-6 モデル(要素サイズ)の違いが6 y-I関係に及ぼす影響 InOuences of the difference (i.e. element size) betwe巴n the models NO.l and NO.2 on Ô y -( relations
められない.しかし,載荷終了後(t>20day) においては,圧 密が進行するにつれて要素の唾いによる九の差異が顕著にな る. 経過時間tが同じであれば,載荷面中央の地表面沈下 ρcは, (a), (b), (d), (c)要素の順に大である. Fig.5-5に 示す場合も含めて, 同じ解析条件でのモデル 1, 2について の微小変形解析(解析1) と有限変形解析(F- 1, 2) から求まる 最終沈下量(t=1,100day におけるん) をまとめて示したのが
Table 5-2である. 解析手法に関係なく, 両モデルとも最終
沈下量は,(a), (b), (d), (c)要素の順に大きくなっている ロッキング現象を起こしにくい(c),(d) のアイソパラメトリッ ク四辺形要素を使用した場合の最終沈下量は, ロッキング現 象を起こしやすい定ひずみ三角形要素より成る(a),(b) の四 辺形要素を使用した場合より大である. また, 要素タイプの 違いによる最終沈下量の差異の程度は, 微小変形解析より有 限変形解析の方が大きい. こ れは, 有限変形解析の場合, 幾 何学的な形状変化の影響が加わるためである.
さらに,(a), (b)要素を使用した場合の最終沈下量は,要 素サイズが小さいモデル2の方がモデル 1の場合より,解析I の場合でそれぞれ 5.2, 2.0% 解析F-1の場合で8.5, 3.2%,
解析F-2 の場合で8.5,3.7%大きい. 差異の程度は,(b)要素 より(a)要素の方が大きく,かつ微小変形解析より有限変形解 析の方が大である. 一方. (c)要素の場合, 最終沈下量は要素 サイズに依存しない. (a), (c)要素を使用した両解析モデル についての有限変形解析(解析F-2)から求まったむ-t 関係を 示したのがFig.5-6である. (a)要素を使用した場合のむ-t 関係には, モデルの違いによる明瞭な差異が 認められる. 一 方,(c)要素を使用した解析から得られた九-t関係の場合, モ デルの違いによる差異は認められない.
5.4.2地盤の圧縮性が解析結果へ及ぼす舵響 5.4.2.1載荷面中央地表面の沈下挙動
Fig.5-7は,(c)要素を使用した入=0.2172, 0.4343, 0.6515 (Cc=0.5, 1.0, 1.5) の場合のモデル2(載荷半幅B/2=8m) に
ついての解析から得られた載荷面中央の地表面におけるν方向 変位むと経過時間t の関係である. ただし,入=0.2172, 0.65 15
匂 L一-0-ー解析I
望
ト 一合一 解析F-1賢
一1卜
(地ぷ而以水なし)"ê: r
--口_. 解析F-2な [
(地ぷ而誕水あり)<
o‘
(c)要素を使用 モデル2を使用
ko=1.0X 1Q-2m/day -2
λ=0.6515 (Cc=1.5)
Fig.5-7載荷面中央の地表面におけるy方向変位δyと経過 時間fの関係
Relations betw巴en the surface displacement Ôνat the center of the loaded plane and the elapsed time ( obtaíed by the ana
Iyses for the model NO.2 44
43
41
39
6
一一一 解析F-l 圧密終了時 一一一解析F-2 ((=1,]∞day) (c)要素を使用
39.2kPa
5 10
x (m)
Fig.5-8圧密終了時における水平(x)方向の載荷圧q.の分布 Distributions of the load intensity q. in the x-direction
の解析においては, 圧密速度を入=0.4343 の場合と同じにす るために, 透水係数k の値として入=0.43 43 の場合の解析で使 用したk(=1.0 x 10-2m/day( =koと置く)) を 1/2,3 /2倍にし た値を使用した. tニ2 0dayまでの載荷期間中は, 有限変形解 析(解析F-l, 2) と微小変形解析(解析1) から求まる九には,
入の値に関係なく差異は認められない.しかし,載荷終了後 (t>2 0day) は, tの増加とともに九の差異は大きくなり, 差
異の程度は,入が大きいほど大である.
