【
研究 論 文】
UDO :624.
075.
2.
012:624.
Ol2.
45 日本 建 築 学 会 構造系論 文 報告集 第 350 号・
昭和 60 年 4月二
軸 曲
げ
せ ん
断 力
を
受
け る
鉄 筋
コ
ン
ク
リ
3
次 元 弾 塑 性
FEM
解析
一
ト
柱
の
有 限要素
法
に
よ る
鉄 筋
コ ンク
リ
ー
ト
部材
の
3
次元 弾塑性 解析
正 会 員井
上
範
夫
*1.
序
筆 者
は,
有 限 要 素 法
に よ る 鉄筋
コ ン ク リー
ト部 材
の3
次元 弾 塑 性 解 析
に関
す る一
連の研 究 を行
っ て お り,
す で に帯 筋 を持
つ コ ン クリ
ー
ト角 柱
の軸 圧
縮実験
,繰
り返
し曲 げ
せん断 力 を受 け
る柱
の実 験
を対
象
と し た シ ミュ レー
ショ ン解
析 結 果
2 〕ls
〕・
28 )・
29)を示
した。
本
法で は,
3
次 元で繰
り返
し載 荷 を扱
っ ており,
2
軸 曲
げ せ ん断 力
を受
け る柱 も解 析
でき
るの で,
こ こ では,
水
平
面
で円
形
の変位履
歴 を
受
ける場 合
の解 析
を行
っ た4 >。
こ の よ う なルー
プ
を描
く場 合
に は,
応 力
の方 向
が刻
々 と変
化
し,本
法
の よ う に過 去
の塑 性 履 歴
か ら現
ステップ
の状
態
を求
め る方 法
に おい て は,解 析 的
にも厳
し い状
態で あ る た め,
こ の問
題を検 討 す
る こと
で本 解 析 法
の適 用 性
が明
ら かに さ れ る と考
え ら れる。
2
方 向 外 力 を受
ける鉄 筋
コ ン ク リー
ト構 造 物
に関
す る研 究
は,実 験
およ び 解析
の困 難 さ
な ど か ら ま だ その歴
史
は浅
い が,1968
年
の十 勝 沖 地 震
や,1971
年
のSan
Fernando
地 震
で,2
軸 曲
げせん断
力 を受
け た と 思 わ れ る柱
の被 害
が顕
わ れ活 発 化
してき た。実 験
に お け る加 力
の方 法
は,滝
口・
黒 正
・
岡 田
15〕」 6切
よ うに2
軸 の純曲
げ を加
え た もの,
青 山
・
藤 井
6〕・
24)らや滝
口・
黒 正 ら19)の よ うに2
方 向 強 制 水 平 変 位
を与
えて2
軸
の曲 げ
せ ん断 力 を加
えたも
のな ど があ
り,
さ ら に,
岡
田・
関
ら9)・
1°)の よ うに,
計 算 機
とア クチュ エー
タ との オ ンラ インシ ス テ・
ム に よ る擬 似 動 的 実 験
も行
わ れて いる。
こ の よ う な
2
方 向外 力
を受
け る鉄 筋
コ ンク リー
ト部材
の解
析法
と して は,次
の よ うな三つ の方 法
が考
え ら れ る。
一
つ は,断
面 を
い くつ か の要 素
に分 割
し,
材 料
の応 カー
ひず
み関 係
に基
づい て断 面
の モー
メ ン トー
曲 率 関 係
を 求 める ファイ
バー
モ デ ル で ある。Actan ・Pecknold ・
Sozen5
}・
11,がこ の方
法 を2
軸
に適 用 し,
滝口・
黒 正 ら17 】,
本 報 告に用い た解 析 手 法は
文
献1>
に詳述
し ている。
ま た,
解 析 結 果につ い て は文 献4
)
の内容
を詳 細に示す と ともに新た な検 討ケー
ス も追加
し た。
・ 鹿 島 建 設 武 藤 記 念 研 究 室 主 任 研 究員・
工博 (昭 和58年6月3日 原稿 受理日,
昭 和 59 年 12 月 4[ヨ改訂原稿受理 日,
討 論 期 限 昭和 60 年 7月末日1
岡 田
・
関
ら9)も採 用
し た 。 ま た,
滝 沢
22),
青 山
・
芳 村
らZfi1・
27],
青
山
・
鈴
木
12)・
13)は,
次
に述
べ る2
軸 曲
げモデル と の比較 検
討のた めに ファイバー
モ デル に より解 析
を行
っ て いる。 こ れら
の モデ
ル では断 面
は平 面 保 持 す
る,
鉄 筋
コ ンクリ
ー
ト間
の付 着 を完 全 と考
え る, せん 断 変 形 を考
慮
し な い等
を
仮
定
し て,断面
で の モー
メ ン ト曲率
関
係
を
求
め, さ らに曲 率 を 積 分
す ることに よ り変
形 を
求
め てい る。
こ の方 法
は,
後 述
の有 限 要 素 法
ほど
で は ないに しろ,
比
較
的 時
間
がか か る の で部材
の解 析
がせい ぜい で ある が,静 的
な多 数 回繰
り返
し加 力
は も ち ろ ん,2
方
向
か ら地 震 を入 力 さ
せ た場 合
の応 答 計 算 も行
われてい る。
しか し,上
に述
べ た よ う な仮 定
に基
づい ているの で,
付着
や せん 断 変 形 が 大
き な影 響 を及
ぼ す よ う な供
試
体
につ いて は,
不 向
き で あ る と思
わ れ る。
二つ め は
,
1
軸
で の復 元
力
特
性
を 金属 塑 性 論
に基
づ い て2
軸
に拡張
し た2
軸
モ デル であ る。 これ は復 元 力
特性
を部 材
レ ベ ル で仮
定
して し まう
方法
であ るの で演 算
時
間
が 短 くてすみ,
骨 組
の地 震 応答 解析
