【論 文】 UDC :621
.
039.
4 :69.
022 :699.
841 :624.
042 日本建 築 学 会 構 造 系 論 文 報 告 集 第 382 号・
昭和 62 年 12 月原 子 炉 建 屋 立 体 耐 震 壁
の
復 元 力特 性
に
関
す
る
研
究
(
その3
)
荷重
変
形
関係
履
歴 ルー プ
の検
討
正 会 員稲
田泰
夫
*1.
ま えが き 本論文の目 的は,
原 子 炉 建 屋の主 耐 震 要 素である鉄 筋 コ ン ク リー
ト造 立体 耐 震壁 が大地震に よ る水 平 力を受け た時の荷重 変形 関 係 復 元 力 特 性を,
主に原 子 炉 建 屋 を対 象と し て行わ れ た縮小模型 試験体の実 験デー
タに基づ き 検 討 し,
水平 荷重変 形 関 係 算 定 式を提 案す ることにある。
近年,
原 子 炉 建 屋の耐 震 設 計 法の合 理 化お よ び経 済 性 の向 上 を計る観点か ら,
大地震 時に お け る建屋の応 答 値 は必ずし も弾 性域にと ど ま る 必要は な く,
そ れ が終 局に 対して余 裕を持っ ているこ と を確 認 するこ と によ り建 屋 の安全性を評価し よ う と す る動き がで てき た。 こ の た め に は,
建屋の弾 性 域ば かり で は な く塑 性 域, 終 局に至る まで の性状を把 握し なけれ ば ならない。
原 子 炉 建 屋は一
般の建 築 物と比 較す る と, 壁 厚が厚くまた鉄 筋 量の多い 立 体 的な鉄 筋コ ン クリー
ト造の耐 震 壁よ りな っ てい る。
こ の ため,一
般 建 築 物の柱, は り, あるい は耐 震 壁を対 象と して行われた実 験デー
タに基づき提 案 され た算 定 式 で は,
原 子 炉 建 屋 を対 象とし て実 施さ れ た実 験結果の荷 重 変 形 関係を十 分に トレー
ス できない。 こ の よ う な状 況 を踏ま え,
本論で は原 子 炉 建 屋を対 象と して行わ れた模 型実 験デー
タ を収 集し,
それ ら の結 果に基づ い た復 元 力 特 性を設定す ること と し た。 荷 重 変 形 関 係の算 定 式は,
実験結果の カー
ブをでき る だ け 忠実に表し得るもの と す ること を目標とした が,
は り理 論 等の既 往の理 論 式 ある’
いは実 験 式に基づく実 用 的 な もの と するよ う心 がけ た。
建 屋の耐 震 設 計の一
部 として行わ れ る動 的応 答 計 算に 用い る荷重 変 形関係の モデル は, スケル トンカー
ブ と履 歴ルー
プとによ り表さ れ, ま た各層のバネ定 数は せ ん断 変 形 と 曲 げ変 形 と を考 慮して求め るのが一
般 的で あ る。
本 論で もこ の考え方に従い, まずス ケル トンカー
プにつ い て検 討し,
せ ん断 変 形に かか わ る せ ん断 応 力 度(τ)一
せ ん断ひずみ度 (γ)関 係の算 定 式を (そ の 1>Ae}で,
曲げ変 形に か か わる モ
ー
メ ン ト (M )一
曲 率 (φ}関 係あ 算 定 式を (その2
)文1°}で,
各々報 告し た 。 本報告で はこれ ら に引き続き.
履歴ルー
プに対す る検 本 論 文 は 既 発表文 献 12),
13)を加 筆 修正 し た もの であ る。
* 清 水 建 設 (株 )技 術 研 究 所 構 造 技 術 部 長 (昭和62年6月6日原 稿 受理) 討 結 果 とその算 定 式 を示 す。 また, スケル トンカー
ブ算 定式および履 歴ルー
プ算定 式に よる荷 重 変 形 関 係 計 算 値 と実験に よるカー
ブ との比 較 結 果, さ ら に こ れ ら算 定 式 に よ る履 歴ルー
ルを1質 点 系の動 的 応 答 解 析に適 用した 例を示す。2.
履歴ルー
プ の検 討 1>検 討 方 針 動 的 応 答計算に 用い る荷重変形 関係のルー
ル は,
スケ ル トン カー
ブ,
新しい 変位領 域に入 り一
部がスケル トン カー
ブ上にあ る過 渡ルー
プ∫経 験 変 位 振 幅で の2
回 目以 降の繰り返 しルー
プで あ る安定ルー
プ,
そ して経 験 変 位 振 幅より小さ な変 位 領 域で の内 部ルー
プの組み合わ せ に よ り成り立っ て いる。スケル トン カ
ー
ブの検 討で は, 既 往の模 型 実 験か ら得 ら れ たデー
タを収 集し こ れ ら に基づ い て作業を行っ た。
しか し,
既 往の報 告では荷 重 変 形 関 係は示さ れ てい る も の の,
個々 の ルー
プ形 状 を読み取ることは困 難であり’
,
さ ら に せ ん断 変 形と曲 げ変 形の各々 の履 歴ルー
プ を報 告 して いるもの はほと ん ど無いとい っ て よい。 小 川ら は柱の水 平 加 力 実 験を行い,
その安 定ルー
プ を 図一
1に示 す よ うに最 大 値お よ び最 小 値 (最 大 値の符 号 を変えたものに ほ ぼ等 しい)で基 準 化 し,
その形 状が以 下に示す (11
式お よ び (2
)式の2
つ の 3次 関 数曲線 で近 似で きる こと を示した91) 。 式 より明ら か な ように,
3次 関 数の係 数A
はルー
プの 囲 む 面 積S
お よ び等 価 粘 性 減 衰 定 数he
と (3 )式の よ うな関 係がある。
また係 数B は (4 )式で示す よ うに, 変形=
0の時の ルー
プ の こう配 を表し ている。
Y
上==A
十BX − Axt
十(1− B
)X3 …・
……・
…
(1
) y下=−
A+BX +Axz +(1−
B)xs・
・
…・
…・
・
(2 ) A=
(3f8
)S =
(3
π/4
)he ……・
・
…・
・
…・
…
……・
・
(3)B =
=
(dy
〆dX
)x=
o・
・
一・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
…
(4 ) こ こ に,Y =
Q
/QMAX
,
す な わ ち規 準 化さ れた荷 重 値,
.
