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自主流通米の価格形成と計画外流通米との競争

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Academic year: 2021

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(1)

自主流通米の価格形成と計画外流通米との競争

著者

薬師寺 哲郎

雑誌名

農林水産政策研究

3

ページ

1-21

発行年

2002-12-06

URL

http://doi.org/10.34444/00000111

Copyright (C) 農林水産省 農林水産政策研究所 Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries, Japan

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1。はじめに

薬 師 寺 哲 郎

要   旨 ミニマムアクセスの運用に限定され,流通の主体 は自主流通米が担うことが期待されることとな り,その価格が関係者に対するシグナルとして重 要な役割を果たすこととなった。  このような中で,シグナルとしての価格が(財) 自主流通米価格形成センター(以下「自主米セン ター」という。)においてどのように形成されてい るか,そして,そのシグナルに対して生産者,卸 売業者等の流通業者,消費者がどのように反応し ているかを明らかにすることは,システム運行の 実態を明らかにする上で重要な意味を持つ。本稿 は,このうち卸売業者の反応を明らかにすること により,このような課題に接近しようとするもの であるが,その際,以下の点に留意することとし たい。 1− 研究ノート

自主流通米の価格形成と計画外流通米との競争

 食糧法施行後6年間を振り返って,自主流通米の価格形成と卸売業者の価格に対する反応,経済 連等のとり得た対応を検討した。  自主流通米の価格は,9年産までは入札における値幅制限の下限価格によりほぼ決まっていたが, 10年産以降,需給要因がより大きく影響する方向での価格形成の弾力化が進んだ。銘柄別にみて も,生産量が相対的に他よりも増加したものは,相対的な価格が低下するようになった。  しかしながら,自主流通米価格を計画外流通米との競争の観点からみると,値幅制限の撤廃と同 時に設けられた希望価格申出制の下で,実勢より高い希望価格水準は,計画外流通米との価格競争 力を弱めた。  実際,卸売業者による自主流通米の仕入需要は,自主流通米価格のほか計画外流通米価格の影響 を強く受けており,計画外流通米の流通量の増加の下で,計画外流通米との競合度合が高まった。  希望価格申出制の下では,自主流通米入札における経済連等の売り手が,生産者価格に対する悪 影響を懸念して実勢価格以上の価格を申し出る誘因となる。確かに生産者による出荷段階のみに着 目すると,流通価格の低下は生産者価格の低下をもたらし,その限りでは計画外流通米の出荷が増 える。しかし,逆に流通業者の仕入段階では,自主流通米の仕入需要の増加をもたらす。すなわち, 食糧法の下で自主流通米の地位を維持しようとすれば,売り手である経済連等が,生産者段階,流 通業者段階双方を考慮した対応をとることが必要だったのであり,実勢をより反映した希望価格水 準と流通コストの低減によって,自主流通米販売量と生産者手取額の双方の増加が可能であったは ずである。  平成7年11月に施行された食糧法(「主要食糧 の需給及び価格の安定に関する法律」)では,① 全体需給の調整,②自主流通米を主体とした流 通,③規制緩和による流通の合理化,④需給実勢 が的確に反映される価格形成の4点を骨格として 制度が構築された。  旧食糧管理法の下では,政府米の価格設定と生 産調整による供給管理といういわば価格と数量の 双方に対して政府が関与しており,流通量が増大 した自主流通米の価格も政府が買い上げる政府米 の価格によって支えられたものであった。これに 対し,食糧法では,政府米の役割は備蓄の運営や

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 まず,食糧法の施行当初は,部分的な修正は あったものの,旧食糧管理法の下での仕組み・運 用が多く踏襲されたことである(1)。 このような運 用が転機を迎えたのは「新たな米政策大綱」〔13〕 に基づく仕組み・運用の見直しが行われてからで ある(2)。自主米センターにおける自主流通米の入 札の仕組みについても,食糧法になってから(7 年産から),値幅制限の上下限価格を一定の条件 の下で調整する仕組みが設けられたものの,値幅 制限自体は存続した。「新たな米政策大綱」に沿っ て,値幅制限が撤廃され,より市場実勢を反映し た価格形成のしくみが指向されるようになったの は10年産からである。  また,食管法から食糧法に移行して,流通の主 体が自主流通米に移行したとは言うものの,他方 で計画外流通米が着実に増加してきていることに 注意を払う必要かおる。その増加は自主流通米を 主体とした流通という食糧法の骨格の一つを揺る がしかねない状況となっている。食糧法の下で自 主流通米は計画外流通米との競争にさらされるこ ととなった。  本稿は,以上のような状況を踏まえた上で,米 のフードシステムを構成する主体であり,価格形 成と流通に重要な役割を担う,売り手である経済 連等と買い手である卸売業者に焦点を当て,食糧 法施行後の6年間を振り返って,自主流通米の価 格形成要因,卸売業者の価格に対する反応,これ を前提とした経済連等のとり得た対応を明らかに することである。米に関しては,これまで生産者, 消費者については様々な分析が行われているが, 両者を結ぶ川中の流通業者については,データの 制約もあり,ほとんど数量的分析が行われていな いのが現状である。本稿では,この川中の部分に 焦点を当てる。  本稿の構成は以下の通りである。まず,2.で自 主流通米価格がどのような要因で形成されてきた のかを,値幅制限撤廃前後での変化に留意しつつ 検討する。 3.では,流通量が増大している計画外 流通米との価格関係の要因を検討するが,値幅制 限の撤廃に替わって10年産から導入された希望 価格申出制の影響にポイントをしぼる。 4.は,自 主流通米の買い手側からの分析である。卸売業者 による自主流通米仕入需要の自主流通米価格,計 国外流通米価格双方に対する反応を中心に分析す る。 5.では,自主流通米価格と計画外流通米価格 の相互関連を考慮に入れた上で,自主流通米価格 の変化が卸売業者によるその仕入需要量にどのよ うに影響するかを検討する。あわせて自主流通米 の流通コストの変化の影響も検討し,希望価格申 出制の下で売り手側の経済連等がとり得た対応を 検討する。 注(1)佐伯〔4〕は,「食糧法制定直後,食糧法は旧食管法の   部分的な手直しにすぎず,その意味では旧食管システ   ムの連続であるという理解が,生産者,農協関係者はむ   ろんのこと,末端の食糧行政担当者の間にも広くみら   れた。」と指摘している。  (2)「新たな米政策大綱」は,生産調整,稲作経営安定対   策,計画流通制度の運営改善など多岐に渡るが,ここで   は備蓄運営のルール化にのみ触れておく。これは,政府   米の買入れについて,政府米の販売が計画末達となっ   た場合には計画数量から販売末達数量を差し引いた数   量とするというものである。すなわち,売れなかった分   は買わないということで,需給ひっ迫に備えて一定量   の在庫を持つという備蓄の本来の目的に沿ったものと   言える。食糧法発足時から9年産までは,依然として   100万トンを超える政府買入れが行われており,政府買   入れによりある程度の価格の下支えの機能を存続させ   ていたが(しかし,在庫が積み上がることによってその   後の市況を圧迫する要因になったが),このルールに   よって政府米の価格下支え機能はなくなった。佐伯〔5〕   も同様の認識にたつ。

