平坦化 CMPにおけるパ ッ ドドレッシ ングに関す る研 究
S t u d yo nf u n d a me n t a l pa dc o n d i t i o n l n gme c h a n i s m f o rCh e m ic a lMe c h a n i c a lPo l i s h i ng
藤 田 隆
* 1
,土肥俊 郎 2,上 川大地3TakashiFujital,ToshiroDoi2,DaichiKamikawa3.2
1株式 会社 東京精密 TbkyoSeimitsuCo・Ltd
2埼玉大学 教育学部
FacultyofEducation,SaitamaUniverslty
3芝浦工業大学
ShibaurainstituteofTechnology
Abstract
Thevariouspadsurfacetreatmentswereevaluatedtoclarifydominantfactorsonapadsurfacetogetremovalrate onCMP(∈hemical坦echanicaは olishing)・Onevaluatingthedominantsurface‑factors,padsurfacerecoverywithout grindingremovalofpadsurfacewastriedusingano‑conditionlngpad・Aftereliminatlngtheby‑productsinvolvedin thepadsurface,recoveryratioonremovalratebecame31%atmost,whichindicatedthattheby‑productsclogglng inthepadsurfacewasnotadominantfactortoinhibitremovalrate・Notgrindingthesurfacebutscrapingthe surfacewasvalidforeffectivesurfacerecoverytogetremovalrate.Inthisstudy,anoblepadconditionerwas proposedfrom theirresultsIThedevelopedconditioner,whichisthescrap‑ngbrushconditioner,makesuseof denectivedeformationinordertoapplyconstantcontactforceagalnStheightvariationofpadsurface・Consequently, itwasdemonstratedthatthedevelopedconditionerwasapplicableonsurfacereferenceconditioningOnCMP withoutthestick‑Slipmotionthatoccursonthetraditionalconditioner.
Keyword:padconditionlng,CMP,surfacetreatment,surfacereferenceconditioning,removalraterecovery
1.研究の背景 と目的
半導体の微細化 ・多層化が進むにつれて、CMP 起hemical塑echanical里olishing)技術は、半導体 製造工程 にな くてはならない必須の技術 になって いる。層間絶縁膜の平坦化のみならず、Cu配線や 素子分離など、現在では様 々な工程 に利用 されて いる。平坦化CMPのおける重要な仕様の1つに、
*〒192‑0032東京都 八王子市石 川町2968‑6 電話:0426‑42‑0381,FAX:0426‑42‑0467 E‑mail:fujitata@accretech・jp
‑19‑