X =
δ/δM^x,
す なわ ち規 準 化さ れ た変 形 値,
Y
上 はルー
プの上 半分 を表す 関 数,y
下 はルー
プの下半分を表す関 数で あ る。
この 3 次関数によ るルー
プは,
荷重変形 関 係安定ルー
プ実験値の面積お よ び変形=0
に お け るこう配を求め れNII-Electronic Library Service 形 変 −
匹 l
I
l
一
δ一
一
讐
Q
曲Q
}
゜
m一
驫 塵−
駈
■
−
Y
=QQm
。1(
1
,D
X
= δ δma(
−
L
−
t
)
図一1
荷 重変形関係履 歴ルー
プと そ の規 準 化ルー
プ ば,
その形 状 を定め ること がで き る。 図一
2は著 者 等が 実施し た箱型断 面ag
IW 試 験 体文llレの実 験に よ り得ら れ た せ ん断 力せ ん断 変 形 関 係の規 準 化ルー
プと,
そ のデー
タ よ り定 まる3次 関 数ルー
プと を比 較 し示した ものであ Y=
A+BX−
−
12 十(1
−
B)X3 図一
2 τ〜
r関 係 実 験 値と その 3次 関数 曲線近似 り,
3次 関 数 曲 線が実 験 値 を良く近 似で き ること が 分 か る。 原 子 炉 建 屋 を対 象と した既 往の模 型 実 験で も, 安 定 ルー
プ実 験 値 を3次関数曲 線で近似す るこ と を前提と し, その係 数A
(また はhe
),B
を報告して いる ものが あ る。
そこで,3
次 関 数 曲線によ る履歴ルー
ル を作 成す れば, こ れ ら の デー
タ によっ てそ の形 状 を定 めることが で き る。
た だ し小川 等の提 案は,
安 定ルー
プにつ い て の み述べ ら れている た め,
過 渡ルー
プお よ び内 部ルー
プに っ いて のルー
ルを新た に作成 し た。3
次関数曲線によ る履歴ルー
ル に は,
以 下の よ うな問 題 点が ある。
1
)安 定ルー
プ を原 点 対 称ルー
プと し て定義し た た め一
方 向で過 渡ルー
プを 描 く と 反 対 方 向で は過 渡 ルー
プを描かず,
実 験デー
タ と の整 合が悪い。
こ3
次
関
数
曲 線
モ デ ル折
れ線
モ デル単
弓
性
域
初
め ての塑性 化
,’
ノ
!’
ノ ノμ
’
,
’
〃
!
ノ !イ ’ 〃’
,’
’
ノ
’
安 定
ルー
プ’
,〆 〆 r ’ ’「
’
ノ
, ’ 丿’
,
’
’
,’
r ’ ’グ
’
’
、
/
, 丿ノ
’
’内 部
ルー プ
図一
33 次 関 数 曲 線モ デルと折れ線モ デルに よ る履 歴ルー
ル一
20
一
N工 工一
Eleotronio Libraryの欠 点 を解消す る た めに図 心 を原 点 以 外に移 動す る方 法も あ る文21が
,
式が複 雑に な る ため実 用 上.
問題があ る。io
剛性の変化が連 続 的に生じ る た め,
特に多 質 点 系 の動 的 応答解析に用いるに は実 用 上 問 題が あ る。
以 上の問題点に対 処 する ため
,
最 大 点 指 向 型の折れ線 によ る履歴モ デル を作 成し た。 こ の モ デル は, 3次関数 曲 線に よ るルー
プと面 積が等し く な るよ うに し,
ま た変 形:
=O
で の こ う配の デー
タ も生か せ る よ う な も の と し た。
以 下に3
次 関 数 曲 線および折れ線によ る履歴ルー
ル と そ れ らにかか わ る算 定 式 を示す。
2) 履 歴ルー
ル 図一3
に は3次 関 数 曲 線に よ るモ デルと折れ線に よる モデル の履 歴ルー
ルを 示し た。
3次 関 数 曲 線モ デル は先に も述べ た よ う に,
安 定ルー
プの等価 剛 性が原 点を通る原 点 対 称 型 とし た た め,一
方 向でス ケル トンカー
ブ上 を移 動し速 度が反 転す れ ば,
反 転座標の原 点 対 称 点 を 目 指 す よ うなルー
プ を描く。
折れ 線モデルの場 合に は最 大 点 指 向 型と し た た め, 速 度 反転 によ り目指す点は 反対側の経 験 最 大 変 位と な る。
た だし 図にも示し た ように初 めて塑 性 化し たとき に は, 反 対 側 の弾性限 界点を目 指 す もの と した。 折 れ 線モデル の場合 内部ルー
プの ルー
ル を簡 単にするた め, 正・
負の除 荷 時 の剛 性 を 等しいとし た。
3次 関 数 曲 線モ デルの 内 部ルー
プは,
安定ルー
プの頂 点を目指す 3次 曲線で表すこ と と し,一
方 折れ線モ デル の場 合に は安 定ルー
プに交わ る までは除 荷 時の剛 性に等 しい剛 性を持つ 直線 上 を移 動す るこ と とし た。 3) 3次 関 数 曲 線モデル の算 定 式 3次 関 数 曲 線の安 定ルー
プは す で に示し た (1
)式,
(2 )式に より定ま る。 ルー
プの形 状は, 係 数A ,B
に よ り 図一
4に示す よ うに変化す る。
実 験デー
タ によれば, 注)外側 境界線上は 含 ま ない 〔5〕は の領域に含む 〔1 図一
4 係数に よ る 3次 関 数曲線の形状 (−
1・−
1) 図一
5 3次 関 数 曲線に よ るブランチカー
ブ (1,
1) 通 常の建屋 で は領 域 の いわゆるハー
ドス プリング型の 安 定ルー
プ とな る。
安 定ル
ー
プ 内の点 (x。,
y。)で速 度が負か ら正に反 転 し た時に は, 図一5
お よ び (5 )式で表 され る よ う な 3 次 関 数 曲線の ブ ラン チ カー
ブ上を移 動する。
Y=
αo十 aiX 十 a2×2十 alX3・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
t−・
・
…
(5 ) 上 式の係 数 at(i=O,
3
)は,
ブランチ カー
ブ が以 下の 4つ の条 件 を 満た す ことにより定まる。
i
)カー
ブは (1,1
)を通るii
)カー
ブは (X。, y。)を通るiii
) (1,
1 )で のカー