有限変形解析において,地表面に湛水がないとして解析(解析 F-1)した場合の載荷面中央の地表面沈下量ρcは, 入=0.2172,
0.4343 の場合, 微小変形解析(解析1)から求まるんより 小さ く, 入=0.65 15の場合, 逆に大きくなっている. 一方, 地表面 に湛水があるとして解析(解析F-2)した場合のんは, すべて 微小変形解析から求まるんより大きく, 差異の程度は,入が大 きいほど大である. また, 有限変形解析において, 湛水のな い方が湛水のある場合より沈下量が 小さくなるのは, 地表面 の沈下に伴って載荷面とその周囲の地表面との聞に水頭差が 生じ,透水力として載荷重を支えるのに寄与するためである.
そのため,入が大きくなり沈下量が大となると, 載荷面とそ の周囲と の水頭差が大きくなり, 透水力も大となるので, 潜 水の有無による沈下量の差が大きくなる.
Fig.5-8には,圧密終了時(t=1,10 0day)におけ変形後の 表面積当りの載荷圧qnの分布を示している. 有限変形解析の
2.5
0.5
0-
解析F-l解析F-2 一-0-一一0-.
(
a)要素-Lト
ームー(
b)
要素 ----cト ー--0
- 一 (c )
要素-<>-
--.0
・一 (d)要素 λ。=0.4343λ/入。
く〉 B/2=8m
モデル1を使用
Fig.5-9モデル1の解析から得られたρJρ口ーλ/λ。関係 3
ρc'/ρ口一λ/λ。relationsobtained by the analyses for the model No.l
場合のqnの分布は, 載荷面端部 より載荷面中央部で大きく,
qnが一定(39.2kPa)である微小変形解析の場合との差異は, 入 が大きいほど大である. Asaoka et al.(1997)は, この一定荷 重下での載荷圧の増加を荷重集中効果 と呼んでいる. 地表面 に湛水がある場合は, 載荷面と周囲の地表面との聞に水頭差 がなく,透水力が発生しないので,解析F-2から求まるんは,
地盤の圧縮性, つまり 入が大きいほど,荷重集中効果の ため に微小変形解析の場合より 大きくなる. 一方 ,地表面に湛水 がない場合は,載荷面と その周囲の地表面との問の水頭差に 応じ て発生する透水力 と荷重集中効果の両者の影響を受ける ことになる. 解析F-1から求まるん は, 入=0.4343の場合, 微 小変形解析の場合より小さく, 入=0.6515の場合, 微小変形解 析の場合より大きい. このことは,入ニ0.6515の場合,透水力 の影響より荷重集中効果の影響が大きいことを示している.
Figs.5-9,
10は, そ れぞれ入を0.4343(=入。 )(Ce=1.0)の 1/10 "-'11/4倍の範囲で変化させて行った両モデルについて の解析から得られた圧密終了時 (t=1,100day)における載荷面 中央の地表面沈下量の比PeJ/ Pe, (ρeJ , Pe,は,そ れぞれ有限変 形解析 ,微小変形解析から求まるん)と 入/入。の関係である. た だし,解析では, 圧密速度を同じにするために,kの値 として は,koを 1/10"-'11/4倍にした値を使用した . 地表面に湛水が ないとした解析F-1の場合,解析モデル ,要 素タイプに関係 なく,入/入oが大きくなるにつれて,ρeJ/ Peiは一旦1より減少 し,その後増加に転じ, 放物線的に増加している. モデル1の場合,入/入。の値が同じであれば,ρeJ/ Peiの値は, (a), (b),
(d), (c)要素の順に大きくなり,入/入oに対するんJ/ρe,の変化 の仕方 は,要素タイプによりかなり異なっている. 過拘束の 影響を受けにくい (c), (d)のアイソパラメトリック要素の場 合,入/入o三2では, 有限変形解析から求まる沈下量の方が微 小変形解析の場合より 10%以上大きい. 一方 ,モデル2の場 合,入/入o ::; 1.25の範囲では,ρei/ρe'一入/入o関係に要素タイ プの違いによる差異は認められない. 入/入o
2:
1.5の範囲では,入/入oが同じであれば, (a), (b), (c)要素の順にρeJ/ρe,は大 きく, 入/入oが大きくなるほどその差異は大 と なるが,モデル lの場合より差異の程度は小さい. (c)要素を使用した場合,
入/んど2では, 有限変形解析から求まる沈下量の方が微小
2.5
解析F-l 解析F-2 一〈トー0-.. (a)要素
----t.γ一
一合一(b)要素----cト一口一(c)要素 λ。 =0.4343
0. 5
0-
λ/λ。
B/2=8m
口 口
: (2.25,2.854
モデル2を使用
Fig.5-10モデル2の解析から得られたρJρα一入/λ。関係 3
ρc'/ρ口一λ/入。relations obtained by the analyses for the model No.2
変形解析から求まる沈下量より 10%以上大きい.
