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報 告 番 号 乙 工 第 工 修論 文 目 録
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CI ?デ 氏 名 園 井 洋 臣 学 位 論 文 題 目 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス に よ る 組 織 構 造の 推定 に 関 す る 研 究 論 文 の 目 次 1章 序 論 2章 生 体 の 電 気 的 特 性 3章 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス の 測 定 4章 生 体 の 等 価 回 路 5章 3パ ラ メ ー 夕 、 ColeCole円 弧 則 の 等 価 回 路 と パ ラ メ ー タ 堆 定 6章 4"-'6パ ラ メ ー タ 並 列 等 価 回 路 の パ ラ メ ー タ 推 定 7章 網 等 価 回 路 を 単 純 化 し た 直 並 列 等 価 回 路 の パ ラ メ ー タ 推 定 8章 ノミラ メ ー タ 推 定 の 結 果 9章 結 論 参 考 論 文 主 論 文 1 ) 園 井 洋 臣 , 木 内 陽 介 ." 生 体 組 織 イ ン ピー ダ ン ス の 集 中 定 数 等価 回 路 と パ ラ メ ー タ 推 定H, 信 学 論 Vo.Jl82・D-Il,No.ll,pp.2143-2151,Nov.1999 副 論 文 1 ) 園 井 洋 臣 , 木 内 陽 介 . " 非 一 様 組 織 にお け る 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス の 等 価 回 路 と パ ラ メ ー タ 推 定1
1
信学技, :rv侶E98-46,pp.31-35,Ju.11998 2)Kunii,Y.kinouchi : "ParameterEstimationofLumped Element Circuit for TissueImpedance", The 20th Annual International Conferenceof The IEEE in :rv侶S Vo.120,No6, pp31 08・3111,Oct,1998 3)園 井 洋 臣 , 木 内 陽 介 ."2層 構 造 の 生 体 組 織 に 対 す る 集 中 定 数 等 価 回 路 と パ ラ メ ー タ 推 定 H, 信 学 技 ,MBE99-44,pp49-54,Ju.11999 4)図 井 洋 臣 , 木 内 陽 介 :"2層 構 造 の 生 体 組 織 を 非 侵 襲 で 計 測 し た イ ン ピ ー ダ ン ス デ ー タ に 対 応 し た 集 中 定 数 等 価 回 路 と パ ラ メ ー タ 推 定
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計 測 自 動 制 御 学 会 第 1 4回 生 体 ・ 生 理 工 学 シ ン ポ ジ ウ ム , BPES'99,pp.217・220,Oct.1999/"
論 文 内 容 要
己日 報 告 番 号 亘 工 修 匡 乙 工 第 169 じヨ アプ 氏 名 図 井 洋 臣 学 位 論 文 題 目 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス に よ る 組 織 構 造 の 推 定 に 関 す る 研 究 生 体 組 織 の 日 分 散 周 波 数 領 域 に お け る 危 気 イ ン ピ ー ダ ン ス は 組 織 構 造 を 反 映 し , 細 胞 内 外 に 由 来 ー す る 特 性 を 分 離 し て 表 す こ と が で き る . 従 っ て , 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス 情 報 は 組 織 の 構 造 的 お よ び 生 理 機 能 的 診 断 に 役 立 つ こ と が 期 待 さ れ て い る . こ の 組 織 イ ン ピ ー ダ ン ス の 周 波 数 特 性 は 通 常 , 有 限 例 の パ ラ メ ー タ を 含 む 式 で 表 現 さ れ る が , こ れ は ー積 の 情 報 圧 縮 と 見 な す こ と が で き る . 最 も 代 表 的 な も の が Cole-Cole円 弧 則 と Davidson-Cole レ ム ニ ス ケ イ ト 円 弧 則 で あ り , こ れ は 紺 . 織 の 緩 和 時 間 の 確 率 的 な 分 布 を 考 慮 し た も の で , 4つ の パ ラ メ ー タ を 用 い て 表 し て い る . 前 述 の 2つ の 円 弧 則 は 簡 単 な 形 で 自 分 散 のjよ い 範 囲 の 組 織 イ ン ピ ー ダ ン ス を 表 現 す る の に 有 効 で あ る が , 生 体III織 の 平 均 的 な 特 性 だ け を 表 す た め , 異 な る 2つ 以 上 の 組 織 を 含 む 場 合 , そ れ ら の 特 性 を 分 離 し て 表 現 す る こ と は 困 縦 で あ る .一 方, 集 巾 定 数 回 路 は 組 織 構 造 と の 対 応 が で き る と い う 利 点 を 有 し て い る が , 3パ ラ メ ー タ 等 価 回 路 は lつ の 緩 和 時 間 し か 持 っ て い な い こ と や 組 織 イ ン ピ ー ダ ン ス の 部 分 特 性 , 例 え ば 低 周 波 領 域 の み に 適 合 す る .そ こ で 本 研 究 で は , 対 象 と す る 組 織 が 異 質 な 多 層 組 織 の 場 合 , 緩 和 時 間 の 確 率 的 な 分 布 の 山 が 明 ら か に 2つ 以 上 存 在 す る こ と を 想 定 し て , 組 織 構 造 と の 対 応 が 可 能 で , か つ , 。 分 散 領 域 全 体 の イ ン ピ ー ダ ン ス 特 性 に 適 合 可 能 と 思 わ れ る 高 次 集 中 定 数 等 価 回 路 に 着 目 し た . 実 測 デ ー タ に 含 ま れ る 緩 和 時 間 の 確 率 的 な 分 イtiの 山 の 数 は 必 ず し も 分 か っ て い る 訳 で は な く , 仮 に 等 価 回 路 の 次 数 の 方 が 低 い 場 合 は 情 報 の 圧 給 に な り ,等価 的 な 妥 協 値 で 組 織 を 代 表 す る こ と に な る .与 え ら れ た イ ン ピ ー ダ ン ス 特 性 に 最 小 誤 差 で 適 合 す る よ う に 回 路 ノξラ メ ー タ を 決 定 す る 問 題 は 逆 問 題 の 一 種 で あ る が I 3パ ラ メ ー タ 等 価 回 路 で は こ れ を 代 数 的 に 解 く こ と が で き る . し か し な が ら , 2つ 以 上 の 緩 和 時 間 を 持 つ 高 次 回 路 で は パ ラ メ ー タ と イ ン ピ ー ダ ン ス 値 は 非 線 形 関 係 に あ る た め , こ の 方 法 を 適 用 す る こ と は で き ず , 勾 配 法 な ど の 収 束 計 算 を 用 い な け れ ば な ら な い . こ こ で は パ ラ メ ー タ 空 間 に お け る イ ン ピ ー ダ ン ス 誤 差 関 数 L l l !百 が 最 小 値 近 傍 で 緩 や か な 特 性 ( 鍋 氏 ) を 持 っ て い る こ と を 考 臆 し , Levenberg-Marquardtア ル ゴ リ ズ ム ( 以 下, L Mア ノ レ ゴ リ ズ ム と 略 す ) を 基 本 に , こ れ を 単 純 化 し た 方 法 を 用 い た . 本 研 究 で は 組 織 イ ン ピー ダ ン ス 特 性 を 表 ・ す 代 表 的 な 回 路 モ デ ノ レ と な る 2"-'3の 緩 和 時 間 を 持 つ 4'"'-6パ ラ メ ー タ 等 価 回 路 を 取 り 上 げ て い る . 研 究 の 目 的 は 与 え ら れ た イ ン ピ ー ダ ン ス デ ー タ か ら こ れ ら の パ ラ メ ー タ 推 定 の 可 能 性 を 検 討 し , 実 視JIデ ー タ に 適 用 し て , そ の 有 効 性 を 検 証 す る こ と で あ る .生体インピーダンスによる
組織構造の推定に関する研究
2 0 0 0年 3月
生体インピーダンスによる
組織構造の推定に関する研究
2 0 0 0年 3月
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目 次
1 章 序論.…・・・・……・……・・・・・・・・…・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・…...……ー…・・・・・・・・一一……一一3 1. 1 研究の目的.……・・…...………・…・一一・…・・ー…・…・…・・………・…・・・...3 1. 2 生体インピーダンスの臨床応用の研究事例……・…一一一..一…・・…ー… 7 1.2.1 序 言 ...7 1.2.2 体脂肪率計.・…...…一一一一・・ー………・…・・・…・…・・・・・・一一一…..….7 1.2.3 心 拍 出 量 の 測 定 ( 特 に 連 続 監 視 ) ………・…… ..7 1.2.4 組 織 血 流 量 の 測 定 ( 悩 ・ 肺 ・ 筋 ・ 肝 - 腎 な ど ) .…一一-…・・…・…… 8 1.2.5 呼吸の測定(特に連続監視)………・…・……・…… .8 1.2.6 水分量の測定……・・……一一…・…・…・………・・…・ー…・…...一…・・・…・ ...8 1.2.7 検 体 検 査 ( 細 胞 の 数 や 大 き さ の 計 測 , 細 菌 の 同 定 な ど ) .……… ..8 1.2.8 乳腺腫療の検査…一………9 1.2.9 うそ発見機.ー……・・ー…-……....…・-一....…・・ぃ……・・・・・・…・・……ー…・… 9 1.2.10 皮 膚 水 分 計 測 ...10 1.2.11 場事下活動の検査…・・…・…・……-…・・………-…...・H ・-………ー…… 10 1.2.12 阻血に伴う肝機能の検査...11 1.2.13 歩行分析システム…・…………・・・・・・・・・・………・・・………..….11 1.2.14 自動血管穿刺...11 1.2.15 インピー夕、ンス CT ... 12 2章 生体の電気的特性……・……… 13 2. 1 生体の構造と電気物性...・…・・…・・・・…・・…・一…・・・…・…...…ー…・…・ 13 2. 2 生体の電気特性.…-…・………・・…・一一一一・…・・・……・・・……・・…・一一一・...15 2.2.1 周波数特性.…・………-一一……・ー………・・・一一・・一一一………一一一..…… 17 2.2.2 電気異方性.