ブの こう配は,
x。=一ξ(ξは 上 側安 定ル
ー
プと Y=
yoとの交 点のX
座標 )な らばy
上 のこう 配に等 し く, x。三
1なら ばY
下 のこう 配に等しいiv
)(X・,
Y。)で の こ う 配は,
X。=
ξな ら ばY
上の こ う配に等し く,
x。;
1ならば無 限 大 とな る こ れらの条 件よ りブランチ カー
ブの係 数 α‘は (6)式 に よ り求め る こ と がで きる。
la
}=
[M
]ICI
・
・
一 …・
…・
・
……・
・
一 …・
・
……・
(6) こ こ に {al は係 数 α‘の ベ ク トル で あり,
[M ]お よ び1
α は注1)に示すマ トリックスお よ びベ ク トル で 注 1>3次 関 数 曲 線に よ るブランチ カー
ブ算 定 用の係 数lal
=ICI
=
α α α α 1Yo3−
2(A+B
)+4A(x 。一
ξ)/(1一
ξ) [(Xo一
ξ爿3−
2(A十B)1
十(1−
XoMB−
2Aξ十3〔1−
B)ξil ]/(1一
ξ) [M}=
〔Xo−
1)−
s x 言{Xo−
3)3Xo−
1一
謡 (x。−
1)−
Xo(Xo−
1) 6Xe−
6エo pm〔Xo十2X鉱 o−
1} (2コ匚o十IXエb−
1)−
3(Xo 十1)3〔ユfP十1)−
2(Xe十1X ヱ o−
1)一
(コじb十2)(Xo−
1) 2−
2 {Xo−
1) (Xo−
1)NII-Electronic Library Service XL
Y
Pm
・・
(耳_ Ym
・’
ノ
’
YLX2
’
1/
Ko K2 XK2
XoX1ρ
Z
,
K5 Pmi,
(Xm…Ymi。
) (a)基本型 K1 α 減 (X5,
Y5) ∠ ’ 1 ’ ! ! ! 彡 ! K2 ’X4
βKIX
〆 α K2 , ’X6 ’ X3 α ’’ ア ’ 7 (X8,
Y8) (b)ス リップ型 図一
喝 折れ 線モデルの安 定ルー
プ ある。 な お,
速 度が正から負に変化した時の ブランチ カー
ブ は, (5)式が原 点 対 称に反 転するだ けで ある の で こ こ で は式 を省 略 する。 4) 折れ線モ デル の算 定 式 折れ線モ デルの安定ルー
プの基本形 を 図一6
(a)に示 す。
こ の ルー
プの特徴は,
内部ルー
プを簡 略に定める た め に,
除 荷 時の剛 性 を正負と もに等し くし て い る ことに あ る。 ま た,原点に対し非対 称の ルー
プで ある ため,
ルー
プの頂 点 座 標の絶 対 値の大きい方の半サイクル (図の場 合に は正 方 向 )の面 積が 3次 関 数 曲 線ルー
プの 半サイク ル の面 積に等 しい と する。
こ の 2つ の条件よ り,
ルー
プ の各 折れ線の方 程 式 を (7 >〜
(10 )式の よ う に求め るこ と がで き る。
1
上 側ルー
プ載 荷 時
】
1
上 側ルー
プ除 荷 時
】
1
下 側ルー
プ載 荷 時
】
【下 側ルー
プ 除荷 時1
γ=
κ1〔X一
丿r2
)・
・
・
・
・
・
・
…
(7 )Y =Ks
〔X − Xi
)・
………
(8
)y
=K3
(x 一
丿r
,)・
・
・
・
…
一・
(9
}Y
= ・K2
(X − X2
)………・
(10
) (各 式の係数は注 2 )に示す) 次に図一6
(b
)に示す よ う なス リッ プ型の ルー
プを考 え る。 この図の場 合には正 方 向の最 大 変 形の方 が 大 きい の で, まず正方 向の半サイクル の ルー
プ形 状を定める。 (7 )式の載 荷 時 剛 性K ,
に対す る低 下率β を既 知とし,
ルー
プの面積は基本形と同じ で あ る とい う条件よ り,
ルー
プの形 状 を定める方 程 式 を (11 )式〜
(13
)式の よ うに求め ること がで き る。
負 方 向の ルー
プに関して は,
除 荷 時の 剛 性が 正方 向の ルー
プの それ と等 しく,
また ルー
プの面 積が基 本 形と同じで あ る とい う条件に より,
各 折れ線の方 程 式を 〔14
)式〜
(16
)式の ように求め る こと ができる。【
上 側ルー
プ載 荷 時
】
y ;
βκ亘(X − X
,)……・
・
………・
………
(11
>y
三 (K
,/αxx
− X
、)+y
』…・
…………・
………
(12
) 【上側ルー
プ 除 荷 時】y =
(κノαXX
− X3
)………・
……・
・
……・
……・
(13
>【
下 側ルー
プ載 荷 時】
y =
Ys
(x − x
、レ(x
、− x
,}…・
…・
……・
………
(14 )Y =
=
(K3
/a)(X − Xs
)「トYs・
・
・
・
・
・
・
…
■
−4t・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(15 )【
下側ルー
プ除荷 時
】
Y =
(K2
/αxX
− M
)t−・
一
一
・
t−・
・
t−・
t−・
・
−t・
・
・
・
・
・
・
・
…
t−
(16
) (各 式の係 数は注21 に示 す ) 折れ線モ デル の 内部ルー
プは,
図一
7に示すよ うに点 (x。,Ye
)で速 度が反 転し た時には,
安 定ルー
プの除 荷 時の剛 性Ka
/a に等しい剛 性 を 持つ (17)式で表さ れ る 直線上 を移動し,
安 定ルー
プと交わ れ ば安 定ルー
プ上 を 移 動 すること と し た。Y ;
(K2
/axx−
Xo)十Yo・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(17
) 5 )履 歴ルー
プに関す る実 験デー
タの検 討 原 子 炉 建 屋 を 対 象 と した模 型 実 験で, 荷 重 変 形 関 係の 履 歴ルー
プデー
タを変 形 成 分 別に 3次 関数 曲 線の係 数の 形で整 理 し報 告 してい るもの を収 集 し た。
表一
1に は 収 集し た試 験体の形状お よび 試 験体数 を文 献ご と に示し 注 2)折れ線による履 歴ルー
プ算 定 用の係 数 XL=
=
x闢.