2。自主流通米価格の形成要因

 (1)自主流通米の流通と入札取引  自主流通米は,制度上は様々なチャネルが可能 であるが,基本的には,生産者→第1種登録出荷 取扱業者(農協等)→第2種登録出荷取扱業者 (経済連等)→自主流通法人(全農等)→卸売業 者→小売業者→消費者というチャネルで流通す る。以下に述べる入札取引など,自主流通法人は 経ないで経済連等から卸売業者に販売されること が多い。このうち,生産者から自主流通法人まで は売渡しと委託の両方が可能であるが実態は販売 の委託である。本稿では,第1種登録出荷取扱業 者から自主流通法人までを「出荷団体」と呼ぶこ ととする。このチャネルの中で,出荷団体と卸売 業者の間の取引は入札取引と相対取引によって行 われており,現在ほぼ3分の1が入札取引であ 2−

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る。  自主流通米の入札には,売り手として第2種登 録出荷取扱業者,第1種登録出荷取扱業者(9年 産から),買い手として卸売業者,卸売業者の県団 体,玄米買受見込数量が年間4千トン以上の小売 業者(9年産から)が参加可能であるが,実態は売 り手は第2種出荷取扱業者(経済連等),買い手は ほとんどが卸売業者である。入札においては,9 年産までは,予め銘柄ごとに前年産の指標価格 (平均落札価格)を基準にした基準価格を定め(9 年産は前年産の最終3回の加重平均を基準),年 間値幅制限をその±1% (9年産は±10%,また一 定の条件下で値幅拡大)としていた。これに代わ り,10年産からは,次のような方式に移行した 〔9〕。  ① 売り手は,希望価格の申出を行うことがで   きる(前年産最終3回の平均指標価格を超え   ないこと)。  ② 買い手は,1銘柄につき2つの値札を入れ   ることができる。  ③ 希望価格の申出があったときは平均落札価   格が希望価格と一致するところまで落札。  他方,相対取引は,事前年間相対取引,期別相 対取引,スポット取引によって行われるが,ス ポット取引を除き,計画的に販売数量を提示し, それに対して卸売業者が買受申込を行う方法で取 引が行われている。スポット取引においては,数 量の提示なしに,買受申込に応じて販売されてい る。いずれの場合も,販売価格は,入札取引にお いて形成される価格が指標として用いられてい る。  (2)自主流通米価格の推移  自主流通米価格の価格形成要因の分析に入る前 に,これがどのように推移してきたかを概観して おく。第1図は,平成7年産から12年産までの自 主流通米価格とこれに関連すると考えられる自主 流通米販売量および卸売業者月末在庫量の月別の データの推移である。価格データとしては計画外 流通米の価格も併せて掲げてある。自主流通米価 格は自主米センターにおける落札価格の魚沼コシ ヒカリを除いた加重平均(落札量ウェイト)(1),計 画外流通米価格は,日経(1等,仲間,包装込み, 3 持ち込み渡し,東京)の加重平均(生産量のとれ るものについての生産量ウェイト)である。自主 流通米は包装費,運賃を含まないのに対し,日経 は包装費,東京までの運賃を含むので,価格差の 絶対値ではなく,両者の相対関係の推移を見るに とどめる必要かおる。概してこれらの価格は同じ 動きをしているが,10年産の出回り当初(8, 9 月)および11年産で大きな乖離がみられる。 ま た,概して価格上昇局面では自主米が先行して上 昇し,逆に下降局面では計画外米が先行して下降 するという傾向がうかがえる。  自主流通米価格は各年産について8月∼翌年7 月で区切ってあるが,それぞれの12ヶ月の間に も価格変動かおることがわかる。これを類型化す れば,①横這い(7年産),②上昇→下降(8年 産,10年産),③下降→上昇(9年産,12年産), ④下降→横這い(11年産)ということになる。7 年産を除けば,価格が高いまま,あるいは低いま ま推移することは無かった。また,年産の変わり 目において,多くの場合前年産の後半の傾向を引 き継いでおり(8→9年産,9→10年産,10→11 年産),自主流通米の価格は,作況の変化等によっ て年産毎に断ち切られているのではなく,何らか の月毎の要因が連続して影響を与えつつ形成され ていると言える(2)。  このように,1年の中で価格が変動し,さらに 年産をまたがって変動が継続する理由としては, その年産の作柄が確定するまでの間,試行錯誤的 な価格形成によって妥当な水準を模索しつつ価格 が変動することのほか,買い手の在庫変動に応じ た変動が考えられる。例えば,価格上昇→買い急 ぎ→在庫増加→購入意欲低下→価格低下→買 い控え→在庫減少→購入意欲増加→価格上昇 といった因果関係かおることは十分考えられ る(3)。しかし,第1図で自主流通米販売量(4)およ び卸売業者月末在庫(5)と自主流通米価格を突き 合わせてみても,価格との関係は明確にはつかみ 難い。  一方,前述のように,自主流通米価格は,入札 に関する一定のルールに従って決まるものであ り,このルールもまた,価格に影響を及ぼす要因 となりうる。したがって,自主流通米価格が在庫 変動等の需給要因と入札固有の要因によって決ま