…・…・…・・……一一・・・…・・・・・…・…一一一一一・・・……一一一………・ 18 2.2.3 生体の電気特性の温度依存性…-……….18 2.2.4 切 除 組 織 の 経 時 変 化 ...19 3章 生体インピーダンスの測定…...・H ・..…...・H ・..…...・H ・..…………...・H ・..….20 3. 1 正弦波応答法……・…...一...…-……-…-…一…・…一一一一…・…… 20 3. 2 パルス応答法.……...……・・・・…一一一....一…………...一一一……… .21 3. 3 2電極法…・・……-一一・…一一一一…・・・・・・・・……・・・・・・ー…・一一一…・・・ー・……...23 3. 4 3電極法.……・・・…・ー・・…・・・…・…-一一一一一…・・…・・…一一一……一一-……… 23 3. 5 4電極法…………・…-・一一…-一一…-一・・一一-…一...一一一....…-一一-…・・… .24 3. 6 各種の生体インピーダンスの実測結果・解析の例………・…..25 3.6.1 犬の各臓器の抵抗率の測定一一…-………一一一………・…・…...27 3.6.2 胸部のインピーダンス変化の計測-一一一…・ー…・…-一…・・・・…・・・・・・… .28 3.6.3 足の電気インピーダンスの計測・解析.………・…ー…・…・……ー…..30目 次 3.6.4 上腕部のインピーダンス測定及び血液の影響..・一一・・一一…-一・一一一 33 3.6.5 乳 腺 腫 蕩 の 計 調IJ ...…・…・・・一一..一一一…・・一一-…..一一一一・・……・・・一一・.34 3.6.6 1 P G (インピーダンス咽頭図)計測…・ー………-……… 35 3.6.7 切 除 組 織 の 経 時 変 化 の 計 測 … . . 一 … … … 36 3.6.8 まとめ..・...38 4章 生体の電気的等価回路…-一………・ー…・…・…・…・………ー….39 4. 1 3パラメータ等価回路.ー-…ー・・一-………・・一一…・・…・・・……-一...一一・.41 4. 2 Cole-Cole 円弧則の等価回路……・・・…・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・……一….42 4. 3 4パラメータ等価回路...………-一一一…...一……・・・ー・……・……..43 4. 4 5及 び 6パラメータ並列等価回路…ー…・ー…-……・い…-一一一・……… 45 4. 5 網 目 等 価 回 路 と 単 純 化 し た 直 並 列 等 価 回 路 … … … ・ 48 5章 3ハラメータ及び Cole-Cole円 弧 則 の 等 価 回 路 と ハ。ラメータ推定.・・一…-…・....50 5. 1 カ ー ブ フ ィ ッティング.・・・・・ー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…...50
5. 2
パラメータ推定.…・…..………・・・・・・・・・・・・・……・…・・・・・・・・・・・一一一一・…・一一.52
6章 4'""6パラメータ並列等価回路のパラメータ推定.一一一一・・・・・……一…・・ 55 6. 1 規格化とパラメータ数.・一一一一一一一-…一………・一一一一…・ー………一… 55 6. 2 パラメータ推定アルゴリズム…………・ー…・……・・・・……・……一..一一.57 6. 3 各パラメータの初期値一…・…・・・………・・・…一..一一一一....………・…一一.62 7章 網 目 等 価 回 路 を 単 純 化 し た 直 並 列 等 価 回 路 の パ ラ メ ー タ 推 定 … … ….63 7. 1 回路の単純化..…・一一・-……ー……・・・一一……一一一一…………・……...63 7. 2 パラメータ推定..…・…・一一……・…-一一一一一一・・・………・……-………・一一.63 7. 3 パ ラ メ ー タ の 初 期 値 … … … ….64 7. 4 Cole-Cole円 弧 の 特 性 を 示 す 等 価 回 路 へ の 対 応 ー … … … 64 8章 ノミラメータ推定の結果…ー…一一一一一………・……・…一..一一一一…-一一一…一一・.66 8. 1 6パラメータ並列等価回路に対する推定…一一一…・・…ー・・・…・一一….66 8. 2 網 目 等 価 回 路 を 単 純 化 し た 直 並 列 等 価 回 路 に 対 す る 推 定 … … ….76 9章 結論...…一一一……・・・一...…・・・・………ー…・・・一一一…・一一…・・…...80 謝辞…・………・……..…………・...・H ・..…...・H ・..……...・H ・...・H ・.82
参考文献...………一一....一一一一一一一-……一一一...一一一一一一一一一・…………・…....83 本研究に関連する発表論文.・・・・ー…・・・………・……一一一・・・・一一一一一・・……一-一一…-…・90
2 1章 序 論1
章 序 論
1. 1 研 究 の 目 的 生 体 を 情 報 シ ス テ ム と し て と ら え る と , 物 理 ・ 化 学 的 あ る い は 有 機 化 学 的 媒 体 が 複 雑 に 絡 み , 情 報 の 伝 達 と 処 理 が 行 わ れ , 極 め て 精 巧 な シ ス テ ム を 構 成 し て い る . 生 体 内 で は 神 経 細 胞 だ け で は な く , 心 筋 な ど 筋 細 胞 も 電 気 信 号 を 発 生 す る , ま た , 網 膜 も 同 様 に パ ル ス 的 な 膜 電 位 変 化 を 示 す . こ れ ら の 生 体 内 電 気 信 号 を セ ン ス し て , 周 期 性 や 波 形 を 観 測 す る こ と に よ って , 脳 , 心 臓 , 目 の 網 膜 , 皮 膚 , 脂 肪 及 び 筋 肉 な ど 生 体 組 織 の 状 態 を 知 る こ と が で き る . ま た , 生 体 内 の 情 報 伝 達 は 電 気 信 号 す な わ ち 近 距 離 は ア ナ ロ グ 信 号 , 少 し 離 れ た と こ ろ は パ ル ス 信 号 が 神 経 細 胞 な ど を 伝 搬 し て 行 わ れ る . 多 重 化 さ れ た 複 雑 な 生 体 情 報 を コ ン ピ ュ ー タ に よ り 解 析 し て , 高 度 な 生 体 の 情 報 伝 達 や 処 理 方 法 の 解 析 結 果 か ら 生 体 の 機 能 の 診 断 や 部 分 的 な 生 体 機 能 の 代 用 へ の 応 用 も 研 究 さ れ て い る . 一 方 , 電 イ 立 が 存 在 し な い , ま た は 検 出 が 困 難 な 部 位 な ど に つ い て は 外 部 か ら 物 理 ・ 化 学 的 な 媒 体 や 電 気 信 号 を 印 加 し て , そ の 反 応 を セ ン ス し , 解 析 す る こ と に よ り 受 動 的 な 場 合 と 情 報 の 質 は 異 な る が 同 様 に 生 体 の 状 態 を 知 る こ と が で き る . 工 学 の 医 学 へ の 応 用 や 生 物 学 ・ 医 学 的 知 識 を 工 学 に 応 用 す る 医 用 生 体 工 学 (以下M B Eと 略 す ) の 基 礎 は , 生 体 の 特 性 と 機 能 の 工 学 的 解 釈 で あ り , 前 述 の 様 々 な 物 理 エ ネ ル ギ ー , 媒 体 及 び 手 段 が 工 学 と 生 体 の 橋 渡 し を す る こ と に な る . 生 体 に つ い て は , 現 在 に お い て も 解 明 さ れ な い 未 知 の 部 分 が 多 く , ま た , 工 学 的 な 近 似 や 等 価 モ デ ル を 想 定 し て , 数 学 的 な 計 算 や シ ミ ュ レ ー シ ョ ン な ど を 行 う こ と が 余 儀 な く さ れ る . 体 の 切 開 や 切 除 な ど を 伴 わ な い 非 侵 襲 診 断 用 の 医 療 機 器 は X線 発 生 装 置 と 放 射 線 感 光 フ ィ ノ レ ム の 組 み 合 わ せ に よ っ て 笑 現 し た 胸 部 の X線 写 真 を 起 点 と し て , 近 年 は , 超 音 波 , 磁 気 , 電 界 及 び レ ー ザ 光 な ど 広 範 囲 の 物 理 エ ネ ル ギ ー や 媒 体 を 利 用 す る と 同 時 に 高 感 度 の セ ン サ ー , 高 感 度 / 低 ノ イ ズ 増 幅 閉 路 , 超 小 型 素 子 及 び 高 性 能 コ ン ビ ュ ー タ な ど の エ レ ク ト ロ ニ ク ス や コ ン ビ ュ ー タ 応 用 技 術 の 進 歩 は め ざ ま し く , 短 い 計 測 時 間 で 比 較 的 容 易 に 極 め て 高 精 度 か っ 立 体 的 な 像 を 得 る こ と が で き る よ う に な っ た . 脳 や 心 臓 な ど に は 電 圧 の 発 生 棟 、 が あ り , こ れ ら の 電 圧 変 化 を 電 極 で 取 り 出 し た 脳 波 計 や 心 電 図 は よ く 知 ら れ て い る が , 網 膜 の 電 位 変 化 を 記 録 し た 眼 電 位 図 に よ り , 眼 底 病 変 の 診 断[26]も 行 わ れ て い る . 現 在 , 多 く の 新 し いM BE
の 技 術 を 応 用 し た 超 音 波 診 断 装 置[
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線C T