,−
x.tN,
YL=
VNS:−
YMtN,
Xo=
XM^x−
Y.A.(XL/YL),
S=
he(πXL7 島^x/yL) X駟=
Xo十2S/y1」,
X3=
Xe十2sy 閇1閥ノ〔}「ムy腿Ax) K1=}YtaAl/(XMAX−
Xt),
κ:= YNAI/(XntM−
Xi},
Ks=−
YMIN〆(Xi−
XMIN>,
β=
B〆〔K,/(YMAX/XMAX)),
α
=
(κ匚XLi−
2S/βX
κ【XLt−
2S )x
菖
= XMAX−
YMAIa/K,
,
x4=
x閇
TN−
y鬮 田 α/K,
,
Xs
=
XNAX−
YMxxa/κL,
XT=
XMIN−
YMINa/Ks,
1
=
XLκlfi(1−
a)/(1一
囗β),
Xs=
X悶^x+(a/κlXYs−
y罔sx} s尸一
s(Y岡lN/YNax) 】西,≡
2〔S2一
αY斎,,(1/K3−
1/K,)/2)/〔丿【,−
Xi),
Xs=
x7十Xs(or/K,〉一
22
一
N工 工一
Eleotronio LibraryY ’ 〃
/
7
! ! ノ1/
ノ ノ1
! ’k2
/αX
’ ノ ! ’ ’ 1 ノ ’(
xoy の1
! !’
’1 μ 図一
7 折れ線モ デ ル の内部ルー
プ 表一
1 履 歴ルー
ブデー
タの検 討 対 象試 験体 文 献 試 駛 体 形 状 試 験 体 数 せ ん 断 変 形 曲 げ 変 形 11 箱 型 壁 2 1 3 箱 型 壁 同 上 対角 加 力 円 筒 壁 円 錐 台 壁 八 角 形 筒 体 壁 同 上 厚 肉 壁 715372 715372 4 柱 型付 き 壁 27 合 計54
26 10B64 2 Hse(%) o Q ooo (〜 ) Hmean;
=
4.
5a% 0 1.
5 1.
5 e.
5 D 00 1 2 3 4 (a)等価粘 性 減 衰 定 数とせん断ひずみ度 関係 γ〔X10−,
) 5 軸力 別の翼験デー
タ 股 定 式 係 数B ○σ。
≦7』 ノ丗 σo=
o △ 20≦σo ≦23.
4k巴!丗
一
一
一
一
σ。=
20 口σ。
嗣0 1副一・
一
σ。=
40 詮 △ △一
曷
△.
、
怪
「 B富
0.
775 Q曹 一
△ ぎ〜 △ 一 目1
dO
も O I B≡
0 775−
0、
238γ ≧0.
3 鰹 1 2 3 4 5 γ (XIO’
s) (b) 変 形=
0の 時の勾 配 と せ ん 断 ひ ず み 度関 係 図一
8 荷重せ ん断変形 関係安定ルー
プの デー
タ た。
文献によっ て は せ ん断 変 形にか かわるデー
タの みが 報 告さ れて い る。
図一
8(a),
(b
>は荷 重せ ん断 変形 関係の安定ルー
プ か ら得ら れた等 価 粘 性 減 衰 定 数h。
と変 形; 0の時の こ う配B
と を, 横 軸に せ ん断ひずみ度γを とっ て示し た。 せ ん 断ひずみ度 γは, 既報告 (その1
)で示 し た せ ん 断 変 形 実 験 値 を試 験 体の ク リアー
スパンで除し たもの で ある。
また, 図一
9(a), (b
)に は荷重 曲 げ変形関係の 安 定ルー
プか ら得ら れ たhe
とB
と を横 軸に等 価 曲 率 φ をとっ て示した。
等 価 曲 率 φは図一
10に示 す よ うに曲 げ変 形 実 験 値 δ.より求め たもの であり, δe は図一
11に 示 す 脚 部で の測 定 区 間で の測 定 値 を 除く曲 げ変 形で あ る。
これ らの図よ り以 下の事 項 が指 摘で き る。
け せ ん断変形のh
。 は γ の値にか か わ らずほ ぼ一
定 で あ り, そ の平均値は4.
58
% で あ るii
).
せ ん断変形のB
の 軸応 力 度 a。に よ り傾 向が異な る。 す な わ ち,
σ。≦7.
8kg
/cmz (7.
8kg
/cm3 の 試 験体は1
体だ け で あ り, その他は すべ て軸応 力度0
である)で は γ の増 加に伴っ てB
が低 下す る・
が, ao=
40kg /cm2 の場合に は ほぼ一
定と なる。
1
の 曲 げ 変 形のh
。は せ ん断 変 形の そ れ と比べ て デー
タ が少ない た め その傾 向は明ら かで はない が, ほぼ
一
定 と見な して 良.
い と思わ れ る。
平 均 値は5.
69
%であ る。
iv
)曲 げ変 形のB
の デー
タが 少ない ため 傾 向が明 ら かでは ないが, φの増加に伴い や や減少する傾 向 に あ る よ う で あ る。 以上の デ三 夕 お よび 既往の研 究 結果 よ り , 等 価 粘 性 減 20 15 10 5 oo Hge(%) o ♂ 蟠 oHm 闘n署
5.
59%一
() に D(動.
Q ・ ・響
謹
。 0 ゜恥
0 φ o (Xlr』
1!cml 2.
0 1.
5 1,
0 0,
5 10 20 30 40 50 (の 等 価 粘 性 減 衰 定 数と等 価 曲 率 関 係 60 OO 10 20 30 40 50 60 (b) 変 形==
Oの時の勾 配と等 価 曲率関 係 図一
9 荷 重 曲げ変 形 関 係 安 定ルー
プのデー
タ 日自ま
調
1
r8m
町=
o.
55驪
ゆ「
o O・
o辱
φ〔×10−
1!。m}一 23 一
NII-Electronic Library Service
響∠
ヨ
H
等価曲 率 φ
φ
=(
3
/
H2
)
δB 図一
10 曲 げ変 形よ り求ま る等価曲率 曲 率 実 測 値Q
δ・囹
’/
’ 脚部
測定
区 間 図一
11 曲げ変形 実験値の求め方 衰定数he
お よ び変形;
0で の こ う配B
を,
各 変 形 成分 別に (18)〜
〔21)式の ように定めた。
【荷 重せ ん断 変 形 関 係ル
ー
プに関する定 数】hse
= 0響
046・
『
・
『
『
・
・
・
・
・
…
−t・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
《18)Bs
= O.