研磨 レー トの面内均一性(研磨均一性)があるo研磨 均一性 を向上 させためには、研磨 レー トに影響す る要素 を面内で均一に分布 させ ることが重要にな る。この重要な要素 として、研磨圧力1や研磨の相 対速度などがあるが、従来か ら定量化が進 んでい ない重要な要素 として、パ ッ ドの表面状態がある。 パ ッ ドの表面状態は、パ ッ ドドレッシングによ り 形成 されるが、パ ッ ドドレッシングをOFFすると 研磨 レー トが急激 に落 ち込む という事実か ら、パ
ッ ド表面状態の厳密 な制御が重要なことは明 らか である。 この ような中で、パ ッ ドの表面状態 を走
性 的お よび定量的 に把握す る試みはい くつかある が2,3、現在 もなお、未開の部分が非常 に多 くあるの が実情である。
そこで本研究では、最初 に研磨 レー トを左右す るパ ッ ド表面の支配的な要素 を明 らかにす ること を試みる。続いて、その レー ト確保 に支配的な要 因に基づ き、効率的 なパ ッ ド回復再生方法 を検討 す る。その後、CMPに求め られるパ ッ ド表面基準 ドレッシングと従来の汎用的な ドレッシング機構 の問題点 を考慮 して、新 しいパ ッ ドドレッシング 機構 を考案 し、今後のCMP対応 ドレッサー として の適用可能性 を検討する。
2.目詰 まりパ ッ ドとレー ト低下の支配要因 目詰 ま りのパ ッ ドに対 して、パ ッ ド表面 を削 ら ず に様 々な処理 を施す ことによ り研磨 レー トの回 復度合いを評価す る。 目詰 ま りのパ ッ ドを作成す る に あ た っ て は 、 量 産 装 置 (東 京 精 密 (梨)A‑FP‑210A)を使用 した。Fig.1に、 コンデ ィシ ョニ ングOFF後の研磨 レー ト低下挙動 を示す。通 常の研磨使用時 には、2157Aノminの研磨 レー トを 確保 していたが、コンデ イシ ョヒ ングをoFFして 50枚 目処理後の研磨 レー トは709A/minとな り、
初期 に対 して67%研磨 レー トが減少 した。
この最終の状態の研磨パ ッ ドを切 り出 して、使 用 し、各種処理 による研磨 レー トの回復評価 を行 った。 まず、 目詰 ま りしたパ ッ ドの表面観察 を行 い、研磨 レー トが低下 した推定要因を列挙 した。
Fig.2に、目詰 ま りしたパ ッ ド表面のSEM観察写 真 を示 し、Fig.3にパ ッ ドの 目詰 ま り状態の模式図 を示す。sEMによるパ ッ ド表面状態観察か ら、研 磨 レー トが低下 した要因 として、① ポア内に詰 ま
った副生成物、(参表面微小粗 さの平滑化、③ 表層 部 に埋め こまれた副生成物、(むポアエ ッジの鈍化、
⑤ パ ッ ド表面の化学的 な改質が挙 げ られる。 この ような研磨 レー トの低下要因を基 に して、
それぞれの要因に対応 した効果的な回復処理方法 を施 し、パ ッ ドの表面観察 と研磨 レー トの回復度 合いを評価 した。Tablelに、研磨 レー ト低下の推 定要因 とその要因を排 除す るためのパ ッ ド表面処 理方法 を対応 させ て示す。それぞれの処理方法 に 対す る作用 ・効果 については、処理方法 ごとに後
0人U000000032
(u!uJJV)エーnH芸
装置 東京精密 A‑FP‑210A ウヽ
パッド:ICIOOO/Suba400(X‑Ⅵ スラリー :ヒューム ドシリカSS25 加工時間2分
ウェハ圧力:4psl プラテン回転数:50rpm ウェハ回転数50rpm
コンディショニングoFF 目岳まりサンプル F ========:;::::::::=ミ:>・
0 10 20 30 40 50 60 70 80 ウェハ 枚 数
Fig.1.ドレッシ ングOFF後 の レー ト変化 と目詰 ま り サ ンプルパ ッ ド
10011m Fig.2.目詰 ま りパ ッ ドのSEM観察結 果
Fig.3.目詰 ま り状 態 のパ ッ ド表面模式 図 述す る。
3.表面回復処理手順 とレー ト回復評価
Fig.4に、実験手順 を示す。研磨パ ッ ドは、Fig.