にも利 用
し得
る もの で あ る。 こ の方 法
は,Niga
皿 7)が最 初
に用
い てお り,1
軸特性
を完 全弾塑性
と仮定
して2
方向外
力
を受
け る1
質
点 系
の地震
応答 解 析
を行
っ たq ま た,
滝 沢
21)・
221・
23)は,1
軸
特
性
をDegrading
Tri・
linear
と仮 定
し,
ひび わ れ楕 円
と
降伏楕
円 を考
え ること に よっ て2
軸
に拡
張
し,
地 震 応
答 計 算
を行
っ た。
その後
,
青 山
・
芳 村
z5 )・
25 )・
2T)ら は,
滝
沢
モ デル を修
正 し て応
答
計
算
を行
い ,滝
口 ら ls〕・
19)・
!°1や青
山
・
小 谷
・
鈴 木
14) も滝
沢 と同
種
のモ デルを用
い て2
軸
実 験
の シ ミュ レー
ショ ン解 析
を行
っ て いる。三っ め は,
本解析 法
の よう
な3
次
元
有
限要
素
法
であ
る。 こ の方 法
に よ れば
,
付着
や せ ん断
変
形
を考
慮
して2
軸
曲
げせ ん 断 力 を 受 ける柱 を その ま ま解
くこ と が可 能
であ る。
し か し,複 雑
な仮 定
と判 定
が必要
で あ り,計算
量 が膨 大
なも
の とな る。以 上 述
べ た 三 つ の方
法は そ れ ぞ れ の長 所
・
短 所
が あ る が,
第
三の有
限要
素
法につ い て は ま だ実 績
が ないよ うであ
り,本検
討
で も適
用
の可 能性
を明
ら か に す ること が主
目的 と
なる。
な お,本 報
で対 象
と す る供
試
体
は曲
げ破 壊
一
67
一
型の もの で あり
,
せ ん断破壊
な ど を起
す脆
い柱
につ い て の検 討
は今 後
の課
題 と す る。
2.
実 験
の概 要
対 象 と
す る実 験
は,青 山
・
鈴 木
が行
っ た もの であ り 12)・
13)・
31),
供 試 体
は 図一
1
に示
す よ うに.
シ アー
スパ ン比 が3
の片
持 柱
で,引張
鉄
筋
比
が0.
53
%, せ ん断補 強筋
比
がO.
64
%であ る。
こ こ で,
せ ん断 補 強
量 は,
曲 げ強
度 がせ ん 断 強度
よ り小
さ く なるよ うに定
めて い る。
こ の実 験
で は,軸 力 を
パ ラ メー
タ と し て5
体 を検 討
し ているが
,
本 解 析
で はこの うち
,軸 力 が 最 小
の供 試 体
A
(
名
称
BAB −
1231
り
と軸 力
が最 大
の供 試 体
B
(名称
BAB −
4012
)・
13り
を対象
と す る。
使
用
し たコ ンク リー
ト と鉄 筋
の材 料 試 験 結 果 を表
一1
にう シ リンダ
ー
試 験
に よっ て得
られ たコ ン ク リー
トの σ一
ε関 係
を図
一2
に示
す 。.・
実 験
は片 持 形 式
で行
っ て お り,
加 力
は,
供 試 体
A
に12t
,
供 試 体
B
に40
t
の一
定 軸 力 を加
え たまま,
水 平 方
向
に は2
基
の アクチ
ュ エー
タ
で柱 頭
に円形 履 歴
の強 制 変
位 を 多 数 回 加
えて い る。
設 定
し た変 位 履 歴
は図
一
3
の通
り で,
まず中
心か らX
方 向
へ変 形
さ せ,
続
い て,一
定
変 位
で反 時 計 回
りに所 定 サ イ
クル数
たど
っ た後
に中 心
へ直線 的
に戻 し
て いる。測 定 結
果 と して は,
.
柱 頭 変 位
とせ ん断 力
の み が得
られ て お り, その う ち,柱頭変位 半
径
が7mm
の時
のせ ん断
力
の履 歴
お よび
X
方 向 と
Y
方 向
のせ ん断 カ
ー
変 位 関 係
を 図一4,
図一
5
に示
す。
こ こで, ス ター
ト時
のせ ん断
力
が零
で ない の は,水
平 加 力 用
の ア ク チュ エー
タ が試 験
体
と反 力
フ レー
ム にぶ ら下
る形
で取
り付
け ら れてい るの で,
試
験体
に ア ク チュ エー
タの重
量に よ る偏
心荷 重
が加
わっ た た め で あ る。1
「
旧縣
旧劉
図一
1
実
験 供 試 体一
68
一
コ
ン クリー
ト 表一
1
材 料 試 験 結 果 供 試 体 A 供 試体 B 圧 縮 強度 Fc 韓g/c驢:
) 160 200 割 製 引 張 強 度 。σ
t 佳實/oゴ) 16.
4 19.
18 ヤ ング係 数 Ec (k日/C薗り 1。
86 ×、
1052.
1× 10 〜 鉄 筋 D 10 D 6 降 伏 強 度σ
y 〔』8/¢
ゴ } 3300 4300 引 張 強 度 恥 (k8/。。り 4 00 5500 ヤン グ係数 (k8/c国り 1.
83XlO51。
80X105 σ【kg/仁m2〕 200 1CO 供 試 体B 供試 体A o 】.
2 3’
e(xlO’
1 冫 図一
2
コ ンク リ
ー
トの応 カー
ひずみ関係 〔rnrn ) 図一
3
変 位入力の履 歴 13.
解
析
モ デル と解 析
条件
解析 方
法
につ いて は既報
1) に詳
述
し てい る の で, こ こ で はモ デル と条件
のみ示
す。
本 解
析
で は, 鉄 筋コ ンク リー
ト柱
を 図一
6
の よ うに,.