や 強 い 磁 場 の 中 に 置 か れ 31章 序論 た水 素 な どの原子の 濃 度 分 布 を コ ン ピ ュ ー タ 処 理 に よ り , 生 体 を 輪 切 り に し た 鮮 明 な 画 像が得 られるM R Iなどの実 用 化 ・ 普 及 が 急 速 に 進 ん で い る . ま た , 最 近 は 可 視 ・ 赤 外 光 の 生 体に対 し て の 透 過 ・ 反 射 の 性 質[27]を 利 用 し た 光C Tの 研 究も進 ん で い る . 一方 , コ ウ モ リ や イ ル カ な ど一部 の 動 物 は 超 音 波 を レ ー ダ と し て 自 由 に 操 る こ と が で き る こ と は よ く 知 ら れ て い る . 他 に も , メ カ ニ ズ ム が 必 ず し も 明 確にな っ て い る 訳 で は な い が , 一部 の 魚 , 鳥 及 び ほ 乳 類 な ど の 動 物 は , 低 電 圧 の 信 号 の 受 発 信 ま た は 高 電 圧 を 発 生 で き た り , ま た は 電 界 や 磁 界 を 感 知 す る “ 超 高 感 度 " の 感 覚 を 持 ち , 生 息 す る 環 境 の 中 で 巧 み に こ れ ら を 利 用 し て いること が明らかになってきている.特に,ある魚は体の周囲に電界を作り, 体 表 に 無 数 に あ る セ ン サ ー に よ っ て 電 界 の 乱 れ を 検 知 し , 電 界 内 に 入 っ て く る 物 体 の 形 状 や 種 類 を 正 確 に 認 識 で き る と の 報 告 も あ り , こ れ ら 一 部 の 生 物 が 持 つ , 通 常 の 電 子 回 路 で は 実 現 困 難 な 極 め て 高 感 度 で 高 度 な 認 識 能 力 は 大 変興味深い. 生 体 は 種 々 の 有 機 物 質 で 構 成 さ れ , 前 述 し た よ う に 生 体 内 に は 電 荷 や 電 界 が 存 在 す る 導 体 で あ る . 生 体 に 電 圧 を 印 加 す る と 電 流 が 流 れ , 電 流 は 細 胞 の 組 成 ・ 構 成 に よ っ て 異 な り , 電 圧 を 検 出 す る 電 極 の 場 所 に よ っ て , 当 然 イ ン ピ ー ダ ン ス も 異 な る . す な わ ち , 生 体 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス は 生 体 組 織 の 構 造 , 組 成 な ど の 解 剖 学 的 , か つ 状 態 , 機 能 変 化 等 の 生 理 学 的 な 診 断 の た め の 有 用 な 情 報 を 提 供 す る . そ こ で , 生 体 の 電 気 特 性 を 解 明 す る た め , 。 分 散 周 波 数 領 域 の 生 体 組 織 の 電 気 特 性 を 表 す 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス に 着 目 し た
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本 稿 で は 具 体 的 な 臨 床 応 用 と は 距 離 を 置 い て 測 定 結 果 と 組 織 の 状 態 の 関 係 を よ り 明 確 に 推 定 す る た め の 基 礎 的 な 研 究 の 成 果 に つ い て 述 べ る . こ れ ま でp 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス か ら , 心 循 環 系 , 呼 吸 系 体 組 成 の よ う な 体 全 体 に 関 わ る 状 態 推 定 や 診 断 を 始 め と し て , 腫 蕩 , 皮 下 組 織 な ど の 局 所 組 織 の 診 断 等 に 対 し て 有 意 義 な 情 報 が 得 ら れ る こ と が 判 明 し て い る . 超 音 波 診 断 装 置 , X線CT, M R 1等 と 異 な り , 細 胞 内 外 を そ れ ぞ れ 個 別 に , そ の 状 態 , 機 能 推 定 が で き る 可 能 性 が あ る . そ の 上 ,x
線 C T,M R 1等 の よ う に 広 い 設 置 スペー ス や 大 き な 装 置 を 必 要 と せ ず , 経 済 的 な 面 で も 優 れ て お り , か っ 比 較 的 手 軽 に 扱 う こ と が で き る こ と は 大 変 魅 力 的 で あ る . し か し な が ら , 後 述 の よ う な 数 多 く の 有 意 義 な 研 究 事 例 が 報 告 さ れ て い る に も か か わ ら ず . 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス が 臨 床 的 に 実 用 さ れ て い る 例 は 非 常 に 少 な く , 一 般 的 に は , 電 気 的 生 体 計 測 法 に 対 す る 臨 床 的 な 評 価 は あ ま り 高 い と は い え な い . ま だ 未 知 の音s
分が多く,今後, a) 生 体 組 織 の 電 気 特 性 の 正 し い 理 解 や 詳 細 を 解 明 す る . b)非 侵 襲 的 で 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス を 測 定 す る 場 合 , 測 定 結 果 と 体 内 の 状 態 1章 序論 と の 関 係 を 明 確 に す る . c ) 計 測 法 に 対 す る 地 道 な 研 究 の 裏 付 け や 基 礎 的 検 討 を 十 分 行 う . な ど の 研 究 成 果 が 期 待 さ れ て い る . 通 常 , 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス の 周 波 数 特 性 は 有 限 個 の パ ラ メ ー タ を 含 む 式 で 表 現 さ れ る が , こ れ は 一 種 の 情 報 圧 縮 と 見 な す こ と が で き る . 組 織 構 造 を 詳 細 に 表 現 す る に は 等 価 回 路 のパラ メ ー タ 数 を 増 や せ ば よ い の で あ る が , パ ラ メ ー タ 数 が 増 加 す る と イ ン ピ ー ダ ン ス 軌 跡 か ら 等 価 回 路 を 推 定 す る こ と は 困 難 に な る . 最 も 代 表 的 な 電 気 的 な 等 価 回 路 は Cole-Cole円弧則と Davidson-Coleレム ニ ス ケ イ ト 円 弧 則[11][13]で あ り , こ れ は 組 織 の 緩 和 時 間 の 確 率 的 な 分 布 を 考 慮 し た も の で,4
つ の パ ラ メ ー タ を 用 い て 表 し て い る . ま た , よ り 厳 密 に 組 織 の 等 価 電 気 特 性 を 表 現 す る 空 間 分 布 回 路 に つ い て も 検 討 さ れ て い る [12]. こ れ に 対 し , 細 胞 内 外 の 抵 抗 及 び 細 胞 膜 静 電 容 量 に 由 来 す る 3つ の パ ラ メ ー タ を 用 い た 集 中 定 数 回 路 表 現 も 簡 単 な 表 現 と し て よ く 用 い ら れ て い る . 上 述 の 2つの円弧員JIは 簡 単 な 形 で3
分 散 領 域 の 広 い 範 囲 の 組 織 イ ン ピ ー ダ ン ス を 表 現 す る の に 有 効 で あ る が , 生 体 組 織 の 平 均 的 な 特 性 だ け を 表 す た め , 異 な る2つ 以 上 の 組 織 を 含 む 場 合 , そ れ ら の 特 性 を 分 離 し て 表 現 す る こ と は 困 難 で あ る . 一 方 , 集 中 定 数 回 路 は 組 織 構 造 と の 対 応 が で き る と い う 利 点 、 を 有 し ているが, 3パ ラ メ ー タ 等 価 回 路 は 1つ の 緩 和 時 間 し か 持 っ て い な い こ と や 組 織 イ ン ピ ー ダ ン ス の 部 分 特 性 , 例 え ば 低 周 波 領 域 の み に 適 合 す る . ま た , こ れ ら の 回 路 の イ ン ピ ー ダ ン ス 軌 跡 は 複 素 平 面 上 に お い て 円 弧 を 示 し て い る が , 実 測 に よ っ て 得 ら れ る 生 体 の イ ン ピ ー ダ ン ス 軌 跡 は 低 周 波 数 で は 円 弧 を 示 す が , 高 周 波 数 領 域 で は 複 素 平 面 の 原 点 に 向 か う 特 性 を 示 す . こ の 実 測 の イ ン ピ ー ダ ン ス 軌 跡 に 近 似 な イ ン ピ ー ダ ン ス 軌 跡 、 を 持 つ 集 中 定 数 の 等 価 回 路 の パ ラ メ ー タ 数 は 4個 以 上 必 要 で あ る こ と が わ か っ て い る[10]. そ こ で , 本 研 究 で は , 対 象 と す る 組 織 が 異 質 な 多 層 組 織 の 場 合 , 緩 和 時 間 の 確 率 的 な 分 布 の 山 が 明 ら か に 2つ 以 上 存 在 す る こ と を 想 定 し て , 組 織 構 造 との対応が可能で,かつ, 。 分 散 領 域 全 体 の イ ン ピ ー ダ ン ス 特 性 に 適 合 可 能 と 思 わ れ る 高 次 集 中 定 数 等 価 回 路 に 着 目 し 代表的な回路モデ、ルとなる 2'"'-' 3の 緩 和 時 間 を 持 つ 4"-'6パ ラ メ ー タ 並 列 等 価 回 路 及 び こ れ ら を 組 み 合 わ せ た 直 並 列 等 価 回 路 を 取 り 上 げ て い る . 実 測 デ ー タ ( イ ン ピ ー ダ ン ス 軌 跡 ) に 含 ま れ る 緩 和 時 間 の 確 率 的 な 分 布 の 山 の 数 は 必 ず し も 分 か っ て い る 訳 で は な く , 仮 に 等 価 回 路 の 次 数 の 方 が 低 い 場 合 は 情 報 の 圧 縮 に な り , 等 価 的 な 妥 協 値 で 組 織 を 代 表 す る こ と に な る . 与 え ら れ た イ ン ピ ー ダ ン ス 軌 跡 に 最 小 誤 差 で 適 合 す る よ う に 等 価 回 路 パ ラ メ ー タ を 決 定 す る 問 題 は 逆 問 題 の 一 種 で あ る が 3パ ラ メ ー タ 等 価 回 路 で は こ れ を 代 数 的 に 解 く こ と が で き る[
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しかしながら,2
つ 以 上 の 緩 和 時 間 を1章 序 論 持 つ 高 次 等 価 回 路 で は パ ラ メ ー タ と イ ン ピ ー ダ ン ス 軌 跡 は 非 線 形 関 係 に あ る た め , こ の 方 法 を 適 用 す る こ と は で き ず , 最 小 誤 差 に 収 束 す る よ う に 勾 配 法 な ど の 収 束 計 算 を 用 い な け れ ば な ら な い . こ こ で は パ ラ メ ー タ 空 間 に お け る イ ン ピ ー ダ ン ス 誤 差 関 数 曲 面 が 最 小 値 近 傍 で 緩 や か な 特 性 ( 鍋 底 ) を 持 っ て いることを考慮し, Levenberg-Marquardtアルゴリズム(以下, LMア ル ゴ リ ズ ム と 略 す ) [7][14)を 基 本 に , こ れ を 単 純 化 し た 方 法 を 用 い , さ ら に パ ラ メ ー タ 数 が 多 く な る 場 合 は 収 束 計 算 の 効 率 化 や 高 速 化 の 一 手 法 と し て , 初 期 値 の 決 定 方 法 や 段 階 的 な 近 似 の 手 法 な ど に つ い て 独 自 の 提 案 を 行 う . ま た , 与 え ら れ た イ ン ピ ー ダ ン ス 軌 跡 か ら こ れ ら の パ ラ メ ー タ 推 定 の 可 能 性 を 検 討 し , 実 測 デ ー タ に 適 用 し て , そ の 有 効 性 を 検 証 す る . これまで,