1に示 した最終のパ ッ ドを切 り出 して使用 した。
実験手順 は、 まず 目詰 まりしたパ ッ ドに処理 を施
し、パ ッ ドの表面状態 の観察 と研磨 レー トの評価 を行 った。その後 、次の処理 を重ねて行 うといっ た順番で一連 の処理 を行 い、研磨 レー トの回復率 が高い効果 を見つ け出す方法で行 った。Table2に、
表面処理後の研磨 レー トの回復率 を評価 した研磨 条件 を示す。研磨パ ッ ドは、外周が 200mmの小 型の研磨装置 を使用 した。 ス ラ リーお よびパ ッ ド は、 目詰 ま りさせ た研磨条件 と同一 とした。Fig.5 に、 目詰 ま りパ ッ ドを使用 して、各種処理 を施 し て評価 した レー ト回復率 の変化 を示す。 ここで、
レー ト回復率 は次式で規定 した。
S=旦 二 生×100 (1)
RI,‑R(
RE:目詰 ま り状態の研磨 レー ト,Rb:立 ち上 げ状 態 の研磨 レー ト,R/ :各処理後 の研磨 レー ト それぞれの処理毎 に研磨 レー トの回復率 と表面状 態 を対比 させ て考察す る。
4.各表面処理 による表面観 察 とレー ト回復評価 4‑1.高圧 ジェ ッ ト水 に よるパ ッ ド表面処理状態
高圧 ジェ ッ ト水処理 では、研磨 レー ト低下 の第 1の要因 と して考 え られたポア内 にある研磨 副生 成物 を排 出除去す ることを狙 って行 った。実験条 件 は、圧力10MPaの高圧 ジェ ッ ト水 を5分 間直 径200mmのパ ッ ドに当て続 けて処理 した。Fig.5
よ り、 高 圧 ジ ェ ッ ト処 理 後 の レー ト回復 率 は 21.8%となった。高圧 ジェ ッ ト水 は、ポア内の詰 ま りを除去す る効果 は確認 されたが、研磨 レー ト を回復 させ るには、十分 な効果 は得 られなか った。
Fig.6(a)に、高圧 ジェ ッ ト水処理 後 のパ ッ ド表面 状態 を示す。Fig.2(a)に示 した 目詰 ま り状態 と比 較 して、ポア形状 は少 し歪 んだ形状 となっている が、ポア内の副生成物 はほ とん ど排 出除去 されて いる。 これ よ り、研磨 レー トの低下要因 と して、
ポア内の研磨 副生成物 による影響 は支配的ではな い と考 え られる。
4‑2.ブラシ処理 によるパ ッ ド表面処理
ブラシ処理 によるパ ッ ド表面処理 は、ポア内の 研磨副生成物 の排 出除去 、パ ッ ド表面の微小租 さ の回復 、ポアエ ッジの回復 を狙 って行 った。 ブラ シ処 理 は 、 ナ イ ロ ンブ ラ シ を使 用 して 、 面 庄
Table.1.レー ト低 下 支 配 要 因 と回復 処 理 方 法
目詰 まり処理
重ねて処理
Fig.4.実験 手 順
Table.2.パ ッ ド表 面 回復 処 理 条 件 処 理 方 法 処 理 条件 高 圧 ジ ェ ッ ト水 処 理 処 理 時 間:5min
(洗 車用 ) 圧力 :10MPa,
ノズ ル距 離 :約 150mm ブ ラシ処理 ナ イロ ンブ ラシ
面 圧300gf/cm2, 15min 超 音波 処理 周 波 数 :38kHz,
処 理 時 間 :10min
ドレ ッシ ング処 理 ダ イヤモ ン ドドレッサ ー 番 手♯100(4inch Disk)
30kPaで 15分 間行 った。パ ッ ドサ ンプルは、先 の高圧 ジェ ッ ト処理 した後のサ ンプルを使用 して、
その上か ら重 jaて処理 した。Fig.5よ り、 ブラシ 処理後 は、初期 の 目詰 ま り状態 か ら31.4%の回復 率 であった。 これは、高圧 ジェ ッ ト水 の効果 とブ ラシ効果 を合わせ た回復率であ るが、立 ち上 げ状 態 と比較 して、3割程度 しか回復 してお らず、い ず れ も研磨 レー トを回復 させ る支配的 な要 因では
‑21 ‑
