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プロクター貫入試験による暑中コンクリートの打込み管理

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Academic year: 2022

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プロクター貫入試験による暑中コンクリートの打込み管理

みらい建設工業株式会社 正会員 ○石原 慎太郎 みらい建設工業株式会社 戸辺 慶太郎

1.はじめに

暑中コンクリートの打設にあたっては,コールドジョイントを発生させないよう,練始めから打設完了まで の時間を所定時間内に収まるように計画すると共に,打込み中のコンクリートの状態を把握することが重要で ある.本報告は,港湾構造物である防波堤のケーソン製作工事において,プロクター貫入試験を行い打込み管 理した事例について述べる.

2.工事概要

工 事 名:平成 21 年度 茨城港常陸那珂港区東防波堤本体工事 発 注 者:国土交通省 関東地方整備局鹿島港湾・空港整備事務所 工事内容:本体工 ケーソン(29.6m×22.0m×24.5m)製作 3 函

中詰工 函台工

3.コールドジョイントを抑制するための管理値の設定

暑中コンクリート施工時のコールドジョイント対策において,再 振動締固めに適するか否かの判定には,プロクター貫入試験による 凝結始発までの時間が目安となる.

コールドジョイントの発生の防止を目的として打重ね部の強度と 打重ね時間の管理を事前にプロクター貫入試験と実施工で試験可能 なN式貫入試験を実施し,貫入量と経過時間の相関関係を求め,実 施工でのN式貫入試験の管理値を設定した.写真-2 にプロクター貫 入試験実施状況,写真-3 にN式貫入試験実施状況写真,図-1 に関係 図を示す.

キーワード 港湾構造物,ケーソン,暑中コンクリート,プロクター貫入試験,コールドジョイント,

連絡先 〒105-0014 東京都港区芝 2-14-5 みらい建設工業株式会社 東日本土木本店 TEL03-6436-3723 写真-3 N式貫入試験実施状況 図-1 N式貫入量とプロクター貫入抵抗値の関係図

N式貫入量 - プロクター貫入抵抗値

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0

0.001 0.010 0.100 1.000 10.000

プロクター貫入抵抗値

管理基準値:7.0cm

写真-2 プロクター貫入試験実施状況

突き棒を自由落下させて、

貫入量を測る。

突 き 棒

( φ 15)

塩 ビ 管

( φ 25)

1,000 750 250 250

写真-1 常陸那珂港東防波堤本体ケーソン 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑947‑

Ⅵ‑474

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4.コンクリート打設計画

暑中コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は,

1.5 時間以内が標準であるため,30 分以内で運搬が可能である JIS 工場の中からコンクリート製造工場を選定した.また,混 和剤に遅延型 AE 減水剤を使用し,運搬及び打設時のスランプ ロス低減とワーカビリティの改善を図った.

コンクリートポンプ車は打設速度を考慮して図-2 に示すよ うに 2 台配置した.コンクリートの打上がり高さは 50cm 以下 とし,計 6 層の層状打ちとした.また,1層当り 60 分以内と なるようミキサー車の配車ならびに運行管理を行い,コールド ジョイントの発生を防止した.

5.測定結果

表-1 にN式貫入試験結果に示す.本工事の夏季期間におけ るコンクリート打設において,打ち重ね時間間隔は 1.5 時間以 内,打ち重ね時のN式貫入試験結果は最小値:7.0cm,平均値:

14.9cm であった.

相関関係を求める事前試験結果に基づき,管理基準値内で施 工することでコールドジョイントの発生を防止し、コンクリー トの品質を確保することができた.

6.まとめ

暑中コンクリート施工時のコールドジョイント防止対策において,設計・施工・材料の面から各種上げられ,

本工事においても様々な対策を行った.プロクター貫入試験は直接的なコールドジョイント防止対策ではない が,コンクリートの硬化を確認する有効な手段であり,施工時において定量的に凝結始発を把握することがで き,結果としてコールドジョイントの発生を防止できた.実施工の管理に用いた事例は少なく,この貫入試験 の結果が今後の暑中コンクリート対策に役立てば幸いである.

参考文献

・コンクリート標準示方書[施工編]〈2002 年制定〉(土木学会)

・コンクリートライブラリ 103 コンクリート構造物のコールドジョイント問題と対策(土木学会)

打設日 打設場所 最大値 最小値 平均値 打設日 打設場所 最大値 最小値 平均値

H21.7.6 G-14 2段目 16.0 7.0 10.5 H21.8.24 G-14 7段目 18.0 10.0 14.4 H21.7.14 G-14 3段目 18.0 9.0 14.9 H21.8.26 G-15 6段目 20.0 10.0 14.5 H21.7.17 G-15 2段目 20.0 8.0 14.1 H21.9.1 G-14 8段目 17.0 10.0 14.1 H21.7.24 G-14 4段目 21.0 13.0 17.0 H21.9.3 G-15 7段目 18.0 9.0 14.4 H21.7.29 G-15 3段目 20.0 13.0 16.3 H21.9.10 G-15 8段目 19.0 10.0 14.9 H21.8.3 G-14 5段目 19.0 13.0 16.4 H21.9.14 G-14 9段目 18.0 10.0 13.8 H21.8.6 G-15 4段目 20.0 12.0 15.8 H21.9.18 G-15 9段目 18.0 13.0 16.0 H21.8.12 G-14 6段目 20.0 12.0 15.4

H21.8.19 G-15 5段目 19.0 12.0 15.9  全 体 21.0 7.0 14.9

コンクリートポンプ車② コンクリートポンプ車③

コンクリートポンプ車①

港 内 側

港 外 側

2750

500以下

2500

数 字:打設順序 → :打設方向 区画 1:ポンプ① 区画 2:ポンプ② 区画 3:ポンプ③

写真-3 N式貫入試験実施状況 図-2 コンクリート打設区画及び打重ね図

表-1 N式貫入試験結果 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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参照

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