地表面に湛水があるとした解析F-2の場合,解析モデル , 要 素タイプに関係 なく, 入/入。に対して常にPeJ/ Pelど1であ り , 有限変形解析から求まる沈下量の方が微小変形解析の場 合より 大きい. ρeJ/ρelは, 入/入。に対して放物線的に大きく なっている. また,解析モデルに関係 なく入/入。が同じであれ ば,ρeJ/ Pe,は, (a), (b), (d), (c)要素の順に大きい. 解析に (c), (d)要素を使用した場合, 入/入o> 1.25になると , 有限変 形解析から求まる沈下量は, 微小変形解析の場合より 10%以 上大きくなる.
以上の ことから, 有限変形解析の場合, 幾何学的な形状変 化の影響が加わるために,解析に使用する要素タイプの違い が解析結果へ及ぼす影響 は,地盤の圧縮性が大きくなると 微 小変形解析の場合よりかなり 大きくなることが明らかになっ た. 有限変形解析には, 過拘束の影響が小さい(c), (d)の要 素を使用すべきである. しかし, (c)の要素を使用した解析 F-2の場合,地盤の圧縮性が入> 2.25 と大きくなると. 擬似 モード(富田,1990)が発生し, 正確な解が得られなかった . 5.4.2.2鼓荷面端部の側方変位挙動
入=0.2172,0.4343, 0.6515(Ce=0.5, 1.0, 1.5)の場合のモ デル2についての解析から得られた載荷終了時 (t=20day)と 圧密終了時 (t=1,100day)における載荷面端部直下の深さ方向 のz方向変位んの分布を示したのが,
Figs.5-11,
12である.載荷終了時には, 深さ1m以浅の表層付近を除けば, 地盤は 外側 (+x方向)へ変位し,地盤の圧縮性, つまり 入が大きいほ ど変位量は大である. 外側への変位量は, 入が同じであれば,
解析F-1, F-2, 1の順に大きく, 入が大きいほど差異は大で ある. 深さ1m以浅の表層付近では 有限変形解析の方が,微 小変形解析の場合よりかなり 大きく内側(-x方向)へ変位し ている.
圧密終了時には, 内側 (-x方向)へ変位する領域が拡大し,
入=0.4343,0.6515の場合,載荷終了時よりかなり 内側へ変位 している. 地盤の圧縮性(入)が大きいほど, 有限変形解析と 微小変形解析から得られる変位量, および両者の差は大きく なっている. これらの特徴は, Asaoka et aJ.(1997)が行った 弾性地盤についての解析結果 と一致している. また , 地表面
20
( =20日 ;
(附終f時) :
λ :
0.2172 0.43430.6515 --0一一0---0--解析1;
�--l:::s・・--6--解析F←1 (地ぷ((IÎ脱水なし) 一口一一口一一口一解析F-2 (地ぷ((Iît比水あり)
(c)要素を使用 k=1.0X 1O-2m/day モデル2を使用 (
1: 11 :
I: �〆
,/,.,-
0.1
Fig.5-11 (=20日の時の載荷面端部の深さによる久の変化
Changes in the displacem巴nt Õ x in the x-direction with the depth at the edge of the loaded plane in (=20day
に湛水がある場合 (解析F-2)が湛水のない場合 (解析F-1) よ り, 変位量は僅かに 大である. 一方, 深層部での側方変位 は, 地表面に湛水があるとした解析F-2 の場合が他の解析か ら求まる値より 大である.