Tables.研磨 レー ト回復 評価 の実験 条件 試料 サ ンプル 15mm□酸化膜
研 磨装置 小型修正 リング式 ポ リ ツシ ング装置
パ ッ ド直径 ≠200mm
ス ラ リー FumedSilicaSlurry (CabotSS25) 定盤 回転数 80rpm
研磨 圧力 700g〝cm∠
0000nU2086411■L■■■(%)櫛蝉B] 100 131.4 05.8
立ち上げ 目詰まり ジェット水 ブラシ 超音波 再目立て
処理方法
Fig,5.各種処理 に よる研磨 レー ト回復 率 ない。Fig.6(ち)に、ブラシ処理後 のパ ッ ド表面状 態 を示す。ポア内の研磨副生成物 は、高圧水 ジェ ッ ト後 と同様 、ほ とん ど除去 されている。しか し、
パ ッ ド表面の微小粗 さは定性的 に一部回復が見 ら れるが完全 に回復 した とはいえず、ポアエ ッジ付 近 も回復 していない。 ブラシ処理では表面の微小 粗 さやポアエ ッジ形状 を回復す るには不十分であ り、これ らの影響 を検証す ることはで きなかった。
4‑3.超音波処理 によるパ ッ ド表面処理
超音波処理では、キ ャビテーシ ョンの効果 によ って、パ ッ ド内部 に埋 め こまれて付着 している研 磨副生成物の剥離除去す ることを狙 って行 った。
パ ッ ド全面 を超音波処理槽 に浸漬 して、38kHz, 15分間連続超音波処理 した。Fig.6(C)に超音波処 理で処理 を行 ったパ ッ ド表面状態のSEM 観察結 果 を示す。ブラシ処理 と同様 、ポア内の副生成物
100um (a)高圧 ジェ ッ ト水処理後 の表面状 態
100um (b)ブラシ ・リンス処理後の表面状態
100um (C)超音波処理後 の表面状態
100um (d)通常 ドレッシ ング後 の表面状 態
Fig.6パ ッ ド表面 のSEM観察結果 は除去 されているが、埋め こまれた副生成物 の除 去 までは観察で きなかった。ブラシ処理 に重bて 行 った超音波処理では、研磨 レー トの回復率 は、
‑10.3%とな り、初期の 目詰 ま りパ ッ ドよ りも低下
した。 これは、パ ッ ド内部 に含 まれる副生成物 を 除去す るとい うよ り、研磨 に寄与す る有効砥粒 ま で も除去 して しまったため と考え られる。
4‑4.通常の コンデ ィシ ョニ ングによる回復処理 パ ッ ド表面 を回復 させ る上で、パ ッ ド表面のポ アに詰 まっている研磨副生成物 は、研磨 レー ト回 復 に支配的ではないことは明 らかになった。一方、
パ ッ ド表面 を削 ることな く、ポアエ ッジ形状 お よ びパ ッ ド表面の微小粗 さを回復 させ る効果的 な方 法 は現在の ところ見当た らない。そ うしたことか ら最後 に、パ ッ ドを元の表面状態 に戻すべ く、通 常の ダイヤモ ン ドコンデ ィシ ョニ ングによるパ ッ
ド回復処理 を行 った。Fig.5よ り、研磨 レー トの 回復率 は 105%と、ほぼ目詰 ま り前の立 ち上 げ状 態 まで回復 した。 また、Fig.6(a)に、通常 の ダイ ヤモ ン ドコンデ ィシ ョニ ングによって得 たパ ッ ド 表面状態のSEM観察結果 を示す。表面 は、先の 状態 とは大 きく異 な り、ポア内の副生成物が除去 されていることのみならず、パ ッ ドのポア形状 は 回復 し、パ ッ ド表面の微小粗 さも回復 しているこ とを確認 した。パ ッ ド表面処理では、1つのパ ッ ドに、様 々な処理 を重ねて行 ったが、最終的 に表 面 を削 りなが ら荒 らす ことで、十分初期 の研磨 レ ー トを確保で きることを示 した。
5.パ ッ ド表面の化学的改質によるレー ト低下 表面 を削 らない物理的な処理方法では、パ ッ ド のポア内に詰 まった研磨副生成物 を除去す ること
0000002
uP
rVa)t21tt!^2‑9出0 10 20 30 40 50 60 Waferno.