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自 主 流 通 米・計画外流通米価格 自主米/計画外米価格比 自主流通米販売量 卸売業者在庫 (円/60kg) 21000 20000 19000 18000 17000 16000 15000 1.10 1.05 1.00 j千〇  〇  〇  〇  〇 〇ぐ5  4  3  2  1 (千ト 500 400 300 200 100 ︱ I J ︱ − ︲ − − 一 ︲ ︱ − ︱ − − 7年産  作況102  l l l …上_土工  l l l︱ ︱︱ ︱ ︱ ︱︱ ︲ t−︲︲ 二 仁 一 - L 一 一 一 に ー 一 一 4 ∧ 二 − − − ︱ ︱ ︱ ︱ − 一       一       一 一 “ 1 − 一 一 η 一 一 一 ・ 一 一 − r 一 一   1   1   1   1   1   1   1   1   1   1   1   1   l   l   l   l ︱ − ︱ ︱ 一 一 ︱ I ト ー ー ー ー J ︱ − ︲ ︲ ︱ j − J ︱ − ︱ − − − − J − − I I I J − − − − − − − − ﹃ − − − − − − − ﹁       一       一         一       ’       一       一   う ・       ” /   ・         −   ツ ー       ・       一       一       ・ ン − 一 一         一       − − l y J ︲ ︲ − ︲ − − ︱ j − − − − ︱ − 一 一 一 一 一 1   1   1 l   l   l l   l   1 1   1   1 1   1   1 |   |   | 一 一 一 一 一 − − 一 一 一 |   l   l ︲︱−III j l − 1 − ︱ − − j − 一 一 よ | ︲ !− −− ︲ ︱ ︱ ︱ ︱ − 1 1 1 1 1 1 1 ! − 「 −−−¶  ̄  ̄  ̄ F  ̄  ̄  ̄     |     |     |     1     ¶     1 _ _ _ 1 _ _ _ ︱ 11 11 8年産 T‘︲︲∼  ̄¬一一一・一一一・ ̄ ̄ ̄T一一一r---「-- ̄「 ̄ ̄¬ i 1 1 r 一一r ̄ ̄ ̄「 ̄ ̄ ̄「-一一1 ̄I ∧工 言十 ∧0 lj l -一一 -一一 一一土止L。一一ノオヤ1 ni一一一篇混一 作況105二回寸心 ‥ニパづ | | | |− 1 一 一 一 一 I 一 一 一 ¬ − に ー −︱︱︲ 一 一 │ − − − J 9年産 i作況102 一 一 L _ _ | − − I I Γ ︲ ︲ − 1 ︲ 一 一 ¶ − 1 1 1 1 1 一 一         一       一         一       一         一       一 |   |   |  1   1 i   l   l  l   ¶ 1   1   1  1   1 一 − − − − 一 一 − − 一 一 − − − − − − −   1   l   l  l   l _ し   l −︱・− −︱︱︲   J   i 一 一 一 一 一 一   |   | ︱︱︱−II −1111 !︱−−︱︲ _ _ │ _   |   | ︱︲︱︱− 卜 一 一 一 │ 一 一     一 ︱ ︲ − ︱ − − − − − −     一     一 _ 」 _   |   |   l   l   l   l − 一 一   | ︱ −︱ − − _ 」   l _I J . _  |   | ¶︱︱︱ _ J _   |IIF −−− _ 」 _   |︲11111 − − 一 一 2 _ |− −1 11 J _ 1 − −1 − 1 _ ! _  |− −1 1− _ よ _  | 一 一 哨 一 一 一 了 − 一 一 −−−−−− | 1 ̄  ̄ 1 −︲−−   1   1 -一一-  1 T ̄T ̄ | | 10年産 作況98     1 − 一 一    l     l   l   l     l   l   l     l   l   l 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 −     l   l   l     |   |   「     1   1   1 十 四 》四万 …トブ∩ ̄ ̄ ̄T ̄づ ̄ ̄ ̄計画外流通米  寸 ̄寸 χ……… ズ …………〕 1 1 1 1   1 1 1 1 1 1 1 − ↓ −  |   |︲︱︱ 一 一 L − 一 一 L 一 一 づー 1 _ _ l | | −− 一 一 ! _ 1 11︲−︲− £ _ | | T ̄  ̄ − 11 1− −−−・−︲ ︲ 一 一 一 一 | T  ̄  ̄ −︲︲︲II 十一 _ し   |   |   |   |   | _ し   | ︱−︱−−− 一       一             一     − − I ト ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー 一       一 一       一 一       一 十 一 − l  ̄ │  ̄  ̄  ̄ _ し   l   l   |   |   |   | 一 一   ¶ 」 _ _ _  l  i ︱¶︲ _ │ _ _ _   | 」 _   l   l   l   l   I J _   |   |  ̄ │  ̄   | 」 _ | | | 111111   l  ̄ ¬  ̄   | ︱−−︱− _ _ 」 _ _ _ 1 _ _ _     1   1     1   1     1   1     1   1     l   l     i   l 一 一 一 一 一 一 − − 一 一     |   | _ 」   |   l   l   一 ﹃ − − 一 ¶ ︱ ︱ ︱ ︱ ︱ i 7  ̄ |   一       一 − 一 ︱ ︱ ︲ − ︲ ︲ − 4 − − ︱ l 1  ̄ j ︱− ︱︱ L _ _ 1 1 1 1 1 L _ _ | 一       一 一       一 L ︲ ︲ ︱ l l − − か 1 1 1 1 _ _ _ し     l     1     |     |     1 _ _ _ し i︱−︱−− − L   I−︱−−︱− I 十 ︲ ︲ ︱ ﹃ 1 ︲           − ︱ − ︱ ︱ Γ − ︱ ︱ − ︱ ︱ 一 一 」 _   | 1 −︱ ︱− _ L _ _ _ │ _   1   1   |   | −︲︱−1−     | 一 一 一 一     l     l     l     |     l     | 一 一 一 一     |− ︲︱ ︱− − に 一 − 」 −   l   l ︱︲︱︱︱   一 ︲ − ︱ ︲ ︱ ︲ − ︱   一   一   一 13 年 7 月 1 3 年 4 月 1 3 年 1 月 1 2 年 10 月 1 2 年 7 月 1 2 年 4 月 12 年 1 月 1 1 年 10 月 一 1 1     年 7 月 ︰ 1 1     年 4 月 1 1 年 1 月 1 0 年 1 0 月 10 年 7 月 10 年 4 月 1 0 年 1 月 9 年 1 0 月 9 年 7 月 9 年 4 月 9 年 1 月 8 年 1 0 月 8 年 7 月 8 年 4 月 8 年 1 月 7 年 1 0 月 注(1)  (2)  (3)  (4)     第1図 自主流通米価格関係指標の推移 自主流通米価格は,魚沼コシヒカリを除いた加重平均(落札量ウェイト). 計画外流通米価格は,日経(仲間価格,東京)の加重平均(生産量ウェイト). 自主流通米販売量は,出荷団体から流通業者への販売量. 卸売業者在庫は,卸売業者の月末在庫で,自主流通米のほか,政府米,計画外流通米を含む. 4−

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ると考え,それぞれの要因が及ぼす影響度を検討 するため,要因として考えられるいくつかの変数 による回帰分析を行う。  (3)自主流通米価格に影響を及ぼす諸要因  まず,毎月の自主流通米販売量が卸売業者によ る自主流通米の仕入需要(Rid)であると考え,こ れが,自主流通米価格(P高計画外流通米価格 (Prk),卸売業者在庫量(Z),その年の需給環境 (需給緩和の度合)を表す変数(10月末計画流通 米在庫(X1)と作況指数(X2)で代表)によって 決まるとするモデルを考える。   Rjdニa十bPrj十b' Prk十cZ    十d1χ1十d2χ2      ①  ここで,b<0,b'>O。 c,d1およびd2について は次のように考えられる。  米は青果物等と異なり保存性があるので,買い 手における在庫水準が仕入需要に影響を及ぼす。 このとき,手持ちの在庫水準が高ければ価格が安 くても需要はそれほど増加しないであろうし,逆 に在庫水準が低ければ価格が高くても需要が増加 する可能性かおる。価格が同じならば在庫水準が 高ければ(低ければ)需要は低く(高く)なるは ずであり,c<Oが予想される。  また,当年産の自主流通米が実際に供給される 数量は調整保管等によって調整されるとしても, 計画流通米在庫(ほとんどは政府米在庫)が潤沢 にあったり,その年産の作況が豊作であるなら ば,将来に備えて自主流通米を手当てしておく (在庫を積み増す)誘因が低いと考えられる。した がって,これらの変数の数値が高いほど自主流通 米の仕入需要は少なくなるはずであり, di<0, d2<Oが予想される。  検討の手法としては,①式を推計し,Rjについ て解いて。   P巧=−a/b十(1/b)Rja十(−b'/b)Pa    十(−c/b)Z十(−d1/b)X1    十(−d2/b)χ2      ② とすることにより,毎月の自主流通米の供給量 (仕入需要の逆関数であるから,Rjバま均衡価格を もたらす出荷団体の供給量を表すことになる。以 下,本節ではこれをRj,と記す。),計画外流通米 価格,卸売業者在庫量,その年の需給緩和の度合 5 が自主流通米価格に及ぼす影響を検討することが 考えられる。  しかしながら,自主流通米の価格は,このよう な自主流通米取引全般に関係する要因のみなら ず,入札取引に固有の要因の影響も受ける。この 入札取引固有の要因としては,自主米センターで の上場数量,9年産までの値幅制限,10年産から の希望価格申出制かおる。ここでは,これらの要 因の影響もあわせて検討する必要かおるため,② 式の右辺に上場数量(Q)および10∼12年産につ いてのダミー変数(D),さらに,7∼9年産につい てのみ値幅制限の下限価格(P乙)を加えたもの を推計し,検討することとした(6)。  ただし,10年産からの希望価格申出制について は,申し出のあった希望価格が公表されていない こと,全ての上場銘柄で申し出が行われたとは限 らないことから下限価格との横並びでの検討は断 念した(7)。  また,②式から計画外流通米の価格(Pa)を除 いた。これは,計画外流通米の価格と自主流通米 の価格は高い相関にあるため,計画外流通米の価 格を入れるとほとんどこれで説明できてしまうこ とになり,自主流通米の価格を需給要因および入 札固有の要因で説明しようとするここでの目的か ら適当でないと考えるからである。  以上から,分析は,7∼12年産について。   Prにa*十b*Rjs十c*Z十d1*X1十d2*X2    十eQ十fD       ③ 7∼9年産についてのみ。   Prにa*十b*Rj丿c*Z十d1*X汁d2*X2    十eQ十gP血      ④ を推計することにより行うこととした。  符号は,②式より,b*<0,c*<0,d1*<0, d2*<O。前述のように,自主流通米販売量(Rjs) は出荷団体の供給量を表し,これが高いと価格は 低くなる。また,卸売業者の在庫水準(Z)が高け れば購入意欲は低く,入札価格も低くなると予想 される。 10月末計画流通米在庫(X1)は,ほとん どが政府米在庫であるが,この水準が高いと将来 に備えて在庫を積み増す誘因が低く,卸売業者の 自主流通米購入意欲は抑制され価格も低くなると 考えられる。作況指数(X2)は,買い手からすれ ばその年産の年間を通じての供給量を判断する重