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パ ラ メ ー タ を 持 つ 等 価 回 路 の パ ラ メ ー タ を 効 果 的 に 推 定 す る ア ル ゴ リ ズ ム や 手 法 の 発 表 事 例 は な い . ま た , 網 目 等 価 回 路 を 簡 単 化 し た 直 並 列 等 価 回 路 に つ い て も 新 し い 提 案 で あ る . 6 1章 序 論 1. 2 生 体イ ン ピ ー ダ ン ス の 臨 床 応 用 の 研 究 事 例 1.2.1 序 言 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス を 用 い た 臨 床 計 測 に は 下 記 の よ う な 特 徴 が 考 え ら れ る . 1 ) 測 定 が 容 易 で 非 侵 襲 的 で あ る . 2 ) 血 液 の 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス が 他 の 組 織 よ り 非 常 に 小 さ い の で . 循 環 系 に 関 す る 計 測 が 容 易 に で き る . 3 ) 空 気 の 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス は ほ ぼ 無 限 大 な の で , 呼 吸 に 関 す る 計 測 に 適 している.4
) 組 織 の 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス は 電 解 液 濃 度 及 び 細 胞 膜 の 影 響 を 強 く 受 け る の で , 体 液 分 布 や 浮 腫 の 計 測 に 利 用 で き る . 5 ) 臓 器 に よ る 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス の 差 を 利 用 し て , 特 定 の 臓 器 に 関 す る 情 報 を 得 る こ と が で き る . 6 ) 測 定 装 置 の 小 型 化 ( 携 帯 用 も 含 め て ) が 可 能 で あ る . な ど , 他 の 計 測 法 に は な い 特 徴 も 持 っ て い る の で , 今 後 の 研 究 開 発 に よ っ て 広 く 臨 床 的 に 利 用 さ れ る 可 能 性 が あ る . 以 下 に , 代 表 的 な 臨 床 応 用 の 研 究 事 例 を 挙 げ る . 1.2.2 体 脂 肪 率計 イ ン ピ ー ダ ン ス 計 測 に よ る 体 脂 肪 量 の 計 測 は 簡 便 な 方 法 で あ る と い う 理 由 で 注 目 さ れ て い る [28]. ま え も っ てM R Iで 求 め た 脂 肪 層 と の 相 関 の テ ー ブ ノ レ を 作 成 し て お き , 手 及 び 足 聞 の イ ン ピ ー ダ ン ス を 測 定 し , 体 脂 肪 を こ の テ ー ブ ル を 使 っ て 推 定 す る . 廉 価 で 簡 便 な 装 置 と し て 普 及 し て い る が , 厳 密 に は 個 人 差 も あ り , 計 測 方 法 か ら も , 必 ず し も 精 度 は 高 く な い . 1.2
.
3
心 拍 出 量 の 測 定 ( 特 に 連 続 監 視 ) 古 く か ら 注 目 さ れ て い る 研 究 で , 1932年 に AtzlerとLehmanが , 胸 部 に 電 流 を 印 加 し , 被 験 者 の 呼 吸 を 止 め た と き 心 臓 の 一 心 拍 期 間 で イ ン ピ ー タ ン ス が 微 弱 に 変 化 す る こ と を 観 測 し , 1937年 に Mannが 初 め て 電 気 的 イ ン ピ ー タ ン ス 変 化 を 用 い た 心 室 容 量 パ ル ス を 記 録 す る 方 法 を 報 告 し た . 更 に こ の 分 野 で は 先 駆 者 と し て 知 ら れ る Myboerらが, 1940年 微 弱 な 高 周 波 電 流 を 胸 部 に 流 し , 各 心 拍 毎 の イ ン ピ ー ダ ン ス 変 化 を 記 録 し た . こ の 方 法 を 応 用 し て 非 侵 襲 に 血 流 量 を 求 め る 理 論 が 確 立 さ れ , 1966年 に Kubicekら が , イ ン ピ ー ダ ン 71章 序 論 ス 変 化 の 一 次 微 分 波 形 か ら 心 抽 出 量 を 求 め る 方 法 を 提 案 し た
[
2
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]
.
そ の 経 済 性 , 安 全 性 , 技 術 的 に あ ま り 難 し く な い こ と な ど か ら , 数 多 く の 追 試 , 研 究 が 行 わ れ , 有 用 性 が 報 告 さ れ て い る [30J[31]. 我 国 に お い て も1960
年 頃 か ら こ の 方 面 で の 研 究 が 開 始 さ れ , 活 発 な 研 究 活 動 が 行 わ れ て い る [40]. イ ン ピ ー ダ ン ス 法 の 主 な 特 長 は , 非 侵 襲 で 被 験 者 に 苦 痛 を 与 え な い , 心 拍 出 量 (1 Imin) ,ま た は 1回 の 拍 出 量 が 連 続 に 長 時 間 監 視 で き る , 測 定 中 の 危 強 性 が 全 く な い な ど で あ る が , 今 日 な お3 そ の 判 定 法 に は , 原 理 , 精 度 に 関 し て 疑 問 が あ り い く つ か の 問 題 を 抱 い て い る ま た , 絶 対 値 を 測 定 を す る に は 無 理 が あ る[32]. 1.2.4 組 織 血 流 量 の 測 定 ( 悩 ・ 肺 ・ 筋 ・ 肝 ・ 腎 な ど ) 血 液 の 抵 抗 率 は 肺 ・ 脂 肪 ・ 骨 ・ 皮 膚 の 抵 抗 率 に 比 べ て 著 し く 小 さ く , ま た , イ ン ピ ー ダ ン ス 変 化 が 血 流 の 速 度 に 依 存 す る 特 性 を 利 用 し て , 心 拍 出 量 の 測 定 と 同 様 に , 心 臓 以 外 の 部 分 に つ い て も 血 流 量 の 臨 床 計 測 を 行 う こ と が 可 能 である [35][36]. 1.2.5 呼 吸 の 測 定 ( 特 に 連 続 監 視 ) 肺 循 環 な ど の 肺 の 状 態 を 非 侵 襲 的 に 検 査 す る 方 法 と し て , 経 胸 郭 肺 イ ン ピ ー ダ ン ス 法 は も っ と も 有 望 な も の の 一 つ で あ る . 測 定 方 法 は , 右 ま た は 左 の 胸 壁 上 に 電 流 印 加 電 極 と 電 圧 検 出 電 極 そ れ ぞ れ 1対 か ら 成 る 4電極を装着し, 約 50kHzの 周 波 数 で イ ン ピ ー ダ ン ス 変 化 を 検 出 し て い る . 空 気 の イ ン ピ ー ダ ン ス が 著 し く 高 い こ と を 利 用 し て 呼 吸機 能 の モ ニ タ ー や 生 理 食 塩 水 通 過 時 の イ ン ピ ー ダ ン ス 変 化 を 組 み 合 わ せ た血 液 の 肺 循 環 の 監 視 な ど , 臨 床 的 に 広 く 利 用 さ れ る こ と が 期 待 さ れ て い る . 1.2
.
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水 分 量 の 測 定 腎 臓 透 析 前 と 後 の イ ン ピ ー ダ ン ス の 相 違 を 利 用 し た 人 工 透 析 モ ニ タ や 運 動 時 の 発 汗 ( 水 分 量 の 減 少 ) ・ 代 謝 に 伴 う イ ン ピ ー ダ ン ス 変 化 を 利 用 し て , 体 内 ま た は 組 織 内 の 水 分 量 の 観 測 が 可 能 で あ る . ま た , 運 動 生 理 へ の 応 用 な ど も 検 討 さ れ て い る . 1.2.7 検 体 検 査 ( 細 胞 の 数 や 大 き さ の 計 測 , 細 菌 の 同 定 な ど ) 検 体 検 査 と し て 古 く か ら 研 究 さ れ て い る イ ン ピ ー ダ ン ス 法 と し て は , 血 紫 1章 序 論 の イ オ ン 濃 度 の 測 定 , へ マ ト ク リ ッ ト 値 の 測 定 , 各 血 球 の 計 数 な ど が あ る . 特 に 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス に よ る 血 球 計 数 法 は 臨 床 に 広 く 利 用 さ れ て い る . 薄 い ガ ラ ス に 直 径 100μm程 度 の 孔 を 作 り , こ の 孔 を 通 し て . 生 理 食 塩 水 で 数 万 倍 に 薄 め た 血 液 を 吸 い 込 む . 孔 の 両 側 に 電 極 を 置 く と , 血 球 が 孔 を 通 過 す る と き に 電 極 間 の 抵 抗 が 変 化 す る . こ の 変 化 を 増 幅 し て 計 数 す れ ば 血 球 の 数 が 求 め ら れ る . 抵 抗 変 化 の 大 き さ か ら 血 球 の 大 き さ が 求 め ら れ 計 数 値 と の 積 を と れ ば へ マ ト ク リ ッ ト 値 も 求 め る こ と が で き る . 血 液 の 電 気 抵 抗 が 凝 血 前 後 で 変 化 す る こ と を 利 用 し た 凝 血 測 定 器 も 市 販 さ れ て い る . ま た , 細 菌 の 種 類 の 同 定 に 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス を 用 い る 方 法 も 考 案 さ れ て い る [42][43]. 1.2.8 現 腺 腫 婦 の 検 査 乳 腺 腫 蕩 は , 視 珍 ・ 触 診 を 基 本 と し て 良 性 ・ 悪 性 の 診 断 が 行 わ れ て い る が , こ れ に は か な り の 熟 練 が 必 要 で あ る . そ こ で ,x
線 や 超 音 波 な ど を 用 い た 補 助 診 断 法 も 加 え て 診 断 が な さ れ て い る . し か し , こ れ ら に も ま た , 良 性 ・ 悪 性 の 診 断 が 困 難 な 症 状 が 少 な か ら ず 存 在 す る た め に , 生 体 の 電 気 的 特 性 が 組 織 の 種 類 に よ り 異 な る こ と を 利 用 し , in vivo ( 生 体 内 ) 測 定 さ れ た イ ン ピ ー ダ ン ス を 乳 線 腫 療 の 良 性 ・ 悪 性 の 診 断 に 役 立 つ こ と が 期 待 さ れ て い る . 針 電 極 に よ る 侵 襲 で の 測 定 で は 診 断 が 可 能[45Jで あ る こ と は 確 認 さ れ て い る が , 非 侵 襲 で の 診 断 が 今 後 の 課 題 で あ る .1
.
