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地盤改良を併用した H 形鋼杭の実大載荷試験

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Academic year: 2022

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(1)

支持力、押込み試験、地盤改良、杭、地盤改良併用

H

形鋼杭

204-8558

東京都清瀬市下清戸

4-640

大林組技術研究所

TEL:042-495-0921

地盤改良を併用した H 形鋼杭の実大載荷試験

(その

1

:押込み試験結果)

大林組技術研究所 正会員 〇渡邉 康司 大林組 正会員 久保 輝晃 大林組 正会員 山本 忠久 大林組 正会員 須藤 敏巳

1.

はじめに

都市部の狭隘地における杭工事は、敷地条件の制約を大きく受けるとともに、低空頭での施工を強いられる ケースが多い。また、場所打ち杭施工時の近接構造物への影響や排泥など周辺環境へ配慮することも重要とな る。そこで、このような施工条件下にて施工可能な、バイブレーション機構を付加して削孔能力を向上させた コンパクトな機械攪伴式地盤改良機(e-コラム工法)を開発し

た。当施工機械を用いて地盤改良した後、H 形鋼を建込むこ とにより、構造物を支持する基礎杭を構築することが可能で ある。このような方法で施工した地盤改良併用

H

形鋼杭の押 込み抵抗力及び引抜き抵抗力を調べるために実大載荷試験を 実施した。本報(その

1)では、鉛直支持力を確認するために

実施した押込み試験結果について報告する。

2.

載荷試験概要及び試験条件

地盤条件および試験杭を

Fig.1

に示す。試験地盤は

GL-5.0m

程度までがロームおよび凝灰質粘土、GL-5.0m 以深が主に中 砂および細砂で構成されている。試験杭は杭径、杭長及びソ イルセメント強度をパラメータとして

4

本構築した。試験杭

の仕様を

Table 1

に示す。試験杭は、杭先端を

N=20

及び

40

程度の支持層に根入れした。また、試験杭の先行改良 体径(杭径)は、

φ 600mm

及び

φ 800mm

を採用し、

H

鋼は

H300×300×10×15

を用いた。地盤改良部分のソ

イ ル セ メ ン ト の 設 計 基 準 強 度 は 、

1.0N/mm

2 及 び

3.0N/mm

2である。Fig.2 に試験杭および反力杭の配置 を示す。試験杭の

H

形鋼先端は、同種の工法の本設構 造物適用事例を参照して、Photo 1及び

Fig.3

に示すよ うに、水平方向から

135°の傾斜を有する 2

枚のプレ ートを取り付け、先端支持力を増加させる機構を設け た。載荷試験は、地盤工学会基準“杭の鉛直載荷試験基

Table 1

試験杭の仕様 杭径 杭長

(mm) (m)

Type 1 600 14.0 1.0

Type 2 600 14.0 3.0

Type 3 800 14.0 1.0

Type 4 600 17.0 1.0

ソイルセメント

強度(N/mm2) H型鋼形状

H300×300

×10×15

Fig.2

試験杭配置図

1800 1800 2400 2400

2400

反力杭 Type 1 φ700

反力杭 φ700 反力杭

φ700 反力杭 φ700

反力杭 φ700 反力杭 φ700

Type 2

Type 3

Type 4

Fig.3

試験杭先端形状

300

H300×300×10×15 150300

75 75

H型鋼

150 300

75 75

Photo 1

試験杭先端形状

0

5

10

15

20

0 20N 値 60 盛 土(ローム)

中 砂

シルト質細砂

(m)

40

ローム 凝灰質粘土

細 砂

中 砂 微細砂 砂混りシルト

中 砂

細 砂 シルト混り

細 砂 微 砂

砂混りシルト 細 砂

Type 1, 2 Type 3 Type 4

:ひずみゲージ

:変位計 H型鋼

ソイルセメント

Fig.1

試験杭及び地盤条件

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑795‑

Ⅲ‑398

(2)

準・同解説”1)に準拠して実施した。載荷方法は段階載荷・

多サイクル方式を採用し、新規荷重保持時間

30

分、履歴 荷重保持時間

2

分、ゼロ荷重保持時間を

15

分とした。測 定項目は、杭頭および杭先端変位、H 形鋼のひずみであ る。杭先端変位は二重管方式で測定した。

3.