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要な指標であり,10月末計画流通米在庫と同様, この水準が高いと価格が低くなると考えられる。  なお,自主流通米上場数量(Q)については,上 場数量が少なくなれば(多くなれば)価格は上昇 する(低下する)方向に働くと考えられることか ら,e<Oが予想される。  ところで,出荷団体と卸売業者の間の毎月の取 引では,卸売業者による仕入需要は価格によって 変動すると考えられるものの,出荷団体による毎 月の自主流通米の供給は価格に応じて変動すると いう実態にない。すなわち,相対取引は卸売業者 の申込に応じて販売されており,入札取引におい ても毎回の上場数量は流通実績,販売計画から決 められている。したがって,ここで推計する式③ または④は,連立方程式の一部ではなく,脳を 外生変数と考えることができるため,推計は 第1表 OLSで行った。  用いたデータは,全国一本の数値の月次データ であるが,入札のあった月のみを対象とした。詳 しくは拙論を参照願いたい。  (4)要因分析  以上の変数を説明変数として回帰分析を行った 結果が第1表である。式③の推計については, 7∼12年産の6年間を通じた分析のほか,値幅制 限の撤廃の前後での要因変化を見るため7∼9年 産,10∼12年産それぞれの期間についての分析を 行った。さらに,7∼9年産については,値幅制限 の下限価格を明示的に変数に加えた式④の推計 も行った。  7∼12年産の6年間を通じた分析結果をみる と,全ての変数について有意(卸売業者在庫の他 自主流通米価格の形成要因 7年産∼12年産 7年産∼9年産 10年産∼12年産 変 数 偏回帰 標準偏係 数 回帰係数 t値 偏回帰 標準偏係 数 回帰係数 t値 偏回帰 標準偏係 数 回帰係数 t値 卸売業者在庫(当月末) 卸売業者在庫(前月末) 自主流通米販売量 10月末計画流通米在庫 作況指数 自主流通米上場数量 10∼12年産ダミー 定数項  6.8450  0.2931 2.5697 ・ -6.0109 -0.2682 2.3387 ・ -6.0148 -0.2748 3.9258 ・・ -0.9436 -0.3823 5.4613 ・・ -309.68 −0.4030 4.6994 ・・ -25.596 -0.3967 5.1219 ・・ -1905.1 -0.5794 7.2793 ・・ 56630.75      8.0390 ・・  10.898  0.3213 2.7598 ・ -4.0465 -0.1201 1.2296 -4.9835 -0.2439 2.5514 ・ -1.1416 -0.6327 6.6565 ・・  33.402  0.0274 0.3476 -31.196 -0.4441 5.4639 ・・   −   −  − 20530.3      2.1263 ・  2.9250  0.2160 1.3198 -6.0862 -0.4656 2.8424 ・・ -3.1064 -0.2368 2.0281 −0.0735 −0.0378 0.2586 −3∠15.10 -0.8214 4.9757 ・・ -17.780 -0.4338 3.7916 ・・   −   −  − 55631.64      7.2178 ・・ サンプル数 修正済R2 DW比   55 0.8087 0.8802   23 0.8750 1.5023   32 0.7869 1.1382 7年産∼9年産(下限価格追加) 変 数 偏回帰 標準偏係 数 回帰係数 t値 卸売業者在庫(当月末) 卸売業者在庫(前月末) 自主流通米販売量 10月末計画流通末在庫 作況指数 自主流通末上場数量 下限価格(7∼9年産) 定数項  5.3125  0.1566 1.9852 -1.6967 −0.0504 0.8118  0.3685  0.0180 0.2312  1.3036  0.7225 2.6853 ・ -164.94 -0.1353 2.3270 * -0.4563 −0.0065 0.0659   1.7249  1.6221 5.1620 ・・  -844.5      0.1160 サンプル数 修正済R2 DW比   23 0.9520 1.4836 注(1)  (2) 被説明変数は自主流通米価格(魚沼コシヒカリを除いた加重平均(落札量ウェイト)). **:1%有意,’:5%有意. - 6−

(8)

は1%有意)となっている。卸売業者在庫につい ては,当月末と前月末の両方を変数として採用し たが,符号をみると当月末はプラス,前月末はマ イナスとなった。在庫について(3)で予想した符 号は前月末の在庫について当てはまる。当月末が プラスになっているのは,前月末の在庫水準が高 いと当月の購入意欲は低く(高く)なり,当月の 在庫水準の低下(上昇)と価格の低下(上昇)が 同時に生じた結果であると解釈でき, (2)で提示 した年間の中での価格変動における在庫変動の影 響は,価格上昇・在庫増加→購入意欲低下→価 格低下・在庫減少→購入意欲増加→価格上昇・ 在庫増加という関係であったことが明らかとな る。  7∼9年産と10∼12年産に分けて検討すると, いずれの期間においても有意で,かつ,影響度が 高い(標準偏回帰係数が高い)のは,自主流通米 上場数量である。ただし,上場数量については, 年産別の変動による影響が大きく,月別の変動に よる影響は小さかった。これに対し,10∼12年産 において有意,かつ影響度が高いのは作況指数と 前月末の卸売業者在庫である。この二つの推計を 比較する限り,これら二つの変数の影響が高まっ たと言える。  さらに,7∼9年産について,値幅制限の下限価 格を変数として追加して推計したものをみると, 1%で有意なものは下限価格のみという結果と なった。しかも,標準偏回帰係数が1.6221と極め て高い。また,自主流通米価格と下限価格の単相 関係数は0.9546であった。このほかに5%で有意 なものは10月末計画流通米在庫と作況指数であ るが,前者は符号条件を満たさないため除外する と,意味かおるのは作況指数のみということにな る。作況指数は年間を通じた需給環境を表すもの であるから,毎月変動する変数については有意と はなっていない。  以上を総合すると,7∼9年産については,値幅 制限の下限価格によってほぼ決まっていたといえ る。下限価格が撤廃された10年産以降は,年ごと にはその年々の作況指数,月ごとには前月末の卸 売業者在庫が大きな影響を及ぼすようになった。 その意味では,需給要因がより大きく反映する方 向での価格形成の弾力化が進んだと言える。ただ 7 し,その水準が自主流通米を円滑に流通させるよ うな妥当な水準,すなわち,年間で見れば売り手 の販売予定量に見合う買い手の仕入需要を生じさ せ,予定通り販売されるような水準であったかど うかは,これらの数値だけからは検討できな い(8)。この場合,値幅制限の撤廃に替わって導入 された希望価格申出制が価格形成にどのような影 響を及ぼしたかが重要となる。希望価格申出制の 影響については3.で検討する。  (5)価格変動の産地品種銘柄間格差  以上は自主米センターに上場された銘柄の加重 平均についての分析である。次に,上場された産 地品種銘柄の相対的な価格関係の変化について検 討する。 自主米センターに上場された銘柄数は7 年産の72銘柄から12年産の81銘柄に増加して いる。特に10年産以降80を超える銘柄が上場さ れている。しかし,第2表に示すように,銘柄間 の価格のばらつきを示す変動係数は安定してお り,それぞれの銘柄の「居所」があまり変わって いないことを予想させる。  そこで,各銘柄の需給状況の変化に応じてそれ ぞれの相対的な価格がどのように変化したのかを 見ることとする。ただし,ここで検討するのは生 産量の変化の影響のみである。ある銘柄の生産量 が他の銘柄に比べて相対的に増加したとすれば, その銘柄の価格は相対的に低下するはずである。 対象とした銘柄は7年産から12年産まで共通し て上場された銘柄であり,銘柄別生産量は「作物 統計」の産地品種別収穫量を利用した。  第2図∼第5図は,その結果である。横軸はそ れぞれの銘柄の対前年生産量変化率と水稲全体の 対前年生産量変化率との差(%ポイント)である。 縦軸はそれぞれの銘柄の対前年価格変化率と上場 第2表 自主流通米価格の変動係数 全銘柄 魚沼コシヒカリを除く銘柄 (参考)上場銘柄数 7年産 8年産 9年産 10年産 11年産 12年産 0.0972 0.1108 0.1030 0.1175 0.0917 0.1113 0.0810 0.0859 0.0730 0.0871 0.0685 0.0737 72 70 68 86 83 81