コアー
コ ン ク、
リー
ト要 素
, か ぶ リコンク リ厂 ト要
素
, 鉄筋 要 素
,
付 着 要 素
よ り構 成
され るも
のと
す る。
解 析 対 象 部 分
は,
対称 性
を使
う こと がで き な い の で,・
図
一
7
に示
す よ うに全 断 面
と し,
柱 部 分
は加 力 位 置
が端
部
と な る よ う に,
基礎 端 部
よ り600mm
の長
さ まで と す る脚m。
ま た,
基
礎 部 分は要素
数の関 係 で,
その ま まモ 脚 注 ) 実 験で は,
柱 頭に ア タ ッチメ ン トを 取 り 付 け て,
そ れを介し て ア クチュ エ
ー
タ で加 力して おり,
その中
心 が 600mm となっ て い る。
曹
8 δ yl } 814 8曹
4 48一
4曹
8(
の
入力変位
6xf 1 PyCton 〕 4 2 (P . 。・
Py。)一
2 2 4P 民〔t。一
2 PX〔to の 4 2 8−
4 48 δ x ‘m一
2 (b)せ ん断 力の履 歴 Pytton〕
(
c)
X
方向
のせ ん断 カー
変
位 関 係(
d
)
Y
方 向の せん断
カー
変 位 関 係図
一
4
供 試 体
A
の実験結
果(
変
位7mm
の時 )嘗
8 6ytfimb 84 8q 4 8
一
一
4膊
8(
a)入力変
位 δxCrnm) PyLten ) 、(
b
)
せ ん断 力の履 歴 X (tDn) (c>X
方 向の せ ん断カー
変 位 関 係〔
d
} Y 方向のせ ん断 カー
変位 関 係図
一
5
供 試 体
B
の実 験 結果 (
変位
7mm の時 〉 デル化
する の は困難
なので,鉄 筋 端 部
の定 着 を考 慮
で き るよ うに一
層
の み考
え る。
解 析
モ デ ル の うち,
コ アー
コ ン ク リー
トの要 素 分 割
を図
一
8
に示
す。 ここ で,
境 界 条
柱 か ぶりコ ンク リー
ト要素 ! コアー
コ ンク リー
ト要 素 付 清 要 聚 鉄 筋要素 図一
6
鉄筋コ ン クリー
ト柱の モデル化 OO り OO尸
↓
図一
7
解析 対 象 部 分 黒冖
.
广−
ー
I18
冖
8
尸
OO冖
O
旧
Onの
偲
OO
「
⇔ 図一
8
コ アー
コ ンク リー
トの要 素 分 割件
はコ ンク リー
ト,
鉄 筋
とも支 持 端 部
で全 節 点
固定
と する。
コ ア
ー
コ ンク リー
トに対
し て は,1
軸
に換
算
し た相 当
応 力 につ い て,
図一
9
の よ う な tri−
linear
の復
元 力
特
性
を仮 定
し,
Drucker・
PrageT
の降 伏 条 件
式
中
のa の値
は,3
/
2
α=
0.
2
(
剛 性
が弾
性 時
の1
/
100
の場 合 )
と す る2)・
2s )。
ひびわ れ後
の せ ん断
剛性 低 下 率
につ い て は,野
口,井
上
が示
し た 3°)よ う
に,各
研
究者
の仮
定
し た値
が0.
1
.
か ら0
.
5
程 度
と大
き.
な差
が あ り,
現 状
で は どの値
が適
当 か 明 確で ない の で,
こ こ で は,中 間 的
な値
と して弾 性 時
の0
・
2
倍
と仮 定
す る。引 張 強 度
は,
本 供 試
一
一
σ〔kg1,m2} E211 :
ll
) σC160 〔200}tノ仁m2 Elll
ぎ
ll
醗試 体 〔供 斌 体 σelOO ‘ ・黼
【100} 」 BB
丿,
σ七 22.
3脚
AA
(25.
5) 図一
9
ひ ひ わ れ ε コ アー
コ ン クリー
トの復元力 特 性 σ 〔kg如 2] OC160 2t !cm (2001E1=
33・
1 (98.
O) E2』
29・
T {−
23.
5 Oe100 (10ωE・
幽
.B
供 試 体 〔供 賦 体 σt22
,
8「
A
A o 〔25.
5 〕ひ び わ れ 図一
10
か ぶ りコ ンク リー
トの復元力 特 性 σ σyEo
1
!100
ε 図一
11 鉄 筋の復元力特性 τ(
kg
!,ma } k2=
0
・
5 ry ノ 〔60) t!cm3k1=
5
ア ザ s 図一
12
付 着の復 元 力特 性 s(cm)
体
は長柱
であ
り曲
げ ひ び わ れ が主 体
で あ る と考
え ら れ る の で,
1
.
8s/
瓦
1
と す る。ま た
,
か ぶ りコ ンク リー
トは 図一
10
の よう
な復 元 力
特 性 を
,
鉄 筋
・
付 着
は そ れ ぞれ,図
一
11
,図
一
12
の よう
なbi−
linear
, ス リップ型
のbi−
linear
の復 元 力
特性
を
仮 定
する3L29 }。荷 重
は第
一
ス テップ
で軸 力 (
供 試 体
A
,
B
そ れ ぞれ30,
100
kg
/
cm2)
の みを 加
え,
第
ニ ス テップ以
降
は柱 頭
に横 方 向 変 位
を与
え る。
変 位
履歴
は まず
X
方 向
に2mm
にな る まで 1方 向 載 荷
し(
2
−
12
ス テップ
)
,
そ れ以 降
は半 径
を一
定
に してZ5
度の刻み で反 時 計 回
り に2
周
さ せ(
13
− 108
ステップ )
,
合 計
108
ス テップ
と する。
な お,
こ こで採
用
し た変位 半径
2mm
は,2
周
さ せ て も主 筋 が
降 伏
せず
に安 定
して解
が得
ら れ,性 状 を把 握
し や すい範
囲
と し た。
本 解 析
は,
変 位 入 力 問 題
とし て解
くこと と
する の で,
初 期 剛 性
およ
び塑 性 後
の剛 性
が実 験 と解 析 と
でよ
い対 応
を示
し て い な い と,
せ ん断 力
の レベ ル に大
き な差
を生
じ て しま
う。
現 実
に は,解 析
で用
い る材 料 デ
ー
タの仮 定 や
,
支 持 端 部
の境 界 条 件
の仮 定 な ど明
ら か でな
い点 もあ
り,
剛性
を正 確
に評 価
する の は困難
である の で,実 験
と解 析
との変位
入力
レベ ルは対 応
さ せず
, こ こで は,定
性
的
な性 状
の み の比 較 検 討 を行
うこと と
し た。
4.