Fig.7.目詰 ま り過程 にお ける研磨 レー トの変化
は可能であった。 しか し、表面の微小粗 さやポア エ ッジの形状 について回復 させ るまで には至 らな か った。一方、研磨 によ り化学的にパ ッ ド表面が 改質 されている可能性 もある。 目詰 ま り過程 にお ける表面の化学的改質は、既 に一部報告 されてい るが、 ここでは、そこか ら引用 してパ ッ ド表面の 化学的な改質について述べ る4。Fig.7に、 ドレッ シングをOFF した状態の研磨 レー トの低下挙動 を示す。 ドレッシングを OFFす ると、研磨 レー トは急激 に減少す る(2812A/min‑1183A/m上n)0 その後、ダ ミーウェハ としてSiを投 入す る と、ド
レッシングを行 っていないに もかかわ らず、 レー トは回復 してい る(1183A/min‑ 1629A/min)。パ ッ ド表面の物理的 な形態 は回復 してお らず、ほ と ん ど変化 していない。 この研磨対象材料 を変 えた ことによる研磨 レー ト回復挙動 は、パ ッ ド表面の 化学的な影響 を示唆す る。Fig.8に、Fig.7に対応 したパ ッ ド表 面 の FT‑IR スペ ク トル を示 す 。 FT‑IRスペ ク トルの結果か ら、パ ッ ド表面が加水 分解 していることを示 してい る。パ ッ ドの化学的 な改質は、スラリー内 に存在す るシラノールが、
パ ッ ドを構成す るポ リウレタン内の極性分子 と水 素結合す ることによ り起 こるとされている。その 結果、極性分子が食 いつぶ され、パ ッ ドの吸湿性 が低下す るためスラリーの保持性が低下 し、研磨 レー トが低下す る。いずれに して も、パ ッ̲ド表面 の化学的改質は、FTIRのスペ ク トル結果か らも 明 らかに起 こ?てお り、 目詰 ま り過程 における化 学的改 質は、研磨 レー ト低下の一因 と考 え られる。
950E‑02
75日E‑02
i50E・02
̲ 15OE102
15(ほ‑02
15()OE‑01
4O(州 ̲15(M 一 oo() 250() 20O() )5OtJ I(XJr) .ion w avenumt℃r cm l
Fig.8.目詰 ま り過程 で の表面 のFT‑IRスペ ク トル
‑23‑
6.新 しいバ ッ ドドレッサーの開発への展開 cMPにおける ドレッサーの役割 は、 目詰 ま り による研磨 レー ト低下 を防 ぎ、研磨 レー トを安定 維持 させ ることである。 よって、 よ り効率的なパ ッ ドドレッシ ングを行 うためには、研磨 レー ト確 保 におけるパ ッ ド表面の支配的な要素 を抽出 し、
それ らの要素 に効果的な最小 限の回復処理 を施せ ばよい。本研究では、 このパ ッ ド表面 を回復 させ る支配的要素の明確化 に加 えて、CMPに要求 さ れる ドレッシング仕様 を見直 し、 また現在の ドレ ッサーが抱 える問題点 を考慮 した上で、新 しい ド レッサーを開発す ることとした。
6‑1.レー ト回復 に必要 なパ ッ ド表面機能
パ ッ ド表面 を回復 させ るため に必要 な要素 とし て残 された要因は次の3つ となる。
・ポアエ ッジの形状
・パ ッ ド表面の微小粗 さ(一部)
・パ ッ ド表面の化学的改質
特 に、パ ッ ド表面の化学的改質が レー ト低下 に 影響 している事実か ら、パ ッ ドの表面回復 のため に、表面 を物理的 に削 ることは避 け られない。 し か しなが ら、一般的に行 われているような単純 な デ ィスク型 ドレッサーでパ ッ ド表面 を研削す る場 合、表面研削量が多 くな り、その結果、パ ッ ド寿 命 は短 くなる。
そこで、パ ッ ド表面の微小粗 さ回復 とポアエ ッ ジ形状の効果的な回復 を図るために、従来の 「表 面 を押 し削 る」効果ではな く、「微小 に掻 き削 る」
効果 によって、パ ッ ドの表面状態の回復 を試みた。
具体的には、小 さな針 を使用 して表面 を微小 に荒 らして表面状態 を観察 した。Fig.9に、微小 な針 で削 り取 った後のパ ッ ド表面の SEM観察結果 を 示す。針の先端で微小 に削 り取 ることで、定性的 ではあるが、パ ッ ド表面のポアエ ッジ形状 を再生 す ることがで き、表面の微小租 さも回復 で きてい る。 また、表面の研削量 も微小 な力で削 ることが 可能である。以上か ら、パ ッ ドの表面状態の回復 に効果がある見通 しを得 た。