(9)

当該銘柄と全銘柄の価格変化率差︵%ポイン ト 心 一     一     − ● ・ ﹁ ’ : ’ ︲ 一         ” ’ : ︲ ﹂ ” ” ゛        燃             一   〇 一     一 一   一       一 − − − − − − ︱ ︱ j   ! ! − 1 1 1 − − − 二 て        ト ∼ ﹂ ’ : : ‘ ﹂ ” ” ”   に 寸犬 / 5 0 一 如 − 3 0   1     1     1   F ‘ “ ' ゴ'I I ̄  ̄ '  ̄1" '  l     i     l   i     l     i   T  ̄  ̄ ∩  ̄  ̄  ̄ ミ  ̄  ̄ '   l     l     i   レ _ _ _ バ _ ‥ _ _ パ _ _ _   i     l     l   l     l     i   ト … 丿 一 一 一 一 一 一 一 ケ ゙ ・ L _ _ _ = ミ ミ I = − 一 一 J − 一     一 T − ︱ − ︱ − ︱ ︲ − ︱ I ト ● _ − 1 _ 二 ̄ 一千  ド ____・__. `り, ● ● III︲II 2ご y ︲ − ︲ − − ’ 一 一   ● ・       ’ − ︱ ︱ ︱ j − − − − ︱ − ” ’ : ’ : ’ . い い   . ﹂ ・ £ ’ y . 丿……1−6  l  i イ……i-8  i i こー--…'-10  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄│ ̄      l       |       l       l       S       S 一 一 一 一 一 一       1       |       1       |       l       | 一 一 一 一 一 に       |       |       |       |       |       | − ㎜ − − − │ ミ t<i" ≪V """'   >  ̄  ̄  ̄1 ̄    l     l     l     l     |     l − 一 一 一 一     l     l     l     |     l     l _ _ _ 」 _     l     l     l     l     l     l ㎜ ㎜ ㎜ J ミ       1 ︲ : ︲ ︲ 一         ︲ ︲ ︲ ︲ : ﹂ ︲ : : ︲ に I 卯 ぺ I ; ︲ :  ̄  ̄  ̄1     l     l     l     l     l _ _ _ J     l     l     |     l     l     | _ _ _ 」     |     |−−−− ㎜ ㎜ ㎜ 」   当該銘柄と水稲全体の生産量変化率差㈲ポインO 第2図 生産量変化と価格変化(7→8,8→9,9    →10年産) 当該銘柄と全銘柄の価格変化率差︵%ポイント︶ F  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ F  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ │  ̄  ̄  ̄  ̄ ‘ )  ̄ I   R = 0 . 0 6 7 1    ・ F … … - │ - - - … - - │ - -゛ 4 -l       -l       1 |       |       l l       l       l r  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ 「  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ 「  ̄  ̄  ̄ ・ 1       1       1 1       1       1 1       1       1 |       |       1 1       1       1 L _ _ _ _ _ _ _ L _ _ _ _ _ _ 」 − − − − . |       |       | |       |       | |       |       | i ' ●'  ̄  ̄  ● _?_ _ _ l °l   l ・ トー----一一ト……-l一一一一1 |   |   | |  |  |. →・ 115 ∠10 △5° 1 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ F  ̄  ̄ l      l l      l● i      l 1 T i   ●  l l      i |     ●l 卜- 一 一 一 一 一 卜 一 一 l °  l ______き・ I ● l   l  ● l   l ....岬j._._._.1.._    l゛ . 1

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(10)

なっていると言える。 注(1)魚沼コシヒカリは,価格が他の銘柄よりも飛び抜け   て高いので,全体の加重平均に与える影響も100∼200   円と大きい。この銘柄は超ブランド米として需要に影   響を及ぼす要因が他の銘柄とは大きく異なる可能性が   あるため平均から除外した。データは自主米センター   〔7〕による。  (2)価格の連続性は,計画外流通米価格にも当てはまる。  (3)この変動を「くもの巣理論」で説明しようとすれば,   価格上昇→供給増加→価格低下→需要増加→価格   上昇となるが,経済連等が価格に応じて供給を毎月変   動させているという状況にはないので,買い手である   卸売業者の投機的な「買い急ぎ」,「買い控え」による在   庫変動による説明を仮説として提示した。  (4)補論③のデータと同じ。  (5)補論④のデータと同じ。  (6)①のモデルは,両対数式にして,4.で推計する。  (7)希望価格申出制の影響は計画外流通米との価格競争   力への影響を3.で検討する。  (8)自主流通米の価格形成に関する問題として,経済連   等が支出する販売促進費(リベート)かおるが,この問   題は今後の課題として残されている。度を超えたり   ベートは,実勢と乖離した価格形成の要因となるほか,   精算の際にこれが流通コストとして差し引かれるため   に生産者手取額を減少させることになる。