2
.
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うそ発見様 人 は 常 に 様 々 な 情 報 を 発 し て い る . 例 え ば 体 温 や 心 電 は 身 体 や 心 臓 の 状 態 を 表 す パ ラ メ ー タ で あ り 身 近 な も の で は 顔 の 表 情 を 読 み と る こ と で 喜 怒 哀 楽 が 分 か る . し か し 前 者 は 定 量 化 可 能 に 対 し , 後 者 は あ く ま で も 定 性 的 に 判 断 し て お り 計 算 機 で は 困 難 な 処 理 で あ る . そ の た め , こ の よ う な 喜 怒 哀 楽 ( 人 の 精 神 活 動 及 び 感 情 の 変 化 を 一 般 に 情 動 と 呼 ん で い る ) を 客 観 的 な 数 値 と し て 定 量 的 な パ ラ メ ー タ で 表 す こ と の 検 討 が 行 わ れ て い る . 情 動 は 直 接 的 で は な い に し ろ 体 の 状 態 に 現 れ て い る . 例 え ば 心 臓 の 鼓 動 , 身 体 の 震 え , ま た 「 手 に 汗 握 るJ と い う 言 葉 が あ る よ う に 精 神 性 発 汗 な ど が あ り , こ れ ら は , 自 律 神 経 系 の 末 梢 の 反 応 を 示 す も の で も あ り , 自 分 の 意 志 で は 制 御 で き な い . そ の 中 の 精 神 性 発 汗 現 象 を 電 気 的 に 測 定 し た 皮 膚 電 気 活 動 (EDA: electrodermal activity)が 取 り 上 げ ら れ て い る . 利 点 は 非 侵 襲 か っ 無 拘 束 で 容 易 に 測 定 で き る こ と で あ る [47]. 皮 膚 イ ン ピ ー ダ ン ス は , 1888年 に フ ラ ン ス の 臨 床 家 Fere.Cに よ り 「 痛 覚1望者 序論 刺 激 に よ っ て 皮 膚 の 電 気 抵 抗 か 減 少 す る 」 こ と の 発 見 に よ り 見 い だ さ れ , そ の 2年 後 , ロ シ ア の 生 理 学 者 Tarchanof
f
.
Jは 皮 膚 電 位 に も 変 化 が 起 こ る こ と を 発 表 し た . そ の 後 数 十 年 間 , 心 電 図 や 脳 破 に く ら べ 研 究 が 進 ま な か っ た も の の , 基 礎 研 究 に よ っ て 反 射 経 路 が 明 確 に な り , 応 用 的 研 究 の 進 歩 に よ っ て 検 査 条 件 の 設 定 方 法 が 工 夫 さ れ , こ れ ま で は 主 観 的 に か っ 大 ま か に し か と ら え ら れ な か っ た 情 動 の あ り 方 を 客 観 的 に , し か も き め 細 か に と ら え る パ ラ メ ー タ と し て 考 え ら れ る よ う に な っ た[50]. そ の 反 射 や 水 準 は3 う そ 発 見 機 に 利 用 さ れ た り , 精 神 障 害 を き た し て い る 人 の 早 期 発 見 や そ の 治 療 に 用 い ら れ て き た . ま た , 最 近 で は 体 力 面 に お い て 限 界 近 く に な っ て い る ス ポ ー ツ に お い て , 心 理 面 の 強 化 の た め に , イ メ ー ジ ト レ ー ニ ン グ に も 用 い ら れ て い る. こ の よ う に3 医 学 , 心 理 学 の 分 野 に お い て は 利 用 さ れ て い る . し か し , 皮 膚 電 気 活 動 の 応 用 が 進 ん で い る 今 日 で も , そ の 発 現 の メ カ ニ ズ ム は 十 分 解 明 さ れ て い な い の が 現 状 で あ る . 1.2.10 皮膚水 分 計 測 皮 膚 科 学 , 化 粧 品 科 学 な ど の 分 野 で 表 皮 角 質 層 の 水 分 情 報 は 非 常 に 重 要 で あ り , 各 種 の 測 定 方 法 が 考 案 さ れ て い る , ま た , 装 置 は 小 型 化 さ れ 携 帯 で き る よ う に な っ て き て い る [48].しかしながら, in vitro(体外)での角質層水 分 測 定 に 関 し て は 信 頼 で き る 方 法 も あ る が , in vivo (生体内)での測定に関 し て は , 定 量 的 な 測 定 は も ち ろ ん , 定 性 的 な い し は 相 対 的 な 測 定 に つ い て も 十 分 満 足 で き る も の は な い の が 現 状 で あ る . 皮 膚 の 電 気 抵 抗 あ る い は 低 周 波 域 で の イ ン ピ ー ダ ン ス を 利 用 す る 方 法 も 提 案 さ れ て い る が こ れ ら は イ オ ン の 影 響 を 非 常 に 大 き く 受 け る と い う 欠 点 を 有 し て い る . こ れ に 対 し , イ オ ン の 影 響 を 受 け 難 い3.5MHz
の 高 周 波 電 流 に よ る 皮 膚 ア ド ミ タ ン ス を 利 用 し た ln VIVO で 使 用 で き る 表 皮 角 質 層 水 分 量 の 測 定 法 が 開 発 さ れ , こ れ に 基 づ い た 測 定 器 が 広 く 用 い ら れ て い る . 1.2.11 蟻 下 活 動 の 検 査 口に食魂を入れると, 1秒 足 ら ず の 問 に 半 ば 無 意 識 的 に 食 魂 は 食 道 に 送 り 込 ま れ る . 暗 記 下 活 動 を 生 理 学 的 に 表 現 す る と , 食 魂 を 口 腔 か ら 咽 頭 へ , そ し て 食 道 へ と 運 ぶ , 能 動 運 動 , 反 射 運 動 , 不 随 意 運 動 が 円 滑 に 連 続 し て 起 こ る 現 象 と い え る . 味 下 活 動 障 害 が 起 こ る と , 人 は 食 の 楽 し み を 奪 わ れ , 食 生 活 や 食 文 化 な ど に 大 き な 影 響 を 受 け る こ と に な り , QOL (Quality of Life) は 大 き く 低 下 す る . こ れ は , 高 齢 化 社 会 を 迎 え た 今 日 , 脳 血 管 障 害 や , 神 経 ・ 10 1章 序 論 筋 変 性 疾 患 に よ る 礁 下 障 害 の 患 者 の 増 加 と し て , 社 会 福 祉 的 な 問 題 と な っ て し、る. 咽 頭 礁 下 活 動 の 新 し い 検 査 法 と し て , 頚 部 の 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス を 測 定 し , イ ン ピ ー ダ ン ス 咽 頭 図 (IPG: Impedance Pharyngography) を 採 用 す る 方 法 が 提 案 さ れ て い る . 1.2.12 阻 血に 伴 う 肝機 能の 検 査 肝 臓 は 血 流 の 豊 富 な 臓 器 で あ り , 完 全 な 阻 血 状 態 に お く と 短 時 間 で 機 能 異 常 や 組 織 破 壊 が 進 行 す る と い わ れ て い る . 従 来 か ら の 肝 の 耐 容 時 間 に 関 し て は 多 く の 実 験 研 究 が な さ れ て お り , 種 に よ り 異 な っ て は い る が 常 温 下 で は , そ の 時 間 は 20'""60分 と さ れ て い る . こ れ ら の 障 害 を 知 る 手 段 と し て , 凍 結 組 織 標 本 に よ る 生 化 学 的 検 査 や 電 子 顕 微 鏡 に よ る 観 察 が な さ れ て き た . し か し , こ れ ら の 方 法 で は 連 続 測 定 や ln VIVO の 測 定 は 不 可 能 で あ る . 一 般 に 生 体 の 電 気 特 性 は 組 織 の 種 に よ っ て 著 し く 異 な る こ と が 知 ら れ て お り , 阻 血 に 伴 う 肝 臓 の 組 織 構 造 の 変 化 や 生 理 学 的 変 化 を 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス 情 報 か ら 推 定 す る こ と の 可 能 性 が 検 討 さ れ て い る . 1.2.13 歩 行 分 析 シ ス テ ム 近 年 , 各 種 の 歩 行 分 析 シ ス テ ム が 作 ら れ て い る が , 研 究 の 場 で は 有 用 で あ っ て も , 装 置 が 大 が か り で あ る と か , 取 扱 い が 繁 雑 で あ る た め , 臨 床 の 場 で 日 常 使 用 す る に は 必 ず し も 十 分 で あ る と は い え な い . 簡 単 な 装 置 で , 被 験 者 の 動 き を 拘 束 す る こ と な く , 手 軽 に 利 用 で き る も の と し て , 下 腿 部 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス に よ る 歩 行 分 析 が 提 案 さ れ , こ れ ま で , 歩 行 に 伴 う 下 腿 部 の 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス の 特 性 に つ い て 検 討 を 行 わ れ て い る [58J [59J. そ の 結 果 , 下 腿 部 イ ン ピ ー ダ ン ス Zは , 主 と し て , 足 関 節 角 度 と 足 関 節 モ ー メ ン ト ( ま た は 床 反 力 ) と に 支 配 さ れ る こ と , 及 び 歩 容 の 特 徴 が Zに よ く 反 映 さ れ る こ と が 明 ら か に な っ て い る . 1.2.14 自 動 血 管 穿 刺 採 血 現 場 で の 人 手 不 足 や 針 刺 し な ど に よ る 感 染 の 問 題 解 消 の た め に , 採 血 を 自 動 化 す る 装 置 の 開 発 が 望 ま れ る . 自 動 採 血 に お け る 針 の 制 御 の た め , 穿 刺 時 に 針 先 に 加 わ る 力 を 計 測 す る 装 置 で の 静 脈 へ の 自 動 穿 刺 の 可 能 性 に つ い て 検 討 さ れ て い る . し か し な が ら 穿 刺 力 波 形 の み の 情 報 で は 血 管 穿 刺 の 成 否 の 確 認 が 不 十 分 で あ り , 静 脈 へ の 穿 刺 で 針 内 に 血 液 が 流 入 す る こ と を 利 用 し 11l章 序 論 2章 生 体 の 電 気 的 特 性 て , 針 内 に 設 置 し た電 極 と 採 血 部 位 周 辺 の 皮 膚 と の 問 の イ ン ピ ー ダ ン ス が 変 化 す る こ と を 針 の 制 御 情 報 と し て 用 い る こ と に よ り 確 実 度 の 向 上 が 期 待 さ れ ている [60].
