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専 攻

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Academic year: 2021

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専 攻 教科・領域教育 コース

矧 7

系 美 体 刑 氏 名 奥 谷 麻 里 亜

人間は自然の中で生き,必ず繰り返される 季節の変化の美しさ,はかなさを肌で感じ,

多くの感動を得ている。これまで、の作品でモ チーフにしてきた花や木,水と太陽の光との 交わりや重なりなどは私たちの身近なもので ある。そしてなにげない風景でありながら心 が和み,自然の偉大さを素直に感じることが できる口染色は,布の厚さや布の乾き具合の 違い,染料の濃度,色と色との重なりによる 深みや防染技法により,透明感を失わず様々 な表現が可能であるとしづ特徴がある。常に 発見をしながら制作でき,楽しさと奥深さを 感じる。そして何よりも染めた色味やにじみ は湿度や防染剤の反応の違いによって微少

i

こ 変化し,その作品だけの味わいを作る。この 特徴を最大に生かし,鑑賞者にも自然の優し さや存在感を伝えられる作品でありたい。そ して自分自身も自然の偉大さを改めて感じら れる作品を作ることが最大のテーマで、あるo

「光跡」

これまでの制作では朝や昼間の太陽の光と 自然をモチーフとしてきた。きらきらと水を 輝かせ,葉と葉の隙間から見せる光など,そ の美しさに魅せられたからである。ところが 夜間,大学の帰り道でいつも通り慣れたはず の並木道の美しさが,今まで、私の中にあった 光と自然の美しさを違った形で、魅了した。月 や街灯など,夜に荊生する光によってで、きる 多くの葉の影は,主主の強弱によって様々な色

指導教官 氏名 西 田 威 汎

味や大きさとなり 風に揺れ動く様は幻想的 な雰囲気を持っている。実物以上に存在感を 表し,抽象と具象の両面を持つ独特の形の影 に強さを感じた。この並木道を通るたびに明 るい時とは違った表情を見せる葉の美しさ,

力強さを表現したいと考えたのである。

修了制作として,これらの感動や自然の偉 大さを染色で表現するとき,長く続く並木道 のように横に長くパネルに構成した方がより よく表現できると考えた。その中で,葉の影 が内に秘めた暖かさまでも感じられる作品に したい。大地から上へ伸びている木の葉の影 は間接的な姿であるにもかかわらず,非常に 力強い。布はバニランという少し薄めの綿を 用いた。横に見える織りがやさしい雰囲気を 持ち,光の透明感がよりよく出せる。夜のし んとした静けさと,冷たい空気の中の影の情 景を伸びやかに表現できる。実際に並木道や 葉の影のスケッチをし,さらに舞い散る葉を 描き加え,図案を考えた。大きな影の形と背 景のつながりを何度も構成し 6色の葉は自 由に動きを持たせて散りばめた。繰り返され た3つの画面がひとつとなり,規則性とつな がり

l

こよって作り出される独特の形の面白さ が出るようにした。白地あるいは明るい色を どの程度にして残すのか,図案と照らし合わ せながら,蝋で伏せては染める作業の繰り返 しを行ラ。白のない染色では,し、かに布の白

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さを生かすかが大切だと常に考えている。

強さの違うコントラストが作り出す形は作 品の強さにかかわるからである。染料は簡 単に色を作り出せ,染めやすい反応性染料 のプロシオン染料,防染には蝋(パラフィン) を用いた。防染力の強さと蝋の上からの浸 透性や,自由に描くように防染できる特徴 を最大に生かした。また,蝋は上からの浸 透や蝋からにじみ出して染まることも独特 の味わいを持つ。蝋の上に残った染料を拭 き取る,あるいはそのまま残すなどして影 の様子や色の濃淡の変化,画面の動きを表 現するのに生かした。

まず,原寸大の型紙を作り,布にうっす。

白く残す葉の部分を蝋で伏せ,イエロー,

レッド,ターコイス、ブルーを刷毛でぼかし ながら全体を明るめに染める。この色を残 す部分を蝋で防染し,ブロン,ブラック,

ネイビープノレー,イエロー, レッドの染料 を少量ずつ加え,乾いた状態の色を確認し,

自分の思う色に近づけながら染めてし、く。 葉全体に降り注ぐ光を,細かく散りばめた 蝋で表現し,同じ工程を 3段階繰,り返して 深みを出した。赤と自に固まれた部分は葉 やその情景が持っている優しさと安らぎ,

緊張感を包み込み.~震が光を吸収し,暖み

を持って存在する様子である。最後に熱湯 で蝋を取り,水で余分な染料を洗い流し,

透明感を残してできあがった作品が光と葉 の表現として完成した。

また,参考作品は着物の制作である。生 地からも自然が感じられるよう,花模様の 入った丹後ちりめんを使用した。凸凹のあ る表面に染料が少しずつにじみながら染ま る面白さは,制作意欲をさらに高める。ち りめんは柔らかく繊細で少し黄色味がかっ た白がやさしさを持っている。パネノレと同 様,生地の白さを残しながら,広がりや{申

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びやかさを大切にした構図である。ネイビ ープノレーを基調とした色合いや蝋で表現し た降り注ぐ光の様子で幻想的な雰囲気を表 した。どちらの作品も落ち着きのある色合 いで仕上げ,布や形の違いを利用し,光と 影の暖かさと幻想的な情景を表現した。

布の白さを美しく感じ,染めることで布 のよさをさらに引き出すことができた。し かし自分の思うように染まらないこともあ

り,染色の難しさを感じる。これまでの制 作で経験した失敗や発見を生かし,染色の 透明感や色の美しさを,自然や光の美しさ として表現できる制作を今後も続けていき たいと考える。

修了作品 「光跡J

参考作品 「光跡IIJ

参照

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