Fig.5-13は, 圧密終了時における載荷面端部地表面におけ るz方向変位んと地盤の圧縮性の 大きさを示す入/入。との関係 である. 解析F-1, 2 ともに入/入oが同じであれば, 内側への変 位量は, (c)要素を使用した場合が最も大きく, (b), (a)要素 の順に小さくなる. また, 解析F-1と解析F-2から求まる内 側への変位量の差異も(c)要素を使用した場合が最も大きく,
(b), (a)要素の順に小さくなる. 解析F-1 の場合. (a), (b) 要素を使用した場合の内側への変位量は, それぞれ(c)要素を 使用した場合の 78"-'82%, 86""91%(両者とも0.1�入/入o � 2.25の範囲)であり, 解析F-2 の場合, それぞれ67"-'80%. 78
"-'88%(両者とも0.1壬入/入o �1.25の範囲)である.
5.4.3地盤の透水性が解析結果へ及ぼす影響
Fig.5-14は, 地盤の透水係数kを1.0X 10-2 m/day( =1.157 x10-5cm/s)(=ko)の1/1000, 1/100, 1/16, 1/4, 1, 4, 16,
64倍と変えて行ったモデル2についての解析から得られた 載荷面 中央の地表面のν方向変位九と経過時間tの関係であ る. ただし, 入=0.4343(Cc=1.0), 載荷半幅B/2=8mの場合 である. また, 解析で採用した時間増分L1t, 載荷圧増分L1q は, k/ko(=Tkとおく)三 1 の場合, L1 t = L1 to ( t 三 20day),
L1t = t1tO/Tk(t > 20day), L1q = L1qo, 1 < k/ko 三 32 の場合, L1 t = L1 to / T k. L1 q = L1 qo / r k , k / ko > 32 の場合,
L1 t = L1 to /32 ( t三20day), L1t = L1tO/Tk(t > 20day), L1q = L1qo/32 とした. 最終沈下量(k/ko=lの場合のt=1,100day に対応する時点の沈下量) は, k/koの値が同じであれば, 地 表面に 湛水があるとした解析F-2 の場合が最 大であり, 微小 変形解析(解析1), 地表面に湛水がないとした解析F-1の順 に小さくなっている. また いずれの解析の場合も最終沈下
,--.、
5卜 λ
0.2172 0.4343 -0一一{)-一 ε トー凸一一ムー
伏 !
10 挺(c)要素を使用 15ト k = 1.0 X 10-2 m/day
モデル2を使用
20
Fig.5-12 1=1,100日の時の載荷面端部の深さによる久の変化
Changes in the displacemel11δx in the x-direction with -2.5
the depth at the edge of the loaded plane in (=1,1∞day
圧密終了時(/=1,1∞day) (a)要素(b)要素(c)要素 ε-1.5
.毛
-0一一合一一口一解析F-1 --{)-一 一ムー ---0--- 解析F-2
間::>
-1 一0.5
モデル2を使用
1.5 2 2.5 3
入/λ。
Fig.5-13各種要素を使用した解析から得られたõ-λ/λ。関係 õx-λ/λ。relationsobtain巴d by analyses using various elements
ε-0.5
Rコ
ミ己 秘 E -fl\
〉、
-1.5
Fig.5-14δ.-t関係の地盤の透水係数kによる変化
Changes in Õ y -t relations with the coefficent of perrneability k of the model ground
量は, k / ko = 1 /4, 1付近で最 大 となり, この前後では小さく なっている. 微小変形解析の場合, この ような地盤の透水性 の違いに起因する沈下挙動の差異は, 地盤を弾塑性体として いるために, 透水性の違いにより特に 載荷期間中の有効応力 径路が異なり, 材料非線形性の影響の現れ方が違ってくるた めに発生する. 一方, 有限変形解析における沈下挙動の差異 は, 微小変形解析の場合 と 同様に地盤の透水性の違いに起因
する材料非線形性の影響に加えて, 付随的に発生する幾何学 的な非線形性(形状変化)の影響を受けて生じる. この点は,
有 限変形解析結 果が地盤の透 水性に依 存しない線形弾性地盤 の場合(Asaoka et al., 1997)と大きく異なる.