775−
O.
2381(40−
ao>/401(1000γ) ≧O.
3−・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(19
)【荷重 曲げ変 形 関 係ル
ー
プに関する定数】hB
.= O.
057…
(φ≦eφPt
)=O.
057
十〇.
143
(φ一
cφ2)/(cφ3−
cφ2)…
(φ>cφ2)・
・
…
99・
・
(20) B,=
O,
85
’
”
(φ≦c φ2)=O.
85− 0.
24
(φ一
cφ2)/(cφs−
cip :)…
(φ>cφ !)・
・
一 …
(21 ) こ こ に,
a。は軸応力 度 (kg/cm2 ), cφ2, 。φ3 は既報告 (そ の2
)で示 し た曲 げ 降 伏 時の曲 率およ び 曲 げ終 局 時の曲 率の計算値である。
せ ん 断変形 に関す る等 価 粘 性 減 衰 定 数 hs
.
は, 図一
8 (a)に示し た実 験デー
タの平 均 値 と して定め た。一
方, 係 数Bs
は以 下の よ うな手 順で定めた。
i
)軸 応 力 度40kg/cm2 以 上の Bs一
定 値と する。
実 験 デー
タの平 均 値はO.
741
であっ た。
li
) 軸 応 力 度Okg
/cm2 のBs
は,
ス ケル トンカー
ブの 第 2 折れ点の ひずみ度 2×10−
3を境と し,
それ以 前は負こう配の 直線で近似で き (デー
タの近 似 直 線 式 ;Bs =
0.
756− 0.235
γ×1000),
それ以 降は一
定 値 (デー
タの平均値 0.
291 )と み な せ る。ilj
) 以 上の近 似 式 を,
γ=
oお よびγ;2xlo
−
3に お け る連 続 性 を 考 慮して若 干 修 正し た。
ま た,
軸 応 力 度が 0と40kg/cm2 の間は,補 間す るこ と と し た。一 24 一
図一
8(b
)の 中に軸 応 力 度0,
20,
40kg /cm2 の場 合の設 定 値 を示 し た。
曲げ変形に関す る等 価 粘 性 減 衰 定 数
h8e
は, 曲 げ 降 伏 以 前の値 を図一
9 (a)の 平 均値と し て定め た。
こ こ に収 集 し た デー
タ は原 子 炉 建 屋を対 象と した模 型 実 験か ら得 ら れ たもので, 曲 げ降伏以 降の安定ルー
プに関 するデー
タは ほとんど 無い。
し た がっ て,
曲げ降 伏 以 降の等 価 粘 性 減 衰 定 数は,文献2 >に示さ れ た曲 げ破 壊する柱の デー
タ を参 考に曲 げ 降 伏 以 降増加 し終局で20
% と な る よう に定 めた。
係 数B
。 は, 曲 げ降伏 以前をO.
85,
曲げ降伏 以 降 低 下し終局時で 0.
61 と す るこ と と し た。 こ れ は曲 げ破 壊す る柱の実 験等か ら得ら れ る履 歴ルー
プの形 状か ら,
モー
メ ン トー
曲 率 関 係の ルー
プはス リップし ないと 考え たことに相 当する。 す な わ ち正負の最 大 値が等 しい 時の折れ線モ デル の基本形ルー
プを, 最 大 値が (1,
1) と なるよ うに規 準 化す れば,
その載 荷時の剛 性 K,と等 価 粘 性 減 衰 定 数 ん との 間に は (22
) 式の ような関 係が あり, ん を (20 >式で定め ればB
は 必然 的に (21
)式 の ようにな る。
Kl;
YMAX/(X鬪AX−
X2)=
1/(1十hπ)………・
…
(22 ) な お,
こ こで提 案し た等 価 粘 性 減 衰 定 数he
お よび変 形=0
で の こ う配 B の値につ い て は, な お検 討の 余地 が あ る と考えて おり,
こ こ で の提 案 式は暫 定 的な もの と して お き たい。3.
荷重変形 関 係 算 定 式の総 合 的 検 討 1) 算 定 式の ま と め 本 論で は, 荷 重 変 形 関 係 をスケ ル トンカー
ブと履 歴 ルー
プとによりモ デル化し,
水平変形をせ ん断変形と曲 げ 変 形とに分離して,
せ ん断変形は せ ん断 応 力 度 (τ) とせん 断ひずみ度 (γ)と の関係に よ り,
ま た曲 げ変 形 は モー
メ ン ト (〃)と曲 率 (φ)との 関 係に より定まる とし た。
報 告 (その 1 )で は, r〜
γ関 係ス ケル トンカー
ブに つ い て検 討し,
モ デル を3折れ線と し て各 折れ点お よ び最 大 点を (23)一
(28>式で算 定す るこ と と し た。
報 告 (その 2)で 躍〜
φ関 係ス ケル トン カー
ブにつ い て 検 討し,
同じ くモデル を3折れ線と して (29 )〜
(34 }式 で算 定す ること と し た。
な お模 型 試 験 体に よる曲 げ変形 の実測値に は,
壁 鉄 筋が基 礎か ら伸び出す た めに生じ る 付 加変形が含ま れてお り, こ の変 形は (35
)式で示す壁 脚 部で の 回転 変 形 として評 価で き る。
【τ〜
γ関 係スケル トンカー
ブ算定式】 (第1
折 れ 点}cT、=
轟
(再
+σ v)……一 ・
…・
…………・
(23) c7i=
crl /σ・
・
…
一
・
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
…
9・
・
・
・
・
・
・
…
(24) (第2折 れ 点 > c τt=O.
7ck
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
・
…
一
・
…
(25> cr2=
・
2×10−
s…………・
……・
…………・
…・
…
(26
) (最 大 点 ) I N工 工一
Eleotronio Library試験体 名
(
a )B − IO
箱 型 壁 文 献 5)
(b
)Bl − 4
箱 型 壁 文 献6
)(c
)
B2 − 2
円 筒 壁 文 献7 )
サ イ クル 第1 〜
第3
サ イ ク ル 曲 げ 降 伏 後の2
サ イ クル 最終2
サ イ クル(
計 算 値 はL5
サ イクル ) 第1〜
第4
サ イ ク ル3
次関 数 曲 線モ デル〆
’
〆
’
ピ
’
! ク 7 〆〆
ノ
〆
〆
〆
’
多ノ
ノ
ノ
!