3。計画外流通米との価格比

 (1)計画外流通米の出回り動向  食糧法の下では,旧食管法では違法とされてい た自由米が計画外流通米として制度上合法的なも のとなった(1)。この計画外流通米は,米全体の需 要の減少に伴って生産量が抑制されてきたなか で,着実に増加している(第3表)。しかし,計画 流通米は生産量の減少以上に減少し,生産量に対 する比率をコンスタントに低下させてきており, 計画流通米に対する計画外流通米の比率は,急激 に増加した。平成12年産では計画流通米482万 トンに対し,計画外流通米は318万トンと相当程 度接近してきている。食糧庁の調査によれば,農 家が販売する計画外流通米の約半分は消費者への 直接販売であるが(第4表),それを除いても相当 の数量に達している。  このように計画外流通米が増加してきた背景に は,制度的に認められるようになったことのほ か,自主流通米と計画外流通米の流通コスト差や       ー 価格関係が影響していると考えられる(2)。それ ぞれの価格が自主流通米の需要に及ぼした影響に ついては次節以下で詳細に検討することとして。 ここでは自主流通米と計画外流通米の価格比の要 因を検討する。  (2)データ  両者の価格比には,様々な要因が関与している と思われるが,データの制約から,ここでは,自 主流通米の入札取引に10年産から導入された希 望価格申出制の評価にポイントをしぼる。これ は,フリーな計画外流通米に対し,自主流通米に 第3表 計画外流通米推定出回り量 (万トン) 生産量  A 計画流通米  出荷量  出回り量計画外流通米 C/B(%) B B/A(%) C C/A(%) 元年産 2年産 3年産 4年産 5年産 6年産 7年産 8年産 9年産 10年産 11年産 12年産 1,035 1,050  960 1,057  783 1,198 1,075 1,034 1,003  896  918  949 679 683 599 648 406 739 631 577 553 465 472 482 65.6 65.0 62.4 61.3 51.9 61.7 58.7 55.8 55.1 51.9 51.4 50.8 143 160 160 210 199 270 258 277 280 268 292 318 13.8 15.2 16.7 19.9 25.4 22.5 24.0 26.8 27.9 29.9 31.8 33.5 21.1 23.4 26.7 32.4 49.0 36.5 40.9 48.0 50.6 57.6 61.9 66.0 注(1)生産量は「作物統計」による.  (2)計画流通米出荷量は「米をめぐる最近の情勢と現行   米政策の検証」(平成13年11月農林水産省)ほかによ   る.  (3)計画外流通米出回り量は食糧庁による推計で,米の   需給・価格情報に関する委員会「米の需給・価格の動   向等」(平成13年8月22日)ほかによる. 第4表 生産者の計画外流通米の販売先別販売割合        (%) 年産

質 認

農協等

消費者4に)筈 合計 9 10 11 12 2 2 1 2 11 11 8 8 12 13 18 16 1 0 0 0 53 49 48 49 21 25 24 24 100 100 100 100 9− 注.米の需給・価格情報に関する委員会「米の需給・価格  の動向等」(平成13年10月22日)による.

(11)

は,この制度によって意図的に価格を維持する仕 組みかおるからである。ただし,希望価格申出制 を取り扱うとしても,売り手が申し出た希望価格 が公表されていないというデータ上の問題かお る。このため,ここでは,希望価格を申し出た銘 柄およびその水準について一定の仮定を置いて データを作成した。データは自主米センター〔7〕 による。  まず,希望価格を申し出た銘柄についてであ る。入札において上場数量を超えて申込があった 銘柄(申込数量比率が1を超えている銘柄)は, 希望価格の申し出がなければ全量落札されたはず である。したがって,その銘柄の落札率(上場数 量に対する落札数量の割合)が1未満であったな らばその銘柄は必ず希望価格の申し出があったは ずである。このような考え方にたって,申込数量 比率が1を超え,かつ落札率が1未満の銘柄を希 望価格の申し出があった銘柄として,その全銘柄 に対する落札数量割合を「希望価格適用度合」と した。これは,実際に希望価格を申し出た銘柄の 落札数量割合に対して過小である。希望価格を申 し出てもそれが低いために全量落札された場合も あろうし,申込数量比率が1以下でも希望価格を 申し出た場合もあろう。この指標で採用した割合 からは,これらのヶ−スが除かれている。この指 標は,申し出た希望価格が高ければここでの対象 銘柄が多くなり,指標の値も大きくなることか ら,希望価格の水準を一部反映したものと言え る。  次に,これらの銘柄について申し出た希望価格 の水準については,その銘柄の実現した価格(平 均落札価格)とした。申し出た希望価格が低くて 「空振り」となった場合もあり得るため,この水準 は一般に実際の希望価格よりも過大となる。しか し,上記の基準で対象とした銘柄にっいては希望 価格が有効に作用しているはずであるから,実現 した価格を用いても大きな違いはないと考えられ る。分析に当たっては,対象となった銘柄につい て,こうして得られた希望価格の水準の前回価格 (平均落札価格)に対する比率を求め,これを加重 平均(落札数量ウェイト)したもの(「希望価格前 回指標価格比」)を用いた。  説明変数としては,以上の他にその月の需給環 境を表す変数として前月末の卸売業者在庫,自主 流通米販売量を用いた(3)。さらに,12年産につい てはダミー変数を用いた。これは,稲作経営安定 対策において13年産の補填基準価格を特例的に 据え置いたという制度的要因を反映させるための ものである。 12年産については,この措置により 12年産の価格が下がっても13年産の手取りに影 響しないこととなったため,希望価格の水準を引 き下げやすい環境にあった。  (3)分析結果  第5表が結果であるが,希望価格適用度合,希 望価格前回指標価格比とも有意な結果となってい 第5表 自主流通米と計画外流通米の価格比の要因分析 10年産∼12年産   10年産∼12年産希望価格関係の変数のみ 変  数 偏回帰係数 標準偏回帰係数 t値 偏回帰係数 標準偏回帰係数 t値 希望価格適用度合 希望価格前回指標価格比 卸売業者在庫(前月末) 自主流通米販売量 12年産ダミー 定数項  0.00092541     0.63803 -0.00013298  0.00014716  -0.036258     0.37937  0.6353  0.4271 −0.3270  0.3633 -0.5781 3.8215 ** 2.8905 ** 1.9729 1.8512 3.6453 ** 1.8551 0.00076240   0.72673   −   −   −   0.27873 0.5234 0.4865  −  −  − 3.5192 ** 3.2709 **  −  −  − 1.2560 サンプル数 修正済R2 DW比   28 0.6402 1.0695  28 0.4102 0.7180 注(1)被説明変数は自主流通米価格の対計画外流通米価格比.  (2)**:1%有意. 10−

(12)

る。符号はいずれもプラスで,希望価格を申し出 た銘柄の割合が高いほど,また,申し出た希望価 格が前回の価格に比べて高いほど計画外流通米と の価格比は大きくなるという結果となっている。 その他の変数では,12年産ダミーが有意だったほ かは,需給環境を表す二つの変数とも有意ではな かった。第5表には,この希望価格の影響を表す 二つの変数のみで回帰を行った結果も掲げてある が,これによればこれらの変数だけで自主流通米 と計画外流通米の価格比の変動の約4割を説明で きることになる。  ここで得られた結果は,前述のように希望価格 の申し出全般に関わるものではない。しかし,こ の仕組みの存在は人為的な価格形成を可能にし, 結果として円滑な流通の阻害要因となり得る。計 画外流通米との関係で見れば,申込は十分ありな がら落札量を絞り込むような効果を持つ高い希望 価格は,計画外流通米との価格競争力を弱め,自 主流通米の販売にマイナスの影響をもたらす。自 主流通米と計画外流通米の価格が卸売業者による 自主流通米の仕入需要にどのように影響したかは 次節で明らかにする。 注(1)法律上は「政府米」と「自主流通米」をあわせて「計   画流通米」と定義しているのみであり,「計画流通米」   以外の米が「計画外流通米」と呼ばれる。  (2)要因としては生産者段階(計画外への出荷要因で生   産者価格が関係する。),卸売業者の仕入段階(計画外流   通米の仕入要因で流通価格が関係する。)の双方があ   る。生産者段階に関して,西口〔11〕は,食糧法の下で   も計画外流通米が出回る理由として,①自主流通米の   流通経費が高いこと,②基本的に自主流通米は政府米   とプール計算されており,プール価格よりも未検米の   方が高いことがあること,③自主流通米に受け入れ限   度かおり,これを超えた予約限度超過米の受け入れ価   格は大幅に安くなること,④計画外流通米は集荷業者   の買取り時に現金精算されるが,自主流通米は最終的   な精算まで1年以上かかることを挙げている。これら   に,大泉〔1〕は,生産者の直接販売の増加を考慮して,   ⑤生産者直売米の相対的高価格を追加している。  (3)データは補論の④および③と同じ。