解 析 結 果
解析結果
は,測 定 値
のあ
る せん 断 力
の履
歴
, せん 断 カ
ー
変 位 関 係
につ いて は両 供 試 体
につ いて , その他
につ い て は供 試 体
A
につ い て の み示
すe(
1
)
せ ん断 力
の履 歴
解析
で得
ら れ た せん 断 力
の履 歴 を
Px一
馬
平
面
に示 す
(
図一
13
.
図一
14
)
.
鈴 木
に よれ ば12}・
31),
図一
4
(
b
)
の実
験
結果
よ り,軸 力
の小
さい供 試 体
A
では,強 制 変 位
の半
径 を大
き く し た時
の最 初
のサ イ
クルを除 くと
,
ほぼ
円 形 に 近い形
で安 定
してゆ く傾 向
があ
る。一
方
,
軸 力
の大
きい供
試
体
B
で は, や は り円 形
になっ てゆ くが
その半
径
は若 干 小
さ く な り耐 力 低 下
が進 行 す
る(
図
一
5
(
b
))
。 ま た,変 位
と力
のベ ク トルを
,
そ れぞれ,
(
δx,
δy)
,
(
Px
−P
.,Pv−P
.)
で定
義
す ると
,力
の ベ クト
ル は変 位
の ベ ク トル に先 行
し, その位 相 差
は,供 試 体
A
で は約
15
度
の一
定 値
,供 試 体
B
で は変 位 半 径
7mm
で10
周 程
加
6yl1 Py (ton ) ,
lTl
鴎
誥
Gxlml 胴一
3】
』
5 loe n 603 Px 〔t。 鴎) 43−
3 図一
13
せ ん断 力の履歴
1
供 試体
A
)
7躍 ‘y 【卩
m1 Py6〔ton ⊃零
喝
2 2喝
一
2●
zL:
6 民11 72 60
」
閃
弓
嚠
r2 卿 2 1 :108
◎
口 あ一
一
’
「
一
6コ
6凹 膊
2 2 6噌
2 Px 〔t%
‘口一
6 図一
14
せ ん 断力の履歴
〔
供 試 体B)力 す る 間
は約
35
度
の一
定値
, そ の後 破 壊
が進 行
す る と さ らに大 き
な値
に なっ て ゆ く。
これ に
対
し て,解 析
で は,
初期 値 を
」Px
=
Py=
0
と し てい るので,両 供 試 体
とも得
ら れ た結 果
は原
点 を 中
心 と し た円
に近
い形 状
を示
し て お り,
実
験
結
果の性 状 を表
し て いる。
ただし,半
径
が一
定になっ てゆく か ど うか につ いて は, いず
れ の場 合 も縮 小
の傾
向
を示
してい るが, こ の傾 向
は2
周 目以 降
に顕
著
に表
れ て い る よ う なので,本
解析結
果
か ら は何
と もいえ ない。
ま た,変 位
のベ クト
ル と力
のベ クト
ル との間
の位 相 差
につ い ては, δ』=
0
あ
る い は δ3;O
の時
のせ ん断 力
を み て み る と,
いず
れも力
の ベ ク トル が先 行
し,
1
周 目
で は,
供
試 体
A
で約
8
度
,
供
試
体 B
で約
12
度
と なっ て いる。 こ の結
果
は,力
の ベ ク トルが 先 行
し,
その位 相 差
は,
軸
力
の大
きい程 大
き く なる とい う実 験 結 果
の傾 向
を捉
えて い る。
しか し,
値
そ の もの は実 験 結 果 よ り
か な り小
さ く, なお かつ ,2
周 目
は さ らに小 さめ
と なっ てお り,
問
題 を残
し てい る。
こ の原
因は, せ ん断 カ
ー
変 位 関 係
の項で述べ る。
(2 )
せ ん
断 カ
ー
変 位 関 係
解 析
によ
っ て得
ら れ た せ ん断 カ
ー
変 位 関 係 を
P
ゴ む関 係
,
Py
一
δ.関
係
と して図一
15
(
a>
,(
b
)図
一
16
(
a)
,
(
b
)
に示 す
。鈴 木
の指 摘
の よ うに 12》・
31] , 図一
4
(
c)
,
(
d
)
の実 験 結 果
を み る と,
供 試体
A
のP
ゴ δ』関 係
では,最 初
の4
分
の1
サイ
クルは1
軸
で の繰
り返
しに類 似
した紡 錘
形
となっ ており,
その後
,
2
軸 加 力
の変 位 軌 跡
に入 ると,
剛 性
が低 下 す
る と とも
に ルー
プ形
状
は丸
みを帯 び
て楕 円
に近
くなっ て,
最
大
せ ん断力
が低 下
し た ほ ぼ一
定
ルー
プ
に収
れんし て ゆ く。
ま た,Py−
ay
関係
で は,
1
軸 曲 げ
に相 当 す
る部 分
が な く,
最
初
か らP
,ガ δ。曲 線
の2
周 目
に類 似
し た ルー
プ形
状
と なっ てい る。
一
方
,
供 試 体
B
では,
やは り同様
の性 状
を示
し てい る が2
周
目以 降
,
次 第
に剛
性
が低 下
し て ゆ くこと, ルー
プ 面 積 が 供 試 体
A
よ
り大
き い こと等
の相
異
が見
ら れ る(
図
一
5
(
c)
,
(
d
))
。解 析 結 果
で も,
剛性
の低
下 した楕 円状
ルー
プ
を と らえ P乂〔ton} 2 1一
2一
1 12 δ x【 }一
1一
2 Py{ton) Px(tonj Py{ton) 4 2一
2一
1 126y 〔一
2一
4(
a>
x 方 向(
b
)y