Fig.5-15は, kをんoの10--' "'" 104倍の範囲で変化させて行 ったモデル2についての解析から得られた載荷終了時(t=20clay) における載 荷面中央の地表面沈下量ρc, 載荷面端部地表面 のz方向変位ðx, および圧密終了時におけるんと透水係数 kの関係(Fig.5-14の結果を含む)である. 図示していない k=Omjclay (非排水条件)の場合の載荷終了時のんは, 解析 1. F 1 , F-2, において, それぞれ0.075, 0.070 , 0.071mで あった. 1.0 X 10-7 � k 三 2x 10-6mjclayの場合, 各解 析の載荷終了時のんは, 非排水時のんとほぼ等しく(差異は 非排水時のんの0.5%未満),載荷期間中, 地盤はほぼ非排水 応答をしている. 一方,k 三 1.28x 10mj dayの場合, 載 荷期間中に全沈下量の99 .5%以上の沈下が生じ, 載荷期間 中, 地盤はほぼ完全な排水応答をしている. 両者の中間の 2 X 10-6 � k � 12.8 x 10mjdayの範囲では,載荷期間中,
地盤は部分的に圧密変形が進行する部分排水応答を示す.
各解析から得られた最終沈下量は,1 x 10一7 <k<2x 1O-6mjdayの範囲では,それぞれ値は異なるがほぼ一定であ り,kが2x 1O-6mjdayより大きくなると,log kに対して直 線的に増加し,k=5 x 10-3mjday付近でそれぞれ最大となっ ている. さらに,5 X 10-3 < k三1.28 x 10mjdayの範囲では,
最終沈下量はkの増加とともに減少し, k > 1.28 x 10mjday の範囲では, 最終沈下量はそれぞれほぽ一定, かつ最小となっ ている. 最終沈下量のkに対する変動幅は,解析1, 解析F-1, 2の場合でそれぞれ0.057 ,0.10 4, 0.11 8mであり, 有限変形
解析の場合の変動幅は, 幾何学的な非線形性を考慮しない微 小変形解析の約2倍となっている. また,解析F-1と解析F- 2から求まる最終沈下量の差異は, 最終沈下量が最大となる k=5 x 1O-3mjday付近で0.109mと最も大きくなり, 最終沈 下量が最小となるk > 1.28 x 10mjdayにおいて0.095mと最 も小さくなる. これは 地表面に湛水がない場合, 載荷幅が 同じであれば, 沈下量が大きい方が載荷面とその周囲の地表 面との水頭差による動水勾配が大きくなり, 作用する透水力 が大となるためである.
圧密終了時の載荷面端部地表面の内側(-x方向)への変位 は,透水係数kの値に関係なく,解析F-2の場合が最大であり,
解析F-l, 1の順に小さくなっている. 各解析とも1 X 10-7 <
k � 2 x 10-6mjdayの範囲では, 内側への変位量はそれぞ れ値は異なるが,ほぽ一定かつ最小である. 解析F-1,2 の 場合,k > 2 x 10-6mjdayの範囲では,内側への変位量は,
log kの増加とともに単調に増加している. 一方,解析Iの場 合,2 X 10-6 � k < 3.2 x 10-1mjdayの範囲では, 内側への 変位量はlogkに対して緩やかに増加し,k=3.2 X 10-1 mjday のとき最大となり, さら にkが増加すると減少 する. また,
2 X 10-6 < k � 3.1 3 x 10-4mjdayの範囲では, 解析手法に 関係なく内側への変位量のlog kに対する増加率は大きくなっ ている. 内側への変位量のkに対する変動幅は, 解析I. F-l,
1.5
,-町、εl
、、..;
u
Q
,ーヘE-O.
、、J H
'0
-0.
載荷終 --0ー解析l
ー凸ー解析F-l 一口一解析F-2
1O� 10-5 10""" 10-3 10-2 10-1 透水係数k (m/day)
10""" 10-3 10-2 10-1 100 透水係数k (m/day)
解析I 圧密終了時
1O� 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 100 101 102 透水係数k (m/day)
Fig.5-15モデル地盤の透水係数klこよるρ" Ô xの変化 Changes in ρc and 久with the penneability of the model ground
F-2の場合でそれぞれ0.010 ,0.05 6 , 0.059mであり, 有限変 形解析の変動幅は, 微小変形解析の約6倍である.