4。卸売業者による自主流通米

  仕入需要量の要因分析

 (1)自主流通米の仕入需要に影響を及ぼす諸    要因  売り手である経済連等は,卸売業者の申込に応 じて販売していくから,毎月の自主流通米販売量 は,専ら卸売業者による仕入需要量によって決ま ると考えられる。そこで,毎月の自主流通米販売 量が卸売業者による仕入需要量(Rjd)であると考 えてこれを被説明変数とし,自主流通米価格 (Pri),計画外流通米価格(Prk),卸売業者在庫量 (Z),その年の需給環境(需給緩和の度合)を表す 変数(10月末計画流通米在庫(X1)と作況指数 (X2)で代表)を説明変数とする回帰分析を行う ことにより,その要因を分析する(1)。  また,自主流通米の仕入需要には,上記の変数 によっては説明できない季節的要因かおる。ここ では9月∼翌年8月をその年産の販売サイクルと し,これを3ヶ月毎に区切ったダミー変数を用い た。具体的には,12∼2月ダミー(Di), 3∼5月ダ ミー(D2),6∼8月ダミー(D3)である。  Rjdを両対数式で表すと。   lnRjd=a十blnPrj十b' lnPrk十clnZ十dilnXi      十d2lnX2十hiDi十h2D2十ha Da  係数の符号は,b<0,b’>O。また, c<0, di<0, d2<Oが予想される(2)。  計画外流通米価格(Pa)は,通常用いられる競 合品価格の概念と同様である。ここでは,同じ 「コメ」でありながら流通ルートが自主流通米と は異なる計画外流通米の価格である。その価格差 は流通ルートが異なることによる流通コスト差, 品質に対する信頼度の差(計画外流通米の多くは 未検査米)によると考えられる。計画外流通米は, 通年安定販売の自主流通米と対照的に,保管コス ト等の流通コストをかけずに出来秋に多く流通す る(3)。買い手である卸売業者からすれば,自主流 通米と計画外流通米のいずれも入手可能である場 合,価格関係によっていずれを仕入れるかの選択 が可能である。計画外流通米の価格が安ければ, 計画外流通米を仕入れることになるが,末端の需 要は限られているのでその分自主流通米の仕入需 11 −

(13)

第6表 卸売業者による自主流通米仕入需要量の要因分析 7年産∼12年産 7年産∼9年産 10年産∼12年産 変 数 偏回帰 標準偏係 数 回帰係数 t値 偏回帰 標準偏係 数 回帰係数 t値 偏回帰 標準偏係 数 回帰係数 t値 自主流通米価格 計画外流通米価格 卸売業者在庫(前月末) 12月∼2月ダミー 3月∼5月ダミー 6月∼8月ダミー 10月末計画流通米在庫 作況指数 定数項 -3.5687 -1.1888 2.9426 ・・  2.6807  0.9517 2.3591 * -0.5084 −0.4098 3.2686 ・・  0.2199  0.3651 2.7556 ・・  0.3734  0.6199 4.8878 ・・  0.2393  0.3818 3.2964 ・・ -0.3479 -0.3687 3.2738 ・・ -2.9113 -0.2295 1.8681  33.190      3.5513 ・・ -4.5964 -1.2897 1.2225  2.4137  0.7606 0.7009 -0.6043 -0.3265 1.7813  0.1538  0.2559 1.2343  0.2872  0.4779 2.1023 ・  0.1928  0.3207 1.7156 -0.6166 -0.7756 2.8481 ・・   2.0388  0.1071 0.6490  25.7224      1.8278 -5.2032 -1.1004 3.0128 ・・   2.8488  0.6595 2.2642 ・ -0.5565 -0.4886 2.6889 ・   0.2160  0.3578 1.8553   0.3320  0.5500 3.0287 ・・   0.2606  0.3957 2.4266 ・ −0.5760 -0.4513 2.0270 -8.8305 -0.7926 2.2274 ・  76.8808      2.5423 ・ サンプル数 修正済R2 DW比  69 0.4152 2.0774   35 0.2999 2.3256   34 0.4974 2.0728 注(1)  (2)  (3) 被説明変数は自主流通米仕入需要量(出荷団体から流通業者への販売量). **:1%有意,’:5%有意. 両対数式による. 要は減少する。  用いたデータは,全国一本の数値の月次データ である。詳しくは拙論を参照願いたい。  (2)分析結果  第6表は,以上の変数によって回帰させた結果 である。7∼12年産では,作況指数を除き有意と なっている。係数の符号も上記で検討した結果と 一致している。標準偏回帰係数をみると,自主流 通米価格と計画外流通米価格の値が極めて高い値 を示しており,これらの変数が他に比べて強い影 響力を持っていることがわかる。自主流通米販売 量の自主流通米価格に対する自己弾力性は -3.569,計画外流通米価格に対する交差弾力性は 2.681となっている(4)。  これを,7∼9年産と10∼12年産に分けて推計 すると,7∼9年産では10月末計画流通米在庫と 3∼5月ダミーのみが有意で,自主流通米価格,計 画外流通米価格も含めて他の変数は有意とはなら なかった。これに対して,10∼12年産では,自主 流通米価格,計画外流通米価格,卸売業者在庫 (前月末),作況指数が有意となっている。特に自 主流通米価格と計画外流通米価格の弾力性は,そ れぞれ-5.203, 2.849となっており,有意ではな いものの7∼9年産の弾力性それぞれ- 4.596, 2.414に比べて高くなっている。卸売業者による 自主流通米の仕入需要は,10年産以降,特に自主 流通米自身の価格に対してより大きく反応するよ うになった。また,計画外流通米価格に対する弾 力性も高まっており,計画外流通米の流通量の増 加とともに,自主流通米の仕入需要における計画 外流通米との競合度合の高まりを示している。  7∼12年産での自主流通米仕入需要の自己価格 弾力性-3.569は,米の家計需要が価格に対して 非弾力的(絶対値<1)であるのに比べれば(5)流 通段階における自主流通米については,かなり弾 力的であることを示している。他の条件が変わら なければ価格を1%下げれば仕入需要は3.5%増 える(そして仕入需要によって販売量が決まると 考えられるから,出荷団体による販売額は2.5% 増える)ということになる。このような結果にな るのは,卸売業者が,価格条件によって自主流通 米を仕入れるか計画外流通米を仕入れるかを選択 できるため,他は一定として自主流通米の価格の みが下がれば需要が計画外流通米から自主流通米 にシフトするためである。しかしながら,第1図 で自主流通米価格と計画外流通米価格とがほぼ同 じような動きをしていることから明らかなよう に,両者の間には密接な連関かおり,前者が下が れば後者も下がるとみられるため,計画外流通米 による交差弾力性2.681が利いて需要はそれほど 増えない。また,双方の価格が下がったとしても 12

(14)