2
章
生 体 の 電 気 的 特 性
1.2.15 イ ン ピ ー ダ ン ス C T 2. 1 生 体 の 構 造 と 電 気 物 性 一 応用 例 と し て 1 6個 程 度 ま た は そ れ 以 上 の 電 極 が 埋 め 込 ま れ た ベ ル ト を 胸 部 の 周 囲 に 巻 き 付 け , 各 電 極 聞 の 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス を 計 測 し , 心臓 内 の 血 液 量 の 変 化 , す な わ ち イ ン ピ ー ダ ン ス の 変 化 を 検 出 し , 心臓 に 関 連 し た 部分を画像化するもので, M R 1画 像 ほ ど 鮮 明 で は な い が , 心 臓 の 動 き や 血 流 を 比 較 的 簡 便 に , ま た 時 系 列 的 に 見 る こ と が で き る . 計 測 対 象 を 静 脈 に 絞 る と , 血 栓 な ど の 診 断 に 応 用 で き る . 生 体 組 織 に 対 す る 計 測 や 状 態 の 推 定 に つ い て 基 礎 的 研 究 が 十 分 で な く , 生 体 各 部 の 電 気 特 性 を 正確 に 把 握 し , 測 定 す る こ と が 要 求 さ れ る . 他 の 臓 器 や 部 位 に つ い て も 試 み ら れ て い る が , 現 在 の と こ ろ 鮮 明 な 画 像 を 得 る に 至 っ て い な い[61][62] [63]. 神 経 や 筋 な ど が 刺 激 に よ っ て 興 奮 や 収 縮 を 起 こ す よ う な 能 動 的 な 特 性 と , 通 常 の 物 理 化 学 的 な 物 質 の よ う な 受 動 的 な 特 性 に 大 別 さ れ る . 能 動 的 特 性 は 生 体 と し て の 基 本 的 特 性 と し て き わ め て 重 要 で あ り , 受 動 的 特 性 と も 深 い 関 係 が あ る が , こ こ で は , 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス を 測 定 す る と い う こ と か ら 能 動 的 な 特 性 は 省 略 し て 受 動 的 な 特 性 に つ い て の み 述 べ る . 生 体 は 人 工 の 物 体 と 比 較 し て 種 々 の 特 異 な 性 質 を も っ て い る が , こ れ は 生 体 の 構 造 と 密 接 な 関 係 、 が あ る . 生 体 の 構 造 と い っ て も い ろ い ろ な レ ベ ル で 考 え ら れ る . 電 気 特 性 を 考 え る 場 合 に は 原 子 レ ベ ル の 構 造 や 組 成 は あ ま り 問 題 と な ら ず , 分 子 レ ベ ル 以 上 で 考 え れ ば よ い . 分 子 レ ベ ル 以 上 で 考 え て も , 分 子 → 小 器 官 → 細 胞 → 組 織 → 器 官 → 個 体 と 種 々 の レ ベ ル が あ る が , 細 胞 ま で の レ ベ ル と 組 織 レ ベ ル に 大 別 し て 考 え る こ と が で き る . 細 胞 は , 種 類 に よ っ て 形 状 , 構 造 が 異 な り , そ れ ぞ れ に 複 雑 に 構 成 さ れ て い る が , 電 気 的 特 性 を 考 え る 場 合 に は , 図 2.1.1に 示 す よ う な 半 流 動 性 の 電 解 液 ( 細 胞 内 液 ) が 形 質 膜 に 包 ま れ た も の と 考 え て よ い[17].日
日
門
z
z
~ ~ ~
:
:
:
l
脂 質 二 重 層 細 胞 内 液 図 2.1.1 細 胞 の 構 造 図 2.1.2 形 質 膜 の 構 造 形質膜は, 2層 の 脂 質 分 子 を は さ ん で 両 側 に タ ン パ ク 質 の 層 が 付 着 し て い る と 考 え ら れ ( 三 層 構 造 説 , 図 2.1.2), 厚 さ は ど の 細 胞 で も ほ ぼ 等 し く 10 [nmJ程 度 で あ り 電 気 的 に は 抵 抗 率 誘 電 率 と も に 大 き い . 形 質 膜 の 抵 抗 は, 500'" 10000 [Q / cm2J
静 電 容 量 は , 通 常 1 [μF / cm2J
程 度 で あ る が 筋 細 胞 の よ う に 10[μF / cm2J
以 上 の も の も あ る . 細 胞 内 液 は , 種 々 の 小2章 生 体 の 電 気 的 特 性 器 官 を 含 み , 複 雑 な 組 成 を し て い る が , 受 動 的 特 性 を 考 え る 場 合 は 電 解 液 と 考 え る こ と が で き る . 抵 抗 率 は , 温 度 に 強 く 依 存 す る が , 神 経 細 胞 で 30"-'60 [ Q cmJ, 赤 血 球 で 150[Q . cmJ (37oc), 筋 細 胞 で 200"-'300 [Q. cmJ ,皮 膚 な ど で は さ ら に 大 き く な る よ う で あ る . 比 誘 電 率 は 水 に 近 く 50"-'80であ る . 細 胞 の 形 状 , 大 き さ は , 神 経 細 胞 や 筋 細 胞 の よ う に 細 長 い も の や , 赤 血 球 の よ う な 円 盤 状 の も の ま で あ る . 細 胞 は 外 側 を 細 胞 外 液 に 囲 ま れ て い る . 細 胞 外 液 は , 間 質 液 と 血 し よ う で あ り 3 両 者 の 電 解 質 組 成 は 類 似 し て い る . し か し , 細 胞 内 液 と 細 胞 外 液 の 組 成 は 形 質 膜 の 作 用 で 著 し く 異 な る . 血 し ょ う の 電 気 的 特 性 は 抵 抗 率 が 約 66[Q・cmJ (37oc) 比 誘 電 率 が 約 70であ り , ま た 間 質 液 の 特 性 は 測 定 が 困 難 で あ る が , 抵 抗 率 は 20'"'-'100
[Q
.cmJ と 考 え ら れ て い る . 体 内 の 水 分 量 は , ヒ ト で 体 重 の 60%で あ る が , そ の う ち 40%は細胞内液, 15% が間質液, 5%が 血 し ょ う の 水 分 で あ る . 血 管 組 織 の 構 成 は 各 表皮 臓器によって異なるが, 一 例 と し て 皮膚 か ら 筋 ま で の 略 図 を 図 2.1.3 に 示 す . 表 皮 は 線 維 に 富 み 細 胞 が 密 に 並 ん で い て 水 や 電 解 液 な ど は 通過できない.また, 間 質 液 も 血 管 も な い の で 電 気 的 に は 抵 抗 率 が 著 し く 高 い . 真 皮 で は 血 管 が 皮 膚 と 平 行 に 走 り , こ れ か ら 直 角 に 表 皮 の た め の 血 管 が 分 岐 し て お り , 皮 下 組 織 は 脂 肪 に 富 ん で い る . 真皮 筋など 皮膚表面 図 2.1.3 層 状 の 各 組 織 こ の よ う に , 生 体 は , 細 胞 レ ベ ル で も 組 織 レ ベ ル で も 不 均 ー で あ り , さ ら に 電 解 液 及 び 生 体 高 分 子 で 構 成 さ れ て お り , 以 下 の よ う な 特 異 性 を 示 す . 1 ) 異 方 性 細 胞 は , 形 質 膜 と 他 の 部 分 と の 電 気 的 特 性 が 著 し く 異 な る た め , 細 胞 の 形 の 違 い に よ り 電 気 的 異 方 性 を 示 す . ま た 組 織 は 種 類 に よ り 電 気 特 性 が 異 な る の で , 各 組 織 の 構 成 の 仕 方 に よ り 異 方 性 を 示 す . 2 ) 非 線 形1
4
2章 生体の電気的特性 電 解 液 と 生 体 膜 は , そ れ 自 体 電 気 化 学 的 に 非 線 形 特 性 を 持 つ こ と に 起 因 す る が , 実 験 結 果 に よ る と , 電 流 密 度 が 1 [mA/ cm2J以 下 で あ れ ば 生 体 の 電 気 的 特 性 は 線 形 と 考 え て よ い . 3 ) 周 波 数 依 存 性 組 織 構 造 , 分 子 構 造 , イ オ ン な ど の 動 き に よ る も の で , 周 波 数 の 違 い に よ り 生 体 の 電 気 特 性 が 変 化 す る4