方 向図
一
16せ ん断 カ
ー
変 位 関 係(
供 試 体B
)
2 1r2
一
1 126y 〔・
1・
2 (a) x 方 向(
b
)y方 向
図
一
15
せん断 カ
ー
変 位 関 係 (供 試 体A
)
て お り,1
軸加 力時
に は見
ら れ ぬ2
軸 加
力
の影 響
を
示
し て いる。 た だ し,
解析 結
果
の ルー
プ
面積
につ い ては,
軸
力
の大
きい供 試 体
B
の方
が若 干 大
き めの傾
向
を示
して い るも
の の,
実 験 結 果
と 比べ る と極
めて小
さ く なっ てお り,
これ は別
の見
方
を す れば
,
変
位
の ベ ク トル と力
の べ クト
ルとの間
の位 相 差
が小
さ かっ たこと に対 応
している と考
え ら れ る。 ルー
プ 面 積
が小
さい という傾 向
は,
本 法
に よ る1
軸
の繰
り返
し曲
げせ ん断 力
を受
け る柱
の解 析
3)・
Z9}の場 合
にも表
れてお り,
各 要 素
の除 荷 時
の仮 定
,
特
に コ ンクリ
ー
ト
の ひび わ れの開 閉
およ
び付 着
ルー
プ
の仮
定 等
に戻
っ て再 考
の必要
が あると思
わ れ る。(
3
> 主 筋
の ひず
み危 険
断面
に お け る主 筋
の ひず
みを
,
込
一
ε関 係
と し て示
す と図
一17
の よ うになる。
こ こ で,
各 図
は柱
に お け る それ ぞ れの位 置
に応
じ た所
に配 置
し て い る。
これらを整 理 す
る と,
初
期 条
件
を除
けば
隅
角 部 主 筋
は傾
いた楕 円
形
とな り,
X
方 向 加 力
に対
して引
張 側
あ るい は圧 縮 側
と な る
中央部
主
筋
と,中
立
軸
と な る中
央
部主
筋
は そ れ ぞ れ傾
いた直線
,傾
かない楕 円 形 と
な る。
ま
た,方 向
は時 計 回
りと
反
時 計
回
りの2
種 あ
る。
Py
一
ε関 係
につい て は,
図
は省 略 す
るが,前 述
の傾 向
におい て
X
をY
と置
き か え れ ば,
同
じこと がい える
。
こ の
よ う
に,
様
々なパ ター
ンが生
じ たの は
,
Px
,
Pv,
εは相
互 に関
連 し て得
ら れ た
値
で あ る に も か か わ らず
,Px
’
ε関
係
とい う一
面
の みを示
し た た め に生
じたこと と
考
え られ る の で,
次
に,
これら三つの
値 を 同 時
に示
し て み ると,
図
一
18
の よ うにな る
。
こ の 図で は,
横 軸
, 縦軸
一
71
一
Px(tOn} P
;
Cton) Px [ten) 1。’
3i 3,
Px{tonl2 犂一
1 【〔翼10一
1曹
2 Px〔ton) 6x 3曹
P:tten) Fx{ten] Px tton}’
e−
3) 図一17X
方 向せ ん断
力と主筋
の ひずみ関係(
供 試 体A
).
ト9 LS’
伽 k い £.
OLX,・
トq一
弓
.
ン∫
xth ノ y6鷆
ー
6L ぞ y δ / へ 9ヂ X δ
尸
−
.
O尸
〔
?。
3
.
為 xe 〔xlDlo・
1 ♪、 図一
18
主 筋の ひずみ の履 歴 (供 試 体A
) に それ ぞ れ柱 頭 変 位
a
.,
δシ を と り,
主 筋
の ひず
み εを その変 位
の位
置か らプ
ロ ッ ト して い る。
ただ し,
ひず
み の値
は そ の主 筋
の位 置
か ら柱中
心に向
う方 向
に描
くこと とする。
こ う すれ ば,
初 期 条 件
を除
け ばす べ て の主 筋
に Aダ
亠
GA→
、
F ∠7
D 气 丶 H E n m B (a)
F H D E ABC (b
) nm〆
へ
、
!
!
ノ
!
\
、
ノ
も
n−
n 断 面 /丶
、
I N/
71
!へ
1
く辷
\
、!
ヴ
ー
弐 訂
一
一
丶
i“
一
〆L.
_
ノ丶
、
_
ノ m一
1−・
1断 面 A B C(。
)
図
一
19
主 筋の ひずみと 夷,
恥 関 係の模式 図おいて
柱 中
心に 向 う楕 円形
と な り,
回 転 方 向
は変 位 入 力
方 向
と 同様
に反 時 計
回 りとなっ てい る。
ただ し , ひず
みの
最 大
値 (
絶 対 値 )
は,隅 角
部
主 筋
の方
が中 央 部 主 筋
より も
大
き
な値
と なっ て い る。
こ の結
果
は,
そ れ ぞ れの位
置
におい て柱
中
心に向
えば左 右 対
称 と な るこ と,
また,ひ
ず
みの値
は平 面 保 持
と考
えれば
中
心 か らの距 離
に応
じて
大
き く な ることを 意 味
し て お り,
当
然
の結
果
とい える。
この
結
果
を さ らに立 体 的
に模 式
図 と して描いてみ る と図
一
19
の よ うに なる,
主 筋
の ひず
み を彪
一
δ.平 面
よ り垂 直
に立
て て描
い てみ る と,
(
a)
の よ う な ピ ラ ミッ ドの隅 角 部 陵
線
と底 辺
の中央
に,
楕 円 を頂 点
に向
っ て貼
り付
お
け た 形 と な り
,
これ を 上 から見
ると(
b
)
の よう
.