グ
’ノ
厂 〃 ∠ ノ∠ ! 〆 !卩
’
’
一
〆 77 ア ノ 7 ! ノ 1 !〆
z
/
’ ノノ
ノ 7 ! ノ z 勇’
!
/ノ
!ノ
ノ!
∠〃
∠ア
ア
ノ
ノ
! ! !!
z ! ’〆
ノ
7zz’
!
!
!〃
須
〃 ’ 7 ! 折 れ 線 モ デ ル尸
’
一
一
一
一
ド
r疋♂
ノ
〆 ! ψ ’ ! ’ ,ん ’ ’,
”
ノ
,
’
’
,
’
’
’
’
’
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’
’
’〆
’
’
’
’
ノ
ノ
ノ’
’
’ノ
r
’
’
’
!
’
〆
4一
一
一
,
厂
一
κ
一
’
一
’ ノ ノ ∠属
〃
! ’ ’’
ノ ’!
1,
’ 〆 〆 ! ’ 〆 1 1 ’ ノ 〆 ’,
’
7ノ
’
ノ
! ノ 1 ノ!
! ’ !!
ノ!
ノ〆
〆
アノ
! ! ’ ノ 〃 り2’
’ !〆
’ノ
!
!
ノ ! !’
’
〆ノ
!
’彡!
ノ
’
図一
13 荷 重 変形関 係 実 験 値と計 算 値の比 較 (実 線が実験 値,
点線が計算値 〉一 25 一
NII-Electronic Library Service cτs=
O.
0679P °
i!3(Fc十180)/(M /QD
十〇.
115
)十2
.
7》凧
十 〇.
5(σ v十σ、1)≦4.
5再 …
(
27
) c73;
4×10−
3・
・
・
・
・
・
…
一…
tt・
・
『
・
…
t・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(28
) 【M 〜
φ関 係スケ ル トンカー
プ算定式 】 (第 1折れ点) cル臨=
(1.
2
再 十σu)Ze …
−4・
・
一
一
・
・
・
…
tt・
・
・
・
・
・
・
・
…
(29
) ca;
cM )〆(cEle }……・
………一 ・
・
・
…一
(30
) (第2折れ点 ).
。M,=
=
曲 げ降 伏モー
メ ン ト…………・
………
(31
) cφ2=
曲 げ 降伏モー
メ ン ト時の曲率・
………
《32
) (最 大 点) cMs=
全 塑 性モー
メ ン ト……・
………
(33
) cφ3=Xnu
/0.
003 ・
・
・
・
・
…
9・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(34> 【脚部の 回転によ る変形】cδe
=Msl
〔O.
5s
εy40d )/(cM2Js
)lHt
・
・
・
・
…
一
一
・
・
・
…
(35)
(各式の記 号 説明は文 献 9 )
,
10 )を参照 され たい 〉 本報告では履 歴ルー
プを3次 関 数 曲線お よ び折れ線で モ デル化し,そ の算 定 式 を示し た。さらにせ ん断 変 形ルー
プお よ び曲 げ変形ルー
プに対する等 価 粘 性 減 衰 定 数お よ びス リップの程 度を示 す 係 数 を暫 定 値 とし て示し た。
2) 実 験 値と計算値の比較 模 型 実 験に よ り得ら れ た荷重変形 関 係 を上 記の算 定 式剛
域試 体
験計
算
モ デル 図一
12 荷重変形関係 計 算 用モデル’
H m=
Ikg・
s2/cm620 Aw ; IOom2 155 gaI O.
214ko Ok cm 図一
14 1質点 系モ デルとそ の スケル トンカー
ブ 表一
一
2 1質 点 系 動 的 応 答 計 算 解 析 ケー
スー
覧 固 有 周 期 0.
2sec 固 有周期 0.
5sec 入 力 波 3 次 折 線 1 次 3 次 折 線 1次 パ ル ス 波 123一
一
『
エ ル セ ン トロ 456789 人工 地 震 波 10ll12131415 注 )ルー
プ形 状 3次 ; 3次 関数曲 線 履歴 モ デル 折 線 :折 れ 線 履 歴モ デル 1次 ;最 大 点 指 向 型,
等 価 粘 性 減衰定 数零 減 衰 定 数は,
パ ル ス波に よ る も の は 5 %.
地 震 波 に よる もの は 2 % と した一 26 一
による計 算 値 カー
ブ と比較し た例を示 す。
計 算 値の求め 方は,
図一
12に示す よ う に 試験 体 を高さ方 向に約 20分 割し た は りモ デル に置き替え,
各 分 割要 素内で は せ ん断 応 力 度お よびモー
メン トは一
定であるとしてせ ん断ひず み度および 曲率を算 定 式に より求める方 法と し た。な お,
脚 部回転変形はルー
プを描か ない モ デル となっ ている た600
加 速 度 (Gel)画
一
2
一
2
一
600
600
加 速 度 (Gal
)圃
一
2
一
600
変 位(・m)2
図一
15 エ ルセントロ波による応 答 履 歴ルー
プ N工 工一
Eleotronio Libraryめ
,
脚 部モー
メ ン トに応 じた (35)式による水 平 変 形 を 加え合わ せ た。
図一
13 (a)に は,
文献5 )の箱型 断 面 試 験 体B −
10 の 第 1−
3サ イ クル お よ び 曲 げ 降 伏 以 降の 2サ イ クルの 荷 重変形 関 係実験値と計算 値と の 比較を示し た。 図一13
(b
)に は文献 6)の 箱型 断 面 試 験体Bl −
4の最 終2
サ イクル で の比較を 示 し た。
た だ し計 算 値は1サ イ クル半 である。 さ らに図一13
(c)は文 献7
)の円筒 断 面 試 験体 B2−
2の第 1−
4サ イク ル で の比 較を示 し た。 これ らの 図よ り以 下の事 項が指 摘で きる。i
) 全 般 的に計 算 値は実 験の 荷 重 変 形 関 係 を 良く ト レー
ス できて い る。
ii
)3次 関 数 曲 線に よ る モデル は原 点 対 称 型とし た た め負 方 向の過 渡ルー
プを表 すこと ができ ない。iiD
いずれ の モ デルで
も繰り返u
加 力による耐 力 低 下 を考慮し て い な い た め, 安 定ルー
プの ピー
ク の荷 重 値 を過 大 評 価 する傾 向にある 3) 1質 点 動 的 応 答 解 析 こ れ まで に設 定 したモ デル の実 用 性を検 討す る た めに 1質 点 系モデル による動 的 応 答 解 析 を行っ た。 復 元 力特 性は図一
14に示すよ うな 2折れ線モ デル と し,
初 期剛 性は固 有 周 期が0.