) 温 度 依 存 性 生 体 の 主 成 分 が 電 解 質 で あ る こ と に よ る . 5 ) 切 除 組 織 の 経 時 変 化 切 除 し た 組 織 は 血 液 量 の 変 化 , 温 度 変 化 , 形 質 膜 の 破 壊 な ど に よ り 切 除 前 と は 異 な っ た 電 気 特 性 を 示 す . 2. 2 生 体 の 電 気 特 性 生 体 の 電 気 特 性 は , 組 織 ( ま た は 臓 器 ) の 種 類 に よ っ て 著 し く 異 な る の で , こ れ を 利 用 し て 種 々 の 生 体 計 測 や 制 御 が 可 能 で あ る . MBEの 多 く の 分 野 と 直 接 的 ま た は 間 接 的 に 関 連 を 持 っ て い る . 特 に , 本 稿 で 述 べ る 電 気 生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス を 利 用 し た 生 体 計 測 に は 直 接 的 に 関 係 す る . 生 体 の よ う に 不 均 一 な , ま た は 異 な る 組 織 の 場 合 は , 全 体 と し て の 電 気 特 性 は 周 波 数 に よ っ て 変 化 す る . 周 波 数 の 低 い 場 合 に は一 方 の 電 気 特 性 ( 形 質 膜 ) が 支 配 的 と な り , 高 い 周 波 数 で は 他 方 の 電 気 特 性 ( 細 胞 内 液 ) が 支 配 的 と な り , 中 間 で は 一 方 か ら 他 方 へ 移 行 す る . こ の よ う に 周 波 数 に よ っ て 特 性 が 変 化 す る こ と を 分 散 とF呼 ぶ . ま た , 静 電 容 量 を 含 む 回 路 に 直 流 の 電 圧 を 急 に 加 え た 場 合 , 流 れ る 電 流 は 過 渡 的 に 変 化 し 徐 々 に 一 定 の 値 に 近 づ く の で , こ の よ う な 現 象 を 緩 和 現 象 と 呼 ぶ . 一 般 に , 生 体 で は 図 2.2.1の よ う に 3つ の 分 散 ( 周 波 数 の 低 い 順 に α,s, γ分 散 ) を 示 し , 単 純 な 特 性 を 示 さ な し ¥[1] . α分 散 は 非 常 に 低 い 周 波 数 (1kHz以 下 ) で 起 こ る 分 散 な の で 非 常 に 周 期 の 長 い 緩 和 現 象 に よ る も の と 考 え ら れ る . そ の 原 因 と し て , 形 質 膜 イ オ ン の 透 過 率 の 変 化 , 形 質 膜 の三層 構 造 , イ オ ン の 雰 囲 気 の 3つが考えられるが, ど れ が 支 配 で あ る か は 不 明 な と こ ろ が 多 い . 。 分 散 は , 組 織 構 造 に 関 係 し , 主 に 細 胞 レ ベ ノ レ の 緩 和 現 象 に よ る も の で あ る . 特 に 血 液 な ど の 水 分 の 多 い 組 織 で,s
分 散 以 上 の 周 波 数 に お い て 水 と よ く 似 た 特 性 を 示 す こ と か ら , 水 分 子 の 分 極 に よ る 緩 和 現 象 に よ る と 考 え ら れ る. また, 3つ の 周 波 数 に 対 す る お お よ そ の 導 電 率 及 び 比 誘 電率 を , 表 2.2.1 に示す. 15106 105 104 U
8
'
103 102 10 特 性 導 伝 率 σ [mS/cm] 非 誘 電 率 E r 2章 生 体 の 電 気 的 特 性 104 103 2 日 10ど
(/) E l-...J 10 b 18
'
0.1 10 10L 10" 10守 10" 10 u 10' 10 ロ 109 10'0 10" 109f [Hz] 図 2.2.1 生 体 組 織 の 分 散 表 2.2.1 生 体 組 織 の 電 気 特 性 の 例 組 織 ¥ 周 波 数 10 [kHz] 10 [MHz] 10 [GHz] 骨 格 筋 1.3 5 10 脂 肪 0.3 0.5 1 肝 臓 1.5 4 10 血 液 5.0 20 20 骨 格 筋 6 X 104 102 50 脂 肪 2 X 104 40 6 肝 臓 6 X 104 2 X 102 50 血 液 1 X 104 102 50 2章 生体の電気的特性 2.2.1 周 波 数 特 性 周 波 数 特 性 に つ い て は , 主 に 構 造 分 散 (s
分 散[16]) の 周 波 数 付 近 で 理 論 解 析 及 び 実 測 が 行 わ れ て い る [51]. 。 分 散 の 周 波 数 は , 図 2.2.1に一例 を 示 す よ う に , 筋 肉 で 数 10kHz,肺で 200kHz付近, 血 液 で 3MHz付 近 と 考 え られる. 。 分 散 以 下 の 周 波 数 で は , 細 胞 膜 の 影 響 でインピーダンスは高く,O
分 散 以 上 の 周 波 数 で は 細胞膜の影響は少なく, イ ン ピ ー ダ ン ス は 著 し く 低 下 す る . 従 っ て 目 的 に 適 し た 周 波 数 を 選 定 す る こ と が 必 要 で あ る . 各 緩 手口現象によぎる分散は前 200 言 tJ100.
α500 L・...l 悌 認単 200 100 50 10 20 肺 骨格筋 50 1 002~,...~22~1.9.q_9 *090 500010000 周波数特性[kHzJ 図 2.2.1抵 抗 率 の 周 波 数 特 性 の 例 節 と 同 様 に 解 析 で き る の で , こ こ で は 緩 和 の 原 因 に つ い て だ け 説 明 し て お く . 1 ) α分 散 こ れ は 非 常 に 低 い 周 波 数 (1kHz以 下 ) で 起 こ る 分 散 な の で , 非 常 に 遅 い 緩 和 現 象 に 起 因 す る と 考 え て よ い . こ の よ う な 緩 和 現 象 に つ い て は ま だ 不 明 確 な 点 が 多 い が 下 記 の 三 種 が 考 え ら れ る . a) 形 質 膜 の イ オ ン 透 過 率 の 変 化 明 確 に は 解 明 さ れ て い な い が , イ オ ン が 膜 の 小 孔 を 通 し て 透 過 す る と き , 電 界 の 印 加 に よ り 小 孔 が 徐 々 に 開 閉 す る と 考 え る と , 膜 の コ ン ダ ク タ ソ ス が 時 間 と と も に 変 動 す る こ と が 考 え ら れ る . b) 形 質 膜 の 二 層 構 造 形 質 膜 は 均 質 で , 電 気 特 性 は 導 電 率 。 と 誘 電 率 εで 表 現 で き る と し て き た が , 実 際 に は 前 述 し た よ う に 二 層 の 脂 肪 層 の 両 側 に た ん ぱ く 層 が 付 着 し て い る の で あ る か ら 電 気 特 性 を 考 え る 場 合 に は , 蛋 白 層 と 脂 肪 層 の二層 構 造 と 考 え る べ き で あ る . 二 層 構 造 の 緩 和 は 前 述 し た が , こ の 場 合 は 緩 和 時 聞 が 非 常 に 長 い と 考 え ら れ る . c) イ オ ン 雰 囲 気 細 胞 が 荷 電 し , 周 囲 に イ オ ン 雰 囲 気 が で き る と , 電 界 に よ り 細 胞 の 荷 電 中 心 と イ オ ン 雰 囲 気 の 荷 電 中 心 が ず れ て 電 気 双 極 子 と な り , 非 常 に 大 き な 誘 電 率 を 示 す が , イ オ ン 雰 囲 気 の 移 動 は 流 れ に よ る と し て も 細 胞 の 表 面 コ ン ダ ク2章 生体の電気的特性 タ ン ス に よ る と し て も 非 常 に 遅 い の で , 時 定 数 ( 緩 和 時 間 ) の 長 い 緩 和 現 象 を示す. 以 上 の 理 由 が 考 え ら れ る が , ど れ が 支 配 的 で あ る か な ど に つ い て は ま だ 不 明 の 点 が 多 く , 今 後 の 研 究 が 待 た れ る .