な円
を並
べ た平 面
と なっ て いる。回 転
の方 向
は,
上
か ら み る と変 位
入力
と同
様
に反
時計
回
り であ
る。
次
に,こ のピ
ラミッド
を真 横
か ら み る と 図(
c>
の ように な り,1−1
面
で は表
か ら見
てい る ので反 時 計 回 り
の楕 円
A ,B ,
C ,
m−
mど
面
で は直
線
D ,E ,
』
n−
n面
で は裏 面
か ら 見 ているの で時 e計
回 りの楕
円F ,G ,
H
と なっ て い る。
これ らの
結 果
と,Px一
ε曲線
の関
係
を見
る ため
に,
図
一
17
を裏 返
しに し て,
横
軸
にPx,
縦 軸
に εを
とる よ うに し て
表 現
し直
す と 図一20
の よ うに な る。 こ こ で,図
一
13
の結 果
よ り,Px
は δti
と ほ ぽ 比例
して いるの で,
両 者 を同
一
の軸
と み な して図一
19 (
C>
と比 較
し て み る と,
ギ楕
円 ある い は直線
の形 状
,
傾
き の方 向
;
回 転の方向
と も統
一
的
に説 明
さ れて い る こと が分
る。
(
4
)
フ
ー
プ
の ひず
み基 礎
よ り7
.
5cm
離
れ た位
置
で の フー
プ
の ひず
みを
Px
一
ε関 係
と し て ,柱
に お け る位 置
に応
じ て示
すと 図
一
21
のよ う
にな
る。
これ らの ルー
プ
形状
の相
違 は,
フー
プ
の位
置に よ る荷
重履
歴 の相
違によっ て分 類
され る。
つ まり,
コ ンクリー
トが圧縮
側 領 域 か 引 張 側領 域
か,
さ ら に荷重
方 向(
増
加し て い る方 向
で定 義 )
と フー
プ
の方 向
一
72
一
が 平
行
か直 角
かの条 件
が どの よ うに組
み合
わ さ れ た 順 番 と なっ ている か に よっ て相
違
が生
じて く る よう
であ る。各
図
の中
に,
こ の履 歴
を圧
縮
,
引
張
と して示
し,
さ らに フー
プ
が荷 重
と平 行
な場 合
に は, そ の上
に枠
を
付
した。
こ の よ
う
に分 類
して み ると,
圧 縮
と圧 縮
が続
いた場 合
に はコ アー
コ ン ク リー
トの膨 脹
に よ り ひずみが進
み,
丸
み を帯
びた ルー
プ
を描
い て いる。 そ の他
の荷 重 履
歴の場
ECxlo‘
3} 1・
z 1.
1 Z PK・
1ECXIo’
s ) PxCton, ECXTO
’
コ } {ton} 21 P:Cton) 疋ヒonレ ε〔乂10’
3} 2 、ll
脇
[ten) Cton)合
に は面 積
が小
さ く, 丸 みの ないルー
プ
を描
い て い る。 ま た,繰
り返 し加力
に よ る影 響
につ い ては,
ひず
みが累
加
さ.
れてゆ く結
果
となっ てお り,
こ れ は,
1
周 目 か ら2
周 目
にか けて柱
の損 傷
が進
行
し てゆ
くことを
意 味
し てい る。 こ のよ う
に,
ひず
みが 累 加
さ れ て ゆ く傾 向
は,1
軸
の繰
り返
し曲
げせ ん断 力
を受
ける柱
の実
験 結 果で も見
ら’
れ,
ま た,
本 法
によ
り シ ミュ レー
ショ ン解析
を行
っ た結
果
でも よ
く捉
え ら れ る こ と がE〔llo
’
3,示
されて おり3,・
28 ),
興
味
深
い性 状
で ある。特
に,
2
軸 加 力
の
場 合
に はフー
プ
の位
置
と加
力 方 向
の関 係
に より複 雑
な形
状
を示
し ており,
今 後
,
実
測ctXle
’
3)・
2,
11・
1T2Px Cton) ε{:1。冒
3} 図一
20
主 筋の ひずみ とX
方 向せ ん断 力の関 係 (供 試 体A
) Px Cton) 弓1彊 鯛一
圃 。.
5 。 o’
3 ) E嗣一
圃 2Pk Ct。n] 1 漏 惆 匯璽到・
噂
En 倒.
o’
3} o.
5 巳rlo’
3 〕 彊 偶 圏夏 璽一
φ
引 張馴’
1 P夏{t。n〕一
2 y6/
21一
,・
1 圧鄭煽一
←
匡董画 o.
5.
[
(:10’
31 引 彊欄一
伽
魎 〔ten,一
2 21 Px{tOn}一
1,
2 引 弸 覇一
匣璽 亘 o.
5、
〔x1。一
圧 鮑 働
一
◎
匡互画 Px〔ton) 21 δ X−
2Pxtte”
) 2一
1一
z 1 圧 罵 側・
一
●
圃 0・
5一
3 c(Xlo 〕 引弭偶一
頓瓰値
との比 較
およ
び性 状
の統
一
的
な把 握
が重
要
である。
以 上
の結 果
を一
般 的 性 状
と してと
らえ ると
,
本供 試 体
は、
シ アー
ス パ ン比
が3
とい う長
柱
の た め曲 げ
ひび わ れ が主 体
であ
り, フー
プ
の ひず
み はコ ン ク リー
トが圧 縮 側
に なっ た時
に膨 脹
し て生
じ たも
の とな
って い る。 こ のよ う
な性 状
.
は,
本 解 析 法
の よう
な3
次 元
Px ‘tOn}−
1 ? 1 膕一
引 彊 朝 。.
5d置10
‘
3, 区 壁画一
圧 鰌 側.
