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真空圧密工法における負圧作用範囲と周辺地盤の影響評価について

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Academic year: 2022

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真空圧密工法における負圧作用範囲と周辺地盤の影響評価について

㈱大林組 技術研究所  正会員 ○高橋 真一           ㈱大林組 土木技術本部 正会員  佐々木 徹 同 上   正会員  光本 純

1.はじめに 

  真空圧密工法は、載荷荷重として負圧を利用することによって、本来載荷荷重として盛土を利用すると安定 性が問題となるような超軟弱地盤に対しても安定して荷重を載荷することができるなどのメリットを有し、古 くより軟弱地盤改良工法の 1 つとして位置づけられている。しかし、開発当初は負圧を確保する気密シートの 材料選定や施工性に多くの労力を要していたが、最近では材料や施工方法の改善に伴い、盛土載荷に比べて安 定性に問題が少ない、周辺環境への環境影響負荷が少ないなどの特徴を生かしてその適用実績1)が増加し、よ り一層の施工コストの削減、品質管理の向上として精度良い地盤改良効果の予測と評価が求められている。

  この論文では、従来真空圧密工法で改良範囲の負圧を確保する目的で設置されることが多い改良範囲周囲の 止水対策(矢板など)の簡素化を考慮した施工方法を念頭に試験施工を行い、その改良効果、特に負圧の周辺地 盤への影響程度について検討した結果について示した。

2.数値解析による負圧作用の範囲と大きさの検討

負圧作用範囲の設定は、載荷盛土工法のように外力を載荷する時に比べ、荷重有効範囲が不明確で、これま で経験的に一次元的な取り扱いによる設計を進めてきている。より高精度な改良効果の把握のために最近では FEM等の解析も適用されることも多いが、負圧作用範囲については経験的な荷重作用範囲として、バーチカ ルドレーン打設範囲に負圧を作用させて解析しているのが現状である。

適切な解析評価を目指し、バーチカルドレーン周囲に負圧が及ぶ影響範囲を浸透流解析で用いられるシーハ ルトの式 2)を適用した。シーハルト式は、揚水に伴う地盤水位の低下範囲を経験式で示したもので、式(1)

で示される。

シーハルト(Sichhardt)の式 R=3000s

k

式(1)

ここに、R:影響半径 (解析における側面排水条件設定位置の根拠)

s:最大水位低下量 (真空圧密工法の解析では負圧を換算)

k:地盤の透水係数(単位 m/sec)

図―1は、バーチカルドレーンを含む真空圧密工法適用のモ デル地盤解析条件である。バーチカルドレーンは1m間隔とし た。バーチカルドレーン間の粘性土層分割数の妥当性を考慮し て2分割としている。粘土層下部には有効な負圧載荷荷重とな るように1mの未打設部を設定した。バーチカルドレーンは、

表層部気密シート部と同様に境界条件として表現して、負圧 (50kPa)を載荷して解析した。排水境界(u=0)は上下面のほ かにシーハルト式で得られたドレーンから0.5m水平に離れた 位置にも設定し、その効果を検証した。

図―2は圧密完了時の間隙水圧の分布である。バーチカルド レーン部、粘土表層部気密シート範囲では、負圧の影響範囲が

 キーワード 真空圧密、数値解析、弾塑性、過剰間隙水圧、負圧、現場計測

 連絡先   〒204-8558 東京都清瀬市下清戸4-640 (㈱)大林組 技術研究所  Tel 0424-95-0910 図−1 解析条件

10m

大気圧載荷荷重作用境界 排水層 (u=0)

排水層 (u=0) 15m

真空圧載荷範囲 真空圧作用境界

【修正Cam—clayモデル】

M=0.87

λ=0.347 κ=0.0347 k=8.5×10-8cm/sec

-50kPa

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

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3‑493

(2)

表されている。上下面以外に特に排水境界を設定していないCase1では、バーチカルドレーン未打設範囲全 体にドレーンで設定した負圧の影響がおよんでいるのに対して、ドレーン側方0.5mの位置に排水境界を設定

したCase2は間隙水圧の変化が境界設定範囲内に限定されている状況となり、大きな差違となっている。

図―3は、地表面の沈下分布である。載荷範囲(0〜5m)を中心に変形が大きく、載荷範囲から離れると沈 下量が減少している。地表面沈下量は、Case1の方が若干小さいと共に載荷範囲買外への影響範囲が小さく なっている。載荷範囲から10m離れたx=15mの地点ではCase1が16cm、Case2が3cmとなっている。一 般的に真空圧密工法で実際に地盤改良した際には、ドレーン打設位置から10m程度までしか及ばないとされ ており、上述の解析もこの傾向をより精度良く再現しているといえる。

3.現位置における負圧計測結果

  図−4は、現場試験工事の概要である。腐植土 層と粘性土層によって構成される厚さ約5mの軟 弱地盤上に、15m×15mの負圧載荷ヤードを造成 した。負圧載荷中には地表面沈下のほか、地盤内 間隙水圧、真空載荷圧を計測した。

  図―5は、負圧載荷直後の間隙水圧の経時変化 である。真空ポンプによる負圧(40kPa 程度)に対 して改良範囲内の腐植土層、粘土層では 30kPa 程 度の負圧(載荷負圧の約 80%)が作用している。これ に対して、改良範囲外で計測した 2 点の計測結果では 改良範囲から 1.5m 離れた地点では、10kPa(腐植土層 載荷負圧の約 30%)、3.5m 離れた地点では 5kPa(同載荷 負圧の約 15%)となり、距離に伴い影響程度が減少し ていることが確認できる。また、前述で示したモデル 地盤での数値解析結果と比べ、負圧載荷範囲周辺に特 に排水境界を設定しない一般的な解析結果とシーハルトの 式を用いる結果の中間程度となる。シーハルト式に補正係数 を設け、影響範囲を評価することで、従来の結果に比 べ圧密変形解析の精度向上が期待できる。

参考文献

1)佐々木徹:水面下における大気圧工法の施工事例,   JCIGS ジオシンセティックス技術情報,Vol.16‑3,2000 年 2)日本ウェルポイント協会:ウェルポイント工法便覧,理工図書

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0 0.2 0.4 0.6 0.8

経過日数(日)

間隙水圧(kPa)

間隙水圧 中央部GL‑3.5m(WP‑1) 間隙水圧 中央部GL‑1.5m(WP‑2)

間隙水圧 改良範囲から1.5m離れ GL‑1.5m(WP‑3) 間隙水圧 改良範囲から3.5m離れ GL‑1.5m(WP‑4) 真空圧

図−5 間隙水圧の計測結果

4.5m

腐植土層

粘性土層

図−4 現位置試験ヤードの概要

間隙水圧計

5.3m

プラスチックボードドレーン(□1m配置,長さ4.5m)

上部排水層

(気密シート・サンドマット・水平ドレーン)

間隙水圧計

真空駆動 装置 改良範囲 15×15m

図―2 圧密完了後の間隙水圧分布

(1) Case1 (2) Case2 -0.7

-0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0

0 5 10 15

水平位置(m)

沈下量m)

実施例(提案法)

従来法

図―3 地表面沈下分布

0 -10 -20 -30 -40 -50

0 -10 -20 -30 -40 -50 負圧

(kPa)

負圧 (kPa)

(-50kPa) -50kPa

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

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