6‑2.ドレッシングの要求仕様
100um
Fig.9.針 で掻 き削 った後 のパ ッ ド観察表面
T=!fi;・.I=:;ドレッシング領 域 うね り幅‑100mm
高低差の要 因 二パ ッ ド厚 み誤差 、接 着部厚 み誤差 、 貼 り付 け誤差等
Fig.10.CMPに要求 され る ドレッシ ング仕様 cMPで使用 されるパ ッ ドは、パ ッ ドの厚みむ らや研磨定盤への貼 り付 けむ らがあることか ら、
貼 り付 け後のパ ッ ドは平面ではない。貼 り付 けた 後のパ ッ ド表面は通常 30FLm〜50FLm 程度の高 低差 を もつ。 しか し、CMPにおいては、 ウェハ 面内 を均 一 に研磨す るため、 この ような起伏 を有 す るパ ッ ド表面 に対 して も、表面 に倣 って均一 に ドレッシングす ることが求め られる。Fig.10に、
cMPに要求 され るパ ッ ドドレッシングの仕様 の 概念図 を示す。パ ッ ドは弾性材料であることか ら、
cMPにお けるパ ッ ドドレッシングは、弾性材料 の表面基準研削加工 と位置付 けることがで きる。
開発す る ドレッサーはこうしたカテ ゴリーに見合 う普遍性 を有す る構成である必要がある。
6‑3.現在の ドレッサーの問題点
従来のパ ッ ドドレッサーでは、 ダイヤモ ン ド砥 粒が電着 された ドレッシングプ レー トを、パ ッ ド
に押 しつけて ドレッシングを行 うのが一般的であ る。Fig.11に、従来のパ ッ ドドレッサー機構図 を
示す。(a)は ドレッサーを軸受 に完全 固定 した場合 を示す。 この ような状態では、 ドレッサーはパ ッ
ド表面 うね りの山部分のみ を削 り取 ることになる。
そのため、パ ッ ド表面 に沿 った均一な ドレッシン グはで きない。一方、(b)の ドレッサーはジ ンパル 機構 を介 して、 ドレッサー面がパ ッ ド面 に倣 うよ うに保持 されている。 しか し、 この機構では、実 際の ドレッシングにおいてパ ッ ド表面 に倣 って均 一 に ドレッシングで きない。 なぜ な ら、高速運動 す るパ ッ ドに接触す る ドレッサー表面 には大 きい 摩擦力が働 くため、 ドレッサーはパ ッ ドに対 して 傾 くか らである5。傾 くことによって、摩擦 が軽減 されると ドレッサーは元の姿勢 に戻 ることか ら、
結果的 には断続 的 にパ ッ ドに接 触(ステ ィックス リップ)することになる。その結果、原理上パ ッ ド 周方向にば らついた ドレッシ ングとなる。 この よ うなことか ら、従来のパ ッ ドドレッシングにおい ては、現時点で問題が表面化 していないか もしれ ないが、弾性体の表面基準研削 とい う観点か ら、
構造上 において本質的な問題 を抱 えていると考 え られる。
7.新 しいパ ッ ドドレッサーの提案 と効果の検証 以上 に述べ た3つの観点か ら新 しい ドレッシン グ機構 を考案 した。Fig.12に新 しく考案 した ドレ ッシング機構 を示 し、Fig.13に、 ドレッサーの接 触外観写真 を示す。 ドレッサーは、可擁性部材の 先端 に砥粒 を配置 した構成 とす る。一つ一つの砥 粒 は独立 して変位 し、パ ッ ドの表面 に沿 って接触 す る。砥粒 を保持す る可摸性部材の曲げ変形 ・座 屈変形 によ り、パ ッ ド表面の うね りの高低差』Ⅹ
に対 して、1つ 1つの砥粒 の接触圧力差』Pは、
非常 に小 さ くで きる。結果 と して、パ ッ ド表面の うね りに関係 な く、絶 えず一定圧力下でパ ッ ド表 面 を研削す る ドレッシ ング機構 になる。
この構成 は、先 に述べ た ドレッサーの3つの開発 指針 をすべて満足 している。
・レー ト回復 に必要な機能である 「掻 き削 り効果」
により表面の微小租 さの回復 やポアエ ッジ形状 の回復が可能であること。
・CMP ドレッシングの要求仕様であ るうね りを 有す るパ ッ ド表面 に対 して、絶 えず一定の研削
二 ∴