1一
2一
2 冫 図一
22
コ ンク リー
トの軸 方 向ひずみ度 分 布 (供 試 体A
}‘
’ 匡亘 董一
引 彊働 o,
5ε〔期o
’
も
囮一
Eロ 馴 図一
21X
方 向せ ん断 力とフー
プの ひず み 関 係(
供
試 体A) 図一
23
コ ンク リー
トの軸 方 向 応 力 度分布 (
供 試体 A
)一 73 一
解 析
によ
っ て初
め て評価
し得
る もの である。 しか し,
今
後
,
せ ん断
ひ び わ れ も問
題 と
なる供 試 体
を取
り扱
い,
そ の性
状
を明
ら かにす る必 要
があ ろ う
。
(
5
)
コ ン クリ
ー
トの軸 方 向
ひず
み度
図
一
22
に,変 位 入 力
の方 向
がO
,
45,
90,
135 度
の時
の’
コアー
コ ン クリ
ー
トの軸
方 向
ひず
み度
分布
を示
す。
これ らを
み ると,入 力 方 向
が変 化
す るにつ れて中 立 軸
も 回転
し てゆ く
ことが 分
る。全 体 的 形 状
は,
隅 角 部
を除
け ば平
面 保 持
か ら大 き
く外
れて いない結
果
と なっ て お り,
ま荏
,
2
方
向
加 力
を受
け た後
の1
方向
加 力ステップ (
90
度
の時 )
で も, か な り対 称 的 な も
のと
なっ て いる。(
6
)
コ ン クリ
ー
ト
の軸 方 向応 力 度
図
一
23
に, ひず
み度 分 布
を示
し た時
と同
じス テップ
につ い て, コ ン クリ
ー
ト
の軸 方 向 応 力 度 分
布
を示
す。
1
方
向
加 力
の ステップ
では加 力 方 向
にほ ぼ同
一
の応 力度
分
布
と な り,
2 方向加
力
に なっ てゆ く と その方 向
に応 じ て中
立軸
も回
転
し て ゆ く傾 向
がみ ら れ る。 ま た,2
方 向加
力 を受
け た後
の1
方 向 加 力
ス テップ
での応 力 度
分布
は非
対 称
の形 状
と なっ て お り, ひず
み度 分 布
の傾
向
と は違
っ て いる。 これ は,2
方 向 加 力 を 受 け
る場 合
に は,
断 面
の すべ て の位置
におい て応 カ
ー
ひず
み履 歴
が相
違
し てい る た めに, た と え, ひず
みが同
一
の位 置
で も その時
の応 力
は異
なっ て く る こ と に よ り生
じ た結 果
であ
る。 この傾向
は,
1
方
向
加
力時
に おい て,中 立 軸
か らの距 離
が等
しい位 置
で は,
ほ ぼ同
じ履 歴
を示
すこ とと大
き な相 異
で あり,
本 法
の よ う に3
次
元 で履 歴 を遂 次 追 跡 す
る方 法
に よ り,
初
め て得
ら れ る もの であ
る。
5.
む す び
本 解 析
で は,鉄
筋
コ ン ク リー
ト柱
に円 形 履 歴
で2
周
さ せ る という過 酷
な変位
入力
を行
っ た場 合
に対
し ても解
が得
られ, せん断 力 等
の全体 的 挙 動
につ いて は実 験 結 果
と比 較 し
て定 性 的
に捉
え得
るこ と が分
り,ま た,主 筋
や フー
プ
の ひず
み,
コ ンク リー
トの軸 方 向
ひず
み度 分 布
,応 力
度
分
布等
に おける履 歴 性 状 も計 算
でき ること を示
し た。
し か し, せ
ん断 カ
ー
層 間
変位
関
係
につ いて は,実
験 結
果 と比 較
すると
その性 状
は良
く示
さ れ た もの の,
解
析 結
果
の ルー
プ面 積
がか な り小
さ な もの と なっ た。
この傾 向
は1
軸
の繰
り返
し載 荷
の場 合
に も表
れ ているので, こ の問 題 を 明
ら かにす る に は,1
軸
で充 分
な検 討 を行 う
のが先 決
で あ る と 思 わ れ る。
ま た
,
こ こで扱
っ た供 試 体
は, シ アー
ス パ ン比
が3
と い う長
柱
の た め曲 げ
ひび
わ れ が主体
と なっ て い る が,今
後
は, せ ん断
ひびわれも問 題
と な る供試体
の検
討 も必 要
で あ る。
謝
辞本 研 究
は,
武 藤
清 東 京 大 学 名 誉 教 授
の一
貫
し た御 指
導
の もと に行
っ た もの で,
こ こ に深
く感 謝
い た しま す。
ま た
,
本 論 文
は学 位 論 文
の一
部
であり,
青 山 博
之東 京
大 学 教 授
の御 指 導
をい ただき ま し た。
心か ら感 謝
い た し ます
。鹿 島 建 設 武 藤 記 念 研 究 室
の菅 野
忠 博
士には,
終 始
励
ま し と御 助 言
をいた だ き,
電 算
セ ンター
の宮 下
丘氏
に は御 助 言 を
いた だ く と とも
に解 析 プ
ロ グラムの作 成
を,
速 水 由紀 夫 氏
には その修
正 を お願
い し ま し た、御 礼
申
し 上 げ ます
。鈴 木 紀 雄 博 士 (
現 在 武 藤 記 念 研 究 室 )
には,
青 山研 究
室
に て実 施
さ れ た実 験
の諸
デー
タ や図
を お借
り し ま し た。
御 礼 申
し 上 げ ま す。
参 考 文 献1
〕 武藤清
,
菅野忠
,
宮下丘
,
井 上 範 夫 ;有 限 要 素 法による鉄 筋コ ン ク リ
ー
ト部 材の 3次 元弾
塑性解析 (
その1 解 析 法と数
値
解析例 )
,
日本
建築学
会論
文報
告 集, 第249
号
,
昭和
51
年
ll
月 2)
武藤
清
, 菅 野忠, 宮 下
丘
,
井上範 夫 :FEM に ょる鉄 筋コ ンク リ
ー
ト柱の3
次 元弾
塑性解
析(
その 41 軸力 を受け る帯筋柱の実 験と解 析
,
日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演梗 概 集,
昭和 52年12月 3) 菅 野忠
,
井上範夫
;繰り返し せ ん断
力 を受
け る鉄 筋コンク リ
ー
ト柱
の 3次 元弾
塑 性 解 析 (そ の 1, 解 析 対 象と解析
方 法)
, (そ の 2, 解 析 結 果 ),
日本建築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗概 集,
昭和57
年10
月 4) 菅 野忠
,
井 上 範夫,
小 鹿 紀 英 : 二軸 曲 げせ ん断 力を受
け る
RC
柱の3
次 元 弾 塑 性 解 析 (その1
,
解析対象
と解
析 結 果 }, (その
2
,
解 析 結 果 ),
日本 建 築 学会大会学
術 講演梗 概集
,
昭 和58
年
9
月5)
Aktan
,
A
.