2秒お よ び0.
5秒とな るよう定めた。 ルー
プ形 状は,
本 報 告で示 し た3次 関 数 曲 線モ デルと折 れ線モデル,
さ らに比較の た めに安 定ルー
プ面 積 を零と す る最大点指 向型の 3種と した。
入力 波は, サイン波に よ るパ ルス波 (2波),
エ ル セン トロ波, お よ び人 工 地 震 波の3
種と し た。
人工地
震波は,
文 献8 )で提 案され た 1 次の 減 衰 定 数 0.
02に対する設 計 用スペ ク トル を ター
ゲッ トと して作 成し たもの を用い た。
表一
2に は解 析ケー
ス の一
覧 を,
図一
15に はケー
ス 4,
5,
6,
の応 答ルー
プを,
図一
16に は スケル トンカー
ブ 上の最大応 答値を示し た。 解析 結 果よりパ ル ス波,
地 震 波いずれ の場 合に も今回 設 定 した 3次 関 数 曲 線モ デル お よ び折れ線モデル履歴 ルー
プと もに 良 好 なルー
プ形 状 を 描い て い ること が分 かっ た。
応 答 値その もの につ い て は解 析ケー
スが少な い た めルー
プ 形状の差に よる明瞭な結 論は得られ な かっ た。 強いてい えば,
折れ線モ デル に よ る最 大 応 答 値が小 さ く,
こ れ は 過 渡ルー
プのエ ネル ギー
吸収の差か と思わ れ る。 こ こで は示さ なか っ た が , 応 答スペ ク トル で は最 大点指 向型の ルー
プによ る もの の ピー
クが他の 2つ と比 較して大きい傾 向がある。
3次 関 数 曲 線モデル と折れ線 モ デル と で は明 瞭な差 異を指 摘す る こと はで き な かっ た。
4.
結 論 本論で は, 原 子 炉 建 屋の主 耐 震 要 素であ る鉄 筋コンク リー
ト造の立 体 耐 震 壁の荷 重 変 形 関 係 を,
主に原 子 炉 建 屋 を対 象と して行われ た縮 小 模 型 試 験 体の実 験デー
タに 800 600 400 200 o 1.
o 図一
16 スケル トンカー
ブ上の最 大応 答 値 基づ き検 討 し,
水 平 荷 重 変 形 関 係の算定式を提案し た。.
水 平変形 を せ ん断 変 形と曲 げ変 形との和であ る と考え,
各々の変形成分に対しスケル トン カー
ブ お よ び履歴ルー
プの算定式を設定し た。
算定 式に よる計 算 値カー
ブは実 験 値を 十 分 トレー
ス で きる ことが 分か り,
さ ら に履歴 ルー
ル が動 的応答計算に も適 用 可 能であ るこ と が 確 認 さ れ た。
本 論 で十 分 に検 討で きず今 後の課題 と考え ら れ る項目 を以 下に列 記する。
i
)τ一
γ関 係の初 期 剛 性 実 験値はコ ン ク リー
トの せ ん断 弾 性 係 数G
に ほぼ等しい が,
今 回 設 定した第 1折れ点に至るまで に剛 性が低 下し
,
原 点と第 1折れ点 を 結ぶ 剛 性はG
よ り も低く な る。
応 答 値が第1折れ点 以 下で収ま る よ う な領域 を対 象 と一
NII-Electronic Library Service す る場 合に は, 留 意す る 必要が あ ろう。
ii
)脚 部にお け る鉄 筋伸び出し に よ る回 転変形は,
実 機 規 模の建屋で は 無視で き る もの と考え ら れ る が こ れ を裏 付けるデー
タは少な く, なお検討の余地 が ある。
lii
)今回収 集し た試 験 体で は曲げ 破壊し た もの は ほ と んどな く,
従っ て今回設定し た曲げ降伏以降の諸 定数にっ いて は今後の デー
タ の蓄積を待っ て さ ら に検討 し たい と考え る。iv
)履 歴ルー
プの面 積にか か わる等 価 粘 性 減 衰 定 数お よびス リッ プの程 度を表す定数につ い ては,
実 験 デー
タ が十 分と はいえず,
今 回の設 定 値は暫 定 値 であ る と考えて い る。 V )今回の 設定モ デルはで き る だ け実験デー
タ を ト レー
ス で き る よ う に 設定す るこ と を 原 則 と しつ つ ,一
方では算定式は は り理論 等の既往の理 論 式 あ るい は実 験 式等に基づ く実用的な ものと な る よ うに し た。
設定さ れ た算 定式は 1部 を 除 き 実 験 値 の ほ ぼ平均値と 対 応して い る。
実 際の設 計に用い る た め に は,
デー
タのばらつ き等 を考 慮 する必 要 が あ ろ う が,
これ は 設計体系の中で論じ るべ き問 題で あ り本 論の検討 対象外と考え た。 以上の復 元 力特性モ デルお よ び そ の算定式が,
今後の 原 子 炉 建 屋の耐 震 設 計法の合理化の一
助と な れば 幸い で ある。 謝 辞 本 論を作成 す るにあ た り終 始 懇 切 な るご指 導を頂き ま し た東京大 学青山博之 教授に深く感 謝し た します。
筆 者 が所属 す る各 種 関 連 委 員 会の諸 先 生・
諸 先 輩 方に は貴 重 なご意見, ご示 唆を数 多く頂き ま し た。
特に,
東 京 大 学 岡 田恒 男 教 授i 東 電 設 計 〔株 ) 田 中 宏 志 博士,
関 西 電 力 (株 )瀬 戸 川 葆 博 士には暖かい励 ましを 頂 き ま した。 ま た,
当社原 子力 部 小 川 幸 雄 氏, 技 術 研 究 所 猿田正 明 氏 には本 研究の良きパー
トナー
と し て, さ らに原 子 力設 計 部 甲斐芳 郎氏,
姫野洋一
氏に は動 的応答計 算につ いて,
多大な ご協 力を頂き ま し た。
こ こ に 深 く感謝 す る次第で あります。 参 考 文 献 (以下の略 称を 用い る。
日本 建 築 学 会 大会学術 講 演 会 梗 概 集=
大 会,
日本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 報 告 集=
論 報 ) 1> 小川淳二 ほ か1名:「鉄筋コ ン ク リー
ト骨組の動的特性に 関す る実 験 的 研 究L
ll
」,
大 会,
昭 和43年,
pp.