5.4.4鼓荷幅と地表面沈下量の関係
Fig.5-16は,(c)要素を使用し, 載荷半幅Bj2を2""'26m の範囲で変化させたモデル1. 2についての解析から得られた 圧密終了時(t=l,100day)における載荷面中央の地表面沈下量 Pcと載荷半幅Bj2 の関係である. ただし,入=0.4343(Cc=1.0 ) の場合である. (c)要素を使用した場合, 両モデルのpcBj2 関係はほぼ一致した. 微小変形解析(解析1), 有限変形解析 (解析F-l,2)ともに, Bj2三17mの範囲では, ρcはBj2 に 対して双曲線的に増加している. これは, この載荷半幅Bj2 の範囲では,Bj2の増加とともに応力の伝播する領域が拡大 するためである. Bj2> 17mになると, 解析I と解析F-1か ら求まるんは, それぞれほぽ一定となり, 載荷面中央付近の 地盤は,一次元圧密状態に近くなっていると判断される.
地表面に湛水がないとした解析F-1から得られるんは, Bj2
=2, 4mの場合,解析Iから求まるんより僅かに大きく,Bj2三 6mの場合,逆に解析Iから求まるんより小さい. 一方,地表面 に湛水があるとした解析F-2から得られるんは,Bj2三17m の範囲では. 解析Iから求まるんより大きく, Bj2三21mの 範囲では, 逆に解析Iから求まるんより小さく, かつBj2 が 増加するにつれて解析F-1から求まるんに近づいている.
Fig.5-17は,モデル2についての解析から得られた載荷半 幅Bj2が 4,8 , 12.4, 17 , 24mの場合の庄密終了時(t=1,100 day)における変形後の表面積当りの載荷圧qnの分布である.
載荷面中央付近のqnは, 載荷半幅Bj2 が大きくなるにつれ て小さくなり, Bj2=24mの場合は, 微小変形解析の場合の
qn (39.:2kPa)にほぼ等しくなっている. また, B/2=17, '24m の場合は, 地表面の溢水の有無によるqnの差異は認められな い. このように, 載荷重が一定の場合, 載荷幅が大きくなる と載荷面中央部付近で は, 荷重集中効果の影響が小さくなり,
しかも, 地表面に湛水がない場合, 水頭差に起因する動水勾配 も小さくなり, 透水力も減少してくる. そのため, Fig.5 16 に示されるように, 載荷半幅B/2が大きくなると, 地表面に 湛水があるとした解析F-2か ら求まるんは, 地表面に湛水が ないとした解析F-lから求まるんに近づくと推察される.
モデル2 ー-0-ー解析I
ーゼ与一解析F-1(地.kIM潟水なし) -{ユー解析F-2(地..xlfli淡水あり)
:旦
圧密終了時(t=1,1∞day) λ=0.4343 (Cc = 1.0) k=1.0X 1O-2mJday (c)要素を使用 モデルl-_..一
一会一 一.一 2
1.5
0.5
(E)MG
15 20 30 載荷半幅/2(m)
Fig.S-16 載荷面 中 央の地表面沈下量入 と載荷半幅8/2の関係 Relations between the surface settlementρc at the center of th巴loaded plane and the half width 8/2 of the loaded on巴
。 5
25
変位量の変動幅は,
6倍であった.
(4)載荷半幅B/2が17m付近までは, 載荷面中央の地表面 沈下量は, 解析手法に関係なく載荷半幅B/2に対して増 加した. これは, この範囲で は応力の伝播する領域が拡大 するためである. 一方, 載荷半幅B/2が17mより大きく なると, 微小変形解析の場合 地表面沈下量はほぼ一定と なり, 有限変形解析の場合, 地表面沈下量は減少に転じ,
地表面に湛水がある場合と湛水がない場合の沈下量の差 は小さくなった. これは 載荷幅が大きいと, 載荷面中央 部付近の載荷圧が小さくなること, および地表面に湛水 がない場合は, 載荷面とその周囲の地表面との問の水頭 差に起因する透水力が小さくなるためである.