押込み試験結果

各杭の杭頭部における荷重-変位関係を

Fig.4

に示す。

いずれの杭も載荷初期から曲線が立ち上がり、最大荷重 に達している。各杭の初期剛性を比較すると、ソイルセ メント強度が大きいもの、杭径が大きいものほど大きな 剛性を有していることが分かる。ここで、各杭とも最大

荷重を

2700kN

程度としたのは、同名論文(その

2)で報

告する引抜き試験を同一の試験杭を用いて実施するため である。Fig.5 (a), (b)に、各区間の周面摩擦力度と区間変 位の関係を示す。周面摩擦力度は、各区間の軸力差を周 面積で除して算出している。軸力の算出は、H 形鋼のひ ずみに鋼材の弾性係数及び

H

形鋼の断面積を乗じること により算出し、周面積の算出には、ソイルセメント改良 体径を用いた。

Fig.5

によれば、上部粘土層において最大 周面摩擦力度

50~140kN/m

2を示しており、その傾向は漸 増傾向にある。当該区間の地盤の一軸圧縮強度の平均値

57kN/m

2 と比較すれば、地盤の非排水せん断強度以上の

周面摩擦力度を発現していると考えられる。さらに、下 部の砂質土層の周面摩擦力度は

100~200kN/m

2を示して おり、極限状態には達していない。この区間の周面摩擦 力度を文献 2)に示される場所打ち杭の基準周面摩擦力度

3N (10~90kN/m

2

)と比較すると、十分大きな周面摩擦力度

を発現していると考えられる。

Fig.6

に、杭の先端到達軸 力を

H

形鋼の包絡面積で除して算出した先端支持力度と 先端変位の関係を示す。また、Fig.6には、文献2)に示さ れている場所打ち杭の基準先端支持力度の値も合わせて

示した。

Fig.6

から、各杭とも変位の稼働が十分ではなく、

先端支持力は漸増傾向にあることが分かる。しかしなが ら、文献 2)に示される基準先端支持力度と比較すると、

各杭の先端支持力度はそれを上回る値を示している。

4.

まとめ

本報では、地盤改良併用

H

形鋼杭の押込み試験を実施 し、その性能を確認した。その結果、本施工法で構築し た杭が十分な支持性能を有することがわかった。

参考文献 1) 地盤工学会(2002):地盤工学会基準、杭の鉛直載 荷試験方法・同解説.2) 鉄道技術総合研究所編(2012):鉄道構造 物等設計標準・同解説.

-7000 -6000 -5000 -4000 -3000 -2000 -1000 0

0 5 10 15 20

杭先端支持力度(kN/m2)

杭先端変位(mm)

Type1 Type2 Type3 Type4 60N (Type 4) 60N (Type 1,2,3) -250

-200

-150

-100

-50

0

0 5 10 15 20 25

周面摩擦力度(kN/m2)

区間変位(mm) (b) GL-5.5m~

Type1 Type2 Type3 Type4 -160

-140 -120 -100 -80 -60 -40 -20 0

0 5 10 15 20 25 30

周面摩擦力度(kN/m2)

区間変位(mm) (a) GL-0.5m~GL-5.5m

Type1 Type2 Type3 Type4 0

500 1000 1500 2000 2500 3000

0 5 10 15 20 25 30

杭頭荷重(kN)

杭頭変位(mm)

Type1 Type2 Type3 Type4

Fig.4

杭頭荷重-変位関係

Fig.5

周面摩擦力度-変位関係

Fig.6

杭先端支持力度-変位関係

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑796‑

Ⅲ‑398

参照

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