E
.
,
Pecknold
,
D
.
A
.
,
andSozen
,
M
.
A.
,
:
RC
Column
Earthquake
Response
in Two Dimensions,
ASCE
,
Vol
.
100,
No.
ST
10,
0ct
.
1974
6) 藤 井 俊二
,
伊 藤勝
,
青 山 博 之,
梅 村魁 :二軸 曲 げ を
受け る鉄
筋
コ ンク リー
ト柱
の実
験的
研究
,
日本
建築
学会
関 東 支 部学 術 研 究発 表 会 梗 概 集
,
昭 和48年7)
Nigam
,
N.
C
.
,
:Yielding
in
Framed
Structures
underDynamic
Load
,
ASCE
.
Vol.
96
,
No
,
EM
5
,
1970
)
8)
9
10
)
11
}12
)
13
)岡
田 恒 男,
関 松 太 郎,
浅井 敏
司他
:定 軸
力と繰り返し2
方 向 曲 げ・
せ ん断 力を受
け る鉄 筋コ ン クリー
ト柱の復
元 力 (そ の1
,
実 験 方 法1,
(その 2,
実 験 結 果)
,
日本
建 築 学 会 大 会 学 術 講 演梗 概 集,
昭和51
年10
月 岡 田恒 男.
関 松 太 郎,
朴
永
周 :2
方 向 地 震 入 力に対
す る鉄 筋コ ンク リー
ト建 物の応 答 (そ の1
,
数値解
法お よ び静
的 実験へ の適 用 例 ),
(その2
,
そ の3
,
オンラインシ ステム による実 験お よ び 数値
解析の方 法 ),
日本 建 築 学 会 大会学術 講 演 梗 概集,
昭 和52年10月 岡 田恒 男,
朴永 周
,
関松 太 郎 :2方 向 地 震入力に対 する鉄 筋コ ンク リ
ー
ト建 物の応 答 (そ の4
.
オン ライン実
験よ り得られた破 壊性状
の検討 }
,
日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗概 集,
昭和53年9月Peckneld
,
D
.
A
.
,
:Inelastic
Structural
Response
to 2 DGround
Motion,
ASCE
,
Vol
。
100,
No
.
EM
5
,
0ct
.
1974
鈴 木 紀 雄
,
青 山 博之 :二軸曲げ を受け る鉄 筋コ ン クリー
ト柱の復元力 特 性 (そ の 1実 験結果)
,
日本 建 築 学 会 関 東 支 部学 術 研 究 発表 会 梗 概 集,
昭 和55年
ト柱の復元 力
特
性 (そのZ解 析
結
果}
,
日本
建築
学 会 大会
学術
講演
梗 概 集,
昭和55
年9
月 14) 鈴 木
紀 雄, 青 山 博 之,
小 谷俊介
12 軸 曲げ と軸 力を受ける鉄 筋コ ンクリ
ー
ト柱
の挙動
,
第
4回コ ン ク リー
ト工 学年 次 講 演 会 講 演 論
文集
,
1982
年 15) 黒正 清 治,
滝 口克己,
岡 田謙二 :鉄 筋コ ンク リー
ト柱の二 軸 曲 げ実 験
,
日本建 築学
会論 文 報 告 集,
第229
号,
昭 和 50年3月 16} 黒正清 治
,
滝口克 己, 岡 田 謙二 :鉄 筋コ ン ク リー
ト柱の二
軸
曲 げ実 験fi,
日本建築学会 論 文 報 告 集,
第 247号,
昭 和51年9月 17) 黒正清治,
滝口克己,
小 林克
己:鉄筋
コ ンクリー
ト断 面の 二 軸 曲 げ解 析
,
日本 建築学
会論 文 報 告 集,
第250号,
昭 和51
年12
月 18) 滝口克
己.
石
田彰
男 :二方 向 変 位に 対 す る 構 造物の復 元力
モ デル に関 する一
考 察,
日本
建 築 学 会 大 会学 術 講 演 梗 概 集,
昭 和53年 19> 滝口克己,
木 村正彦
,
黒正 清 治,
小 林克
己 :水 平
2
方向
変位
に対
す るRC
柱の復 元 力に関す る研究 (
そ の2
,
2
方向曲
げせん断 実 験および解 析)
,
日本
建築
学 会 論文 報 告 集,
第
296
号,
昭 和55
年10
月 20> 滝口克己,
黒 正清 治,
小 林 克 己 :鉄 筋コ ンク リー
ト断 面の 二軸 曲げ解 析
ll,
日本 建 築 学 会 論 文報 告 集,
第308号,
昭和56年10 月21) 滝 沢 春 男:
Tri
・
Linear
Model
の 二軸 曲げ問 題へ の拡
張およびその強 震 応 答 性 状
,
日本 建 築 学会
大 会学術
講 演 梗 概集
,昭 和48 年10
月22) 滝 沢 春 男 ;
2
方向
外 乱を受ける 二軸 曲げモデル の強震応答 性状 (続 報 }
,
日本 建 築 学会
関東支部学術
研究
発 表 会 梗 概 集,
昭和48 年23
)Takizawa
,
H
.
,
andAeyama
,H
.
,
:
Biaxia
且Effectsin
Modelling
EarthquakeResponse
of R/C
Structures
,
”
Int
.
J.
Earthq
,
E
皿g
.
Struct
.
Dyn.
tVol
.
4,
No
.
5,
Ju
査y1976 24