(5)有限変形解析結果は, 解析に使用する要素タイプによっ て大きく異なった. 特に, 地盤の圧縮性が大きく, 解析に 要素サイズが大きい組なメッシュから成る解析モデルを 使用する場合, 要素タイプの選択が重要である. このよ うな場合, 過拘束の影響が小さい(c). (d)の要素を使用 すべきである. 解析に(a), (b)の要素を使用する場合は,
要素サイズの小さい密なメッシュを使用すべきである. な お, (c)の要素を使用するときは, 地盤の圧縮性が大きい 場合, 擬似モードの発生に注意する必要がある.
それぞれ微小変形解析の場合の約2,
updated Lagrange流の定式化手法に基づいて, 有限変形 弾塑性FEMによる圧密変形解析の定式化を行った. そして,
構成関係が関口・ 太田の弾塑性モデルで表される等方均質な 正規圧密地盤に帯状等分布荷重が作用する場合について, 地 盤の圧縮性, 透水性および載荷幅を変えて, 有限変形・微小 変形解析手法による圧密変形解析を行った. 両解析結果の比 較を通して, 地盤の圧縮性, 透水性, および載荷幅の違いが 有限変形解析結果へ及ぼす影響について検討した結果, 以下 の様なことが明らかとなった.
(1)有限変形解析の場合, 地表面の湛水の有無によって, 載 荷面中央の地表面の沈下や載荷面端部直下の側方への変 位状況が異なった. 地表面に湛水がある場合の地表面沈 下量は, 地盤の圧縮性に関係なく, 荷重集中効果のために 常に有眼変形解析の方が微小変形解析より大きくなった
一方, 地表面に湛水がない場合, 地盤の圧縮性が小さ いと, 有限変形解析の方が微小変形解析 より地表面沈下 量は小さく, 地盤の圧縮性が大きくなると, 逆に有限変形 解析の方が大きくなった. 湛水がない場合の地表面沈下 量は, 載荷面とその周囲の地表面との聞の水頭差に起因 する透水力のために, 湛水がある場合より小さい.
(2)載荷面端部直下の浅層部で は, 外側(+x方向 ) への変 位は, 有限変形解析の方が微小変形解析の場合より小さ く, 有限変形解析の場合, 地表面付近で内側(-x方向)へ の変位量がかなり大きくなった. 一方, 深層部では, 地表 面に湛水があるとした有限変形解析の場合の外側への変 位が最大となった. 地盤の圧縮性が同じであれば, 解析手 法に関係なく, (c)要素を使用した場合の水平変位量が最 大となり, (d ), (b ), (a)要素の順に小さくなった.
(3)弾塑性地盤の場合, 微小変形解析, 有限変形解析結果 は, 地盤の透水性の影響を受ける. 有限変形解析の場合,
微小変形解析の場合と同様 に地盤の透水性の違いにより 有効応力径路が変化し, 材料非線形性の影響の現れ方が 違ってくることに加えて 付随的な幾何学的非線形性の影 響が加わる. そのため, 地盤の透水性の違いが解析結果へ 及ぼす影響は, 有限変形解析の方が微小変形解析よりか なり大きい. 地盤の透水係数kを10-7 � k � 102m/day の範囲で変化させた場合, 有限変形解析における載荷面 中央の地表面沈下量 載荷面端部地表面の内側への水平 5.5まとめ
圧密終了時
。=1,1∞day)
39.2kPa
x (m) 15
Fig.S-17圧密終了時における水平(x)方向の載荷圧qnの分布 Distributions of the load intensity qn in the x-direction
一一一解析に1
-解析F-2
λ=0.4343 (Cc=l.O) k= 1 X 10-2 m/day 42
38
0-
第6章 有限変形弾塑性FEMによる地盤の支持力解析
6.1はじめに
地盤工学分野でのFEMによる 変形解析の多くは, 従来, 微 小変形理論に基づいて行われてきた. しかし, 大きな変形を 伴う地盤の 破境現象の場合 , 幾何学的な形状変化( 幾何学的 非線形性)が内力のつり合 い条件や境界条件に影響を及ぼし , 付随的に地盤支持力も幾何学的な形状変化の影響を受ける こ とになる. そのため , 幾何学的な形状変化を考慮しない微小 変形解析結果と, 幾何学的な形状変化の影響を考慮する有限 変形解析結果を比較 し , 両者の差異について検討しておくこ とは有益である