末端の需要増加には限りかおる。  このような計画外流通米の価格変化も考慮に入 れた上での自主流通米価格変化の影響について, 次に検討する。 注(1)通常の家計の需要関数であれば所得が不可欠の説明   変数となるが,ここで説明しようとするのは卸売業者   の仕入需要であるので,所得は用いなかった。来端にお   ける米消費の動向は,小売業者からの発注という形で   卸売業者に伝えられ,それが卸売業者における在庫変   化に表れるものと考え,在庫を説明変数として用いた。   これらの点を含め,卸売業者の仕入行動のモデル化は   課題として残されている。    なお, 2. (3)では,Rjを被説明変数(内生変数)とし   て扱った。しかし,そこで得られた結論は,3.での結論   とともに,自主流通米価格には人為的な要素が反映さ   れているということであった。これを考慮して,ここで   は説明変数(外生変数)とした。  (2) 2.(3)を参照のこと。  (3)流通業者段階での計画外流通米の月別流通量はデー   タがないので不明であるが,食糧庁の「生産者の米穀現   在高等調査結果」によれば計画外向けの生産者の販売   は出来秋に集中している。保管経費を考慮すればその   まま流通業者に流れているものと見られる。  (4)自主流通米価格と計画外流通米価格との間には,高   い相関かおる(相関係数0.9662 (7∼12年産), 0.9867    (7∼9年産), 0.8670 (10∼12年産))。このため,多重   共線性の問題かおるが,それぞれの影響を明示的に検   討するため,敢えて双方を説明変数とした。なお,9年   産までの相関係数が極めて高いのは,自主流通米入札   における下限価格が自主流通米のみならず計画外流通   米の価格形成の目安となっていたことによるのではな   いかと推測される。 10年産以降は相関係数が低下し,   それぞれの価格が独立に形成される度合が高まってい   る。  (5)例えば草苅〔2〕では, -0.3349である。

5。計画外流通米の価格変化を考慮

  に入れた卸売業者による自主

  流通米仕入需要量変化

 (1)分析モデル  自主流通米の価格が変化したときに,計画外流 通米の価格変化も考慮すると,卸売業者による自 主流通米の仕入需要はどう変化するかを検討する ために計画外流通米の需給を取り込んだ以下のよ うな簡単なモデルを考える。このモデルは,生産 者から消費者までの流通チャネルのうち,卸売業 者の仕入までの部分を切り取ったものであり,卸       − 売業者から消費者に至る川下の部分は考慮の外に ある。したがって,計画外流通米のうち,流通業 者を経ないで直接消費者に販売されるものは除か れる。このモデルには,自主流通米と計画外流通 米の競争関係を検討する上で重要な流通コストも 明示的に導入しており,自主流通米の流通コスト の変化がその需要に及ぼす影響も検討可能であ る。   1)卸売業者による自主流通米の仕入需要    は,自主流通米の流通価格(1)(P,j)および    計画外流通米の流通価格(Pa)によって決    まる。      Rjd=BP♂Prkβ        ⑤     ここで,Bは定数。αは自主流通米需要    の自己価格弾力性,βは同交差弾力性(計    国外流通米価格に対する)であり,α<0,    β>Oである。   2)生産者による計画外流通米の出荷は,自    主流通米の生産者価格(Pgj)と計画外流通    米の生産者価格(P丿によって決まる。      Rks=CPjPI)k∂        ⑥     ここで,Cは定数。γは計画外流通米供    給の交差弾力性(自主流通米生産者価格に    対する),∂は同自己価格弾力性(計画外流    通米生産者価格に対する)であり, r<o,    ∂>Oである。   3)卸売業者による計画外流通米の仕入需要    は,自主流通米と計画外流通米の合計仕入    需要(T)から,自主流通米の仕入需要を差    し引いたものとする。これは流通業者を経    る計画外流通米数量に対して自主流通米が    圧倒的に多い現状では妥当な仮定であると    考えられる。      Rkd=T−Rjd        ⑦   4)計画外流通米の需給は均衡      Rks=Rkd      ⑧   5)生産者価格と流通価格との間には流通コ    ストを介して以下のような関係があると仮    定する。      自主流通米  Prj = r十sPpj ⑨      計画外流通米 Prk=t十P4  ⑩     すなわち, r, s, tは定数で,自主流通米    の流通コストは,価格に依存しない定額部 13−

(15)

   分(r)と定率部分(s−1)Pgjからなり(s>    1),計画外流通米に関しては定額部分(t)    からなると仮定する(2)。  なお,出荷団体による自主流通米の販売量は, 卸売業者による自主流通米仕入需要量(Rjd)に等 しいとする。  以上のモデルの変数の申で,自主流通米の流通 価格(Prj)は外生的に動かし得るものとする。実 際,売り手が申し出る希望価格の水準如何によっ ては,価格を操作可能である。また,簡単化のた め米の末端需要は一定とし,自主流通米と計画外 流通米の合計需要(T)は一定とする。これによ り,内生的に決まる変数は, Rjd, Rks≫ Rkd≫ Prk≫ Ppj) Ppkの6個,方程式は6本で体系は完結し, Pijの変化に応じた各内生変数の変化を検討する ことが可能となる。  ここで,このモデルに基づく自主流通米と計画 外流通米それぞれの流通価格の関係を確認してお く。  ⑦,⑧から,   Rks十Rjd−T=0  RkバまPgjとP4の関数,脳はRjとPaの関数 であるから,両辺をP,jで微分すると,Tは一定と おいているため,   ∂Rks dP功  ∂Rks dP皿   ∂PI)j dPrj 十∂P I)k dPn      ∂Rid  ∂Rid dPa_    十∂Prj十∂Prk dPrj ̄O      ⑩  また,P9バまPaの関数であるから。   dP皿_dPgk dPrk   dPrj ̄dPrk dPn         ⑩ ⑩,⑩より,  dPrk dPn −   − 一 八 となる。  ここで,⑤, 謙<0, ∂R1、s ∂P皿 >0,  y∂P功 dPn ∂R1!s dP皿十 ∂P皿 dPrk ⑥,⑨, ∂Prk ⑩より 衛>0, ⊇<0, 14 であるから, dPrk dPrj >Oとなり,自主流通米価格の 上昇(低下)に応じて計画外流通米の価格は上昇 (低下)する。  このモデルにおいて流通コストを一定として, 自主流通米価格を変化させた場合の因果関係を言 葉で説明すると次のようになる。  i 自主流通米の流通価格が低下すると,その   生産者価格が低下する(3)(式⑨)。  ii 自主流通米の生産者価格が低下すると計画   外流通米の出荷が増加する(式⑥)。  m 他方,自主流通米の流通価格が低下する   と,卸売業者による自主流通米の仕入需要が   増加し,計画外流通米の仕入需要は減少する   (式⑤,⑦)。  iv 計画外流通米の需給が均衡すべく,計画外   流通米の生産者価格および流通価格が低下す   る(式⑥,⑩)。  V 計画外流通米の流通価格が低下するから,   卸売業者による自主流通米の仕入需要もmほ   どには増加しない(式⑤)。  また,このモデルで自主流通米の流通価格を一 定として,自主流通米の流通コストに係る定額部 分(r)および比例定数(s)を変化させた場合の自 主流通米仕入需要への影響を言葉で説明すると以 下の通りである。  i 自主流通米の流通コストが低下するとその   生産者価格が上昇する(式⑨)。  ii 自主流通米の生産者価格が上昇すると,計   国外流通米の出荷が減少する(式⑥)。  m 計画外流通米の需給が均衡すべく,卸売業   者による自主流通米の仕入需要の増加,計画   外流通米の流通価格の上昇が生じる(式⑦,   ⑤)。なお,ここでは,自主流通米の流通価格   が変わらないと仮定されている。  iv 計画外流通米の流通価格の上昇は,その生   産者価格を上昇させ,計画外流通米の出荷は   i目まどには減少しない。  (2)自主流通米の仕入需要に及ぼす流通価格    と流通コストの影響試算  以上のモデルに数値を代入して解くことによ り,自主流通米の流通価格が低下した場合および

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