2)
s
分 散 構 造 的 な も の で 主 に 前 述 し た 細 胞 レ ベ ル の 緩 和 現 象 に よ る も の と 考 え ら れる. 3 ) γ分 散 血 液 な ど 水 分 の 多 い 組 織 は,s
分 散 以 上 の 周 波 数 で は 比 誘 電 率 が5
0
"
'
-
'
8
0
程 度 と な る . こ れ は 図 2.1.1の モ デ ル か ら も わ か る よ う に 細 胞 内 液 ( と く に 水 ) の 性 質 と 考 え ら れ る . したがって8
分 散 以 上 の 周 波 数 で は 水 と 類 似 の 特 性を示し,20GHz
付 近 で γ分 散 を 起 こ す が , こ れ は 水 分 子 の 分 極 の 緩 和 現 象 に よ る も の と 考 え ら れ る . 高 い 周 波 数 領 域 の 生 体 電 気 特 性 は ハ イ パ サ ー ミ ア と 関 連 し て 急 速 に 進 歩 し た . こ れ ら の 結 果 は マ イ ク ロ 波 に よ る 生 体 計 測[65]や マ イ ク ロ 波 C Tに利 用 さ れ る こ と が 期 待 さ れ て い る . 2.2.2 電 気 奥 方 性 生 体 は 測 定 す る 方 向 に よ っ て 電 気 特 性 が 異 な る 場 合 が 多 い . こ の よ う な 異 方 性 が 生 ず る 原 因 と し て は 下 記 が 考 え ら れ る . 1 ) 細 胞 レ ベ ル で 考 え て , 細 胞 の 形 が 扇 平 で あ っ た り 細 長 か っ た り す る と , 方 向 に よ り 形 質 膜 の 影 響 や 電 流 の 方 向 に 絶 縁 物 が あ る と 絶 縁 物 の 上 下 に 陰 が で き , 大 き さ や 角 度 に よ り 陰 の 影 響 が 異 な る の で , 電 気 特 性 も 方 向 に よ っ て 異 な る . 骨 格 筋 や 流 れ て い る 血 液 な ど は 代 表 的 な 例 で あ る .2
) 2
種 の 組 織 が 層 状 に 重 な っ た 場 合 も , 方 向 に よ っ て , 直 列 ま た は 並 列 に 近 く な る の で 電 気 特 性 が 変 化 す る . 皮 膚 な ど は こ の 例 で あ る . 3 ) 生 体 組 織 の 中 で は 血 液 が 他 の 組 織 よ り 著 し く 導 電 率 が 高 い ( 表 2.2. 1 参 照 ) の で , 太 い 血 管 が あ る 場 合 , 血 管 方 向 と 血 管 に 直 角 方 向 で は 電 気 特 性 が 異 な り , ま た , 血 流 に よ る 血 液 の 抵 抗 変 化 の 影 響 が 大 き い こ と が 分 か る . 2.2.3 生 体 の 電 気 特 性 の 温 度 依 存 性 生 体 で は 電 解 液 と 形 質 膜 が 電 気 特 性 を 支 配 す る こ と は す で に 述 べ た . 周 波 数 に よ っ て 形 質 膜 が 支 配 的 な 場 合 ( 低 周 波 ) と 細 胞 内 液 ・ 外 液 が 支 配 的 な 場 合 ( 高 い 周 波 数 ) が あ る . も し 電 解 液 ( 細 胞 内 ・ 外 液 ) が 支 配 的 で あ れ ば , 電 気 特 性 の 温 度 係 数 も 電 解 液 と 等 し く な る と 思 わ れ る .0.90/0の 食 塩 水 の 温 度 18 2章 生 体の電気的特性 係 数 は 10 C当 り , 導 電 率 で 約 2%, 比 誘 電 率 で 約 一0.4%で あ る . 生 体 組 織 も , 電 解 液 が 支 配 的 と な る よ う な 周 波 数 (s
分 散 の 周 波 数 以 上 ) で は 導 電 率 の 温 度 係 数 は 0.901
0
食 塩 水 の 値 に 近 い (1----2.5010/
0 C). 温 度 係 数 は 形 質 膜 の 誘 電 率 や 電 解 液 の 導 電 率 と 比 誘 電 率 な ど の 温 度 依 存 性 の 影 響 を 受 け る が , 比 誘 電 率 は8
分 散 の 影 響 を 比 較 的 高 い 周 波 数 ま で 受 け る の で , 比 誘 電 率 の 温 度 係 数 も 比 較 的 高 い 周 波 数 ま で 変 動 す る . 2.2.4 切 除 組 織 の 経 時 変 化 組 織 を 切 除 す る と い ろ い ろ な 原 因 で 電 気 特 性 が 切 除 前 と 異 な っ た 値 に な る . 原 因 は 下 記 が 考 え ら れ る . 1 ) 切 除 に あ た っ て 出 血 に よ り 組 織 内 の 血 液 量 ( し た が っ て 細 胞 外 液 量 ) が 変化する. 2 ) 血 液 の 導 電 率 は 非 常 に 高 い の で 脱 血 に よ り 導 電 率 が 減 少 す る . 3 ) 温 度 変 化 の 影 響 が あ る . 4 ) 形 質 膜 が 破 壊 さ れ る . 形 質 膜 の 特 性 は 細 胞 内 外 の イ オ ン の 差 に よ り 保 た れ て い る と 考 え ら れ る の で , 形 質 膜 が 著 し く 損 傷 す る と 異 方 性 も 含 め て 形 質 膜 の 特 性 が 失 わ れ て し ま う な ど , 組 織 を 切 除 す る と 組 織 は 生 を 維 持 で き な く な る の で , 時 間 経 過 と と も に 徐 々 に 特 性 が 変 化 す る . 193章 生体イ ン ピ ー ダ ン ス の測定 3章 生体インピーダンスの測 定
3
章
生 体 イ ン ピ ー ダ ン ス の 測 定
非 侵 襲 計 測 法の 1つ で あ る 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス 法 は 心 拍 出 量 , 血 行 動 態 , 腫 蕩 , 体 内 水 分 量 な ど の 計 測 に 利 用 で き る . し か し , 生 体 の 電 気 的 特 性 が 十 分 解 明 さ れ て い な い た め , 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス 法 に よ り 体 表 で 測 定 さ れ た 信 号 と体 内 の 状 態 の 関 係 を 解 析 す る の が 難 し い な ど の 理 由 で , 実 用 化 に い く つ かの難 点 が 残 さ れ て い る . こ こ で は , 基 本 的 な 測 定 方 法 に つ い て 述 べ る . 組 織 の 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス の 測 定 は in vivo ( 生 体 内 ) で 行 う 場 合 と 切 除 し て 行 う 場 合 が あ る . 前 者 の 場 合 で も , 開 腹 , 開 胸 な ど を 行 っ て 測 定 す る 場 合 は , 体 温 の 低 下 , 生 理 学 的 変 化 の 影 響 が あ る . 後 者 の 場 合 は 出 血 に よ る 組 織 内 の 血 液 量 の 変 化 , 温 度 の 変 化 , 形 質 膜 の 破 壊 な ど が あ る . 生 体 組 織 は , 前 述 し た よ う に 周 波 数 依 存 性 , 異 方 性 , 温 度 依 存 性 及 び 切 除 組 織 の 経 時 変 化 な ど 特 異 性 を 示 す . そ の 他 に , 生 体 は 種 々 の 刺 激 に 対 し て 能 動 的 に 興 奮 ・ 収 縮 な ど を 起 こ す の で , 強 い 非 線 形 性 を 示 す , ま た 能 動 的 な 動 作 を 除 い て も 電 解 液 と 生 体 膜 は 電 気 化 学 的 に 非 線 形 特 性 を 持 つ が , こ れ ま で の 報 告 で は 電 流 密 度 が 1mA/ cm2以 下 で あ れ ば 生 体 の 電 気 特 性 は 線 形 と 考 え て よし叩1J[16Jと さ れ て い る の で こ こ で は 線 形 と し て 取 り 扱 う . 測 定 周 波 数 , 測 定 の 方 向 , 測 定 温 度 , 切 除 後 の 時 間 , 測 定 電 流 の 大 き さ な ど に 強 い 影 響 を 受 け る の で , 測 定 に あ た っ て は こ れ ら の 点 に 十 分 留 意 し な け れ ば な ら な い . ま た , 測 定 に あ た っ て は 測 定 方 式 や 電 極 構 成 な ど も 非 常 に 重 要 で あ る . 生 体 は 複 雑 な 構 成 を し て い る の で 測 定 部 位 に 応 じ て 測 定 方 法 に 工 夫 が 必 要 で あ る . 3. 1 正 弦 波 応 答 法 簡 便 な 測 定 方 法 で あ り , 特 に , 特 定 の 周 波 数 に 対 す る 応 答 を 測 定 す る 場 合 に は一般 的 に よ く 使 わ れ て い る . 後 述 の 4電 極 法 で 使 用 す る 場 合 , 電 流 電 極 に は 正 弦 波 を 周 波 数 お お よ そ 300Hzから 200kHzで sweepさせた 定 電 流(50μA程度)を流し,中央の 2つ の 電 圧 電 極 で そ の 電 圧 差 を 測 定 し , 測 定 部 位 の イ ン ピ ー ダ ン ス を 求 め る . 周 波 数 特 性 を 測 定 す る 場 合 , 複 数 の 周 波 数 で sweepするため,後 述 の パ ル ス 応 答 法 に 比 べ て , 微 量 で あ る が 残 留 す る 電 荷 や 発 熱の影 響 を 受 け や す い . 図 3.1.1に 測 定 ブ ロ ッ ク 図 の一例を示す. 3. 2 パ ル ス 応 答 法 イ ン ピ ー ダ ン ス を 求 め る た め に は , あ ら ゆ る 周 波 数 に お け る 電 流 ・ 電 圧 に つ い て の 振 幅 及 び 位 相 を 測 定 す る 必 要 が あ る . よ っ て , た く さ ん の 周 波 数 成 分 を 持 っ て い る パ ル ス を 用 い れ ば,短 時 間 で 測 定 が 行 わ れ る . こ れ がパルス 応 答 法 で あ る . パ ル ス 応 答 法 で 用 い ら れ る 関 数 は , い く つ か 存 在 す る が そ の 中 で デ ィ ジ タ ル 通 信 に よ く 使 用 さ れ る 式 (3.1.1) の パ ル ス が一般 的 に 用 い ら れ て い る . si
n
n-(t -2r)/τcosβ(t-2r)/τ i(f)=fm . ヲ フ 7 ' (0壬t壬4r) m n-(t -2 r) / r 1・4βL(t-2rY
-
/rL = 0 (その他) 、、 , , J 噌 E E -噌E E A 4‘ J 〆 , . 1、 ただし,1m
は電流ピーク値, て は パ ル ス 幅 を 変 化 さ せ る パ ラ メ ー タ で あ り , 実 際 に 使 用 す る パ ル ス 波 形 はs
=0.5,て =2.5[μSJ
の パ ラ メ ー タ を 保 ち, 0三五 t三三 4 て の 範 囲 で 時 間 制 限 し た も の で あ る ( 以 下 RCSP[RaisedCosine Spectrum Pulse]と呼ぶ).この RCSPの 波 形 I(t)と 周 波 数 ス ペ ク ト ル
I(ω)を図 3.2.1,図 3.2.2に 示 す . 周 波 数 fは τで 無 次 元 化 し て い る . ス ペ ク ト ル 成 分 が 初 め て 0になる周波数は, 300 [kHzJ であり, 200 [kHzJ程 度 ま で の イ ン ピ ー ダ ン ス 計 測 に は 十 分 な 帯 域 を 有 し て い る . ここで,印加パノレス電流を i (t), 応 答 電 圧 を v (t) と し , そ れ そ れ の フ ー リ エ 変 換 を 1 (ω),
v
(ω) で 表 せ ば , イ ン ピ ー ダ ン スz
(ω) は,z
(ω)=
v
(ω) / 1 (ω) Personal Computer と し て 表 さ れ る . す な わ ち イ ン ピ ー ダ ン ス は , 応 答 電 圧 の フ ー リ エ 変 換 を 印 加 パ ル ス 電 流 の フ ー リ エ 変 換 で 割 る こ と に よ り 算 出 で き る . こ こ で フ ー リ エ 変 換 に は , 演 算 速 度 が 速 く , RCSP波 形 の 変 換 に お い て 振 幅 精 度 , 位 相 精 度 が 良 好 な Simpsonの 1/3公 式 を 用 い る . こ れ ら の 計 算 フ ロ ー を 図 3.2.3に 示す. 複 数 回 連 続 し て 測 定 す る 場 合 は , 交 互 に 正 負 の 電 流 を 供 給 し , 残 留 電 荷 の 影 響 を 除 去 し て い る . 定 電 波 電 極 + 定電波電極一 電圧電極+,一 図 3.1.1 正 弦 波 応 答 ・ 4電 極 法 の ブ ロ ッ ク 図 の 一 例 他 に , ス テ ッ プ 応 答 法[23][24]が あ る が , 本 稿 で は 省 略 す る .1.0
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3章 生体インピーダンスの測定 E ド . .. 、一
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