̲
Padmotion (a)軸受 に よ り水平 回転す る場 合
(b)ジ ンパ ル機構 を用 いた場 合
Fig.ll.デ ィス クプ レー ト型 ドレッサ ーの接 触機構
Fig.13.可挨性 ドレッサ ーの接 触外観 図 圧力 を与 える均 一 ドレッシング機構であること。
・現 ドレッサーが抱 える潜在的な問題点である ド レッサ ー面板 の断続 的 な接触(ステ ィックス リ ップ)をな くす機構であること。
本仕様 に基づ く ドレッサーがパ ッ ド表面の高低 差 によらず、均 一 に ドレッシ ングす る効果 を確認 す る。均 一な ドレッシング能力 を確認す る簡易的 な方法 として、パ ッ ド表面 を染色 して ドレッシン
‑2 5 ‑
グを施 し、染色 した部分が除去 され る色 む らか ら ドレッシ ングの均 一性 を評価 した。Fig.14に、従 来の ドレッシ ングデ ィス クに よ り ドレッシ ング し たパ ッ ド表面 と新 しい可挨性部材 による ドレッシ ングのパ ッ ド状態 を比較 して示す。従来の ドレッ シ ングデ ィス クでは、表面の ドレッシ ングがパ ッ ドの貼 り付 けむ らを転写 してい るの に対 して、新 しい可操性部材 による ドレッシ ングでは、パ ッ ド 表面が色 む ら無 く、均 一 に ドレッシ ングされてい る。現在 の ところ、CMP ドレッシ ングに村す る 適 用可 能性 を検討 してい る段 階 で あ るが、CMP
に求め られる仕様 に対 し、従来の ドレッサー と比 較す る と、極 めて妥当 な構成 である。今後、砥粒 脱落等の品質管理上の問題 な どに もケア しなが ら、
均 一 ドレッシ ングに対す る効果 を詳細 に確認 し、
実用化へつ なげてい く。
8.まとめ
研磨 レー ト確保 に大 き く影響す るパ ッ ド表面の 支配的な要因 を検討 した。 この支配的 な要因 に基 づいて、パ ッ ド表面 を効率的 に回復 再生す る新 し い ドレッシ ング方法 を検討 し、パ ッ ド表面 を均 一 に ドレッシングで きる見通 しを得 た。
本研究で得 た結果 を以下 に述べ る。
(1) 目詰 ま りしたパ ッ ドを使用 して、表面 を削 る ことな くレー トを回復 させ るこ とを試 みた。
結果 として、高圧 ジェ ッ ト水処理後 は、21.8%
研磨 レー トが 回復 し、その後の ブラシ処理で は31.4%回復 した。また、パ ッ ド表面 のSEM 観察結果か ら、 これ らの処理 は、パ ッ ド表面 のポアに詰 まってい る研磨 の副生成物 を除去 す る機能があることを確認 した。
(2)パ ッ ドの表面改 質 ・ポ アエ ッジの回復 、 な ら びに表面 の微小粗 さの回復 は、表面 を削 るこ とな く、回復 させ るこ とは困難 であ る。 これ らの要素 を効 果的 に回復 させ る方法 として、
微小 な針で 「掻 き削 る処理」 を施 した。SEM に よる表面観察 の結果 、パ ッ ド表面が 回復 し ている見通 しを得 た。
(3)レー ト回復 に有効 な処理方法 お よび、CMPに 求め られ る ドレッシ ング仕様 、従来 ドレッシ ングの問題 点の3つ を加味 して、可挨性 部材 を使用 した新 しい ドレッサ ー を考案 した。染
50mm
l l
(a)初 期 のパ ッ ド表 面状態 (染 色 後 )
50mm
l l
(b)従 来 ドレッサ ー に よる ドレッシ ン グ後
50111111
1̲ 可境性部材
(C)開発 した ドレ ッサー に よる ドレ ッシ ン グ後 Fig.14.簡易 的評価 に よる ドレ ッシ ング均 一性
色パ ッ ドを使用 した簡易 テス トの結果 、従来 の ドレッサ ー と比較 して、均 一 に ドレッシ ン
グで きることを確認 した。
(参考文献)
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3 HiroyukiKojima,TakashiNishiguchi, ProceedingsofCMp‑MIC(2003)37・
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