93−
96 2> 千 葉 脩ほ か 1名 :「鉄 筋コ ン クリー
ト終 局 強 度 設 計に関 す る資 料,
シ リー
ズ20,
鉄筋コ ンク リー
ト柱の強 度と じ ん性 (そ の4}」日本建築学会建築 雑誌,
Vol.
95,
No.
ll73,
昭和55年12月号, pp,
62−
64 3) 岡 田 恒 男ほか3名 :「原 子 炉 建 屋の復 元 力 特 性 試 験 (小型 および部 分 模 型 )(その 1),
(その 2)」,
大 会,
昭 和60年,
pp.
]079−
1082 4> 羽 鳥 敏明 ほ か3名 1「建 屋の復元 力特性に関 す る 研究 (そ の 22)」,
大 会,
昭 和59年,
pp.
2377−
2378 5} 東京大学梅村研究室,
「鉄筋コ ンク リー
ト耐震壁の耐 力と 復元力特 性に関する実験 的 研究」,
昭 和 50年9月 6} 稲 田 泰 夫ほか 2名 :「原 子 炉 建 屋の復 元 力 特 性 試 験 (その 4)」,
大 会,
昭 和 57年,
pp,
963−
964 7) 菅 野俊 介ほ か 2名 :「原 子 炉建屋の復元 力特性試 験 (その 5)」,
大 会,
昭 和57年,
pp.
965−
9668) N
.
M.
Newmark and W.
J
.
Hal1;「Earthquake Spectraand Design」
,
EPRI,
1982,
ある い は大崎順彦ほ か 7名 ;「模 擬 地 震 動 作 成 手 法に関 する研 究 (その 1)一
(そ の 6)」,
大 会,
昭和57年,
pp.
587−
598 【既 発表文献】 9) 稲田泰夫 :「原子炉建 屋 立体 耐震 壁の復元 力特性に関す る 研究 〔そ の 1}τ〜
γ関係ス ケ ルトン カー
ブの検討」, 論 報 第371号,
昭和 62年1月,
pp,
61−
71 ユ0) 稲田泰 夫 ;「同上表題 (そ の 2)ML φ 関係お よ び荷 重変 形 関係スケル トン カー
ブの検 討 」,
論 報 第378 号,
昭和 62年8月,
pp.
16−
26 11) 稲田泰夫ほ か 2名 :「原子 炉 建 屋 ボック ス型 立体 耐震 壁の 復 元 力 特 性に関す る研 究 (その 6)」, 大 会, 昭 和59年 pp,
2361−
2362 ユ2) 稲田 泰 夫ほ か 1名:「原 子 炉 建 屋ボッ ク ス型 立 体 耐 震 壁の 復元力特 性に関す る研究fi(その 1)」,
大会,
昭 和61年,
pp,
1091−
109213) Y
.
INADA,
M.
SARUTA :「Study on The Force Dis・
placement Characteristics of Reactet Buildings Sub
.
jected
to Large Earthquake Motion 」,
gth SMiRT,
K10
,
1987 年一
28
一
SYNOPSIS
UDC:G21.039.4:69.022:699.841:624.042
RESTORING
FORCE
CHARACTERISTICS
OF
REACTOR
BUILDINGS
BASED
ON
LOAD
TESTS
AND
NUMERICAL
ANALYSIS
(Part
3)
Examination
ofload
displacement
hysteresis
loopy
byYASUO I]YADA, Member of A,I.J
This
paper presentstheformulas'for
calculating theload-displacement
relation of reinforced concrete reactorbuildings
based
on theresults obtainedfrorn
load
testsusing reduced scale model tests.'
Since
thesecondhalf
of the 1970s,from
theviewpoint of theratiopalization and economy of the designs of reactorbuildings,
evaluatioh ofbuilding
safety was triedtoconfirm thattheresponse value of the reactorbuild-ing
has
sufficient marginfor
thefinal
stage.For
thatpurpose. the properties of thebuilding
up tofinal
stageshould
be
understood, The relationbetween
thelateral
load
anddisplacement
is
animportant
measure to under-$tand the$eproperties.In
dynamic
response analysis of earthquake-resistantdesign,
therelationbetween
lateral
load
and lateraldisplacement
areidealized
by
envelope curves andhysteresis
loops.
Lateral
displacement
con-sists of shear and bending components.Shear
displacement
i,sobtained from'the
proposed
relationbetween
shear stress T and shear strain 7,and thebending
displacement
is
obtainedfrom
therelationbetween
momentM
andcurvature
ip,
Formulas
for
calculating the r-7 envelope curves were proposed inPart
1
and tho$efor
calculat-ing
theM-e
envelope curves,in
Part
2.This
paper
describes
the algorithmsfoi
constructinghysteresis
loops
using thirdorder and multi-linear
functions,
.
Under
cyclicload
at identicaldisplacement
to that previouslyexperienced,load-displacement
plotswillbe
stableloops.
As
Ogawa
proposed, normalized stableloops
canbe
idealizedwith a pairof third order functions(Ref.
O.
The
coefficients of the third orderfunctions
for
sheardisplacement
andbending
displaceme4t
arede-tetmined
from
the experirnentaldata.
When
the velocity changesfrom
negative to positive,for
example, the traceforms
abranced
curves.The
function
for
forming
thebranched
curve are alsb proposed,・
,
As
the thirdorderfunction
moclel was not practicalfor
response analysis of multi-degree-of-freedom systems,theversion ofmulti-linear model was prepared.
・
.
Lateral load-lateraldisplacement curves which were obtained from loadtestswere compared with thoseof theindividuaL
specimens obtainedfrom
the proposedformulas.
The
computed curves show good agreement with the'
experimental ones.