本章では, 第5章で検討した有限変形弾塑性FEMによる 圧密変形解析手法と第2章で提案した支持力評価手法を用い て, 帯状等分布荷重の作用する等方均質な正規圧密地盤の非 排水支持力解析を行った. 特に, 解析に使用する要素タイプ,
要素サイズ , 地盤の圧縮性 および載荷幅を変えた微小変形解 析結果と有限変形解析結果の比較を通して, 幾何学的な形状 変化が地盤の支持力に及ぼす影響について検討した
6.2解析に使用した有限要素モデルと解析方法
非排水支持力解析に使用した帯状等分布荷重が作用する 等 方均質な正規圧密飽和地盤の有限要素 モデルのメッシュ 分割 と境界条件をFig.6-1に示す. メッシュ(要素)サイズが解析 結果へ及ぼす影響を検討するために, 解析には, 載荷面付近 の要素 分割が組なモデルlと密なモデル2の二つの モデルを 使用した. また, モデル地盤の材料定数は, Table 6-1に示 している. 解析では, 非排水条件を仮定しているので, 透水 係数kをOm/dayとした.
ト-r--r-寸ー 載荷圧q
(kPa社
〈左端面〉
非排水面 x方向変位拘
(a)モデル1 盛土荷重 要節素点数数14005 3
気、
解析領域は, 両モデルとも対称性を考慮して右半 分の領域 とした. また, 載荷半幅B/2 は8mを基本とし, 一日当たり 1.96kPa の載荷圧q( 変形前の表面積当り)を解析開始時から地 盤が破壊状態に達するまで連続して作用させた. 載荷幅Bが 解析結果へ及ぼす影響を検討するために, モデル2について は, 載荷半幅B/2=2, 4mの場合の解析も行った. 解析にお いては, 沈下に伴って地表面に湛水が生じない(静水圧が作用 しない)場合と, 湛水が生じる(静水圧が作用する)場合の二 つのケースについて解析を行った. なお, 湛水が生じる場合 の水面の位置は, 変形前の地表面(ν=20m)とした.
解析に際しては, 地盤をモデル1で140個, モデル2で594 個の四辺形(長方形)要素に分害1]し , Fig.6-2に示す(a)"-'(d) の4種類の要素を使用した. (a), (b)の要素 は, 定ひずみ三 角形 形要素から構成される四辺形要素であ り, (c), (d)の要素 は, アイソパラメトリック要素である. (c)要素に対しては1 点積分(次数低減積分)と4点積分(完全積分), (d)要素に対
しては4点積分(次数低減積分)を採用した. なお, Fig.6-1 中に節点 数((a)"-'(c)要素の場合)を示しているが, この中に
は全水頭hwの値を規定している要素重心の 数も含んでいる 解析には, 本研究において作成した増分法に基づく微小変 形 および有限変形解析 用の二次元(平面 ひずみ条件)の圧密変 形解析プログラムを使用した. このプログラムには, 2.3.3に 示している支持力評価手法を組み込んでいる .
6.3解析結果および考察
6.3.1要素タイプ, 要素サイズが解析結果へ及ぼす影響 Fig.6-3は, 次数低減積分を採用した(c)要素を用いたモ デル1についての解析から得られた入= 0 .43 43(Cc=1.0)の場
解析領域 〈右端面
位拘束 1?
x
→
〈底面> x,y方向変位拘束 非排水面
載荷圧q
〈左端面〉
非排水面 x方向変位拘束
(b)モデル2 〆載r.年半幅8(2が8mの誌�0"
盛土荷重 要素数594節点数1240
〈解析領域〉
x方向80m y方向20m
〈地表面〉
排水面
〈底面> x,y方向変位拘束 非排水面 Fig.6-l有限要素メッシュと境界条件
Finite element meshes and boundary conditions
〈右端面〉
非排水面 x方向変位拘束
x