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エピネフリン多量投与時の心筋細胞障害の発現に関する生化学的,病理組織学的研究 : ラットLangendorff灌流心による検討

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Academic year: 2021

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全文

(1)

264 (115) 氏名(生年,月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

テラ ダ カズ ユキ

寺田一行(昭和2

医学博士 乙第929号

昭和63年3月18日

学位規測第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)

エピネフリン多量投与時の心筋細胞障害の発現に関する生化学的,病理組織学 的研究

一ラットLangendorjf灌流心による検討一

(主査)教授 広沢弘七郎 (副査)教授 藤田 昌雄,教授 高尾 篤良

論 文 内 容 の 要 旨

目的 カテコラミンによる心筋細胞障害の原因について は,これまでにも種々論じられてきているが,今日尚 不明な点が少なくない. 本研究は,カテコラミンの大量投与による心筋細胞 障害の発現機序を明らかにするため,ラット摘出灌流 心を用い,灌流液の酸素濃度や灌流圧を変化させた状 態で,エピネフリンを大量投与し,その際の心筋代謝 変化と心筋組織変化を生化学的,組織学的に検討した. 方法 実験対象として週齢16週から42週の雄性Wister ラット55匹を使用した.摘出ラット心をLangendorff 法により雪平をおこない,エピネフリソ非注入群と注 入群の2群に分け,灌流液の混合ガスは以下の4種類 を用いた.すなわち①95%0、+5%CO,,②50%0、+ 5%CO,+45%N、,③20%0、+5%CO、+75%N、,④ 5%CO2+95%N2である.心拍数は心室ペーシングに より毎分250回目固定し,三流液はKrebs・Henseleit液 を用い,垂流圧は80cm水柱圧と20cm水柱圧で検討し た.各々の混合ガスで灌流液をbubblingし,5分間灌 流後エピネフリソ100mgをを自動注入ポンプで10分 間かけて注入した.注入終了後灌流心の心尖部を液体 窒素で瞬間凍結し,残る心筋を光顕用ならびに電顕用 試料とした.液体窒素で凍結した心筋より,高エネル ギー燐酸を高速クロマトグラフィーにより測定した, アデノシン三燐酸(ATP)を心筋g乾燥重量当たりで 求め,mean±SDで表わした. 結果 1)高エネルギー燐酸の変化 ①正常面面圧系 エピネフリン非注入群のATPは95%02,50%02灌 流帳では,それぞれ16.62±3.13μmole/g,15.13±1,83 μmole/gであったのに対し,エピネフリン注入群で は,11.42±2.77μmole/g,11.93±0.77μmole/gと有 意な減少を認めた.しかし20%02,0%02ではエピネ

フリン非注入群のATPはそれぞれ6.45±1.90

μmole/g,4.93±3.85μmole/g,エピネフリン注入群 はそれぞれ5.62±1。52μmolee/g,3.65±2.31μmole/g といずれも極端な低値を示したが,エピネフリン非注 入群と注入群の問には有意差を認めなかった. ②低灌流圧系 95%02灌流罪では,エピネフリン非注入群のATP は15.29±0.68μmole/gであったのに対し,注入群の ATPは6.16±2.02μmole/gと有意な減少を認めた. 2)組織学的変化 ①正常灌流圧系 95%02灌流液では,大量のエピネフリンを注入して も光顕上,特に変化を認めなかった.50%,20%02灌 流液では,過収縮・過伸展を特徴とする心筋細胞障害

の発現率はより高くなり,0%02灌流液では全例

(100%)に認められた. ②低灌流圧系 一928一

(2)

265 95%02灌流液でも,低灌流圧系ではエピネフリン大 量注入により心筋細胞障害の発現をみた. 総括 1)80cm水柱圧95%02,50%02灌流液では,エピネ フリソ注入群は非注入群に比し,高エネルギー燐酸の 有意な減少を認めた.しかし20%0、,0%02灌流液で は,エピネフリン非注入群の高エネルギー燐酸は極め て低く,エピネフリン注入によっても有意な減少は認 めなかった. 2)20cm水柱圧95%02灌流液では,高エネルギー燐 酸はエピネフリン注入群で有意な減少を認めた. 3)組織学的には,多量のエピネフリン注入による心 筋細胞障害は,灌流液の酸素濃度が低い場合により発 現しやすく,又低灌流圧では95%0、灌流液でも発現す ることが明らかとなった.

論 文 審 査 の 要 旨

カテコラミンは生体にとって必須のホルモンであるぽかりでなく,重症心不全の治療薬として欠か すことのできない治療薬である.しかしながら,この薬物なりの副作用があることに加えて,心不全 に伴っておこる低酸素血症,低灌流状態がこの副作用を一層増悪し,果ては心筋組織の破壊にもつな がりかねないことも事実である. 本研究は,この臨床的に極めて重要な問題を動物実験により高エネルギー燐酸を媒体として調べ, 酸素濃度,灌流露との関連で明らかにしたもので,臨床心臓病学的にも価値あるものと認める. 主論文公表誌 エピネフリン多量投与時の心筋細胞障害の発現に関 する生化学的,病理組織学的研究 一ラットLangendorff灌流心による検討一 東京女子医科大学雑誌 第58巻 第1号 105~113頁(昭和63年1月25日発行) 副論文公表誌 1)心筋梗塞の発症をめぐって (3)梗塞発症に対 する生化学的アプローチ 臨床科学 23(7)867~873(1987) 2)置換弁心内膜炎の臨床病理学的検討 呼吸と循環 32(6)601~607(1984)

3)Present status of thromboembolic complica- tions in patients with prosthetic heart

valves(人工弁患者における血栓塞栓症の現

状)

Jpn Circ J 50 (9) 884~887 (1986)

参照

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