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(曲げ挙動に関する検討)

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Academic year: 2022

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キーワード 定着体 押し抜きせん断破壊

連絡先 〒371-0816 群馬県前橋市上佐鳥町460-1 前橋工科大学 社会環境工学科 TEL027-265-0111

軸方向鉄筋端部に定着体を用いた杭・柱接合部の配筋方法に関する研究

(曲げ挙動に関する検討)

前橋工科大学 社会環境工学科 今野大義 前橋工科大学 社会環境工学科 芳賀貴大

前橋工科大学 社会環境工学科 谷口 望 JR東日本 上信越工事事務所 上浦健司 1.はじめに

(1)背景

鉄道用ラーメン高架橋工事において,①地中梁 がある場合は地中梁施工が工期短縮上のネック であり,地下水位が高いと地中梁施工のための掘 削土留工に工事費がかかるので,地中梁高さは可 能な限り抑えたい.②地中梁がない場合(根巻き 鋼管タイプ)杭径が大きいと根巻き鋼管が高くな るため材料費が高く,施工性が悪いので,根巻き 鋼管高さは小さくしたい.そこで本研究では,1/4 スケール試験体を用いた実験結果をもとに 3 次 元 FEM 解析により実験値の比較を行い,破壊形 態を再現し,応力伝達のメカニズムについて検討 する.また,高架橋を模擬した柱に水平荷重を載 荷した場合の部材の曲げ挙動解析を行う.

(2)研究の目的

本研究では地中梁の高さや根巻き鋼管高さを 抑えることによる材料費の削減と施工性の改善 を目的としている.

2.解析の概要 (1)試験体

試験体の一覧を表 1 に,形状・寸法と配筋を図 1 に,試験体のモデルを図 2 に,試験体に用いた材 料を表 2 に示す.

(2)試験体の概要

試験体は,外周は鋼管に巻かれ,異形鉄筋には D19を使用したRC構造である.試験体A,Cには 異形鉄筋にD19用ナット,ワッシャーD19を定着 体として使用している.載荷方法は,鉄筋を軸方 向に引っ張ることによって行った.

(3)解析方法

解析には3次元FEM解析コードを用いる.

(4)境界条件

すべての試験体共通で,柱側鉄筋端部を固定し, 杭側鉄筋端部を引っ張る.境界条件を表 3 に示す.

表1 試験体一覧

1 試験体の形状・寸法と配筋方法

(a) 鋼管と鉄筋 (b)試験体 A,C (c)試験体 B

2 試験体のモデル

2 使用材料と構成則

3 境界条件

コンクリートの材料構成則において,引張軟 化特性においてはコンクリート標準示方書モデ ルを,圧縮ひずみ特性においては修正 Ahamadモ デルを用いた.鋼材の構成則にはバイリニア型を 用いて解析を行った.

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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3.解析結果と考察

解析結果の鉄筋の荷重-ひずみの関係の例を図 3 に示す.これは図1の三角で示した部分を計測 位置とした.また最大耐荷力の比較を表4に示す.

解析における最大耐荷力は実験の破壊点の変位 の平均値である 7mmの時の値を用いた.実験で は鉄筋の引張側からひび割れが入り,鉄筋を繋げ るように円形にひび割れが入ったのち,綺麗な円 錐台の形に引き抜きが始まった.試験体3つの結 果としては,実験と同様に試験体Aが一番耐荷力 が大きくなる.これは,鉄筋とコンクリートの付 着と定着体による支圧において他の2体より優 れていることに起因すると考えられる.表 4 より, 解析値は実験値に対して最大耐荷力が高くなっ た実験ではある程度力の加わり方に偏りが生じ ると考えられるが解析モデルは偏りなく力が加 わるためと推察される.また,鋼管に生じるひず みは図4に示す破壊状態から,押し抜きせん断破 壊の形となり,実験と同様の挙動を示している.

また水平荷重を受けた柱からの曲げに対して は,上面に無限大の剛性鉄板を置き,その両端に 圧縮力と引張力を加え曲げ荷重を再現した.これ を図5に示す.曲げ荷重を試験体に加えると下面 は圧縮,上面は引張方向に力を加えた側のコンク リートからひびが入り始めた.また,コンクリー トが壊れるより先に鉄筋が破断するため,露出し ている鉄筋と鉄板は無限大の剛性とした.曲げ荷 重を加えると,試験体3つとも引張荷重を加えた 実験に比べて低い荷重で試験体が壊れた.この時, 試験体 A,Bは柱側の圧縮側最外縁の鉄筋が一番 大きな圧縮力を受け座屈した(図6).試験体 C は 鉄筋付着がない分,力が直接定着体に伝わるので, 圧縮側の定着体とコンクリート周りのひび割れ が大きくなり試験体が破壊した(図7).

4.まとめ

1/4 縮小試験体において引張試験と曲げ荷重を 加えたときの解析を行った.その結果,実験に対 する解析で,引張試験解析では試験体A,B,Cにお いて同じ様な挙動・破壊メカニズムを再現するこ とができた.曲げ荷重に対しては引張試験解析結

果よりも耐荷力が小さくなることがわかった.

(a)試験体A

(b)試験体B

(c)試験体C

3 荷重-ひずみ曲線

4 引張最大耐荷力の比較

図4 試験体A破壊挙動 図5 曲げ時試験体 A

図 6 曲げ破壊(A,B) 図 7 曲げ破壊(C)

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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参照

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